クロノトリガー~時空を越えた魔法騎士~   作:ユキユキさん

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こそりと投稿。


第6話 ~侵入? 潜入?

ーエシャルー

 

…あの後暫くして、ホワイトことルッカが正気に戻った。上半分が仮面で隠れてはいるが、めっちゃ顔が赤くなっているのは隠しきれない。一番ノリノリ、むしろ悪ノリしたまであるからな。とにかく、正気に戻ってくれて助かった。

 

「うわぁぁぁぁぁん!! 私の黒歴史がまた一つ、…増えてしまったわ! エシャル兄の馬鹿、…クロノはその上をいく大馬鹿よ!!」

 

最終的に救出対象のクロノをディスるルッカ、…悪ノリした自分が一番悪いと思うんだけど。…だが俺は指摘しない、…矛先がこっちに向いたらメンドイじゃん。

 

とりあえず落ち着いて話し合った結果、この格好と呼称はそのままでいくと決めた。俺達の黒歴史が決定となった瞬間ではあるが、身元がバレるよりはマシと考える。ミントが考えてくれたことだけど、俺達のせいで黒歴史としてしまったことを許してくれ。…ミントに合わせる顔がないよ、ホントに。

 

……で時間が押しているからサクッと作戦会議をして、それぞれがやるべきことをきちんとこなしましょう! ということになり、先手の俺が行動を開始したのである。…俺のやるべきこと、それは…正面から陽動をかますこと。そんなわけで俺は、あえて前のめりの変なポーズでその姿を晒す。突然現れた黒ずくめの変な奴、それを見た兵士達は一瞬…呆気に取られながらも正気に戻り、

 

「「「何奴!?」」」

 

と期待通りの言葉を言ってきた。

 

情けないことに、城門を守る兵士達が揃って俺を注視する。それでいいのか兵士諸君! それでは侵入してくださいと言っているようなものだぞ! と思うが好都合、更にその視線を釘付けてやるぜ!

 

「ふん…、何奴? と問われたら答えてやるのが俺のポリシー! 良く聞くといい木っ端兵士のタダ飯食らい共! 俺の名はブラック、怪盗と呼ばれるナイスガイだ! 俺がここに現れた理由はただ一つ、このガルディア城にあるとされるお宝を盗み出す為さ!」

 

ドヤ感が出るポーズを決めながら目的を言えば、

 

「「「誰がタダ飯食らいの木っ端兵士だ!!」」」

 

そこに食い付いてきた。…あれ? …普通はガルディア城のお宝に食い付くもんじゃないの? 気を取り直して…、

 

「本当のことを言って何が悪い! 役立たずのチェリーソルジャーズめ! ガルディア城のお宝と怪盗世界では名高い、…そう! 貴様らの主君の娘、マールディア王女を拐ってくれるわ! ふははははは! 驚いたか!!」

 

怪盗と言いながらも人攫い宣言。とにかく王女を拐うと言われて黙っている筈がない、怒りまくるに違いない! ……が、

 

「ど、どど童貞ちゃうわっ!?」

 

「ブラックと言ったか、その情報を何処で!?」

 

「畜生っ! 誰が好き好んで…!!」

 

…ソッチに食い付いて怒るの!? 王女だよ? 王女を拐うと言っているんだよ!? 城に仕えているんだったらそこに食い付けよ! …本当にダメダメみたいだな、ガルディア城の兵士!! そう思っていたら、

 

「「「テロリストだ、テロリストが現れたぞ!!」」」

 

奴等がとんでもないことを叫んだ、…テロリストちゃうわ!! そう否定したかったが、城門からワラワラと兵士達が…、

 

「予定通りだが想像以上だ!? …こりゃたまらん、…あばよっ!!」

 

身を翻して逃走を図れば、

 

「「「「「待て! テロリストォォォォォッ!!」」」」」

 

めっちゃ追いかけてくるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!? …そんなわけで、一人対数十人の追いかけっこが始まった。

 

────────────────────

 

