ドヴァキンがダンジョンに潜るのは間違い? 作:ark.knight
私たちはベルの紹介により私たちはある店の前にいた
「この店なのかベル?」
「はい!ここ、豊饒の女主人です。どうですか?」
「確かに料理のいい匂いを漂わせているな。ただ匂いだけという可能性はあるから何とも言えんし物は試しだ」
「結構辛辣な意見ですね・・・と、とりあえず入りましょう!」
ベルが先に店の中に入っていくと私たちも中に入ると店員と思われる女性がベルと話していた
「ふむ、なかなか賑わっているな」
「ようこそ豊饒の女主人へ!5名様でよろしかったでしょうか?」
「あ、シルさん。この人たちは僕の連れですので一緒でお願いします」
「そうだったんですね、では6名様はいりまーす!」
シルと呼ばれる女性に案内され奥のカウンター席に通されると
「おや、白髪のあんた達がシルのお客さんかい?女連れかい」
「いや、私の従者だ、決してこいつの連れではないぞ」
雰囲気からして以前は立派な冒険者だったのだろうな。もしかしてこやつも膝に矢を?いやそれなら衛兵になるはずなんだがな
「まぁいいさ、さっさと座りな。そこの白髪の坊やは大食漢って話じゃないかたくさん作ってやるから注文しな」
ベルはシルの方にゆっくりと顔を向けるとシルは目を逸らした
「僕はそんなに食べられないですよ!?」
「ミアお母さんにベルが来ることを話したら尾鰭が付いちゃって・・・」
「なんで訂正しなかったんですか!?」
何を心配しているのだベルは?今日のお代は私が全て出すのだから安心できるではないか
「まぁいいではないかベル、今日のお代持ちは私なのだから心配する必要はない」
「でもハイドさんは冒険者じゃないんですよね?お金だってそんなにないはずじゃ」
「何を言っている、ほれこれが証拠だ」
私は金の入った袋をテーブルに置きベルに見せると驚愕していた
「こ、これざっと100万ヴァリスはありますよ!?」
「これで安心して注文できるぞ。一番高い奴でも注文しておけ」
「はいは~い!それじゃ私はステーキ2つ!!」
「好きにしろエン、お前らも注文しておけ」
まぁ私は金には困っていないからいくらでもしてやる。なに宴会は好きだからな。それぞれが注文していると騒がしかった店がより騒がしくなる
「おいえれぇ上玉だな」
「おい馬鹿、エンブレムを見ろよ。ロキ・ファミリアだぞ!」
「それじゃ一番後ろのあいつが【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン・・・」
さっきの名前を名乗らなかった奴はアイズというのか、それよりもベルがアイズとやらに釘付けになっているな
「なぁベル、お前アイズとやらに釘付けになっているようだがもしかしてあれのせいで好きになったのか?」
「へぁ!?そ、そ、そ、そんなことありませんよ!」
「・・・バレバレだぞベル」
「うぅ・・・」
「そうだアイズ!あの話をロキに聞かせてやれよ!」
「なんや面白い話か?」
・・・話だけは聞いておこう。情報収集でもさせてもらうとするか
「帰る途中で何匹か逃したミノタウロスだよ!最後の1匹、誰だか知らねぇ奴が始末してそいつに担がれたいったトマト野郎の話だよ!」
なんだ俺とベルの話か、本題はトマト野郎・・・ベルの話なのだろうが胸糞悪いな
「アイズに助けられるまでそのひょろくせぇガキが壁際まで追い込まれちまってよぉ!ありえねぇぐらい打ち震えて顔を引きつらせてやんの!」
「・・・あれ最低」
ヒョウと私は現場を目撃しているので分かるがあれは仕方ないとは思う。私も駆け出しの時に弓で巨人に挑んだがまるで歯が立たなく逃げてしまったことがある。それと同じことだろう
「それでアイズによって斬られたミノタウロスの血を浴びて真っ赤になってよ!アイズを見て逃げ出したんだとよ!」
「・・・ベル、気にするな」
ふとベルの方に目を向けると俯いて握り拳を作っていた。冒険者は一時の感情に飲まれてはいけないと私は思う
「あははは!そりゃ傑作やな!冒険者を怖がらせるアイズたんマジ萌えや!」
