WING-MAN×DECADE 蘇れ異次元ストーリー 作:ブライ
ディエンドとスノープラスの戦いはディエンドが有利に進めて行った。
最初に変身した後にスノープラスは、2メートル近くのツララを作り出し、それで突き刺そうとするが、ディエンドは高速戦闘とそれに伴う軽やかな動きによりツララを避ける。
しかもお返しに何発も銃弾を浴びせスノープラスの体から煙が上る。
「あ、アイスバルカン!!」
空中に飛び上から7~8センチ程度の大きさの氷を、バルカンのように発射する技アイスバルカンをディエンドに向かって使うスノープラス。
それに対してディエンドは焦る様子も無くカードをディエンドライバーに入れる。
「ATTACK RIDE BARRIER」
ディエンドライバーを前方に出し、自分のマークを模したバリアを展開させる、ディエンドバリアを発動させる。アイスバルカンは全てディエンドバリアによって防がれたのだった。
「君はもう少しひねりのある技は無いのかな?」
ディエンドはまだ自身の最大の特技とも言える技を使って居ないにも関わらず、この戦いを圧倒的に有利に進めている。余裕と元々の彼の性根による皮肉った挑発をしかける。
「グヌヌ……良いだろう俺の全力をみせてやる!!」
スノープラスは全身に力を入れ始める。以前に町全体に効果を及ぼした、全身から冷気を出し周囲を凍りつかせる大技だ。
しかしそれを使おうとした瞬間に突如として天地が逆転したのだった。
一方その頃学校内に侵入した男の方は、学校を掃除している小野寺ユウスケを見かけたのだった。男はユウスケを見るや否や、空気さえ震えるような大声をあげて突進をしかけてきたのだ。
「え?うわぁあ!!」
いきなり走ってきた男にユウスケは対処ができず、首を掴まれそのまま持ち上げられながら走られて壁に叩きつられる。
不意打ちとあまりにダイナミックな攻撃にユウスケはかなりのダメージを負ってしまう。
「ゴラゲギジャバビゴギングスジャヅザ……ギベ!!」
男は意味不明な言葉を発すると首を掴んでいる手に力を込める、その握力はもはや人間の力では無かったが、生憎と首を掴まれている男もタダの一般人じゃない。
意味は分からないが聞き覚えのある言葉を聞いて、ユウスケは反射的に顎をめがけて膝蹴りを入れる。
流石に顎にクリーンヒットしてはその場所にとどまり切れず首から手を放して少し後ろに下がる。
「がはっ!!ゲホゲホ……もしかしてこいつ」
「リントバブゲビギヅドギ」
男はユウスケを睨みつけると再び大声を上げる、すると男はみるみる変化していき体は深い緑色をしていてサイの様な姿となる、この怪人の名前はズ・ザイン・ダ。
その姿を見てユウスケはやはりと思う、なぜなら目の前の怪人はかつて自分が戦っていた世界の脅威であるグロンギと呼ばれる存在だったからだ。
ユウスケは腰に手を当ててアークルを出現させ変身ポーズをとる。
「変身!!」
ユウスケは仮面ライダークウガへと変身し、グロンギの前へと立ちふさがるのだった。
時間は少々遡り二つの場所でクウガとディエンドが戦闘を行っている、少し前に士は屋上に来ていた。ここは辺り一面が見渡せて、しかも人が出入りできる場所は、一か所しか無いため人目に付きにくい。
「おい、いい加減出てきたらどうだ!!」
士は人が屋上にいない事を確認すると大声でそう言い放つ。すると空中に穴が開いて中から一人の少女が姿を現したのだ、その少女は今朝出会ったあおいだ。
「どうして分かったのかしら?」
「俺だからな」
答えになっていない、だがそれこそが俺様を素で行き自身満々になるのも頷けるほど、嫌味なくらい様々な事をこなす彼の通常の態度だ。
そんな士の態度には反応せずにあおいは話を続ける。
「ねぇ貴方は本当に世界の破壊者なの?」
「さっきも言わなかったか?通りすがりの仮面ライダーだとな、少なくとも俺はこの世界は破壊するつもりは無い」
そう言いきる士に戸惑うあおい、聞いていた話と随分違うディケイドの存在にどうすればいいのか悩んでしまう。
「話はそれだけか?だったら……」
