提督(笑)、頑張ります。 外伝   作:ピロシキィ

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本編の方の詳しいやり取り的なもの。

本編の方と差し替えようと思ったけど面倒なんでこちらに


提督(笑)は農業したい

ハロー横須賀、グッバイ江田島。

というわけで海軍学校から横須賀に2カ月経たないでカムバック。

 

「業和さんお帰りなさい」

 

「随分と早く戻って来たもんだな」

 

横須賀鎮守府に着いて船から降りてみたら、顔見知りのお二人。

ユーリエちゃんと徳田君がお出迎えしてくれたわけです。

 

「…ああ」

 

「二人ともあとは宜しく頼む」

 

江田島から一緒に来た直江教官が早々に去って行ってしまった。

あの人、全然喋らんのだよね。船の上でも最低限の連絡事項の事務的な会話しかしてないよ。

まぁ、俺も全然喋らない方だから仕方ないのだけど。

 

あ、どうもお二方お久しぶりですね。

 

俺だってこんなに早く戻って来るとは思わなんだ。

しかも横須賀にしばらく滞在したら父島に放り投げられるのです。

ちょっと意味が分かりませんがな。

 

「まぁ当然でしょ」

 

「何故お前が得意顔しているんだ」

 

「アンタは何で苦虫を噛み潰したような顔なのよ?」

 

「…そんなことは無い」

 

二人の方は相変わらずの様子で、といってもそんなに何度も顔を合わせている訳でもないのだけど。

まぁ元気そうで何よりだ。

 

「そっちの三名が指揮下の艦娘達か」

 

徳田君が俺の隣に並んでるお供の艦娘さんを見ている。

なんか思案顔なんだけど…。

もしや胸部装甲の厚さでも測っているのだろうか。

 

…流石紳士。

 

「…そうなる」

 

今は磯風さん、浜風さん、谷風さんの三人がお供に居て、他の艦娘達は教員の引継ぎ等で後日、合流となる。

 

「磯風、浜風、谷風だね。…なるほど。私は長野百合恵。陸奥さんの提督って言えば分かりやすいかな。業和さんをよろしくね」

 

「あぁ。この磯風がいる限り司令を守り切って見せるさ」

 

「尽力いたしますのでご安心を」

 

二人の力強い宣言。君らどうしてそんなにやる気満々なのだい。

 

「よろしくぅ。ところで長野提督はあの長野提督の縁者かい?」

 

谷風さん、あの長野ってなんぞ? いや多分俺の事言ってるんだろうけどさ、

普通だったら山本さんや多聞丸さんのような大将、中将クラスと同じ苗字なら分かる…。

だけど少将クラスの俺じゃあ一般ピーポーからの知名度ないと思うぞ?。

まぁ海軍所属ならある程度知られているとは思うしユーリエちゃんは多分質問の意味は理解するんだろうけど、

俺の事は秘密になってるから変にドキドキしてしまうのだよ。

 

「長野壱業さんは私の曾祖伯父に当たるね」

 

「なるほどね」

 

我が指揮下の娘さんたちが俺を見つめるのだけど…。知ってるよ。

全く似てないとか言いたいんだろ!? 

だけど結構血は離れてるし、それに俺に似るって女の子としては致命的やろ…。

だからそんなとこ気にしなくてええねん!

 

「……」

 

徳田君は目を瞑って何やら思案している。

浜風さんの胸部装甲の値を測りかねているのだろう。

その気持ちすごくわかるよ。

 

「それでは移動しましょうか。本当は色々とお話ししたいのですが、

私も徳田も仕事が立て込んでいまして。申し訳ありませんがあちらの建物で待機をお願いします。

室内の物は好きに使っていただいて構いませんので。全く…もっと事前に連絡して欲しいものですよ。

あっ、業和さんに対してじゃなくて上への文句ですからね?」

 

「…あぁ。それより彼はいいのか?」

 

徳田君が未だに胸部装甲を測りかねているようだけど…。

 

「いいんですよ。さぁ行きましょう」

 

徳田君放置で待機する建物に案内された。

 

 

 

 

