Monsters Life 作:究極極彩色ナメクジ
クンチュウ大好きクック先生!
みんなのアイドルクック先生!
いつも心にクック先生!
我らが先生クック先生!
クック先生!クック先生!クック先生!
イヤッフオオオォォォォォォォ!!!!(殴
・・・鳥・・・いや、取り乱しました。
クック先生、大好きです。・・・・・ジュルリ。
ここは、森丘。ハンターにとって最も馴染み深い馴染み深いフィールドの一つで、豊かな自然が育まれている。
そんな森丘に、三人のハンターが訪れていた。
「桃色の肢体・・・・パッチリ見開かれた美しい目・・・チャーミングな耳・・・・可愛らしい尻尾・・・・しゃくれた嘴・・・・。どれをとっても愛おしい・・・・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・・・。」
「・・・・・ひょっとしてコイツ変態か?」
「・・・・・ひょっとしなくても変態です。」
男二人と女一人のハンターチームが、こそこそと岩陰に隠れている。
理由は当然目の前に大怪鳥、イャンクックがいるからだが、三者三様に危機感とは別の表情をしている。
レイアシリーズを身に纏ったイャンクックを凝視している男は、フルフェイスのヘルムのため表情をうかがい知ることはできないが、言動とヘルムの隙間から漏れ出す荒い息から、どんな表情をしているかが容易に想像できてしまう。
その変態の相方であるクックシリーズの女ハンターは、「クック先生相手だといつもこうなんです・・・・」と、諦めと呆れの混じったようなため息をついている。
そしてもう一人、今は呆れ100%の表情を変態に向けているWレックスシリーズというギルド非公認の装備をしている男は、今回急遽助っ人として呼ばれた、上に超のつく上級ハンターである。
因みに今回の依頼、イャンクックの討伐ではない。むしろ逆。近年になって個体数が右肩に少しずつ下がっているイャンクックの「警護」。それが今回の目標である。
元々はレイアシリーズとクックシリーズの{クック愛好家}達のクエストだったのだが、近くにイャンガルルガが発見され、これはやばいということで、助っ人と三人で警護をすることになったのである。
「一日ごとに報酬が発生するとはいえ、何が起こるか分からないというのは辛いな・・・・」
Wレックスシリーズの男が誰にでもなく呟いた。しかし、それに肯定の意を見せる者はこの場にはいなく、「クック先生をずっと見てられるなんて幸せ。」と残りの二人はうっとりとした表情で言った。
「・・・・・・三人グループの内二人がアホな場合残る一人はどうしたらいいと思う?」
Wレックスシリーズの男は皮肉を込めて二人に質問するが、二人はイャンクックに夢中で聞いていない。男は人知れずため息を漏らすのであった。
「ん?」
突然、何かに気が付いたようにレイアシリーズの変態が身を乗り出す。その動作に何かの異変が起きたかとWレックスシリーズの男は太刀を抜き放ち身構えた。
「どうした?・・・何かあったか?」
Wレックスシリーズの男が小声で変態に尋ねる。
「・・・・・クックファーが生えているんすよ。子育て中の個体らしいですね。」
変態の口から出たクックファーという単語。聞きなれない人も多いだろうが、クックファーとは、繁殖期に雌個体の体から生える卵を温めるための特殊な毛で、その極上の手触りから金持ちから非常に気に入られ、高額で取引される。そのため、密漁者による乱獲の対象になる一因になっているのである。
「つまり、人間からも先生を守らないとなんです。」
クックシリーズの女ハンターは引き締まった表情で愛用のライトボウガンを握りしめる。
「・・・・・・それだけじゃないぞ。」
Wレックスシリーズの男は深刻そうな表情で立ち上がり、「ここは任せた。」と一言言い残してどこかへ行ってしまった。
Wレックスシリーズの男が訪れたのはイャンクックの巣がある森丘エリア5。
そこにある三つの卵を確認して、ひとまずは安堵する。
彼が慌ててこのエリアに駆け付けたのは、イャンガルルガのある生態を思い出したからである。
・・・・・・それは托卵・・・・・。
繁殖期のイャンガルルガの雌は、イャンクックの目を盗み、イャンクックの巣に卵を産み付けるのである。卵の大きさは大体同じ。色も違いが分かりにくく、イャンクック程度なら騙されてしまう。
雛の色も形もイャンクックのそれと大体同じで、イャンクックは自分の子でないことも気付かずに育ててしまう。しかもイャンガルルガの雛の方が成長が速いため、小さいイャンクックの雛を押しのけたり殺したりしてしまう。
そういった意味でも天敵なのである。イャンガルルガという生き物は。
三つ全ての卵がイャンクックの卵であることを確認したWレックスシリーズの男は、一度安堵で解いた警戒を再び張り巡らす。
・・・・・・・近い。
イャンガルルガの気配はすぐ近くであった。少し遅ければ托卵済みだったであろう。そして、イャンガルルガ自身も、自分の存在に気付いているようである。
突如、ごうごうと紅い火球が彼目掛けて放たれる。Wレックスシリーズの男は、小タル爆弾によってそれを相殺。背中から愛用の太刀、こちらもギルド非公認の飛竜刀【黎明】を抜き放つ。
「・・・・・・そこか。」
男は小さく呟いたあとイャンガルルガ目掛けて疾風の如く走り、その太刀を振り下ろす。
・・・・・・ザンッ!!
