「はぁ~・・・・・」
惑星アル・シャハルの港。そこで一人ハヤテは溜息を吐いていた。理由はリストラである。
「人員削減とはいえど・・・・・・・・キツイな。」
「ハヤテ、大丈夫?」
ハヤテの足元からペガッサ星人のペガが顔を出す。
「まぁね。けどここもだめだな。ヴァール騒ぎが多いって話聞くし、近いうちに他の惑星に引っ越そう。」
「うん。でも僕たちが行く先々でヴァール被害ってあるよね?」
ハヤテは歩きながらペガと話す。
「別におかくしないだろ。宇宙のあちこちでヴァールシンドロームが起きているんだし。それよりも・・・・・」
ハヤテは左腰に備え付けているものに手を置く。
「レム、この星で反応はあった?」
〈検索してみましたが全く反応はありませんでした。〉
「そっか。」
ハヤテはワークロイドに乗り最後の仕事を始める。
「どうするつもりなの、ハヤテ?」
「わかってるだろ?こういう時こそ“ジード”だって。」
ハヤテは真面目に操縦しタンカーを運ぶ。湾には作業員のモチベーションを上げるためにラジオが流されていた。
「・・・・・・・・ん?なぁ、ペガ。さっきから歌声聞こえないか?」
「僕もそう思ってたところだよ。ラジオとは別の女の子の声だね。」
ハヤテは人目のつかないところでタンカーを置くと中を確認した。すると中には女の子がリンゴの上で座っていた。
「・・・・・・・・・・・なにこれ?」
全くもってその通りであった。
その後、彼女の名はフレイアと言うことが分かった。そして勘違いしてこの星に来たということもわかった。
「まぁなんだ、良かったら俺たちと一緒に来るか?」
「へ?」
「俺さ、今日ここリストラされたんだ。んで行く当てを考えてなかったんだがお前の言う惑星ラグナってところに行ってみてもいいかなーって考え。」
「ほんまに・・・・・・ほんまにええん!」
「あ、ああ・・・・・・」
詰め寄ってくるフレイアにハヤテは体を後ろへ反らす。
「ん?でも俺たちって他にも誰かおるん?」
「ああ、それね。ペガ、出てきて挨拶して。」
「うん。」
ペガはハヤテの言葉に従って姿を現す。
「初めまして。僕ペガッサ星人のペガって言います。」
「ど、どうもはじめまして!」
フレイアは驚きながらも挨拶をする。
「まぁでも少し問題なのはこっそりここを出たらここの職場の人が逃がしたってことになって攻め立てられちゃうことだな。ペガ、システムを一部一時的にダウンさせて逃がすルートを作ることってできる?」
「大丈夫だよ。僕機械に強いし。」
「頼もしいな。んじゃ、イッチョ派手にやるか。」
ハヤテはある作戦を考えた。近くドローンが彼女を見つけるのは分かり切っていた。ならドローンを一時的に機能停止にさせてゲートの方も解放状態にする。そこをハヤテが強行突破するという考えである。
思った通りに作戦は成功。置き土産にシステムの爆や問題を直して行った。
が、そこで一つ誤算があった。それは二人が出て行くのを一人の軍人が見ていたことだ。」
「いやー、上手くいったなー。」
「でもちょっと怖かったよー。」
二人は一通りの少ないところで腰かけて休んでいた。
「でも今日行くのは無理だな。てか、まだお前見つけようとしている奴いるだろうから。とりあえず今日はこのまま俺の船に乗って寝泊まりして明日の早朝出発。これでイイな?」
「うん。あ、でもあたしどこで寝ればいいん?」
「安心しろ。消臭剤を掛けた俺の布団で寝ろ。俺は倉庫の方で寝るから。」
そんな藩士をしているとふとハヤテは足元に落ちてる小石を手に取る。
「どうしたん?」
「いや・・・・・・ちょっとなっ!」
ハヤテは物陰の方へと小石を投げる。とても普通の人間ではないほどの速度で投げた小石は壁に当たるなり壁を破壊すると同時に砕ける。すると物陰から一人の女性が拳銃を手に出て来た。
「っ!?」
女性は驚いていた。あの一瞬でハヤテは距離を詰めていた。
そしてハヤテは拳銃のスライドごと握ると握力で銃を破壊する。
「くっ!」
女性はすぐさま銃を捨てベルトに仕込んでいた小型ナイフを取り出しハヤテに突き刺そうとするがハヤテは人差し指と中指で受け止めるとそのまま折った。
「はぁっ!」
ハヤテは女性を投げ飛ばす。女性は受け身を取り地面を転がるとハヤテの方に戦闘態勢を取る。
(この少年、できる・・・・・・)
女性はハヤテに警戒をする。
「一つ聞いてもいいですか?どうして俺たちをつけていたんですか?」
「君が彼女を誘拐した犯罪者だからです!」
「・・・・・・・・・はい?」
ハヤテは首を傾げる。
「はい!密航犯はアタシです!」
女はその言葉を聞いて間抜けな声を出す。
事情を説明して・・・・・
「すみませんでした!」
見事なまでに頭を下げる女。
(こういう人ってすごいよな・・・・・・・素直に自分の非を認める女性って惚れそうだな。)
ハヤテは女を見てそう思った。
「ちなみにどちら様で?」
「ケイオス、ラグナ第三航空団Δ小隊所属、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス少尉です!」
「え!Δ小隊!」
フレイアはミラージュの言葉を聞くと反応する。
「苦情でしたら広報に―――」
「で、Δ小隊ってひょっとしてワルキューレと一緒に飛んどる?」
フレイアがミラージュに質問する。
「ええ、そうですが・・・」
「はぁ~!ゴリゴリ~!」
フレイアは触覚が光らせながら喜ぶ。そんな状況に戸惑ったミラージュはハヤテに問う。
「な、なんですか?」
「ファンなんだって。」
ハヤテの言葉を聞いてミラージュは納得する。
〈ハヤテ、大変です。〉
突然のレムからの知らせにハヤテは装填ナックルに手を置く。
〈ヴァールシンドロームが検知されました。間もなくその場は戦場になります。〉
「なんだって!」
突然のハヤテの叫びに二人は疑問にも網がすぐに警報が鳴り響いた。
ハヤテはフレイアと共に戦場と化した街の中を走っていた。
(こんなにもヴァールが発生してるのって何かがおかしい。もしかして誰かが意図的に起こしているんじゃないのか?)