ールッカー

 

「「「………。」」」

 

エシャル兄がノリのままに陽動を実行し、多くの兵士達を引き連れて逃げ去った方角を三人で見る。何ていうか、成功したんだろうけど…、

 

「ガルディア城を守る兵士の質が悪いと思ったのは、…私だけではない筈。」

 

「ガルディア21世がこれを知ったら、…かなりの勢いで嘆くのヨネ~。」

 

「エシャ…ブラックの挑発を褒めればいいのか、…兵士達の馬鹿っぷりに呆れればいいのか、…分からない。」

 

ガルディア城の兵士がヒドイ、…ヒドイがチャンスなんで潜入? むしろ堂々と侵入することになった。…楽なのはいいんだけど、…ツマらないわね。

 

城門から堂々と侵入したんだけれど、…兵士が一人も見えない。考えたくもないんだけど、…エシャル兄を追いかけるのに全員行ったとか? …本当に色々と台無しだ。クロノを救出する為にある程度の作戦を考えたのに、それを実行する場面が無いんだもの! せめて数人は残りなさいよ! …本当に何なの? ガルディア城の警備は! 国民として悲しすぎるわよ、本当に…!!

 

がっかり感がハンパないけど、一応…コソコソと行動はしている。こんな状況下でも、見付かったら大変なことになるからね。…そういう心構えで侵入から潜入にシフトチェンジしたのだけど、ピンチになる場面が一つもない。所々に兵士がいるんだけど、マヨネーさんが投げキッスを放てば一発で眠りに落ちる。

 

「投げキッスの万能さが納得出来ない、…それって技なの? 魔法なの? どっちなの?」

 

その万能さに興味があり聞いてみれば、自身を抱くように…胸を強調させるようなポーズでこう言い放った。

 

「見れば分かると思うけれど、…魅力的な女の成せる技なのヨネ~♪」

 

………聞いた私が馬鹿だったわ。

 

「…ブルー、先を急ぎましょ!」

 

「…うむ、そうしよう。」

 

私とエキドナさんはマヨネーさんをスルーし、クロノが囚われている空中刑務所へ足早に向かう。スルーされたマヨネーさんは、

 

「…ちょっ、待つのヨネ~…!」

 

慌てて追っかけてきたり。

 

 

 

 

 

 

一人果敢に陽動をしたエシャル兄、そのお陰で苦もなくここまで来た。クロノが囚われている空中刑務所は目と鼻の先、この門を潜ればって所で聞こえてきたのは、

 

「奴等の脱獄を阻止する為には、このドラゴン戦車が必要不可欠! 故に、早く整備を済ませるのじゃー!!」

 

という誰かに似た声の怒号を聞いた。脱獄? ドラゴン戦車? …何とも気になる単語を聞いた私達は、立ち止まって聞き耳を立てる。

 

「あのクロノとかいう小僧め、小癪にも脱獄を図るとはな! しかもあの鬼のような魔物ハンターであるあ奴、フリッツと言ったか? あの男を解放するなんて…! あの男を逃すのはヤバイ、小僧を逃すのもヤバイ…! 故にコイツで二人まとめて葬ってくれる、ワシがこのドラゴン戦車で直々に処刑してくれるわ!!」

 

……何ですって!? クロノの奴、脱獄しているの!? …しかもフリッツって、…あのフリッツさんよね? 魔物ハンターとか言ってたし。…ヤバイわね、…エシャル兄に陽動をさせなかった方がよかったかも。

 

 

 

 

 

 

密談とはいえないけど、とんでもないことを聞いてしまった。あのお爺さん、何処で見た顔と思ったらこの国の大臣じゃない。…まさか大臣がクロノを処刑しようとしているだなんて、…しかもトルース町が誇る魔物ハンターであるフリッツさんまで。これは許されることではないわね、…絶対に阻止しなくちゃ!

