WING-MAN×DECADE 蘇れ異次元ストーリー 作:ブライ
見事コウモリプラスを倒し、首だけになった状態から目玉を抜き取る。少々グロテスクだが操られていた人を助けるためには仕方がない。
ユウスケは事情を話し取りあえずは、ケン太のところへ戻る事に決めた。
「しかし本当に戦っているなんてな、あいつもたまには役に立つ事をする」
「あいつ?」
今度は士がここに来るまでに自分に起こった事を話し始めるのだった。
以前にディケイドライバーを手放している時に、灰色のオーロラに巻き込まれダークライダーのリュウガと戦った事があったが、今回はある意味もっと異常だった。
なぜなら今この空間は天地がひっくり返っているからだ。
この空間の名前はポドリアルスペースという異空間で、異次元世界であるポドリムスの住人が使えるディメンションパワーと呼ばれる力を使い、天地がひっくり返りそこに居る一定の物を除いたが止まるという特殊空間なのだ。
その空間で士に声をかけた少女の片方は、青い髪をしていて歳は16~7くらいだった。もう一人は2~3歳は小さそうな女の子で、大きなリボンをしているのが特徴だった。
お姉さまと言われた方の青い髪の少女あおいは、手から士に向かってビームを放つ、士はその攻撃を空を転がり避ける。
いきなりの攻撃で少々驚くが、いきなり戦闘を仕掛けられるなどこの旅では日常茶飯事、今更動揺する事でもない。
さらには龍騎の世界に移動したときには、夏海が殺人犯扱いされて裁判に掛けられた時も、ユウスケは大慌てしていたが「いつかやると思っていたが」などと言って切り捨てた発言をして終わらせようとしたくらいなので、この男を動揺させるには並大抵の事では不可能なのだ。
まぁ時折誤魔化すために少々セリフを噛んでしまった事もあるが。
士は少々うんざりしたような感じで目の前の二人に話かける。
「やれやれ、ひょっとしてまた世界の破壊者って奴か?どんなところに行っても俺は人気だな」
「余裕そうね……だけど貴方にせっかく平和になったこの世界をケン坊を皆を破壊させたりはしない!!」
士を強く睨めつけるあおい。
これは聞く耳持たないだろうと判断し、取りあえず黙らせようと思った士であった。
手からビームを出せる辺り、か弱い一般人ではなさそうなのでたぶん大丈夫だろうと、ちょっといい加減な判断基準だが彼はそういう奴なので仕方がない。
士は懐からいつもの奴を取り出す。
それは白いバックルで中央に赤い宝石トリックスターが埋め込まれ、様々な戦士の力を引き出すディケイドの変身アイテム、ディケイドライバー。
だがそれを腰に当てようとした瞬間に別の意味の音撃が彼を襲う。
「そうですわ!!悪事はやめなさーい!!」
と異常なまでに大きい声で叫ばれ思わず耳をふさぐ、そして耳をふさいでしまった、ためにディケイドライバーが士の手から離れて飛んで行ってしまった。
叫んだ少女の名前はリロ。
彼女は元々ポドリムスの独裁者のリメルがウイングマンを倒すために、部下のドクターアンバランスに作らせたゾウゲンジン(人造人間)、でありディメンションパワーと素晴らしい歌声で、人を虜にする能力を持つ。
しかも良い歌声だけでなく、実際の声の大きさを破壊光線レベルにまで強めて放つ事も出来るし、ある程度指向性も持たせられる。
今回はたまたま興奮して大声を出してしまっただけなのだが、彼女基準の大声は近くの家の窓ガラスが割れるといったレベルの音だ。いくら少し離れているとはいえそんな馬鹿でかい声で叫ばれれば瞬間的に耳を防ぐのは当たり前だ。
「……リロちゃんちょっと音量下げて」
士と同じくあおいも耳鳴りがするほどの大声でちょっとダメージを受けているようだ。
しかし状況は士の方がもっと不味い、なぜならディケイドライバーが飛んでいった方向は彼女達の方なのだから。
「すみませんお姉さま、あら何でしょうこれ?」
