元奴隷がゆくIS奇譚   作:ark.knight

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鏡合わせの2人

俺はピットから出ていき地面に降り立つ。8年ぶりの歩行だが視点がいつもより高く不安定ながら自分なりに歩くことができた。そんなことをしてるとどこからともなく通信が入る。なぜか俺はそれを知っていた。どうやって通信をしたらいいかと、今までは一切ISなんて興味ないものの知識は無かったはずなのだがなぜか知っていた

 

『無事歩行はできたようね』

 

「みたいだ」

 

『なら次は武器を確認してみてちょうだい』

 

言われた通りに武器があるかどうかを確認してみるがこれも知ってた。ISのハイパーセンサーに表示させるが()()()()()()()()()()()()()()。これはなんとなく知っていた。このISは俺自身を象ったものであるならば武器を所持、使用してこなかったから入ってるわけないのだ

 

「このISには武器は無い」

 

『・・・どういうことだ鏡野。一応<打鉄>をベースに一次移行(ファーストシフト)したのだから武器が無いなんてことがあるか』

 

「関係ない。これはこのISは()()()です」

 

あの会話で知っているかもしれんがこのISは俺自身でもあり()()()でもある。あの夢は夢なんかではなく俺の力を知る予言みたいなものだったはずだ

 

「このISは一切のスペック不詳で武器もない。でも俺はこいつの使い方を知ってる。誰か戦いましょう」

 

『ちょっと待ちなさい七実君。いろいろと聞きたいことがあるけどなんで戦う必要があるのよ?』

 

「そっちの方が分かりやすい、以上」

 

『なら待っていろ。その言葉を信じさせてもらうぞ』

 

さて誰がやってくるのだろうか・・・通信ではあーだこーだ楯無や山田先生が言ってるが多分誰が出てくるかが分かったぞ。<打鉄>を纏って織斑先生がやってくる

 

「待たせたな。それにしても武器が無いとは不遇だな」

 

「確かに俺には無いです。ですが俺にあって織斑先生にある、これだけで十分です」

 

俺は鏡、全てを映し出す鏡。力や思考、動作から何から何までを映し出す鏡・・・これが俺の力。強すぎて誰にも勝てないし弱すぎて誰にでも勝てる力

 

「対象<打鉄>、搭乗者織斑千冬。起動しろMirror is mine(鏡は私の物)

 

俺のIS<M.M.>は光を発し形を変えていく元々ウイングスラスターがある以外は人の形を模したISだったがその形を変え<打鉄>へと変化していく。そんな中織斑先生は驚きを隠せないようでただただ見ていることしかしなかった

 

単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)だと!?起動してから間もないというのに発現しているのか!」

 

「俺は鏡。今の私はあなたです」

 

さて俺の力を見せたんだから次は先生の番だ

 

 

 

千冬サイド

 

私は驚愕せずにはいられなかった。ついさっき仮だが専用機を得て歩行した程度で単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が使えるはずがない。ISと操縦者の相性が最高になった時にしか発動しないそれは世界でも発現している数は少ない。それどころかその能力は姿を真似ること。それに少し疑問があるが鏡野は私にこう言った。『俺はあなた』とこれがどういう意味なのかはまだ分からないが今は検査を兼ね戦うしかないのか。私が近接用ブレード葵を展開すると同時に鏡野もブレードを展開していた。あのISには武器が無かったのではないのか?

 

「やはり武器はあるではないか。どうして嘘なんて言ったのだ?」

 

「・・・ヒント1俺は鏡」

 

確かに貴様は鏡野であって鏡ではないだろう。そんなことを考えていると山田君から通信が入る

 

『お2人とも本当にいいんですか?こんな形で検査なんて行って』

 

「この場合は鏡野の希望に合わせるほかないだろう。どうなんだ鏡野」

 

「構いません」

 

『怪我しないでくださいね七実君』

 

ほう山田君は私があいつを怪我させると思っているのか

 

「それはどういう意味だ山田君」

 

『あ、えーっと右も左もわからない状態で織斑先生と戦うのは非常にあれかなって思って』

 

「お気遣いありがとうございます。でも大丈夫ですよだって・・・」

 

何を根拠に大丈夫と言えるのかが分からんが慢心だけはしないでおこう

 

()()()()()()()なんですから」

 

「言いよるな鏡野。さて始めるとしよう!」

 

私はブーストをかけ鏡野に突撃を仕掛けると彼もそれに合わせて突撃してくるタイミングは一瞬!鏡野が振りかぶり振り下ろすであろう瞬間に急制動をかけ前方にブースターを吹かし後退するがそれを読んでいたかのようにさらに加速して無理やりにでも当ててきてSE(シールドエネルギー)を削られた