で、案内された建物一息ついて父島の事を調べているんだけど、父島は最低限に軍人がいるだけで、

島の住民は本土に避難中で皆無。あとは父島所属の艦娘達だけだ。

 

こりゃあ、色々準備していかないとなぁ。

差し当たり、食糧かな。人数少ないし離島だし、物資輸送も多分そこまで多くないだろう。

色々買い物していこうか。野菜でも育てて、出来れば鶏とか乳牛とかも持っていきたいけど、どうしたもんか。

 

ふぅむ。とりあえず出来る事からやっていこう。

 

となるとまず第一に畑でも耕そう。

そこで俺はお野菜を育てるのだ。

あと出来ればコーヒー栽培。完璧な計画じゃないか! 今日も俺の頭は冴え渡っている。

 

…空しい。

ツッコミ役いないと何と空しい事か。ミック先生はよう復活たのんまっせ。

 

さて、そしたら先ず、どうするか?

耕す道具。肥料。あとキッチン用品なんかもあったらいいかもしんない。

 

…ホームセンターか。ホームセンターだな。ホームセンターしかない。

 

買い物のついでに色んな工具を見て悦に浸れるしな!

良し、そうと決まればユーリエちゃんのところに行こうか。

 

「提督。出かけるのかい?」

 

「うむ。買い物をしようと思う」

 

「酒保ならあたしが行ってこようか?」

 

「いや、外に出る」

 

「じゃあ磯風と浜風を呼ぶよ」

 

二人は現在訓練施設で体動かしている。護衛した後なのに元気な事だ。

だが、無理しないでほしいので後で言っておこう。

 

「…いや谷風だけでいいだろう」

 

あの二人、なんか張り切り過ぎて空回りしそうな気がすると俺のシックスセンスが告げている。

ところでシックスセンスを〇ックスセンスとすると非常に卑猥な気になるのは何故なのか。

 

…ツッコミが欲しいな。

 

「そうかい? じゃ行こうか」

 

 

 

先ずはユーリエちゃんの所。

 

「え、外出ですか? 分りました」

 

横鎮の中をうろうろしてようやくたどり着いたユーリエちゃんの執務室。

むっちゃんのエロボディを拝めるかもと思ったけど、居ないっぽい。

なんでも近々、大規模な輸送作戦を実施するそうで、ほとんどの艦娘達が何らかの作業に追われているとの事。

 

「あ、これ使ってください。場所はD-31ですので」

 

なんか凄い慌ただしく書類とか内線電話片手に格闘してたから早々に退散することに。

一度、待機場所として与えられてる建物でササッと着替えを敢行。

 

で、D-31とか呼ばれる駐車場に来れば赤いSUVタイプの車が鎮座していた。

ユーリエちゃんなかなかいい趣味しておるな。

 

「ヒャァー! や、やめてくださーい!」

 

遠くの方で妖精さんに集られている艦娘さんを発見する。

黒い長髪に白いヘアバンドのセーラー服姿の後ろ姿。あれは…もしや…うしおっぱい?

 

「提督、どうすんだい?」

 

集られてるけど危機感感じられない。ただじゃれつかれているように見えるから大丈夫だろ。

 

あ、転んだ。

 

…ナイスパンツ。

 

「…提督」

 

「大丈夫だろう。行くか」

 

ナイスパンツを目に焼き付けてそそくさと車に乗り込む。

谷風さんのジト目が痛いから…すまぬ。うしおっぱい。

漣とぼのたんが徳田君の指揮下なら多分彼女も徳田君の指揮下だろう。

 

…そうかっ! 徳田君は自分の艦娘である潮と、うちの浜風さんの胸部装甲を脳内で比べていたのか!

 

なんと、なんと業が深いんだ徳田君っ! 