「ぐっ……まだ耳鳴りが……それを返せ!!」
流石にディケイドライバーを取られては危ない。
士はまだ音がキンキン頭に鳴り響くのを抑えながら叫ぶ、しかし敵が素直に言うことを聞く訳がない。
「なんなのか分かりませんが、大事な物のようですね、返して欲しかったら悪事をするのはやめなさい」
そう言うリロ、彼女はウイングマンを倒すために作られたと言っても、元々の性格は優しく争いを好まない。
しかも相手が悪い奴だからと行って散々悪事を働いた怪人ですら、殺すのは野蛮だと思っているほどだ。
先ほどお姉さまがビームを撃っているのだが、それはそれ、取りあえずは説得を試みてみたのだ。
しかしこれがユウスケだったらまだ話し合いの場に持って行けたのかもしれないが、相手はあの天上天下唯我独尊男、門矢 士だ。
初対面の相手でも、不敵な態度を変えず堂々と人を挑発するような男が、そんな事を言われて引き下がるはずがない。
「さっさと返せ」
と一言で切り捨てる
あおいもまぁ当然の反応だと思う、悪事を止めろと言って止めるのならば苦労はしない。
ディメンションパワーを使いビームを士に放つあおい、リロも少し音量を小さくして声を出す。別に殺さなくとも捕まえて悪事が働けなくさせればいいのだ。士がこちらに攻撃をしてこないことで何となくリロが持っている物が、ディケイドの力の源なのではないのかと思った二人の考えであった。
流石の士も変身も出来ずにこんな攻撃が続けば危うい、しかしそんな中でいきなり天地が元に戻ったのだった。
「うそ……ポドリアルスペースが消された!?」
困惑する二人にいきなり誰かが後ろから飛びかかる。
「きゃ!!」
「だれ!!」
飛びかかった男の手にはリロが持っていたディケイドライバーが握られていた。
「やれやれ士、君はもう少し自分のお宝を大切に持っていたほうが良い」
あおい達に背を向けて士に向かってそう言い放つ男、様々な世界を駆け巡りお宝を集める泥棒、彼の名前は海東大樹、時には共に戦い時にはお宝を奪い合うディケイドの仲間とも宿敵とも言える男である。
海東は士にディケイドライバーを放り投げるとあおい達に向かって話しかける。
「取りあえず初めまして、僕は海東大樹、色々なお宝を探していてね」
物腰が柔らかそうに話かける海東だったが当然警戒される。しかしそんな事は気にせずに話を続ける。
「それで、お宝をもっていたら渡して欲しいんだ、着いたのは良いんだがどこにあるのか分からなくてね。」
「お宝?」
「そう、ドリムノート、というお宝をね」
ドリムノートと言う単語が飛び出た瞬間に彼女達の警戒心は限界を振り切った、そして回答をせずに戦闘体制に入る。
「ふぅこれが返事って訳か、まぁ当然だよね」
そう言うと海東はどこからともなく銃を取り出す、これは海東が持つ変身ツール、ディエンドライバー
変身するためのアイテムではあるが見た目通りの機能も有している。
「そうそう士、君は取りあえず邪魔だから、一つ良い事を教えておこう」
「良い事だと?」
「そうさこの先に怪人がいてね、どうやら人間を操る力があるみたいなんだ、そこに君のお仲間がいるから助けに行ったらどうだい?」
「怪人だと、本当なのか」
「ああ、僕は必要な時には嘘はつかないよコウモリのような奴だったかな」
いきなり突拍子も無い事を言い出す海東だったが、コウモリと人を操るという部分に反応するあおい、なぜならかつて倒した敵にそんな奴がいたのだ。
首だけの状態でスカートの中に入られて最後の言葉が「目の保養になったぜ」と言って朽ち果てた怪人が。
「ねぇ貴方……ひょっとして怪人ってこんな奴だった?」
空中にかつて戦った怪人コウモリプラスの映像を映し出す、ディメンションパワーはこういった事も出来るのだ、あおいは思わず訪ねる。
