やってしまった・・・あの態度がムカついて殴ってしまった。やってはいけないと思っていたが手が出てしまった。また面倒なことになるだろうな。自分なりに反省はしている、殴ってしまった俺の拳も未だに痛い。だがこの痛みは一夏も同じことだろう。明日謝るとしよう、今は自室のベッドの上で寝っ転がっているのだがやることが無さすぎて暇を持て余していた。
「あの3人にどうやって伝えればいいんだ・・・」
何をと言われたら俺の名前の事だ。鏡野七実という名前ではなく織斑春十という本当の
「黄昏ちゃってどうしたのかしら?」
「ぬぉ!?」
部屋の鍵を閉めていたのにも関わらずどこからともなく楯無が現れたのだ。誰にも聞かれていないと思い声に出して考えていたのだが聞かれてしまうとは思わなかった
「どこから入ってきた。部屋の鍵も閉まってただろ」
「ふふふ・・・いつから七実君より後に侵入したと錯覚してたのかしら?」
懲りていない奴だ。前にも侵入した時に虚の説教3時間コースを受けたのにも関わらず同じことをしたのか。そして口元を開かれた扇で隠しながら笑っているのがイラっと来る。扇には「不忍」と書かれていた。これが余計にイラっとさせてくる、普通に忍んでただろ
「生徒会長がこんなことをしていいのか?」
「権限って便利よね」
「悪徳め」
流石にダメだろ。こんなことで権限を使うな、もっと重要なところで使え
「それよりもさっきの独り言は何?」
「・・・なんでもいいだろ」
「え~教えてくれてもいいじゃない。あの3人って誰の事かしら~」
この時ばかり、こいつが笑っている顔が苦手だ。少しずつ近寄ってくるのだが考えていた内容ではないがこういうとしよう
「まぁ、そのなんだ。いつもお前らにて貰ってるからな。どう感謝したものか、と」
「へ~そんなこと考えてたんだ。あら、でも1人足りなくない?」
「俺で弄りまわしてくる楯無は除いてだが」
「なんで私が入ってないのよ!?」
感謝はしているにしろ、大抵の場合は俺にちょっかい出してくるのだから感謝しにくい。車椅子で遊ぼうとするわ、俺で遊ぼうとするわで散々だった覚えがある
「でもこんなこと言うのは初めてね」
「そうだったか?ならすまん」
これが初めてだったのか。だとしたら簪や本音、虚もそうだろう
「そこはありがとう、でしょ?」
「・・・いままでありがとうな。こんな俺なんかの為にいろいろとしてくれて」
「いいのよ。私達だっていろいろとお世話になったし、特に簪ちゃんとの事で」
簪にも言ったがあれは偶然だ。偶然が起きなかったら今頃どうなっていたか知らないが今が良好ならそれでいいと思う
「あんま実感が無いから何とも言えない。別段何かしたって記憶もない」
「またまた~。でも本当に感謝してるのよ」
別に感謝されたくてやったわけでは無い。簪と楯無が不穏な感じの会話をしていたのを聞いた、ただ関係が壊れてしまうのではないかと思いやっただけ。要は自分自身のためにやったわけだ。そこに感謝されるのはどうかと思う
「あっそ。てか話を戻すがなんでこの部屋に忍び込んでたんだ?」
「それは教えてあげない。でもね」
ベッドに寝っ転がっている横に座り顔をこちらに向けてくる。優しい微笑みを浮かべこちらを見てくるのだが、俺は見ていられず窓側に体ごと顔を背けた
「たまには一緒にこうしたいのよ」
「だったら普通に来い。次は容赦せず通報するからな」
「融通が利かないわね」
それは小さいころからだ。だがこう思われるのも悪くないと少なからず思ってきた。
「だとしたらなんだ?今回の事で言えばお前が悪いだろ」
「それを言ったらおしまいよ。さーてと、私は帰るわね」
「またな」
じゃあなとかさよならは言わない。別れの言葉みたくて嫌になるから、またなと言うことにしている。楯無は上機嫌に鼻歌を歌いながら部屋を出ていく。そういえば楯無、いやあいつに限ったことではないが簪や本音もそうだがどうして俺なんかに好意を寄せているのだろう。たまにあの3人からは感じられるのだ。俺は捻くれているし口は悪い、取柄なんて無いに等しいのにな。幼馴染だからか?
「考えるだけ無駄か。聞いてもいないことを考えるのも、なんか失礼だし」
これだけは言える。俺は今の関係が好きだ、だから壊したくない。例えどんな代償を払うことになったとしてもだ。嫌われるようなことはしないが今の関係を良好にしていきたい。ただの逃げとも取れるこの選択は果たして、正しいと言えるのか分からない。でもこうするしかないのだと思う、自分勝手だがな
「・・・今日は先にシャワーを浴びてしまおう」
俺は立ち上がりシャワーを浴びることにした。一応書置きをして誰も入ってこないようにさせるとしよう
???サイド
『良い兆候だ。周りの刺激で変わりつつあるのがわかるよ。でもこの先はどうなるかは選択肢次第で、無数に無限とも思えるような展開になるだろうね。この無限の成層圏ことISが彼に、彼らにどういう風に使われ成長していくか。それとも停滞するか。そのどちらかを私に見せてくれ。唯一、様々な視点で見ることを許されている私を驚かせられるような展開を喜劇を見せてくれ』
無数の線で繋がれたこの場所は、いわば空間でもあり集合団地みたいなもの。いろんな場所から視点を移動させることができるメタ的な空間。しかし誰も伝えることができない。なぜならここにいる
『さてさて、今週末はクラス対抗戦だ。どんな風に活躍してくれるかな白式ちゃんと一夏君のペアは。期待の新人みたいだけど、最古参の意識の君はどう一夏君を導くんだろう。楽しみだな~、あの人も負けてられないね』
私を使う人はまだ弱い。でも血筋なのかな?何でもすぐに覚えられる。非戦闘だって戦闘事、教育なんでもござれな感じ。でもまだどこかで怖がっている。無意識で強すぎる力を使うのを躊躇っている。それも改善しなきゃね
『やることは沢山あるね。まずは彼の強化から始めるとしよう』
唯一人高笑いをする奴がそこに立っていた
今回もお読みいただきありがとうございました
最後のあれはちゃんと意味のあるものです