士が話を区切ろうとした時に体育館の方で轟音が響く、二人は音が鳴った体育館の方を見るとディエンドがスノープラスと戦っているのが見えた。
「またプラス怪人!?」
あおいはまた復活している怪人をみて驚くが、そのまま驚いていられるほど事態はよろしくなかった。
なぜならいきなり二人を取り囲むように、数十人のサングラスに黒服を着た男たちが現れたのだ。
その男たちはかつてリメルに従っていたいわゆる、戦闘員の役割を担っている連中で詳しい事は分からないが数は多い。
「こいつらは知り合いか?ずいぶんとガラの悪い連中だな」
「確かに知ってるけど親密な付き合いじゃないわね」
軽口を言いながら構える士とあおい、するとディエンドの方の音も次第に大きくなる。
「まずいな、まだ結構な数の生徒がいるんだ、このままじゃパニックになっちまう」
その言葉を聞いてあおいはさらに悩む本当にこのディケイドは破壊者なのだろうかと、そう思い問いかけてみる。
「ねぇ心配なの?この学校が」
「ああ今の俺は一応教師なんでな、教師は生徒を守るのが仕事だろ」
一切の迷い無くはっきりとあおいの問いに答える士であった、それを聞いたあおいは少々バツの悪そうに士に言う。
「今朝いきなり攻撃しておいてこう言うのもなんだけど、後でもう一回お話させてもらえるかしら?」
「事態が収まったらな」
返事を聞いたあおいは微笑し手を上げて交差させる。
「分かったわ、まずはパニックにならないようにしなきゃね。ポドリアルスペース!!」
あおいのディメンションパワーによって、異次元空間ポドリアルスペースが構成される、天地がひっくり返り一定の物以外の全ての時間が停止した。
「今朝やっていた奴か」
「ポドリアルスペースって言うのよ、一定の物以外は時間が止まるし物が壊れたって後で直せるわ。」
あおいがポドリアルスペースの説明をしたのを皮切りに、一斉に戦闘員達が襲いかかるのだった。
現在仲額中学校では3か所で戦闘が行われている。
一つ 体育館付近 ディエンドVSスノープラス
二つ 校門付近 クウガ VSズ・ザイン・ダ
三つ 屋上 あおい&士VS戦闘員
この戦闘が行われている場所というか、学校が全てポドリアルスペースになっていて、基本的に生徒や先生達の動きは止まっている。だが動きが止まらずにいた者がいた。
「こ、これは、上下が逆になった!!ムムムさては今朝のような怪人の仕業なのか」
そう広野ケン太だ、彼の推理は当たってはいないが怪人が来ているせいでポドリアルスペースを作っているので完全な間違いでは無い。
すると周りが静かになったせいか何やら爆発音が聞こえるようになった、ケン太は事態を把握するべく音がした方へ向かっていくのだった。
そしてその爆発音の元凶である体育館では。
「グォォ……」
「ふむそう言えばこの空間を作り出す力も、結構なお宝かもしれないな、なんとか手に入らないものか」
全身から煙を出しスノープラスなのに、真っ黒になった奴を見下しながらディエンドは呟いていた。
「(くそ、なんて強さだ、まずい……意識が朦朧としてきた、せ、せめて可愛い女の子のパンツでも拝めれば少しは力が……)」
スノープラスは既に棺桶に片足を突っ込んでいる状態だというのに、スケベな事を考えている。
こいつは以前にも命の危機の時に残る力を全て振り絞り、氷の鏡を作り出してパンツを覗いた恐るべきスケベ根性の持ち主なのだ。
今回も必死になりディエンドから遠ざかって、更衣室へ向かおうと匍匐前進をしている、しかしそんな事を見逃すほど甘くは無かった。
「どこにいくのかな?」
匍匐前進をするスノープラスの前に銃を突きつけ、わざとらしくディエンドは問いかける。
「えっと……その、死ぬ前に女の子でも見たいかな~なんて……」
その言葉を聞きディエンドは快く、スノープラスの願いを叶えてあげるべくカードを入れる。
「そんなに女の子が好きなら女の子を呼んであげよう」
「KAMEN RIDE FAMME」
ディエンドの能力の真骨頂である別のライダーを召喚するカメンライドを使う、そして現れたのは仮面ライダーファムという女性ライダーだ。