「やれやれ人の質問は返さない癖に僕には尋ねるのかい?、まぁいいか、確かにこんな奴だったねそれがどうかしたかな?」
その言葉を聞いて本当に焦るあおい、なぜなのかは分からないが倒した怪人が復活している、これはゆゆしき事態だ。ディケイドの事もあるがまずはこっちをどうにかしないといけない、だがあおいがこの場から去ろうとすると海東が足元に向かって発砲する。
「逃げないでくれたまえ、まだお宝の事を聞いてないんだ、おっと士、ここはヒーローの名場面っぽくこの場は僕に任せて先に行け、とか足止めの人みたいに言った方がいいのかな?」
なんとなくこっちの事に乱入しそうになった士にも話かける、士も本当に怪人がいるのなら向かった方がいいのかも知れないと思いこの場を去ろうとする。
「まって!!怪人のところに行くつもりなの!?」
あおいが士に語りかける、すると士は答える。
「そのつもりだ」
「なんで!!貴方は世界の破壊者なんでしょなのになんで行くのよ!!」
あおいはさらに士に問いかける、当然言えば当然だろう、世界を破壊すると言われた存在が仲間を助けに行くというのだから、それについて士は当然の事と言うように
「一応あいつも仲間だからな、それに人に害をなす存在だってんなら戦わなきゃいけない」
それを聞いて今度こそあおいは混乱する、この言葉、喋り方も態度も全く違うが、ケン太が言っていたようなヒーローのあり方だったからだ。
「あ、貴方は一体何者なの……」
あおいがそう呟いたとき士は言い返す。何度も言った自分の決め台詞とも言える言葉を
「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」
「相変わらず海東の奴はお宝か……で、その後どうなったんだ?」
話を聞いたユウスケは士に聞く、そして丁度このタイミングで廃ビルに到着したのだった。
そのまま去ろうとしたら、あおいにもし操られている人がいたなら、目玉を煎じて飲ませてそれが解毒方法だから、と言われた後に、海東がいいかげん僕を無視して会話を続けないでくれたまえとか言い出し、一触即発の雰囲気だったが突如二人は空間に穴を開け、そこに入り込んでしまい消えてしまった。
「結局俺はそのままここに来たという訳だ。だからあいつらの正体も分からずじまいだ」
色々気になる事があるが今は操られていた人を解放するのが先決だ、幸いにも先ほどクウガが壁を壊して入っきた光によって、殆どの人間は気絶しているので手間は少ない。
士の話が終わった後に二人に向かって走ってくる人影が見える、それは先ほどユウスケが助けた生徒、布沢 久美子と広野 ケン太だ。
二人はコウモリプラスを追いかけて、クウガが建物から出て行った後に外で出会い、ユウスケが帰ってくるのを待っていたのだ。
「これは特ダネね!!」
本物のヒーローに最近町を騒がせていた行方不明者に、変死体の事件の犯人は怪人だった。
これはまぎれもなく大スクープと言えるだろう。だが証拠の写真も無く、実際に変身したところは見ているわけでは無いため、久美子は非常に残念なことをしたと思うのだった。
だがインタビューくらいなら出来るかも知れない。そう思いケン太と一緒に居たのだった。
ケン太は現実をキビシク見つめたらヒーローには成れない。そう思いかけていた矢先に本物のヒーローに出会ったのだ、色々聞きたくなるのは当然と言えよう。
その二人に詰め寄られユウスケはちょっと照れくさそうにしながら対応する。
実際に彼はこういうのには慣れていなかった。元々いた世界では未確認生命体第4号としては有名だったが、自分の正体を知っているのはごくわずかな人間だけだったし、士との旅に着いて行ってからは戦う機会も少なからずあったが、大体裏方の情報収集だったり、酷い時にはいきなり拉致され洗脳された事すらあった。
