クロノトリガー~時空を越えた魔法騎士~   作:ユキユキさん

5 / 34
少し、オリジナルな展開が入るかと。

オリ主だから、当たり前か。


第5話 ~消えた二人

ークロノー

 

マールと兄さんが、謎の穴に吸い込まれて消えた。呆気に取られていた僕達であるが、

 

「ハ、ハイ!ご覧の通り影も形もありません!可愛い娘さんも、カッコいいお兄さんも見事に消えました!こ、これにてオシマイ!!」

 

タバンさんがいち早く正気に戻り、そう言って見物客を解散させる。そして、穴のあった場所を彷徨いてから、

 

「おい、ルッカ!一体どうなってんだ?あの娘にエシャルはどうしちまったんだ!?」

 

と少し狼狽えていた。当たり前だ、ルッカの・・・、自分達の発明で二人が消えてしまったのだから。ルッカは、難しい顔で考え込んでから、

 

「あの娘の消え方、テレポッドの転送の消え方じゃない。あの空間の歪み方・・・、ペンダントが反応していたようにも・・・、もっと・・・何かが・・・。そしてエシャル兄は・・・、それに巻き込まれて・・・?いや・・・、エシャル兄も何か・・・、普通と違っていた・・・。」

 

ブツブツと、先程のことを整理しているようだ。

 

「どうしたらいいんだ?二人を助けることは?」

 

タバンさんは、少し焦り気味だ。ルッカに意見を求めつつ、色々と思案しているっぽい。

 

「あの娘は・・・。・・・んっ?そういえばあの娘、何処かで見たことがあるような?」

 

ルッカはルッカで、何か別のことにも頭を働かせているみたいだ。

 

 

 

 

 

ルッカとタバンさんが、二人を助けることが出来るのかを考えている中で、僕には何が出来るのか?僕は二人のように頭が良いわけではない、消えてしまった兄さんのように何かしらの実力があるわけでもない。僕にあるのは・・・!

 

僕は左のポッドに落ちている、マールのペンダントに気付く。ルッカもペンダントがどうのとブツブツ言っていたし、ペンダントが何かしらの鍵である可能性は高い。あの時も、マールの胸元で光っていたし。僕は左のポッドへ行き、マールのペンダントを拾う。このペンダントに何かあるのだろうか?そして、兄さんに何が起きたのか?兄さんと外出し、マールと出会い、ルッカの発明を見に行き、そして・・・このような事態になる。たった一日、・・・たった一日でこのような怒涛の展開が起きるなんて、誰が予想出来るだろうか?僕はマールのペンダントを握り締め、ただ佇むだけのだ無力な男だ・・・。

 

しかし現実は残酷で、・・・というか僕には運が無いのだろうか?

 

「おーっ!後を追うってのかクロノ。流石は男だぜ!」

 

「そうね!あの空間の先に何があるのか分からないけど、それ以外に方法は無さそうね。」

 

「えっ・・・、違っ・・・!!」

 

二人は何かを勘違いしている!僕は一言も、後を追うとは言っていない!

 

「でも、都合よくまた・・・穴が現れるとは限らないぜ。」

 

「やってみる価値はあるわ!きっとペンダントがキーになってるのよ!・・・クロノ!しっかりそれを握ってて。きっと同じ事が起こる筈よ!」

 

「だから・・・、待って・・・!」

 

何も聞こえていないみたい、・・・お願い聞いて!・・・そして待って!

 

「スイッチオン!」

 

「エネルギー充填開始!」

 

「あぁ・・・っ!ちょっと・・・!?」

 

本当に聞いていない!・・・ヤバイヤバイヤバイ!二人を助けることが出来るかもとは思うけど、準備も何もしていないままでは・・・!

 

「もっと出力を上げて!!」

 

「あいさ!!」

 

・・・そうか!このポッドから降りれば・・・!

 

ヴィィィィィィィィィンッ!!

 

・・・って、この重低音は!?

 

「ビンゴ!!上手くいきそうよ!!」

 

歪みが、歪みで穴が・・・!って、吸い込まれるぅぅぅぅぅっ!?

 

「私も原因を究明したら後を追うわ!頼んだわよ、クロノ!・・・無事を祈るわ、・・・そしてごめん。」

 

・・・ルッカ、・・・貴様ぁぁぁぁぁっ!謝るぐらいなら、僕の話を聞いてくれよぉぉぉぉぉっ!

