Monsters Life   作:究極極彩色ナメクジ

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アイデア盛んにして、執筆未だ進まず。


No.1 教えて、クック先生!(終編)

先の一件から数日、平和な日々が流れ、ハンター三人はキャンプで泊まり込みながら観察と警護を続けた。

そして一週間目・・・・・卵から雛が孵った。

 

クックシリーズの女とレイアシリーズの変態の喜んだこと喜んだこと。

「ヒャッホォォォォォォイ!やったぜベイベー!!!」

「ウオオオォォォォォンッ!!良かったよ~良かったよ~!!!」

「・・・・・・お前ら・・・・・・。」

また一つWレックスシリーズの男のため息が増えるのであった。しかしため息をつきながらも、男の顔には僅かな笑みが浮かんでいた。

 

イャンクックの雛は白い体色をしており、甲殻も毛もなくとてもひ弱で、しばらくはクックファーに守られ、父親に餌をもらいながら育っていく。その食欲たるや凄まじく、一日に体重の三倍もの量を食べるのだ。

という訳でイャンクック亜種はとてもせわしく動き回っている。できるパパなのだ。

 

「そういえばクック先生と亜種先生の間の子供はどんなのなんでしょう?」

クックシリーズの女は興味深そうに聞いた。それに対し、Wレックスシリーズの男はあまり興味のなさそうに答えた。

「原種亜種の発生条件は、今三つの学説が上がっているんだ。一つ目は最も有力な説として、食性の違いによる亜種だ。これはラオシャンロンや甲殻種に該当する。もう一つの説は普通に亜種。生物学的亜種という説だ。一般人にはどの亜種もこれだと思われているらしいが、結構違うのも多い。最後の説は、優勢、劣勢形質による色違い説。ほんの一部の学者で語られているだけだから詳しくは自分で調べろ。」

 

・・・・・興味のなさげに・・・熱く語ってしまっている。

 

言い終わったあたりで我に返り、「忘れてくれ・・・・」とそっぽを向いた。

「意外と詳しいんですね。」

「・・・・・・ちょっとな・・・・知り合いにな。」

 

少し恥ずかしそうにしている男の様子を面白く思ったのか、変態が突然問題を出した。

「問題!クック先生の体はなんでピンク色なんでしょう?」

「簡単だ、イャンクックの食物の赤系統の色素が体表に現れたからだ。因みにその赤色の由来は地中の木の根に寄生する半翅目、同翅亜目、カイガラムシ上科、コチニールカイガラムシ科のオオコチニールカイガラムシ。体長二十センチほどの虫で、人間にも赤い染料や食紅として使用されている。」

 

・・・・・・・沈黙。

 

「ひょっとしてあんた、モンスターオタクっすか?」

「いるいる、オタクの中に自分の好きな分野だと人が変わったように語り出す人。」

「・・・・・もう何も喋らん。」

Wレックスシリーズの男が拗ねて黙っている間中、残る二人のオタク談義が続いていた。

 

 

それから一週間後・・・・・・。

三人に一時帰還命令が送られ、三人は最寄りのハンターズギルドに帰還した。・・・と言っても、すぐ近くに有るココット村に新設されたミナガルデギルド出張所だが。

三人は各々に休息をとり、久々の自由を満喫した。

因みにこの頃には、イャンクックの雛も親について歩けるようになり、モンスターの襲撃に有っても親が戦っているうちに逃げられるように成長した。

当然クックファーも抜け落ち、密漁の危険性も下がったので、今は一人のギルド職員による気球からの観察に落ち着いている。

 

 

それからしばらくして・・・・・三人の元に件のイャンクックの雛が巣立ちそうだという報告が届いた。愛着が沸いていた雛の巣立ちにそれぞれ遠くから飛ぶように駆けつけた。

 

