クロノトリガー~時空を越えた魔法騎士~   作:ユキユキさん

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雪が凄い。


第4話 ~マノリア修道院《ヤクラ戦・前半》

ークロノー

 

カエルさんを先頭に駆け抜ける僕達だが、魔物の妨害が少ない。最初の内だけだったな、色々と出てきたのは・・・。普通は奥へ進むにつれ、妨害が多くなるもんじゃないの?しかし、ある通路に出ると理由が分かった。・・・その通路には多くの死体があったのだ、多くの魔物がなぎ払われたかのように折り重なって。

 

「・・・俺達よりも先に、この修道院へ潜入していた奴がいるのか?ソイツが敵か味方かは分からん、・・・王妃様が心配だ、急ぐぞ!」

 

カエルさんのスピードが上がる、僕達も置いていかれないようにスピードを上げる。横目で死体を見ながら走っているけど、・・・カエルさん級の何者かがいるってことに少なからず恐怖する。僕達では絶対に勝てない、・・・どうか敵ではなく味方でありますように!そう願わずにはいられない、だってそうでしょ?誰だって死にたくはない、当然のことだ。

 

 

 

 

 

ーエシャルー

 

「困りますな、勝手にこの場から逃げようとなど・・・。リーネ王妃様は死なねばならんのですから、死にぞこないの兵士に侵入者、裏切り者と共に・・・!」

 

無駄に凄みのある大臣、証拠に熱血兵士の二人にエキドナは強ばっている。リーネ王妃も凛としてはいるけれど、震える身体は隠せない。まぁそんな中で、俺だけは自然体なんですが。正直生温い、これ以上の凄み・・・殺気は何度も経験しているからな。

 

「覚悟は良いかな、リーネ王妃様?この世にさよならを告げる時間だ。他の者共も一緒に殺してやる、・・・出て来い!!」

 

周囲から魔族が出現する、・・・何処に潜んでいたのやら。ワープでもしてきたか、認識阻害の何かしらをしていたのか、まぁどちらでもいいけどな。俺達のやることは単純、ただ一つだけだ。

 

「・・・リーネ王妃様を守りきることが俺達の務めだ、相手にスキが出るまで堪えきるぞ!」

 

守りきってみせるさ、リーネ王妃をな!大臣・・・、その余裕を消してくれる!・・・覚悟しとけや!!

 

 

 

 

 

ークロノー

 

僕達は、死体の転がる通路をただ駆け抜ける。こういうことに無縁であった僕とルッカだが、魔物とはいえ死体を見ても何ともない。・・・たぶん兄さんの影響なんだろうなぁ、目の前で動物を解体するような人だし。まぁその時に出た肉は、みんなで美味しくいただきましたが。そういう経験をしているから、死体を見ても大丈夫だし、殺しても平気なんだろうね?動物と魔物は違うけど、似たようなもんだし?必要悪って言うのかな?よく分からないけど。

 

そんな感じで進んでいくと、大きな扉の前に出た。・・・ん?扉の向こうから何やら音が聞こえる、これは・・・戦いの音だ!

 

「この奥で戦闘が行われているようだ、・・・気を引き締めろ、二人共!」

 

カエルさんの一言で気合いが入る、乱入ってわけですね?

 

「・・・行くぞ!!」

 

とは言ったものの、カエルさん一人では扉が開かないようです。

 

「・・・・・・。」

 

カエルさんの背中が、少し恥ずかしそうだ。・・・うん、これは恥ずかしいよね?

 

「ルッカ、力を合わせて扉を開けよう!」

 

「そ、そうね!何事も力を合わせることが重要よね!」

 

「・・・お前達のフォローが心に突き刺さる。」

 

ボソッとカエルさんが何かを呟いたが、僕達は何も聞いていない。そんなことより扉を開けて、中で行われている戦闘に乱入だ!

 

 

 

 

 

乱入する為に突入した僕達の前では、王妃様を守るように戦う四人の姿があった。兵士らしき二人が王妃様の前後にて、近付く魔物と応戦している。その二人を援護するように立ち回り、同じように王妃様を守っている魔物のお姉さん。そして・・・、

 

「その程度の実力で俺達を殺そうだとは、片腹痛いわ!・・・どうした、死にたい奴は掛かってこい!!」

 

そう言いながら、一人で多くの魔物を倒している人物がいた。

 

「ぐぬぬぬぬ・・・、おのれぇ~・・・!」

 

「そろそろ打ち止めになるんじゃないか?大臣さんよぉっ!」

 

その人物と対峙している小柄な爺さんが、怒りの籠った目で睨み付けている。・・・その爺さんはどうでもいいけど、魔物をなぎ払っている人は・・・、

 

「・・・兄さん!!」

 

エシャル兄さんじゃないか!何処に行ったか分からなかったけど、まさかこんな所で再会するなんて!僕は自然と身体が動き、兄さんを囲む魔物の一体に斬りかかった。

 

 

 

 

 

ーエシャルー

 

魔族達をなぎ払いながらも、大臣の挑発も忘れない俺。出来る限り敵の目を俺に向け、リーネ王妃達に向けさせないように立ち回る。敵が俺に集中してくれれば、リーネ王妃達へと襲い掛かる魔族も減る。それ即ち、リーネ王妃達の生存率が上がるということ。俺は大変だけど強いんで、何とかなるってわけです。これこそが、最も生き残る可能性が高いと思われる作戦である。・・・何かしらのきっかけがあれば、反撃出来ると思うんだけど。あの大臣を何とかすれば、これ以上・・・魔族は増えないと思うんだよね。さて・・・どうしましょう。

 

そして反撃の機会は、思わぬ人物が乱入してきたことにより、実行可能となったわけで。

 

「・・・兄さん!!」

 

聞き覚えのある、いや知っている声と共に俺の下へと躍り出る男。・・・オイオイ、なかなかにカッコいい登場じゃないか!まさかこんな再会になるとはな・・・!