 

「ぐっ!」

 

「まだだ!」

 

さらに鏡野はアサルトライフル焔備(ほむらび)を展開し後退しながら銃弾をばら撒くがそれは悉く切り伏せることで防いだ

 

「よく今のを読んだな」

 

「・・・ヒント2鏡は全てを映し出す」

 

全く訳の分からんヒントだな。鏡か、確かに日常から使っているがそれは確かに自分の姿を映し出すことができるがそれがどうしたという感じだが

 

「ほれ来ないのか?」

 

「はぁ・・・では行かせていただきます」

 

焔備を量子化させ葵を持った左腕を下したまままたしても突撃してくるが今度は油断はしない。こいつはおかしいほどに強いのは分かるがどうしてはじめてに近い状態でここまでの機動ができるのか分からないがただ今はそれを迎え撃つだけだ

 

「はぁっ!」

 

「甘いぞ!」

 

下段から来る斬撃を葵で受け止めるがそれだけでは終わらず私の腕を掴み鉄棒のようにしてサマーソルトをしてくるが避けられる距離が足らず腹部を蹴り上げられそのまま1回転し地面に落とされるが普通ではそのまま叩き落されるところなんだがこれはIS戦。空中でブースターを吹かし姿勢制動をする。その最中に鏡野は焔備を展開して私に発砲していたらしく何発かいただいてしまった

 

「よもやここまでやられるとはな。本当にISの機動は初めてなのか?」

 

「初めてです・・・でも経験は初めて()()()()()()()()?」

 

またしても言っている意味が分からないが引っかかる言い方だ。なぜ問いかけの形なんだ?それにヒントもそうだ。1つ目は私の事を自分だと言い2つ目では全てだと言った、これらを掛け合わせると私の経験や実力=鏡野の実力に考えられるがそんなオカルトはありえない。ISは経験や実力が物を言うがそれに稼働時間が加わるという厄介極まりない物が全てを言うのだが腐っても元世界最強(ブリュンヒルデ)なのだ。ひよっこに負けてやる義理はない!

 

「ここからは本気で行かせてもらう!」

 

「ようやく分かったようですが遅いですよ。もう疲れたんでやめていいですか?」

 

「・・・はい?」

 

確かにこいつの体力やストレスを考えるとそろそろ限界だろうが納得いかない。ここまでしてやられたのにここでお終いとか普通許されるか?

 

「少し待っていろ。通信で聞いてみる。山田君応答できるか?」

 

『あ、はい大丈夫ですよ』

 

「鏡野のIS適正は調べ終わったか?こちらとしてはまだ終わっていないと助かるのだが」

 

『?・・・まだ検出されていないのでもう少ししててください』

 

「わかった。ほれ続けるぞ鏡野!」

 

まだやれる。こいつの力がどれほどのものかまだ調べることができそうだ

 

「えー」

 

「これが終わったら何か奢ってやるからそれで我慢しろ」

 

「・・・分かりました」

 

嫌そうな顔をするな鏡野。私としてはここまで張り合える者は少ないのだからもう少しやる気を出してもらいたいのだが無理やりにでもやる気を出してくれると助かるんだがな

 

「貴様に手を抜くといけないらしいから今の私にできる範囲でやらせてもらう!」

 

「はぁ・・・」

 

許せとは言わんがこれを使わせてもらう。瞬時加速(イグニッションブースト)を使用し鏡野の手前3m付近でやめ身体を横にして縦方向に回転しながら鏡野を背後から斬りかかるが最小限で避けられ焔備で撃たれるがそれはブラフ。本当の目的はこの回転を利用しながら至近距離で投擲することだった。SEもそれなりに削られ200を切ったがこれで大打撃を与えられると思ったがそんなことは無かった

 

「はぁ!?」

 

鏡野はそれを予言していたかのように焔備を回転しながら飛んでいくブレードの側面に投げつけ上に逸らし葵を展開してあまつさえも高等技術と言われる瞬時加速をして私に突きつけようとしてきた。だが回転もやめ葵の切っ先を両手で抑えるが瞬時加速のせいで壁際まで押されてしまった

 

「くっ!」

 

『織斑先生もう大丈夫ですよ!』

 

「わかった。鏡野もうやめていいぞ」

 

「あ、はい」

 