「さて女の子にたっぷりと可愛がってもらいたまえ」
そう言ってもう一枚カード入れるディエンド、そしてディエンドライバーから処刑宣告とも言える声が鳴り響く。
「ATTACK RIDE CROSS ATTACK」
アタックライド・クロスアタック、それは召喚したライダーに必殺技を発動させるカード。
ファムの必殺技はミスティースラッシュという、契約モンスターが翼で起こした突風で吹き飛ばされた敵を片っ端から両断するという技だ。
「あ……あ、スススススー!!」
こうして哀れスノープラスは塵となったのだった。
「さて片付いたな、おっと、こうしちゃいられないね」
「ATTACK RIDE INVISIBLE」
ディエンドはアタックライド・インビジブルを使い姿を消す、するとそのすぐ後にケン太が体育館前に現れたのだった。
「おっかしいなぁ、確かにこの辺から音が聞こえたと思ったんだけど」
ケン太は辺りを見回すが、さっきの爆音の正体と思われそうな物は見当たらない、それもそうだもう既にスノープラスは跡形も無く消え去られているのだから。
ディエンドの戦闘が行われている時、クウガはズ・ザイン・ダとの戦闘を継続していた。
ポドリアルスペースの事も士から聞いていたので、必要以上には驚かなかったがもっと別の事でユウスケは考えていた。
「(こいつ……前に出会った連中よりもはるかに強い!!)」
このズ・ザイン・ダはクウガの世界での最終決戦で人間がグロンギになるという、思い出すだけで恐ろしい戦いに、いくつも同じ個体があったタイプでクウガ自身も見覚えがあった。
それがオリジナルのグロンギなのか、元が人間だったのかの区別は出来ないが、今まで自分が戦い続けたグロンギ達よりも若干劣った力しか持っていなかったのだ。
だが今戦っているこいつは大量にいた奴と姿は同じだったが力はまったくの別物だった。
マイティフォームでの格闘を行うが、かなりのパワーと防御力を持っており有効なダメージを与えられず苦戦を強いられていた。
そしてズ・ザイン・ダの強力なパンチを受けてクウガは吹き飛ばされる。
「クウガ……ゴラゲギヅロジジャゾグス!!」
追撃を仕掛けるべく、叫び声をあげズ・ザイン・ダは突進を仕掛ける。
確かにこのズ・ザイン・ダは強敵だがクウガとていくつもの死闘をくぐりぬけて来た戦士だ、このまま黙ってやられるほど弱くは無い。
力には力で対抗すべくクウガはフォームチェンジを行う。
「超変身!!」
紫の力タイタンフォームに変化しズ・ザイン・ダの突進を正面から迎え撃つ、手元にイメージ出来る物が無いために、タイタンソードは使えないがそれでもパワーと防御力は断トツで高い。
二人のぶつかった衝撃はまるでトラック同士の正面衝突のようなすさまじさだった。
双方その強力な衝撃をまともに受けたのだが、吹き飛ぶどころかその場でとどまりさらに力比べのような形となる。
「ぐぅ!!」
「ガッ!!」
二つの剛力はお互い一歩も引かずさらに力を込める。
「ボソグ!!シャデデシャス!!ギべクウガ!!!」
ズ・ザイン・ダは咆哮と共に一気に勝負を仕掛ける、だがクウガも黙ってはいなかった、その強力なパワーの前に避けるのでもなく、いなすのでもなく正面から叩き伏せにかかる。
敵の攻撃を受け切り正面からぶち破る不退転を形にした紫のクウガに逃げは無かった。
「お、りゃあああああああ!!!」
「ダババ!!ゴセボヂガサガ……」
ズ・ザイン・ダの力を飲み込み持ち上げて力任せに思いっきり投げ飛ばす、力で負け去ったズ・ザイン・ダは心の支えが折れたのか唖然としているようだった。
だが戦いは終わってはいない、クウガはマイティフォームへと姿を戻し封印のパワーを右足に込めて走り出す、それはジャンプして蹴りを放つクウガの必殺技マイティキックだ。
呆けていたズ・ザイン・ダだが走ってくるクウガには流石に反応したが行動が若干遅れてしまう、そして見事にマイティキックが炸裂しズ・ザイン・ダに封印のマークが現れる。
「ゴンバ…………ボンバドボソゼ、ボンバババサバギドボソゼ……」