「ふふふ・・・アイズさんすみません、我慢できません」
「ほんとざまぁねぇよな。そんなんになるなら冒険者になんてなんじゃねぇっての。ああいう奴がいるから俺たち冒険者の品位が下がるからよ、勘弁してほしいぜ」
私としてはお前のように他人を蔑むような言動してる方が品位が下がるからやめて欲しいものだ
「いい加減そのうるさい口を閉じろベート、ミノタウロスを逃したのは私たちの責任だ我々の不手際だ。巻き込んでしまったその少年に謝罪することはあれ、酒の肴にする権利は無い。恥を知れ」
「おーおーさすがエルフ様、誇り高いこって。でもよそんな救えねぇ奴を擁護して何になるってんだ?それはてめぇの失敗を誤魔化してるだけで自己満足だろ?ゴミはしょせんゴミだ!」
胸糞悪い。いっそ殺してしまおうかと思うほどに胸糞悪い。弱いから強くなろうと必死に頑張っているベルがゴミ?勝手にそんなことを抜かすお前の方がゴミだとは私は思う
「アイズはどう思うよ?あんな奴が同じ冒険者としてどう思うよ?」
「・・・私は仕方ないと思う」
「なんだよ、いい子ちゃんぶってよ・・・じゃあ質問を変えるけどよあのガキと俺、ツガイになるとしたらどっちがいい?」
「ベート・・・酔ってる?」
「うるせぇ、それでアイズ選べよ雌のお前はどっちの雄に滅茶苦茶にされてぇんだ?」
「・・・私はそんなこと言うベートさんとだけはごめんです」
「無様だな」
「黙れババァ・・・じゃあ何か、お前はあのガキに好きだの愛してるだの目の前で抜かされたら受け入れるってのか?」
「・・・っ」
「そんな筈はねぇよなぁ、自分よりも弱くて軟弱で救えない、気持ちだけが空回りしてる雑魚にお前の隣に立つ資格がありはしねぇ。他ならぬお前がそれを認めねぇ。雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインに釣り合わねぇ」
「っ!?」
「おいベル、どこに行くのだ?」
あの犬耳をした男の話を聞いたベルは店を出ていってしまう。まだ料理も出されていないのにだ、まぁ仕方ない
「お前らベルを頼む」
『かしこまりました!』
ドレ達四人にベルの後を追わせるように指示するとアイズと目が合ってしまった
「あ・・・見つけた」
「あぁん?アイズ、そのナス野郎が超遠距離狙撃した奴か?」
ナスが何だか私には分からないがこの犬っころは私を侮辱したか。よろしいならば
「うるさいぞ犬耳」
「誰が犬耳だ!俺は
私の方に狼人とやらを名乗るやつが私に近づいてきて胸倉を掴んでくる。伸びるのでやめて欲しいのだがな
「なんだてめぇ、一級冒険者がどれくらい強いのか分かってねぇようだな」
「その一級冒険者とやらは自由に人を罵ることができるまでに偉くなるのか?」
「弱い奴に何言っても変わんねぇだろうがよ。んでてめぇは俺に歯向かうだけのレベルはあるのか?」
「さてな」
「んだと!まさか実力も無しに歯向かってんのか!いひひ、これは傑作だぜ!」
こいつあれだ、ちゃんと力量を吐かれていない奴だ。こりゃ溜息つきたくなる
「うるさい、お前程度恩恵とやらは無しで十分だ」
「けっ!てめぇ表に出ろぶっつぶしてやんよ!」
「ベート!相手は「構わん」何?」
何やら小柄少年はこの狼人を庇うようだが私はこう思う
「私よりこっちの無事でも祈ってた方がいいぞ?」
そう言い私は店を出ていく。さて犬っころを躾けるとしよう
何やら嫌な予感がする。彼は恩恵無しでベートを倒すと宣言したが普通はありえないはずだ。だが僕の親指が疼く、しかも嫌な疼き方だ。
「どうしたの団長?」
「彼から何か嫌な予感がする。僕の親指が嫌な疼き方をしてしょうがないんだティオネ」
「それってマズイんじゃない!?」
彼女、ティオネは立ち上がり外に行ってしまった。念のために僕も行ってみよう
「私も行く」
「アイズも行くのかい?」
「うん・・・ドヴァキンの実力を見てみたい」
「それじゃあ行こうかアイズ」
僕たちも揃って外に出るとそこには驚きの光景が広がっていた。あのベートが背後を取られ首にダガーの背を当てていた
「て、てめぇ、何をしやがった!?」
