旅が終わらなかった俺の新たな旅の物語   作:ポンメロン

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第一話

 自分とまったく同じ人物というのは存在しないこれは当り前のことである。なぜなら個性という物が存在しているからだ。怒りっぽい人や前向きな人、逆に落ち込みやすい人、正しく十人十色である。

 

 では、俺自身の個性とは何か? 昔隣に住んでいたジータが言うように戦闘中緊張のあまり無表情になってしまうことか。ちなみに、ある最強の十人が揃う騎空団でのあだ名が『逃走ロボグラン君』であった。君まで必要らしい。このあだ名が着いた理由は先ほど言った戦闘中無表情になることと、面倒事を俺に押しつけて逃げようと言う謎の暗黙の了解があったかららしい。

 

 あいつら、見つけ次第殴る。

 

 まあ、個性の話はもう少し長くなるが、俺の個性は他にもあるこれは誰にも言っていないがここで言わしてもらおう、俺には過去に別の世界で生きていた記憶がある。日本という場所だが治安も良く、間違っても魔物が出てくる場所では無かった。

 

 そんな世界で育った記憶があるのだ。戦闘が怖くて緊張しても仕方ないだろう。だが、前世があったことによって周りの子供よりも早熟だったのは確かだったのだろう。なぜなら、まだ10歳だった俺を島から連れ出し12歳でお前は一人前だとほざいて父親が俺を名前しかわからない島に放置していったからな。

 

 そこからは故郷、ザンクティンゼルへと向かう旅が始まった。

 

 ある時は、先輩の女騎士に恋する後輩騎士(女性、ここ重要)に舎弟なのだから私の恋を手伝いなさいと無理やり手伝わされた。あの恋は実ったのだろうか?

 

 また、ある時は変な仮面を付けた兄ちゃんに「俺の人助けを手伝わせてやる!」「いや、いいです」と言いながら手伝わされたりした。なんか呪いの仮面を付けておりそれを外したいらしい。この世界はマジでファンタジー!

 

 他にもさまざまなことに巻き込まれながらなんとか生き残り、今日、この日、俺は故郷のザンクティンゼルに帰還した!

 

 ちなみに帰還したけど乗っていたのは帝国から逃亡する船であった。

 

 このような船に乗るきっかけになったのはある騎士カタリナに相談されたのだ。内容は「この自由な空に彼女をルリアを出してあげたいというものだった。

 

 ある島で彼女の世話になった俺は断りたかったがNOとは言えず渋々了承した。

 

 そして帝国の勢力圏外であり、自分の故郷であるザンクティンゼルに避難することにしてカタリナはルリアを連れ、俺はその間に小型艇を奪って共に脱出した。けど、カタリナが失敗したらしく追跡されて最終的には島まで帝国に着いてこられてしまった。せっかく余生の全てをこの喧騒とは無関係の島で過ごしたかったのに。

 

 

 そして、今に至る。

 

「げほっ、バンバン大砲をぶっ放しやがって! こっちにはルリアがいるんだぞ」

 

「全くだ、あのバカ者どもは」

 

「お前も元はそのバカ者どもの一人だろ!」

 

「それは今はどうでもいいだろう!」

 

「あの、二人とも喧嘩はだめですよ!」

 

「ああ、すまん」

 

 カタリナが操縦できない事は知っていたので、うる覚えの知識で戦艦からの砲撃を回避して進む。

 

「おい、ひとまず島に着陸するぞ! このままだったら空の藻屑になっちまう」

 

「分かった」

 

「落ちないようにしがみついておけ」

 

 俺は速度を上げ戦艦と少し距離をあけてなんとか着陸した。

 

「ここからどうする?」

 

「なんとか逃げ出したいのだが」

 

「それは分かってる。おいルリアは何か無いか?」

 

「はわわ、これが森ですか。綺麗なところですね」

 

 ルリアはカタリナ情報で世間知らずなのは知っていたが今は島を眺めるのは止めておいてもらいたい。

 

「どうやら、あいつらも降りて来たぞ。正直見つかるのも時間の問題だな」

 

「もう一度空に逃げることは可能か?」

 

「そうしたいが、今上がったら格好の的になる」

 

「どうしたものか」

 

「見つけたぞ!!」

 

 え!? と驚いて声がする方を見るとルリアが兵士に追いかけられてどっかに逃げ出したところだった。

 

 何やってるんだあいつ!? でも、これあの兵士が女の子を追いかけている変態にしか見えないな。

 

「カタリナ、今すぐルリアを追いかけよう!!」

 

「分かった、残った兵士は任せたぞ」

 

 ……ん? 俺共に動こう的なこと言ったよね? でもカタリナが凄い速さでルリアを追いかけていく。

 

 残った兵士三人が俺を囲い始める。

 

「敵は一人で、しかもガキ。相手にならんな」

 

「大人しくするんだな」

 

 俺は数秒間黙って呟く。これはおそらく自分に対して向けた言葉である。

 

「ふっ、倒してしまってもいいんだろう? 行くぞー!! 死に物狂いで生きてきた三年間を舐めんな!!」

 

 俺は愛銃オリバーを手に三人に飛びかかりそして勝った。

 

 ふう、新兵でよかった。心の中で安堵していると空にでかい黒い龍が現われてビーム発射して消えた。

 

 なんぞあれ? この島にいつからあんなの住みついたんだ? 俺がいない間になんでゲーム終盤で出てくるやつが住みついたんだ?

 

 軽く思考放棄しているとカタリナたちが走ってきた。なんか一人と一匹増えてるけど。

 

「ルリアは無事だったよ」

 

「そいつはよかった、それで後ろの奴は?」

 

「彼女はジータって言って私を助けてくれたんです。もう一匹はビィさんです」

 

「まぁ、成り行きだったけど」

 

 その名前は昔聞いた名前だった。

 

「お前ジータか?」

 

「うん、そうですけど。あなたは?」

 

「俺だよ、隣に住んでいたグランだ」

 

「え!? グラン!? 本当に! あのいつも私のお父さんに修行という名目でぼこぼこにされてた?」

 

「……そうです。私があなたの父にぼこられていたグランです」

 

 当時、6歳の俺に弱い男にジータは任せられないという理由で俺に襲い掛かって来たのだ。こいつの父は。しかも「ジータなんぞいらん」と言えば、形相を般若のごとく変え俺を一日中追いかけまわしてきたのだ。

 

 あそこまでの親馬鹿はなかなかいないだろう。

 

「感動の再会を邪魔するようで悪いが早くここから離れよう」

 

 さっきまでビィの頭を撫でてヘブン状態になっていたカタリナが正気に戻ったらしく話しかけてきた。おかげで俺は過去のトラウマから現代に戻ってきた。ビィはどうやらヘブンに行ったようだ。

 

「分かった」

 

 俺はすぐに船を動かして島から出た。空から眺める故郷はエルステ帝国の攻撃により燃やされていた。俺の後ろでそれを悲しげに見つめるジータとビィ。

 

 俺も同じく悲しかったが俺は別の気持ちで悲しくなった。俺の家が有った場所が更地になっていたのだ。

 

 俺に帰る場所が無いなんて、こんな悲しいことは無い!!

 

 俺の胸はこの気持ちでいっぱいだった。

 

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