男二人と女一人がこそこそと岩陰に隠れている。

理由は当然イャンクックがいるからだが、三人同様に緊張の表情は見て取れない。

どちらかと言うとそれは期待と希望。そして少しの悲しみだ。

「とうとうこの日がやって来たんだな・・・・・うっ・・・・・ウォォォォォォオオン立派に育てよ!幸せにな!!」

「ひょっとしなくても変態だな。」

「泣くなんて・・・・グスッ・・・・情けない・・・ですよ。」

レイアシリーズの男はフルフェイスのヘルムのため、表情こそうかがい知れないが、言動と、ヘルムの隙間から漏れ出す謎の液体でどんな顔をしているのか容易に伺えてしまう。

クックシリーズの女もやせ我慢しているものの、感極まって涙を浮かべている。

Wレックスシリーズというギルド非公認の装備をしている男は、そんな二人と、岩の向こうにいるイャンクック達を、優しげに見つめていた。

 

そして一羽目が飛び立った。生まれたころと比べるとずいぶん立派になったが、それでもまだ小さい羽を必死に動かして、大空へと駈け出した。

そして二羽目、一番大きな一羽目のようにスムーズに行かず、なんども落ちそうになりながら、しかし前を向いて飛び出した。

そして・・・・・・

三人が一番心配そうに見守っていたのは三羽目である。他の雛よりも一回りほど小さく、ちょっと消極的な個体。案の定と言おうか、いつまでたっても飛び立とうとせず、巣の上で縮こまっていた。

 

「(・・・・・頑張って!!)」

三人は、雛の様子を固唾を飲んで見守った。・・・しかし数時間しても雛は巣立たず、日は西に傾き始めていた。巣立ちを促すため親鳥もどこかへ行ってしまい、エリア5には、雛だけが取り残された。

 

「ギャオア!ギャオア!!」

突如、小型鳥竜種であるランポスの声が洞窟に響き渡る。その瞬間、五匹ほどのランポスが集まり、雛を取り囲んだ。

慌てて岩陰から出ようとする変態と女を、男は押さえつけた。そして小さく「これでいい。・・・手は出すな。」と語り掛ける。

雛は走って逃げようとするも、取り囲まれているため、どんどんと壁際に追い詰められる。そしてとうとうランポスの内の一匹の牙が、雛に届きそうになったその時・・・、

 

赤い光が閃き、ランポスを吹き飛ばした。

 

仲間の一匹をやられたランポスは怒って雛に突撃する。雛は先方の二匹をそれぞれ頭突きと尻尾で撃退し、そして空へと飛び立っていった。

薄い桃色の小さな影は、そのまま夕日に消えていった・・・・。

 

・・・・・涙腺決壊。

変態と女は、大泣きに泣いた。そして男は、目に涙を浮かべながらも、一つ、ため息をついた。

・・・・・・・・そして

 

最初に巣立った個体は、その後巡り巡って結局森丘近郊に居つき、新人ハンターを撃退しているらしい。

二番目に巣立った個体は、何を思ったか遠くフォンロン大陸まで行ってしまい、どうやら密林奥深くで人と関わらずに暮らしているようだ。

・・・・・・・・

 

三番目の個体は狭い檻の中にいた。檻の目の前、僅かな雷光虫の光だけが頼りの暗い部屋の真ん中で、二人の人間が話していた。

「ご注文の品ですが・・・巣立ったばかりのイャンクックなんて何に使うんです?」

「・・・この時期のモンスターは一番抵抗力が高い。それにギルドの連中が保護対象とも狩猟対象ともしていないから最も手に入りやすいしな。」

答えた方の人間がフフッ、と口元に笑みを浮かべた。そしてイャンクックの方に向き直り、じっと見つめながら誰にでもなく言った。

「驕り高ぶるギルドよ・・・・・貴様らの栄華が恒久のものと・・ゆめゆめ思うなかれ・・・。明けない夜が無いように・・・暮れない日も・・・また無いのだから。」

そしてその人間は・・・高らかに笑った。

 

そして日は暮れる・・・・・。




最後の何だって?
気にしたら思う壺ですよ。
ナメクジ頭がまたもやノープランでやらかしただけですから。
次回少しおまけとまとめをやったら、次のモンスターに移りたいと思います。
それでは。
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