 

「クロノか!よく来たな、ナイス援護だ!僅か一日、会わない間に男らしくなりやがって・・・!」

 

流石は俺の弟、いつもはヘタレだがやる時はやる男だな!

 

「強力な助っ人を連れてきたよ!・・・ルッカも一緒だし、僕も頑張るよ!」

 

その言葉を聞き、戦いながら周囲を確認してみると、ルッカがサポートをしつつ蛙男が魔族を斬り伏せている。なかなかの使い手のようだな、クロノの言うように強力な助っ人だ。これなら・・・、逆転の目を引くことが出来るだろう。

 

 

 

 

 

新手の登場に、大臣が苦虫を潰したような顔で、

 

「むうっ、お前達・・・!!よくここまで潜り込めたな!」

 

そう言い放つ、・・・まだ余裕があるようだ。リーネ王妃もそれに気付いており、

 

「・・・カエル!」

 

助っ人の姿を見て顔を綻ばせる。その様子を見る限り、信頼の置ける強者ということですな?・・・というか、カエルとかってストレート!なんつー名前をしているんだ、久々にビックリしたよ!

 

「王妃様、ご無事のようで!遅ればせながらお助けします、少々お待ちを・・・!!」

 

そう言いながら、剣を振るい斬り伏せていく姿はまさに強者!俺も負けらんねぇや!

 

「・・・ぐぬぬぬぬっ!」

 

顔を赤くして怒ってらっしゃるが、・・・スキだらけだぜ!カエルに気を取られ始めた大臣に向け俺は、

 

「ファイアーソード!」

 

剣身に炎を纏わせて剣撃を放つ、炎の一撃は大臣を包み込み・・・、

 

「ぬぉぉぉぉぉっ!!」

 

その身を燃やす。

 

「・・・ちょっ、兄さん!何その技!!」

 

クロノが何かを言っているが無視。そんで大臣が燃え始めた途端、魔族の出現が止まった。やはり大臣が、何かしらの術を施していたに違いない。これで増援は終わり、ザコ魔族を駆逐すれば任務終了!・・・といきたいのだが、そう簡単にはいかないわな。燃えている大臣が、未だに健在だもの。

 

 

 

 

 

俺のファイアーソードを受けてもなお健在、流石は親玉ってか?大臣がエキドナの言う魔族、ヤクラで間違いないだろう。

 

「ギャハハハハハ・・・!無駄無駄ぁ!ここからは誰一人として生かしては帰さぬぞ!」

 

炎の中で高笑い、タフな奴だねぇ・・・。だが・・・面白い!不謹慎ではあるけどな!

 

「リーネ王妃の前に貴様らから血祭りだ!!大臣・・・チェーンジッ!!」

 

大臣チェンジとかって笑えるんですけど!俺が一人で笑いに堪えている中、炎に包まれていた大臣が回り始める。大臣を包んでいた炎が徐々に消えていき、回る大臣も徐々に姿を変えていき・・・、

 

「ヤ~クラ~ッ!!デロデロン!!」

 

とか言って、醜悪な魔族へと変貌した。

 

大臣が本性を現し、この場にいる者全員が緊張した。ただ一人を除いて・・・、

 

「ヤクラ、デロデロン!・・・だって?ワハハハハハ!!何、そのデロデロンって?馬鹿みたいだな、・・・っていうか馬鹿なんじゃないの?本性というか正体も、ずんぐりむっくりだし。デロデロンって自分を指してんの?」

 

俺は馬鹿笑いをした、緊張感なんざ知ったことではない。だって面白いんだもの、ヤクラってコメディアン魔族なん?ウハハハハハ!!一戦交える前に、良い感じで力が抜けたよ。

 

「ききき、貴様ぁ~!お前だけは、お前だけは八つ裂きにして魔物の餌にしてくれるわ!!」

 

「ハッ!言っとけ、クソヤローが!ガルディア王国乗っ取りを計画したこと、後悔させてやるわ!!」

 

そう言って再度、剣を構え直す俺。そんな俺の後に続いて、

 

「・・・お前がクロノの兄か、聞いた通り・・・いや、それ以上の強者のようだ。奴を倒すのに競い合うのも面白そうだな!」

 

「兄さん、援護は任せてよ。足手まといにはならない!」

 

カエルとかいう剣士と、我が弟クロノが戦列に加わった。・・・熱い展開になってきたようだな、・・・俺が言えることは一つだけ。

 

「ヤクラ!お前の野望はここで終わりだな、後悔して死ねや!」




次回、サクッとかいうヤクラ退治。
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