 

「ぎゃーっす!・・・マール、・・・兄さん、・・・僕を、・・・僕を導いておくれ!・・・お願いします!」

 

そして、僕は謎の穴へと吸い込まれ、リーネ広場から姿を消した。

 

ー???ー

 

俺はガルディア騎士団の一騎士である、そしてその一騎士である俺は任務中である。その任務とは、

 

「リーネ王妃様の行方はまだ分からんか!・・・くっ、一体何処に行かれたのか。・・・やはり、魔王軍が?」

 

我らがガルディア王国の王妃、リーネ様の行方が分からなくなったのだ。突如として行方知らずとなってしまったリーネ王妃様、城は上へ下へと大騒ぎ。急遽捜索隊が編成され、この俺が指揮を任されている。そして・・・、この俺が溢した先程の言葉。魔王軍が関係しているのではないか?そんな不安が胸中を締めてくる。

 

・・・いや、何を不安になり最悪の事態を予測しているのか!指揮を取るこの俺が不安になれば、部下達にも伝播して士気に関わる。リーネ王妃様はきっと何処かで、ご健在である筈だ!そう信じて行動することこそが、ガルディア騎士であろう!そう奮い立つ俺の下に、ある一報が。

 

「ご報告致します!トルース村の裏山を捜索していた小隊が、リーネ王妃様らしき女性を見付けたとのことです!その女性は気を失っているらしく、安全を確保しつつ此方へ向かっていると、伝令兵が報告してきました!」

 

「リーネ王妃様・・・らしきだと?何故断言出来ぬのだ!」

 

最初はリーネ王妃様が見付かったのだと思ったのだが、・・・らしき女性とのことではないか!何故、断言出来ぬのだ!末端の兵でも、リーネ王妃様のお顔ぐらいは知っているだろうに!

 

「はっ!それが・・・。その女性はリーネ王妃様によく似ているようなのですが、顔付きがやや幼く、お召しの服も若干・・・、とのことらしいのです。・・・すみません、私も伝令兵から聞いたものでして・・・!」

 

・・・確かにこの者が悪いわけではない、・・・俺としたことが兵に苛立ちをぶつけてしまうとは!

 

・・・反省は後だ、今はリーネ王妃様のことが優先であるべきだろう。・・・しかし、リーネ王妃様と断言出来ぬとは。なれば当然、この俺がその女性を確認せねばなるまい。

 

「よし、この俺もその小隊に合流しよう。その女性の身元を確認しつつ、この後のことを考えねばなるまい。リーネ王妃様と断言出来ぬ以上、捜索の手は休めるな!」

 

「了解致しました!」

 

・・・どうかリーネ王妃様であってくれ、そう願いながら俺は件の女性と面会をした。

 

 

 

 

 

面会をしてみると、確かに幼さがあり、少々・・・破廉恥な服をお召しになってはいるが、リーネ王妃様によく似ていらっしゃる。ガルディア王国の歴史にも精通しており、王族とそれに近い方にしか知らぬであろうことも、お知りになっているようだ。それに何といっても、溢れ出る王族特有のカリスマ!この女性は間違いなく王族に連なるお方、即ちリーネ王妃様に違いない!発見時に気を失われていたようで、所々記憶があやふやな箇所はあるようだが。・・・まぁ何はともあれ、リーネ王妃様行方不明事件は一応の解決、後は犯人を探すだけだな!・・・犯人を捕らえていないのならば、一応でも解決ではないか。

 

とにかく、一度城へと戻らなければならんだろう。リーネ王妃様もきっと、お疲れである筈故に!

 

ー???ー

 

「はぁっ・・・、はぁっ・・・、はぁっ・・・!」

 

痛む身体にムチ打って、森の中を這いずる。私はまだ・・・、死にたくはない。捕まれば・・・、殺される・・・。だから、必死に逃げるのだ。

 

『追え!絶対に逃がすんじゃないぞ!』

 

『裏切り者は許さない!八つ裂きにしてやるんだ!』

 

『私達の食料を逃がそうとするなんて・・・!同族の恥さらしめ!』

 

私は逃げる、共に過ごしてきた同胞から。・・・いえ、今はもう同胞・・・、仲間ではないわね。私は裏切り者、仲間を裏切った追われる身。・・・魔族である癖に、人間を逃す為、匿う為に仲間を傷付けたのだから。

 

傷付いた身体で必死に逃げてきたけど、体力が限界に近付いてきた。このまま形振り構わず、逃げた所で力尽きるのみ。何処かに身を隠す賭けをした方が、助かる可能性が高いかも知れない。逃げながら、隠れることの出来そうな場所を探すと、

 

「あ・・・、彼処に隠れることが出来るかしら・・・?」

 

木の蔭に、隠れることの出来そうな小さな巣穴を見付けた。私が入るには少々小さな巣穴だけど、もうここに賭けるしか私には・・・!

 

・・・むぎゅうっ、かなり厳しいわね。でも・・・、ここしか無いのだから・・・、

 

『くそっ、何処へ逃げやがった!』

 

『そう遠くへは、行けない程の傷だと思ったんだが・・・!』

 

『絶対に見付け出して、始末しないと・・・!もし逃したら、私達がヤクラ様に・・・!!』

 

『『『ひぃっ!殺されてしまう!!』』』

 

元仲間の声が、そう遠くない場所から聞こえてきた。・・・私は魔族でその資格が無いかも知れないけど、・・・神様!・・・どうか私をお救いください!・・・私はただ、・・・人間と共に生きてみたいだけなのです!・・・殺し殺されの関係を変えたいのです!・・・どうか私に、その夢を叶えさせてください。人間と歩む未来を私に・・・!!




次は新章になりますかね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。