振り下ろされた太刀の切れ味を前に、イャンガルルガの嘴に一すじの傷が出来た。
「・・・・チッ・・・・浅いな。」
イャンガルルガは反撃とばかりに後ろに二歩下がり、必殺サマーソルトを繰り出す。分かりやすい予備動作であったためにそれが男に当たることは無かったが、男の追撃を阻止することには成功した。
男は一歩後ろに下がり、不敵な笑みを浮かべた。
「悪いが俺に付き合ってもらうぜ、じゃじゃ馬さんよ。」
「クック先生~!!まって~!!!」
突然、緊迫した空気のエリア5に、緊張感を台無しにする声が響いた。
飛び立ったイャンクックを追って来たクック愛好家の二人が来たのである。
「お前ら!何で来た!!」
今いい所だったのにという言葉を必死に抑えながら、Wレックスシリーズの男は怒鳴りつけた。
「クック先生がここに来るようなんです!」
女がそう言った途端、上空からさっきのイャンクックが降りてきた。
Wレックスシリーズの男は舌打ちしながら残る二人に伝えた。
「厄介なことになったぞ、クックの猛攻をかいくぐり、なおかつクックの安全を守りながらガルルガを撃退しなくちゃならねぇ・・・・・身を引き締めて行けよ!!!」
イャンクックが降り立つ。それと同時にイャンガルルガが動いた。
突進攻撃、ターゲットはレイアシリーズの変態。洞窟の対角線上にいる変態目掛け、イャンガルルガが走り出す。距離もあった故に変態は何とか避けることに成功したが、すぐ近くを通り抜ける巨体に肝を冷やした。
突進後の隙を見計らって、イャンクックの様子を確認する。
イャンクックは卵を守るように巣の上で伏せ、身を固めていた。どうやら動く気は無いらしい。Wレックスシリーズの男は歓喜の声を上げる。
「ラッキーだ!そしたらじゃじゃ馬をこのエリアから連れ出すぞ!!」
その後、角笛を使った誘導によりイャンガルルガをエリア4に連れ出すことに成功。戦闘を再開した。
「クック先生をいじめたこと・・・・心の底から後悔させてくれる・・・・・」
とてつもない怒気と殺気を出している変態は、狂走薬グレートを飲んだうえで双剣を天に掲げ、鬼人状態に移行する。
「・・・・・・お~い、こいつを止めてくれ。」
Wレックスシリーズの男は自分じゃ手におえないと、クックシリーズの女の方を見る。
「クック先生ヲイジメルヤツユルサナイ・・・・コロスコロスコロス」
「・・・ブルーダスお前もか・・・・。」
仕方ないから勝手に暴れていてもらおうと、気を取り直して太刀を構える。
「しゃあねぇ・・・狩の時間だ。」
続きます。
本当は一話完結にしたかったのですが、ノープランの作者のこと、長引くと次を書くのがめんどくさくなってしまうので区切ります。
次回はガルルガ戦終結後、クック先生にもスポットを当てさせていただきます。