封印マークからヒビが現れ体中に広がっていく、そのヒビから光が溢れてズ・ザイン・ダは爆発したのだった。
「ふぅ……だけどなんでここにもグロンギが……」
クウガは本来ならば怪人を倒したので変身を解除するのだが、まだポドリアルスペースが解かれていないので警戒のためにクウガのままで校内を見回る事にしたのだった。
そして士とあおいのいる屋上では
「数が多いだけで大したことなかったな」
「そうね、それにこっちには怪人は居ないみたいね」
ライドブッカーで撃ちまり斬りまくった士、ビームを撃って格闘も行っていたあおい、この二人を倒せるほどの力を持った戦闘員は居なかった。
しかも士に至っては変身してすらいない、ひょっとしたら戦闘員は二人の怪人のところに士達を行かせないようにした時間稼ぎだったのかも知れない。
「どうやらあっちの方も終わったみたいだな」
士は体育館の方を見る、先ほどの爆発音と姿の見えないディエンド、さらには怪人の姿も見えない。
戦闘が終わったと判断するのも当然だった。
あおいは戦闘員を片づけたしスノープラスも見えなくなっていたので、ポドリアルスペースを解除しようかと思ったのだが、ひょっとすると戦いのせいで壊れている場所があるのかも知れないと思い、まずは見回ることにしようと思ったのだが。
「今度は逃げないでもらえるとありがたいな」
その声に反応して後ろを振り向く、するとそこにはディエンドライバーを構えているディエンドがそこに居た。
「海東……」
「おっと士、動かないでくれたまえ僕はお宝を取りに来ただけなんだから」
先ほど士達に話した通りに、お宝であるドリムノートを持っている可能性が一番高いあおいを前にしてディエンドは冷酷に立ちふさがる。
「さて、大人しく言うことを聞いてくれると嬉しいんだけどね」
そう言ってジリジリと歩み寄るディエンド、するといきなり士が叫ぶ。
「解いて逃げろ!!」
それと同時にライドブッカーをガンモードにして、ディエンドの足元に向かって発砲する、そして士の言ったことが分かったあおいは、ポドリアルスペースを解く。
いきなり撃ったとはいえ、威嚇射撃だけではディエンドの虚は付けない、そこで撃ったと同時にポドリアルスペースを解いてあおいは下に飛び降りたのだ、流石のディエンドもすぐに追いかける事は出来なかった。
「っつ!!やられたね、動かないでくれと言ったんだけど?」
「言われたが守るとは言って無いぜ?」
「邪魔しないでくれたまえ、ともさっき言ったんだけど」
「それも守るとは言って無いな」
二人とも口調は軽く士は微笑しているが空気は異常なまでに重い。
「海東、これ以上ここで暴れるって言うのなら俺が相手をしてやる」
士はディケイドライバーを取り出し腰に当てる、するとベルトが伸びて一周しディケイドライバーの装着が完了した。
それを見てディエンドは手を広げ。
「まぁ今日のところは引いておこうかな、お宝が手に入らないのなら面倒はごめんだからね」
と言い放ちそそくさと去っていった。
士の方も以外にもあっさりと去ったディエンドを見て若干拍子抜けしたが、本気で戦い会えば絶対に勝てる保証など無い、強敵なのは事実なので戦わないですむのならそれが一番だ。
取りあえずは上手く逃げたであろうあおいのことは、後で話をすると言っていたので向こうから勝手にくるだろう、そう思い士はこの場を後にした。
こうして学校を襲った二つの怪人とその他の脅威は去った訳だが、別の事で問題が起こっていたのだがそれはまた別の話。
※グロンギ語、訳文
「ゴラゲギジャバビゴギングスジャヅザ・・・ギベ!!」お前 いやな においの するやつだ・しね
「リントバブゲビギヅドギ。」リントのくせに、しぶとい
「クウガ ゴラゲ ギヅロ ジジャゾグス!!」クウガ、おまえはいつもじゃまをする
「ボソグ!!シャデデシャス!!ギべクウガ!!!」ころす、やってやる、しねくうが。
「ダババ!!ゴセボヂガサガ・・・」 ばかな、おれのちからが
「ゴンバ・・・ボンバドボソゼ・・・ボンバババサバギドボソゼ・・・」そんな、こんなところで、こんなわからないところで