「この程度も気づけないようではお前の方が雑魚のようだな」
「ベートがあそこまでやられるなんてね。ティオネは先に見てたけど何かわかったかい?」
ティオネは首を振るってことは何もわからなかったのだろう
「ただベートと同時に1歩足を進めたら彼の姿が消えて次に姿を見せた時はベート背後を取って首にダガーを当ててたよ」
「それは本当なのかい?恩恵も無しにそんなことをできるとは思わないけど」
「さて犬っころ、お前が話していたトマト野郎ことベルが話を全て聞いていたのだがそれについてはどういう考えだ」
「けっ、んなもん決まってんだろ。あれはあいつが弱いからああなったんだろうが!」
「そうか、では貴様は同じぐらいのときはどうだったのか聞かせて貰おうか。そこまで豪語できるというのは普通に倒せたのだろう?」
それは無理だ。ベートだって絶え間ない努力でレベルを上げたがそんなことができたのはアイズぐらいだ。僕だってそうだった
「そ、それは・・・」
「自分でできなかったことを言うな。雑魚が」
「てめぇ侮辱すんじゃねぇ!」
ベートは無理やり振りほどき彼と距離を開けた。ベートは格闘主体だが距離を開けては攻撃はできない、なら・・・
「やめろベート!」
「うるせぇ!ここまで言われたならこいつを殺す!」
ベートは彼を殺す為に駆け出す。誰にも止めることはできないこれでは彼が殺されてしまう!私はベートを止めるために走り出すが彼は殺されることはなかった。それどころか
「なんやあれ!?体術でも無いし魔力の発生も無しにどうやったんや?」
「自分の力量も測れない雑魚が粋がるな」
「す、凄い。ねぇあなた今何をしたの!?」
「教える義理は無い。そして名前も知らない奴に名乗る名前もない」
「それは嘘・・・あなたはドヴァキン」
そうアイズは彼の名前を聞いていた。彼の名前はドヴァキンのはずだ
「あれは嘘だ、私の名前ではない」
「ははは、君は平然と嘘をつけるんだね」
「称号だ。だから嘘ではない」
「ということは君は本当はレベル2以上なんだよね?」
「だから言っているだろう、私は恩恵も持っていないしどこにも所属していない」
まさかの話だ、恩恵を受けていないどころかどこにも所属をしていない仮面を着けた彼はおかしいほどに強かった。もし彼が恩恵を受けようものならたぶん僕以上の強さ、もしかしたらこの都市で最も強い冒険者になるかもしれない
「遅くなったけど僕はロキ・ファミリア団長のフィン・ディナムだ。君の名前は何だい?」
「私はハイド・クロフィだ。種族はエルフだ」
「それは嘘やな。あんた本当の種族はなんや?」
まさか種族さえも偽っていたのか、隠さなければいけないほどのものを抱えているかもしれないからこここは様子見することにしよう
「あまり変わらないと思うのだが本当の種族はハイエルフだ」
「ハイエルフなのか。私と同じだがあなたの名前を聞いたことなんてないぞ?」
ハイエルフはエルフの領地では皇族の意味を為す。リヴェリアも同じハイエルフでも名前すら知らなかったのは驚きだね
「お前の知らないところから来たのだからそうに決まっている」
「さっきからあなたは何ですか!?平然と嘘をついてあまつさえもリヴェリアさんをお前呼びするなんて!」
レフィーヤはハイド君に食って掛かるが仕方ないとは思う。なんせ彼は私とアイズにベートぐらいの名前ぐらいしかわからないのだから
「名前を知らない奴を私がどう呼ぼうか勝手だろうに、私は中に入らせてもらうぞ」
「ちょっと待って欲しい、こんなことを起こしておいて図図しいかもしれないけど少し君と話をさせてもらえないだろうか?」
「団長!?こんな奴に話しなんてする必要なんてないですよ!」
「すこし黙っててくれないかなレフィーヤ、これは大事な話なんだ」
ごめんねレフィーヤ、でもこれは僕たちロキ・ファミリアの為でもあるんだ
「・・・出過ぎた真似をしてすみません」
「いやいいんだよ。さてハイド君、僕と話をしてもらえないかな?」
「まだダメだ。まずはベルの謝罪をしてからにしてくれ」
「分かったよ。それじゃあそれまで中で待ってるよ」