そして他のライダーと仲間になり絆を深めている士に対して、ユウスケは大体関係無いところにいたりしたので、こういうシーンは殆ど体験していないのだ。しかもたまに居合わせても、士に何か言うことはあっても自分には大体話はとんでこない。
話がヒートアップしそうだったので士が珍しく常識的に止めに入る。
「お前らまだ時間があるが遅刻するぞ、それに俺たちはやることがあるんだ」
場所は変わりここはとある次元にある研究室と言うには少々禍々しい一室。
そこに居る者達が会話をしていた。
「コウモリプラスがやられました、どうやらディケイド達がこの世界に現れたもようです」
「ふふふ、あやつらが言っていた連中か……随分と早く訪れたものよのぉ」
その男は首だけの状態で何かの液体に満たされたカプセルの中から会話を続ける。
「そのせいで進めていた計画がこのままでは遅延、下手すれば大幅な修正が必要となります。これでは奴らも黙っていないのでは?」
「くくく、あの組織が最終的に何をたくらんでおるのかは知れぬが、ワシらを蘇らせたのは奴らにとって邪魔な存在であるディケイドを消すための作戦の一つなんじゃろう。利用しようとしておることなどは分かり切っておるわ」
カプセルの中の男は少し楽しそうに話す、かつて一人の正義の心を持った少年に敗れてから完全ではないとはいえこの世に戻ってこれたのだ、憎悪、怒り、そんな感情よりも、喜び、という物が自身の感情の大半を占める。
「その時になればそれ相応の対応をするまでよ、だがワシの完全なる復活までは少々時間がかかる……そこでだまだ駒はあるのであろう?ドクター」
「はっ!!ここで手に入れた新しいサンプルとデータでもって、コウモリプラスより素晴らしい作品を御覧にいれましょう」
そう言うと後ろを振り返る、そこにはいくつものカプセルが置かれ中には怪人が入れられていた。その中からドクターと呼ばれた怪人はカプセルの中から怪人を外に出そうとする。
「プラス怪人の性能調査と言う点では奴は良くやってくれたと言えます、今度の駒はさらに優秀な結果を見せてくれるでしょう」
「さぁて楽しませてもらうとするか」
首だけになった男は邪悪な笑みを浮かべる、かつての力を上回り復活するために、今度こそ三次元を全ての世界を手に入れるために、カプセルから出てきた怪人に命令を下すのだった。
ビルの中に居た人間達全員に、目玉のスープを飲ませ解放した四人は、登校時間ギリギリだったが学校に間に合った。
特にケン太に至ってはジャージ姿のままだったから、家に送ってもらったので余計に時間を食ってしまったわけだ。ユウスケは今日は休むと言っておいてと士に頼んだが、怪人を倒したので学校に来たのだった。
聞きたいことが山ほどあったのだが、学生組の二人は取りあえず教室に行かなければならない、ケン太と久美子は教室へ向かうその時に。
「おい、広野、それで教室に行くつもりか?」
士はケン太にそう言った、なぜなら彼が今履いているのはブーツだ。
彼の格好は学生服を腕まくりして指抜きグローブを付けている、これも方向性が若干ずれている着崩し方と言えなくもないが、ギリギリ許容範囲だったとしてもブーツは拙い。
しかもそのブーツは戦隊ヒーローとかが良く履いているようなまっ白いブーツだ、生徒の服装に寛容な学校でもこれは許可しないだろう。
「ふっふっふ、確かに……だがこんなこともあろうかと!!」
ケン太は不敵に笑い鞄の中から大き目の靴を取り出す。
「じゃじゃーん28・0サイズの上履き!!」
それをブーツの上から履いてさらに彼は続ける。
「これなら土足にならんでしょう」
キラッと歯を光らせ無駄にさわやかなポージングをし、高らかに笑いながら彼は教室へ向かって行った。
中途半端な注意程度で諦めるくらいなら彼は今頃普通の生徒になっている、これが学校一の名物男と言われる所以だ。