ハヤテがそう思っていると歌声が聞こえてきた。
「虹色の、声?」
フレイアはその歌声を虹色の声と表現する。
激化する戦場に一人、女性が立っていた。
「やっとあったまってきたわね。」
すると女性はサングラスと帽子を放り投げ、叫ぶ。
「It’s show time!」
は、神秘!」
その女性を見てフレイアは叫んだ。
「やっぱり!美雲さん!」
すると飛行機の音が聞こえてくる。四機のVF-31 ジークフリートが旋回しシグナスが射出される。黄色いVF-31は足を出して急停止するとコックピットが開き、一人地上へと降りてくる。
「歌は、愛!」
レイナがそう叫ぶと続くようにマキナ、カナメが続く。
「歌は、希望!」
「歌は、命!」
そして三雲が言う。
「聞かせてあげる、女神の歌を!」
『超時空ヴィーナス!ワルキューレ』
美雲、カナメは両手でWを作り、レイナとマキナは二人でWを作る。
『♪~~~~♪~~~~』
ワルキューレは歌でヴァール化した人たちを静め、その隙にΔ小隊が無力化する.
「本当に・・・・歌で・・・・・」
ハヤテはワルキューレの行動に驚きを隠せなかった
〈ハヤテ、正体不明のアンノウンがそちらへ接近中です。警戒してください。〉
ヴァールを鎮圧化していた状況から一変。謎のオンノウンによってワルキューレが襲撃され、再び暴走が始まった。
ワルキューレの美雲が襲われるが彼女はどんな状況でも歌を歌う。そんな状況にフレイアの触覚は光る。
「ルンピカー!」
フレイアは戦場を歌いながら走り始める。
「バカ!くそ・・・・・・」
「どうするの、ハヤテ?」
ペガの言葉にハヤテは答えた。
「ジーっとしてても、ドーにもならねぇ!」
ハヤテはフレイアの下へ向かい走り出す。踏みつぶされそうにあるフレイアをハヤテは抱きかかえて救出すると一気にワルキューレがいるところまで一っ跳びする。
「っとと、着地成功。」
「な、ななななな、なんなん!どうやってあそこからここまで跳んだん?」
「別にいいだろ。助かったんだから。」
二人がそう話しているとワルキューレのリーダーであるカナメが話しかける。
「ちょっといいかしら?君達は一体・・・・・・」
「ああ、俺は―――」
ハヤテが自己紹介しようとするとレムからまた通信が入る。
〈ハヤテ、アンノウンの一機がそちらへ攻撃をしようとしています。どうしますか?〉
「・・・・・・・・・決まってるだろ、レム。」
ハヤテはアンノウンの方を向く。
「ハヤテ?」
フレイアはハヤテに声を掛けるが返事は帰ってこない。
「ジーとしてても、ドーにもならねぇ!」
ハヤテは装填ナックルを手に取るとカートリッジからベータカプセルを取り出す。
「ユーゴ―!」
シュワッ!
「アイゴー!」
ヘアッ!
二つのカプセルを装填ナックルに装填するとジードライザーで読み込み、胸の前で掲げ叫ぶ。
「決めるぜ!覚悟!!はぁっ!」
頭上に高く掲げるとそのまま一気に胸の前まで持ってきてトリガーを引く。
「ジード!」
ウルトラマン!
ウルトラマンベリアル!
フュージョンライズ!
ウルトラマンジード!プリミティブ!
アンノウンから放たれるミサイルを謎の光が壁となり、ワルキューレとフレイアを守った。
そこにいるのは闇の戦士の息子。しかしその心は光を持つ。
光と闇の矛盾を体現したような戦士、ウルトラマンジードがそこにはいた。
「光の・・・・・・・巨人?」
誰かがそう言った。