鏡野はあっさりと葵を量子化し元来たピットに戻っていった・・・もしかして鏡野が言っていた全盛期というのは()()()()()ということなのか?確かにあれは代表候補生時代にしたことがあったがそれを加味しての全盛期だというのであれば末恐ろしいな。思わず身震いしてしまったぞ。私も鏡野が戻ったピットに行くが更識姉が騒がしくしているな

 

 

 

七実サイド

 

今までろくに動いてないのにこんなに体力が必要なことをさせるとは鬼畜の所業だな。しかしこのIS<M.M.>はおかしいな。相手の経験や力を全て映し出し反映させ自分の力にするとかこんなんチートだろ。ピットに戻るとすっごくいい顔した簪と楯無がいた。もう嫌な予感しかしないのだが

 

「ちょ~っとお話があるんだけどいいかしら?あ、もちろん拒否権は無いからね」

 

「その前に降ろさせろ」

 

俺はISを解除すると地面に降りるがここでも無様に膝をついてしまった。早く筋肉をつけて歩けるようにならねば。簪と楯無は俺に肩を貸してくれて車椅子に座らせてくれた

 

「あなたのIS<M.M.>って言ったっけ?何よあの反則級な強さは。もう少し時間があれば織斑先生に勝てたかもしれなかったわよ」

 

「流石に体力がない。もう疲れたゴールしていい?」

 

「ダメ!そっちに行っちゃいかん!」

 

いつぞや簪と見たアニメのセリフを引用してみたがこれ死ぬ奴だ。いや疲れたのは本当だがそれにちゃんと乗ってくれる簪は優しい思う。てかなんで山田先生は涙目なんだ?もしかして見てたのか?

 

「それはともかく・・・七実お疲れ」

 

「ああ」

 

「簪ちゃんは優しいわね。でもお姉ちゃんはそうわいかないわよ!さぁきりきりあなたのISの事吐きなさい!」

 

「元気があってよろしいな更識姉。なんなら今から私と一線交えるか?んん?」

 

丁度いいタイミングで登場したな織斑先生。というよりも本当は俺が強いんじゃなくて織斑先生が強いで合っている。ただ俺はISの単一仕様能力を使っただけに過ぎない

 

「え、ちょっとそれはお断りしたいです」

 

「それは残念だ。それよりも山田君、彼の適正はどうだ?」

 

「非常に言いにくいんですが最高値のSでした」

 

周りを見渡すが逆に驚き過ぎて声が出ていない状況だった。正直こんな値は嘘なのは知ってる。だってこれは織斑千冬の値と同じだから

 

「なんとも言えんな、だろう鏡野」

 

「はい」

 

「なんでなのななみん?」

 

「これは俺のじゃないから。これは偽物」

 

あえて答えを言わないで考えさせる。俺が今までしてきた問いかけの仕方だが織斑先生は深くため息をついた

 

「鏡野が言わないなら私も何も言わないが貴様の言うことはそういうことだったのだな」

 

「ええ」

 

「あのお2人が言っている意味が分からないのですがどういうことですか七実さん?」

 

虚が俺に問いかけるが答えは全て出ているはず後は考えることだ

 

「戦闘中の音声は聞こえたか?」

 

「ええ。何を言っているのかはさっぱりでしたが」

 

「答えはそこにある。俺からは教えない」

 

「え~教えてよ~ななみん~」

 

「嫌だ疲れた」

 

「さてこれで解散になるが良いだろうか」

 

え、何勝手に終わらせようとしてるんですか?奢ってもらいますよ

 

「約束よろしく先生」

 

「忘れてなかったか。まあいいだろう貴様らに奢ってやる山田君以外だがな」

 

「え!?」

 

「当たり前だろう。私達教師は仕事でしてるのに対してこいつらはそうじゃないのだからな。一応の報酬ということだ」

 

優しいのかそうじゃないのか分からん先生だな。だがしたことに対してそれ相応のものを与えるのは流石上司なんかね。前世ではそういうのは無かったしな正直ありがたいと思う。部屋を出ようとすると簪と楯無のどっちが車椅子を押すか揉めたので自分で移動しようとしたところを本音に止められ本音に押されることになった。ドンマイ2人とも

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

ななみんの(チート)ISの初戦でした

性能としては通常では武器も一切積んでいなく貧弱です。単一仕様能力は機体名と搭乗者の名前を正確に言えばそれを完全にコピー、保存できその人の経験を反映させ最大スペックで使用できます。しかし、機体名はロックオンの際に正確に分かりますが搭乗者の名前が正確に言えない場合最大スペックとならず半減し経験も得られない効果があります
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