周りに居た生徒さらには担任の松岡先生すら呆れて物も言えないと、言った具合にポカンとしているしユウスケでさえ苦笑いをしているが、士はそうでもなかった。
「なるほど確かに土足にはならないな、誉めてやる」
彼の思考も随分とずれている。
放課後となり生徒達は家に帰る者、部活動に励む者、寄り道をして遊ぶ者などが校舎から出て行っている。
そんな中で今朝怪人に出くわしユウスケに助けてもらった二人は別々に用務員室に向かっていた。
片方はヒーロー談議、片方は特ダネ、別々の要件だが非常に話したいのを放課後まで、我慢していたのは一緒だった。
「失礼しまーっす」
そう言って先に用務員室に着いたケン太は中に入る、しかしそこにはお目当ての人物である小野寺ユウスケは居なかった、
「ちぇー居ないや、一体どこにいったのかな?」
残念そうにするケン太、だが諦めずにユウスケを探すべく校内を歩きまわることにした。
その頃ユウスケはと言うと、人目の付きにくい校舎裏で士と話していた。
「なぁ今朝のコウモリの怪人が言ってた、偉大なるあのお方って誰なんだろうな」
「俺に聞くな、だがこの世界の脅威だってのはまず間違いないだろう」
この世界の士の役割は教師だが、まだどうすれば良いのかは分かっては居ない。
だが怪人が居て人を襲っていたことから考えても、何もしないまま教師をやっているわけにはいかないだろう。
「それについて少し話させてもらってもいいかな?」
声がした方に振り返ってみると、そこには海東が居て彼はこちらに向かって片手をあげて近づいてきた。
毎度の事ながらこの男も神出鬼没という点では鳴滝と同レベルだ。
「話しってのはなんだ」
「おいおい明らかに不機嫌にならないでくれよ士、今朝はお宝を持っていそうな人に逃げられたのは知っているだろう?だから次にお宝に関係がありそうなこの学校に来たってわけさ」
海東はそのまま話を続ける。ここはライダーが居ない世界でウイングマンというヒーローがかつて居たこと、そしてもうウイングマンは居ないと言うこと。
なんでウイングマンが存在しないようになったのかは、自分でも分からないが広野ケン太がウイングマンになった、アイテムである描いた夢が現実になるノートである、ドリムノートはまだ残っていてそれがお宝と言うことを士達に告げる。
「なるほど大体分かった、だがなぜそれを俺達に言う?」
「それはねここに居る広野ケン太がウイングマンだって言っただろ、そして僕はこの世界の脅威について話をさせてもらおうとも言ったよね」
「周りくどいな、さっさと話せ」
「つまりさ、その敵さんがまだウイングマンの事を脅威だと思っていたらどうする?」
もちろん君たちもだけどねと付け足す海東、それを聞いて海東の言いたいことがはっきりと分かった二人であった。
ユウスケが駆け付ける前の事なので当然彼は知らないが、コウモリプラスはケン太に対して、予定は狂ったが目当ての奴が来たと言っていた。
つまりはまだケン太の事を排除する対象として見ている事に他ならない。
「そうなると揉め事の中心はここって事になる、ひょっとすると彼女達も来るかも知れないしね、まぁケン太君は守ってあげるから邪魔をしないでくれるかな?」
ディエンドライバーをこちらに向けてバーンと撃つ真似をする海東、この男はお宝の事になると非情な一面を見せる。
以前にアギトの世界でG-4チップと呼ばれるデータチップを手に入れようとした時も、変身もしていないユウスケ達に向かって発砲してきたくらいだ、これは彼なりの邪魔をするなら容赦はしないという警告だろう。
言いたいことを言い終えたのか海東はそのまま去っていった。すると士もそれに合わせるようにどこかに行こうとする。
「士!どこにいくんだ?」
「野暮用だ、お前は草むしりにでも戻ってろ用務員」
相変わらず酷い扱いの言葉を掛けられてカチンとくるが、これが彼の平常運転だ。