当然僕がするのは決まっている。そう彼をスカウトするんだ
私はカウンター席に座りベルを待っていた。しばらくするとドレ達はベルが逃げないように囲んで店の中に入ってくる。当のベルというと強く握り拳を作って悔しがっていた
「ただいま戻りましたよ!!」
「お疲れ様4人とも料理は来てるから食うといい。さてベルは私についてこい」
私はベルの手を引きフィンの下に連れていくとフィンは立ち上がりベルの方に体を向ける
「君がベル君だね、今日は重ね重ねすまなかった」
「あ、いえ!僕がアイズさんに助けて貰わなきゃ僕は死んでいましたし、それにベートさんの言うことも本当なので」
「あのミノタウロスは僕たちの不手際で君に被害が出てしまったんだ。だから今度正式に謝罪するようにするけどそれでいいかい?」
「分かりました。そのアイズさん!」
「ん・・・何かな?」
ベルは椅子に座ってるアイズに深く腰を折って話し始めた
「あの時僕を助けてくれてありがとうございました!」
「私は何もしてない・・・したのはハイドだよ?」
「へ?」
「あの時ハイドが弓で狙撃してミノタウロスを倒したんだよ」
「それでも感謝してます。ハイドさんもありがとうございました!」
やれやれ私はただあの牛頭のモンスターがどれほどなのかを知りたかっただけなのだがな
「これでいいかいハイド君」
「まぁいいだろう、では失礼するぞ」
私は空いていた椅子に座ると私はフィンと話し始める事にした
「僕の話に付き合ってくれてありがとうね」
「御託はいいさっさと始めてくれ」
さっきからこちらを睨んでくる茶髪蒼眼の奴から早く離れたいのだ
「わかった、単刀直入にいうと君をロキ・ファミリアにスカウトしたい」
「なんやて!?ほんまかフィン」
「ああ、彼は恩恵無しにベートを倒したこともそうだけど何よりもアイズが言っていた超遠距離の狙撃をした事を評価して僕は君をスカウトしたい」
「やったじゃないですかハイドさん!あのロキ・ファミリアに入れるんですよ!」
ベルは何を興奮してそういってるのかが分からない。同胞団みたく名声があるのかもしれないが私が望むものが無ければ意味がないのだからな
「落ち着けベル。これは私の問題でお前が興奮してどうする?」
「あ、すみません」
「さてフィン幾つか質問させてもらうぞ。まずはどれだけの設備があるのだ?」
「設備かい?そうだね、図書館とか訓練場、娯楽施設ぐらいかな」
「次は団員は必ず拠点に住まなければいけないのか?」
「ロキそこはどうなんだい?」
「結婚なら別にええけどそれ以外はダメや。でもなんでそんなことを聞くんや?」
「私にもやりたいことがあるのだ。さて結論から言うと今回の話は無しだ」
私の欲しいものが何一つないではないか。錬金台も付呪台、炉が無いと私の冒険には辛いのだ
「何か不十分だったかい?」
「不十分過ぎるぞ、錬金台は無いわ付呪台も無いましてや武器や防具を作るための炉も無しこれでは何も無いに等しいぞ。これまでの私の冒険では全てでは無いが大抵のものを自分で作っているからな。武器や防具、アイテムなんかもそうだ」
「君はそんなことができるのかい?」
「これくらいできて初めて1流の冒険者と呼ばれるようになると思うのだが違うか?」
確かにあっちの世界ではこれくらいはできて普通と言われるものが多かったからな。錬金にしろ鍛冶にしろ冒険にしろな
「お前本当に何もんや?少なくともここでそこまでできる奴はいないで」
「答えるだけの理由が無い。私は今日こっちに来たのだからな。では失礼する」
「1度何が無いか改めて考えてみるとしよう。それでハイド君がもしどこのファミリアにも入ることがなかったらぜひロキ・ファミリアに来て欲しい」
「・・・その時は虫が良すぎるかもしれないが世話になる」
一応頭の片隅に置いておくことはしよう。私はカウンター席に戻るが残っている料理は少なく追加で注文することになった。それにしてもファミリアか・・・いずれどこかに所属しなければいけないのだろうな
今回もお読みいただきありがとうございます
ついやっちゃったんだぜ!(白目)