 

だが、そんな君を俺は嫌いになれない。

 

「提督?」

 

おっといかん、シートベルト締めて、ルームミラーの位置を合わせる。

ギアはオートマ、Pに入ってることを確認、よし。

助手席に座る谷風さんもシートベルトを俺のを真似て装着したのも確認。

 

エンジンはボタンプッシュ型。まぁ渡された車のカギの形状見た時からそうだと思ってたけど。

 

ブレーキ踏んでポチっとな。

 

低く唸りを上げて…と思ったが意外と静かな始動音だな。

あぁハイブリッド車か。まぁ石油が貴重なこんな世の中じゃ、ハイブリッド車や電気自動車が主流になってんだろう。

 

さてと、ほいじゃあホームセンターに出発…と思ったけど場所分らんじゃないか。

 

あ、ナビもついてるか。

じゃあさっそく検索して近所のホームセンターはっと。

 

検索完了。

 

さぁいざ参らん。工具の宝庫へ!

 

横須賀鎮守府のゲートを潜って外へ。

事前に守衛さんに話をつけていたらしいユーリエちゃん流石すぎです。

 

ナビに従い道を走って、最初に止まった信号のところ。

 

「ねぇ提督。あたしも詳しくは知らないんだけどさ、自動車ってのは運転するのに免許って奴が必要なんじゃなかったかい?」

 

「……」

 

谷風さん、そういう事はもっと早く言って欲しかったんだけど…。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「何とか言いなよ提督!」

 

「…大丈夫だ。問題ない」

 

前々世は普通免許も大型自動二輪免許もあったし…。

安全運転で、バレなきゃあ何も問題ないさ!…多分。

 

「……」

 

ぼ、僕は、お、お腹がすいたんだなぁ。もうすぐお昼だし。

 

「何か旨い物でも御馳走しよう」

 

「…何だろうね。提督も意外と人間味っていうのかい? そういうのがあるんだねぇ」

 

その言い方じゃ、俺が人間味が無かったように聞こえるんだけど。

 

「あっ、悪い意味で言ってるんじゃないよ? 提督もさ、上手く言えないけどちゃんと人間なんだなぁって」

 

ちゃんと人間って…。

頭に変なの入ってるけど俺は人間だし? 超まともな人間だよな?

あれ? なんかちょっと心配になって来た。

 

「あっー、もうなんて言ったらいいのかねぇ。安心? 違うね うーんと…親しみ、そう親しみを感じられるって言いたかったのさ」

 

しかめっ面になっていたようで谷風さんがフォローしようとしている。

そんなに深刻に捉えてるわけじゃないから慌てんでもええのになぁ。

 

「…そうか」

 

「…うん」

 

「何か食べたい物はあるか?」

 

気を使わせてしまったようなので俺もフォローというかご飯で手を打ってもらおうと思う。

 

「何でもいいのかい?」

 

「何でもいいぞ?」

 

うんうんと考え込む谷風さん。あの、なるべく早めに決めていただけると助かるのだけど、

このままだとホームセンターに着いてしまいますよ?

まぁ、それはそれで着いてから考えればいっか。

久しぶりのドライブを楽しむとしよう。

 

あ、そうだ。

 

「谷風」

 

「なんだい提督?」

 

「人前では提督と呼ばないように」

 

一度、狙われた過去がある。同じ過ちは犯さないZE。

 

「え。じゃあ何て呼べばいいのさ?」

 

「…業和でいい」

 

業和呼びでええんちゃう?

あとは谷風のキャラ的にはあんちゃんとか?

 

「ふぅーん? なんかしっくりこないけど分ったよ」

 

 

結局、道沿いにあったファミレスで昼食。

もっと凝ったものでも良かったのだけど、谷風は旨そうにしていたからあれで良かったのだろう。

 

そしてついにホームセンターに辿り着いた。

 

外国製の安い工具は軒並み品薄状態だが、国産のはまぁそこそこの品揃えだろうか。

でも全体的にちょっと寂しい感じするな。まぁ元いた日本が品が溢れすぎていたってのもあるんだろうけど…。

 

「おーい。てい…、業和…。う~ん違和感が…」

 

「どうした?」

 

「いや、ずぅーと動かないから。結局何を買いに来たんだい?」

 

すっかり本来の目的を忘れて工具に魅入ってしまった。

大小様々なドライバーとかレンチとかずらっと並んでるとなんか時を忘れるよな。

 

「…では行くか」

 

肥料。あとは軽油も売ってれば欲しいな小型のコンバインと共に。後は鍬に如雨露も買っちゃうか、それとも長めのホースかな?

