クロノトリガー~時空を越えた魔法騎士~   作:ユキユキさん

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ひっそり投稿。


第3話 ~被告人クロノ《脱獄1》

ークロノー

 

僕は裁判の後、大臣を先頭に空中刑務所へと連行される。途中、架け橋?よく分からないけど恐かった。めちゃくちゃ高いんだよ?あれは肝が冷えるよね、出入り口はその橋だけ。逃げる時はここだけっぽい、・・・キツそうだよね。まぁ僕の場合は三日だけだから、・・・我慢しますよ?

 

そして入りました空中刑務所、そこで僕は驚くべきことを聞いた。

 

「こいつは、王家転覆を謀ったテロリストだ。・・・裁判で有罪となったので引き渡しに来た。」

 

・・・はあっ!?何を言い出すかこの大臣は!僕は三日間の独房入りだけだぞ、それをテロリストとかって・・・ふざけているのか!?文句と共に否定しようとしたが、僕を連行してきた兵士に後ろから蹴られ、

 

「・・・うぁっ!?」

 

バランスを崩して転んでしまった、そのまま頭を踏みつけられる。・・・クソッ!これじゃあ何も言えない!

 

「こやつが王女様を誘拐したテロリストですか。」

 

「こいつの処刑は三日後だ。逃がさぬように、見張っておれよ。」

 

・・・処刑!?僕は無罪で反省の為にここへ来ただけだぞ!・・・コイツ、僕の罪を捏造する気か!

 

「処刑?そのような話は聞いておりませぬが・・・。」

 

「気にするな、手続きの書類が遅れているだけだ。それとも、わしの言葉が信じられぬか?」

 

「め、滅相もない!」

 

やや脅し気味に凄む大臣に、刑務所職員らしき人が慌てる。そして・・・、

 

「衛兵!こいつを連れてゆけ!」

 

職員の横に控えていた二人の衛兵が僕に近付き、手に持つ剣を鞘に納めたまま僕に一撃を入れてきた。僕はその一撃で、意識が暗転してしまった・・・。

 

 

 

 

 

・・・・・・目が覚めれば、・・・ここは独房だろうか?・・・僕はそのまま独房に入れられてしまったのか?僕はその事実に気落ちしてしまう、・・・どうしてこうなった。・・・まぁ原因はあの老いぼれ大臣なのだが、今となってはね。僕はこのまま、処刑の日までここに閉じ込められたままなのか?・・・絶望だよ、流石にさ。

 

僕は兄さんとルッカに言われたからって理由もあるけど、僕自身もマールを無事に送り届けたいと思い城へと来ただけなのに、捕まって・・・無罪になって・・・、何故かテロリストにされて処刑を待つ身。わけが分からないよ、・・・分からないまま僕は死ぬのだろうか?・・・本当にどうしてこうなった?僕は色々なことを思い浮かべ、そして考え・・・そのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

夢ならいいな、そう思っていたけれどこれは現実。そのことに軽く絶望、自分の処刑までこのままここにいるだけの身、何だかやっぱり悲しいよね?それと同時に僕は納得していないけど。でも、どうしようもない。これだけは言えるよね?刀も取り上げられているし、打つ手無しかな?

 

悶々としていると、小さな机の上に包みを見付けた。これは何だろうと開けてみれば、中にはアイテムと手紙が。読んでみれば、証人になってくれたあの娘からだ。このアイテムはあの娘からの差し入れ、猫のお礼と三日間の反省頑張ってという激励みたい。そして出てきたら、お友達になりましょうだって・・・。僕は涙した、あの娘の優しさに、そして叶わぬ願いに・・・。でもありがとう、僕はその優しさを抱いて処刑の日まで生きるよ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・なぁ~んて、思うわけないっしょ!大人しく処刑の日まで待ってられるか!こちとら無罪だコノヤロー!無実の罪で処刑されるぐらいなら、脱獄上等!自ら犯罪を犯してくれるわ、脱獄という罪を!あの娘の優しさで冷静になれた僕は脱獄を決意した。死んでたまるか!生きてこの空中刑務所から脱獄し、あの娘と友達になるんだ!ルッカや兄さん達と色々なことをやるんだ!母さんに親孝行をするんだ!あの老いぼれ大臣に一撃を入れるんだ!頑張れ男の子、クロノ・・・脱獄します!