それくらいの事はもうそれなりに長い付き合いなので分かるがそれでもムカつく事はムカつくのだ。
まぁ仕方無いと思いながら士を見送り仕事へと戻ろうとするユウスケであった。
しかしここにも新たに近づいている影があった。
「ススス、ここがあの方の言っていた学校か」
彼の名前はスノープラス全身が真っ白で、氷やツララが張り付いている怪人である。
その名の通り冷凍系の技を使い、町一つを氷漬けに出来るほどの力を有している。しかも氷漬けにした人間は少しづつ心も凍り、最終的に自分の言うことを聞く氷人間にしてしまう恐ろしい怪人なのだ。
しかしこいつにはそれすら上回る恐ろしい物がある。学校に入ると体育館が見えてくるそこには新体操部がある。
「スススス……」
不気味な笑い声をあげてスノープラスは近づくそう彼はドスケベなのだ、しかもイヤらしい物を見るとパワーアップしてしまうという特性も持っている。
彼が目的を遂げる前に別の標的を定めたころ別の場所では。
「フゥーゥゥウウー!!」
妙に息を荒げ体格のいい男が学校の近くに居た、その男は近くにあったトラックを見るや否やさらに興奮した用でトラックの方に向かい。
「ヴォオオオオオオオ!!」
と奇声を上げたかと思うとトラックを突撃で横転させたのだ、しかもまだ興奮が冷めぬようで肩を上下に揺らしながら再び校舎に向かうのだった。
「ススス、かわい子ちゃんがたぁ~くさん居るぜ。」
スノープラスが非常にイヤらしい笑みを浮かべ体育館の中に入ろうとした瞬間に
「何をしているのかな?」
スノープラスの頭にディエンドライバーを突き付けた海東がそこにいた。いきなり背後を取られて焦るスノープラスであったがそんな事をお構いなしに彼は話を続ける。
「まぁ答えは聞かなくても分かるけどね、だだ中学生の新体操を見学に来ましたって感じじゃあないからね」
その言葉に汗をダラダラ流しながらスノープラスは返事をする。
「な、何をおっしゃいますか?あたしゃあタダの通りすが、ウゲェエ!!」
セリフを最後まで言い切る前にディエンドライバーを思いっきり発射し、転げまわるスノープラスにさらに数発ぶっぱなす。
海東は突っ込みを放棄したようだ。それはそうだろう今の行動と言動だけで突っ込みどころが多すぎる。
普通の人間でも笑いながら体育館の扉を開けようとすれば怪しい人全開であるし、通りすがりの部分でカチンと来たとかそもそも怪人だとか色々思うことはあるが、彼は取りあえず発砲することを選んだようだ。
「いてぇ!!いきなり撃つか!!!もう少しなんかあるだろう!!!なんか!!!!」
「なぜか無性に腹が立ったがそこはまぁいい、一応さっき士には守ってあげるからって言ったんでね」
そう言うと海東はディエンドライバーにカードを入れてスライドさせる、その瞬間に声が響く。
「KAMEN RIDE」
ディエンドライバーを天に向けて海東は叫ぶ。
「変身!!」
引き金を引き再び声が鳴る
「DIEND」
空にマークが現れて、海東の体をいくつものカラフルな影が何度も通り過ぎ装甲となる、そして上にあったマークから13枚のカードが現れて額に刺さり、体の色がシアンへと変わる。
様々なライダーを呼び出す力を持ったライダー
数多の世界を巡る怪盗
仮面ライダーディエンド
「お宝のためなんでね、取りあえず君は邪魔だから排除させてもらうよ」
こうしてディエンドとスノープラスが戦闘を開始した。
一方その頃先ほどの男は校舎前に辿りつき校舎の中に入ろうとする、すると
「あ、すいません勝手に入らないでください」
校門に居る学校の用務員の一人と思われる人が止めに入る、しかし男は制止を聞かずそのまま入ろうとする。それに向かって肩に手を掛けて止めようとするが、その瞬間にいきなり胸倉を掴まれて片腕で持ち上げられそのまま壁に投げつけられた。
用務員は気絶し男はそのまま突き進む、今二つの脅威がこの仲額中学校に訪れていた。