長靴もいるだろう。

 

カートを押しながら必要そうなものをガンガン入れていく。後はキッチン道具も少々。

時折店員さんが近づいて来ては離れていくが何だろうか…?

話しかけてくれてもええんやぞ? おすすめの品とかあったら買っちゃうぜ?

近づいては離れる店員さんを後目に園芸コーナーに差し掛かり、さて肥料ってどのくらいいるんだろうかな?

 

父島の艦娘達とうちの娘さん達、それと向こうに詰めている軍関係者の方々にもお裾分けの分を考えると、

そこそこの量が必要なんじゃないだろうか。

多めにあっても困るもんじゃないし、ここに出ている分、全部買ってしまおうか。

ちょっとそこの店員さん

 

「…すまないが、これらすべて買いたいのだが」

 

「しょ、少々お待ちくださいっ! 直ぐに責任者を呼んでまいりますので」

 

慌てた様子で走り去っていく店員さん。

 

「なんだろうね」

 

「…うむ」

 

久しぶりの大口のお客さんにテンションアゲアゲなのだろうか?

 

しばらくして、頭部が進化してる責任者のおっちゃんが汗かきながらやって来て、なんやかんやと質問攻めされる。

なんだ俺の出身地なんて聞いてどうするんだ? 

 

「ちょっと君、いいかな?」

 

何故か、青い服着た国家権力の公僕たるお巡りさんに肩を叩かれます。

 

なんでおっちゃんホッとした顔してんの?意味が分からない。

 

「なんだろうか?」

 

「この肥料どうするの?」

 

どうするって言われても

 

「畑をつくる」

 

これしか言う事ないだろう。

 

「そうなんだ。ちょっと事務所にいいかな」

 

え、なんで?

 

「てい…業和どうすんのさ?」

 

「あなたはこちらでお話し聞かせてくれる?」

 

谷風は婦警さんに捕まった。

 

「や、ちょっと」

 

「谷風」

 

暴れたりしたら駄目よ?

 

「あいあい。分かったよ、何だっていうんだい全く」

 

俺氏両サイドをお巡りさんに固められて店の事務所にドナドナされる。

 

「本当に畑仕事するの?」

 

「違う事に使うんじゃないの?」

 

「出張先が離島で人がほとんどいないからなんて理由。ちょっと厳しいと思わない?」

 

お巡りさんにさっきから事情を話してんだけど、何故か信じてもらえん。

肥料って畑に使う以外なんか他に使い道あんのけ? 逆に聞きたいのだけど…。

 

…あっ。

 

おいおいふざけんなよ。爆弾なんか作るかいな。

 

「それで、身分を証明するもの何も持ってないんでしょ?」

 

着替えるんじゃなかったかなぁ。海軍服で来た方がよかったかな。

 

「……」

 

「じゃあ、一先ずその話は置いてあの女の子との関係は?」

 

「…部下?」

 

うぅむ。部下でいいのか? 

ところで別室の谷風さんが無茶してないか心配なのだけど。

 

「まだ中学生くらいでしょ彼女。正直に言ってくれないと後々困ることになるよ?」

 

「どこの学校の制服?」

 

まぁ見た目子供だし、確かに学校の制服にも見えなくはないわな…。

あれぇもしかして…青少年なんちゃら条例とかそういう事か?

まてまて誤解だ。俺は紳士であって変態紳士ではない。

 

事案なんて心外ですぞ!?

 

「正直に話してくれないかな?」

 

なんでお巡りさん方はこんなに子供をあやす様な話し方なのか…。

アンタらの三倍近く前世含めて人生送ってんだけど…。

 

…そうでした。今かなり若い見た目でした。

 

正直にって…ずっと正直に言ってるんですけど…。

どうしたもんだろうか?

…文乃はグンマーだから直ぐにこれないし…。

ユーリエちゃんか? 出来れば頼りたくないんだけど…。

なんて説明すんのさ? ホームセンターで買い物したら警察に捕まったから助けて?