 

 

 

 

 

脱獄を決意した僕は暴れる、独房内に設置してある物を力任せに壊す。これには理由がある、独房内で暴れれば・・・看守が駆け付けてくるだろう。そして僕を鎮圧させる為に、鍵を開けて中へと入ってくるだろう。その時こそ脱獄のチャンス、看守を気絶させて独房を出るのだ。武器の無い僕は、独房内の物を壊して手に入れた鉄の棒がある。・・・きっと大丈夫、上手くいく筈だ。

 

独房内で暴れていると、僕の目論み通りに誰かがここへ駆け付けてくる。まぁ・・・看守以外、考えられないんですけど。とにかく、それでも気にせずに暴れていると、

 

「独房内で暴れるとはバカな奴め!力ずくで黙らせてやる!おい、扉を開けろ!」

 

血の気の多い看守で助かるよ、さぁ・・・早く中へと入ってきな!

 

中へと入ってきた看守は、暴れる僕を殴り付けた。兄さんに比べたら、僕なんてヘタレで弱っちぃけど、看守程度の殴打は受け流すことが出来る。・・・まぁ実際は、ちょっと失敗してやや痛だけど。そんなことを知らない看守は得意顔で、

 

「へっ、いつまでも騒いでいるから痛い目に合うんだ!」

 

そう吐き捨てるように言って、僕に背を向け独房から出ようとするが、

 

ガンッ!!

 

その後ろ姿に鉄の棒で一撃、看守はその場に崩れ落ちる。・・・何とも他愛ない、そのまま独房から脱出し、他の看守を片付けた僕。看守室にて僕の刀を見付け、本格的に脱獄を開始するのであった。

 

 

 

 

 

空中刑務所を逃走中、出会う看守を鞘で殴り、気絶させながら出口を目指す。しかし、途中から雰囲気が変わる。看守から魔物へと、遭遇するのが変わったのだ。何故こんな所に魔物がいるのか?意味が分からない。・・・分からないが、ここから殺す気でいかなくては僕が死ぬ。そんなのはごめんだからね、魔物なら殺しても問題ないだろう。僕は鞘から刀を抜き、一撃必勝を念頭に駆ける。兄さんに鍛えられたんだ、諦めないぞ!戦い抜いてやる!

 

僕は出会う魔物を一撃で倒しながら進む、勢いに乗っている僕の太刀筋は止めることなど出来ない。相手の動きを観察、そして見切った上で斬り伏せる。本来の僕はこんなことなど出来ない、・・・やっぱり気持ちの問題なのかな?心を強く、覇気を纏えば、たとえ僕でもにわかな達人になれるもんなんだね?ダテに兄さんの弟をやっていない、少し自信が付いたよ。そんな風に少しだけ気を緩めた直後、殺気を感じてその場から飛び退けば・・・、

 

ズガァァァァァンッ!!

 

僕がいた場所を、トゲ付き鉄製棍棒が床を穿っていた。・・・あっぶねぇ~っ!!

 

 

 

 

 

僕は体勢をすぐに整え、床を穿った相手を見据える。・・・相手は鎧を纏った一つ目の大男、その大きな目が僕を捉える。

 

「貴様が逃げ出した囚人か!・・・この俺が来たからには、この場で処刑してやる!!」

 

・・・コイツを倒さなくちゃ、先へは行けないみたいだね。・・・かなり強そうではあるけれど、どうしてかな?負ける気がしない!

 

大男は、先ほど床を穿った棍棒を再び持ち上げ、僕目掛けて降り下ろす。僕はそれを危なげなく避ける、大きな音と共に床を穿つ大男。僕はその隙を逃すことなく攻撃を加えるが、大男はその一撃を読んでいたらしく、身体を軽く捻って避ける。・・・見た目によらず、身体が柔らかいみたいだね。ここへ来るまでに、相手をしてきた魔物とは格が違うようだ。・・・魔物ではなく魔族、言葉を話すからにはソッチの線が強いだろう。・・・というか魔族だね、きっと。まぁ魔族だろうが何だろうが、僕は負けない!