 

「未来の義弟を処刑とか、…舐めたことを言っちゃって! このあたいがぶち殺してやるのヨネ~!」

 

「その通りだマヨ…レッド! 殺してその首を城門に晒してくれる!」

 

…私以上に憤慨している二人、殺すとかって物騒な! …私も殺してやりたいとは思うけど、あれでも一応この国の大臣なのだ。殺しちゃったら色々とマズイ、…取り返しのつかないことになりそうだ。私は今にも殺しに行きそうな二人を宥めることにする、…何か城へ潜入するよりも大変なんですけど!?

 

…何とか二人を宥めることに成功した私、無駄に時間を費やしたわ! 誰にも見付からなかった、その幸運にも感謝しないと。…とにかく事は一刻を争う、早くクロノの下へと行かなくちゃ! 大臣の話では、クロノ達は脱獄の真っ最中。途中で合流出来るかもね。

 

「よぉ~し! 準備は整った、…ドラゴン戦車発進の準備をするんじゃ~!!」

 

…って無駄なことをしている間に整備が終わっちゃったみたい、…急がなきゃ!

 

「レッド、ブルー。…時間がないわ、強行突破で行くわよ!!」

 

「「おぉ~っ!!」」

 

ここまで来たら形振り構ってられない、力ずくで行くのよ! 何かもう城内がアレだから、何とかなるでしょう!

 

────────────────────

 

ークロノー

 

僕とフリッツさんは、襲い来る魔物達を確実に殺りながら出口を目指す。僕達を…いや、フリッツさんを止められる奴はいない。魔物が現れた瞬間に滅殺、その槍さばきが達人…化物級とはっきり言える。

 

「俺達を殺りたければ一気に百匹は用意しないとねぇ~、それかボス級五匹? …どっちにしろ昂るわぁ~♪」

 

物騒なことを言うフリッツさんに僕は……、

 

「そうですね! それが妥当ですよね!!」

 

肯定することしか言えない、…フリッツさんが恐いんだもの。…でも、本当に魔物が百匹、それかボス級五匹なんて現れたら…僕は確実に死ぬ! フラグよ立つな…! と強く願いながら僕は走る。

 

…気付けば周囲の構造が変わり、魔物が徘徊する独房エリアを抜けたみたいだ。後少しで脱獄、…脱出出来るって思うと戦う力も湧いてくるね! だけどここから相手が、魔物から人間へと変わったわけで。殺さないように加減しなくちゃいけないけど、これがなかなかに大変だ。

 

「物凄い悪人ならば仕方がないけど、それ以外であれば極力殺してはいけない。…人殺しはしちゃいけないよ? クロノ君。」

 

…それとフリッツさんが普段の性格に戻った、狂化状態から普通状態に戻ったのだ。さっきまでヘラヘラと魔物を殺しまくっていたのにね? …フリッツさんって、人間相手には狂化しないのかな?

 

そして辿り着いた巨大な門、ここを抜ければ外へ出ることが出来る。僕とフリッツさんは力を合わせて門を開き、そこを潜り抜けると、

 

「…わっ!? 脱獄囚だと! …ってフリッツ!! …こ、殺される!? …お、お助けぇ~っ!!」

 

偉そうな兵士がいたんだけど、フリッツさんを見た瞬間…顔を青く染めて逃げ出してしまった。フリッツさんは何故? って顔をしているけど、僕からしてみれば…そうなるよね! って感じだ。…まぁとにかく、これで楽に脱出出来るよね! 日頃の行いがいいからかな? 意気揚々と兵士が逃げていった階段へ、歩を進めようとしたんだけど、

 

「ぐはぁぁぁぁぁっ!?」

 

先程逃げ出した兵士が転がり落ちてきた、…まだ何かあるの!? 僕とフリッツさんは咄嗟に身構え警戒していると、そこから現れたのは…、

 

「よし! ガンガン行くわよ! …って目の前にいるし。……ホント、何か…つまんない。」

 

白い服を着た仮面の女が現れた。…誰? …誰かの声に似ているけどさぁ。




次話も気紛れ投稿になります。
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