ついでにロリコンの汚名も着せられそうなんだ。

 

俺がもしユーリエちゃんの立場だったらこう思うだろう。

 

何してんだお前。

 

と。

 

しかし背に腹は代えられないというか、他に頼るべき相手が今のところいないというか。

 

「儘ならんもの…だな」

 

「いやいや、それはこちらの台詞だよ。正直に全部話してくれないと」

 

このままでは話し合いは平行線だろう。

本当に仕方がないが、無力な親戚のおっさんを許してくれユーリエちゃん。

 

「電話してもいいだろうか?」

 

「それがいいね。身元証明できる人かな?」

 

「…あぁ」

 

というわけで、ユーリエちゃんの携帯電話の番号メモを見ながら、お店の電話から発信。

 

「…もしもし?」

 

あ、ユーリエちゃん。

 

「…私だ」

 

「どうかされたんですか?」

 

「実は…」

 

一通り状況説明。

 

「直ぐに行きます」

 

どうもすいません。本当に申し訳ない。

とっても居た堪れないです。

 

「谷風はどうしているんだろうか?」

 

「あの女の子? 谷風って名前なの?」

 

「そうだが…?」

 

「先輩、組織的な可能性も」

 

「…そうだな。生活安全に問い合わせしてみろ」

 

お巡りさんたちは何を言っているんでしょうか?

おっちゃんはもう考えることを放棄しました。

何も悪いことして…無免許運転してたーーー!?

 

これより私はユーリエちゃんが来るまで黙秘を貫こうと思います。

 

「すみません。お待たせしました」

 

幾ばくかの時間を無心で過ごしていたら、制服姿のユーリエちゃん登場。

穏やかな笑みを讃えているのにも関わらず、なんか背後にゴゴゴゴッって文字が浮かんでそうな雰囲気。

 

なんか怖いので息を潜めて過ごしていようと思います。

 

ケータイでどこかに連絡とったりしながらお巡りさんたちと会話しているのだけど、

段々とお巡りさんとホームセンターの責任者のおっちゃんの顔色が悪くなっている気がします。

特におっちゃんは何かに絶望しているような顔なんだけど大丈夫だろうか。

 

「では、そのように手配をお願いします」

 

「か、かしこまりましたーー!」

 

ホムセンのおっちゃん土下座しそうな勢いでユーリエちゃんに頭下げてる。

 

「「申し訳ございませんでしたっ!」」

 

お巡りさんがこちらに頭下げてる。

 

「分かってもらえたらそれでいい。では買い物の続きを…」

 

「ご心配なく、お買い上げいただく物と、必要と思われるものは全て当方で準備いたしますので!」

 

お、おう。元気いいなおっちゃん。

 

「業和さん、なのでこのまま帰りましょう」

 

「…あっ、はい」

 

これユーリエちゃんが激おこプンプン丸だ。

ゴメンね。こんなくだらない事で呼び出して、本当に申し訳なかった。

 

ここまでタクシーで来たらしいユーリエちゃん。

帰りは一緒に参ります。

駐車場までついてこなくていいとホムセンのおっちゃんとお巡りさんにやんわりお断り入れて、車に到着。

 

「大変な目にあったね提督」

 

「…そうだな」

 

「…全く、何考えてんの…。潰してやろうかしら…。管轄の警察署長の名前は…」

 

あのー、ユーリエちゃん。

考え事しながら助手席に乗り込もうとしている所、大変申し訳ないのだけれど、

 

「どうかしました?」

 

その、なんだ、

 

「運転免許?」

 

無いんだよね俺。

だから、お巡りさんも見ているかもしれないからさ、運転お願いしたいんだよね…。

 

「…あっ」

 

あ、ユーリエちゃんもうっかり?

仕方ないよね忙しそうだったもんね。

 

「えっ、ちょっと待って…ここまで普通に運転して来たって事? そりゃ大きくは構造変わって無いにしても…」

 

あぁ、うん。なんかブツブツ言いだした。

 

「流石です! 業和さんっ!」

 

え、なにが?

 

「でも、そうですね。帰りは私が運転しますね」

 

あ、はい。お願いします。

 

色々あったが買い物を無事終えられ良かった。

そして何故かその日の夜に外出禁止令を出された。

 

解せぬ…。


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