 

一進一退の攻防、僕の素早い攻撃に大男の固い守り、なかなか決まらない。僕と大男の体格差もあるだろうけど、僕は脱獄中。逃げて戦ってここへ来たんだけど、体力の問題も出てくる。時間を掛け過ぎるのも長い目で見れば不利になる、これ以上は戦い続けられない。・・・魔族って本当に厄介だよね?中世の修道院、そこで戦った魔族はここまで強くなかったんだけど・・・。ヤクラは別だよ?幹部だったみたいだし。

 

 

 

 

 

攻防の最中、マヨネーさんからの言葉を思い出す。

 

『力技の多い魔族は全体的に魔法、或いはそれに準ずる攻撃に弱いのヨネ~。』

 

・・・対峙する大男は力技を多用する、そうなると魔法が効果的っていうのが分かる。だけど僕は、魔法なんか使えない。何故か使える兄さんに教えてもらおうと思ったんだけど、才能とか得手不得手とか、それが重要みたいだし、何より短期間で覚えるものでもない。そんなことが出来るのは神様ぐらいだろ、とのことで教えてはくれなかった。しかし、マヨネーさんが・・・、

 

『弟君は元同僚に似ているのヨネ~、・・・魔法ではなく剣技?刀技?それを磨いてみたらいかが?弟君に少しでも魔法の素養があるのなら、技に魔力が乗るかも♪』

 

・・・なんて助言をもらった、・・・技かぁ~。そういえば兄さんもそういう技を使っていたね、炎の剣って感じの技がヤクラを燃やしていたし。・・・兄さんの弟である僕にも可能性はあるよね?うん。

 

 

 

 

 

そんなことを思い出した僕は、攻防の最中・・・出来る!そう本能的に思った。今の僕は色々と研ぎ澄まされている、身体の内側から何かこう・・・力が湧き出てくるような感じ。その力が外に出たがっているんだけど、僕にはそのやり方が分からない。だけどマヨネーさんが言っていた技、それにだったらこの力を乗せることが出来る。そう思うと、刀を握る力が強まるね。身体中の血が手に集まって、そこから刀身に流れていくような感覚。普通に考えたら賭けのようなものだけど、僕なら出来る!ヤクラを倒した兄さんの、エシャルの弟である僕になら出来る筈だ!

 

僕と大男、お互い間を空けて武器を構える。・・・暫しの沈黙、そして同時に動き出す。大男はトゲ付き鉄製の棍棒を振り上げながら僕に迫り、僕は刀を強く握り締めながら立ち向かう。真正面からの突撃、本来であれば悪手ではあるけれど・・・僕は!!

 

「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」

 

降り下ろされる棍棒に怯むことなく、僕は下段に構えた刀を逆袈裟斬りのように振り上げる。すると刀から、未知の力が斬撃のように放たれ・・・、

 

ズバッ!!

 

「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

棍棒もろとも、僕の斬撃が大男を斬り裂く。大男は血飛沫を上げながら倒れるも、致命傷にはならなかったようでフラフラと起き上がる。そして・・・、

 

「ぬぉぉぉぉぉっ!こ、こりゃたまらん!・・・小僧、この勝負はお前の勝ちだ!・・・覚えていろ!!」

 

そんな捨て台詞を吐いて、大男は逃げていった。

 

・・・僕もそれなりに強くなったものだ、一人で魔族を退けるようになったのだから。これもサボり気味ではあったけど、毎日の鍛練の賜物だね。それとマヨネーさんの助言のお陰だ、ありがとうマヨネーさん。マヨネーさんのお陰で一つ、強くなれたよ。今度お礼も兼ねて、『お義姉ちゃん』とでも呼んであげようか。そう思いながら、僕は再び行動を開始した。




視点がルッカ達に。
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