?「…さい…………ってば。」
誰かの声がかすかに聴こえ、目を覚まそうとするが身体全体が重く、目も開けられずにいたオッツダルヴァ。だが、身体が動かない原因はオッツダルヴァ本人にもあった。
彼自身、死んだと思っているので身体は別に動かさなくて良いと。
かすかに聴こえて声は、幻聴か先に死んでいった者の声だと思い込んでいた。
しかし、先程から数名に身体を揺すられている感覚があるのだ。
そして今も、
?「ねぇ、大丈夫なら目を覚ましなさい。」
今度は、はっきりと聴こえた。意識がぼやけている中少女らしき声が聞こえたなだ。
だが、ここでオッツダルヴァはおかしなことに気がついた。
オッツダルヴァ(死んでいるはずなのに、生きている頃とそう変わらないのだ。 )
オッツダルヴァ(いや、死んでも人としての感覚は変わらんのだろう。)
オッツダルヴァはそう結論付けた。
しかし、次の瞬間そういった考えは、いとも簡単に壊された。
ドンッ
鈍い衝撃が身体に走った。その衝撃で目を開けることが出来た。
それは、強制的に開けられたようなものであったが。
?「やっと起きたのです。」
?「暁のおかげね。」
?「当然じゃない! 私を誰だと思ってるの。」
?「ハラショー。」
目を覚ました瞬間、目の前にはボロボロになった制服らしきものを着ている4人の少女の姿があった。
オッツダルヴァ「………お前達、何者だ?」
?「あ、暁ちゃんがあんな起こし方をするから怒っているのです。」
?「暁のせいだって言うの⁈」
?「でも、暁が起こしたのには変わりないじゃない。」
?「……」
オッツダルヴァ(アカツキ………?………名前か?)
オッツダルヴァは目の前で起きている事に頭が追いついていない。
オッツダルヴァ(それに私は死んだはずだが。)
彼の目の前には今まで、見たことが無い景色、透き通った空と海が広がっていた。
随分と地球に似ているが、こんな空は見たことが無く天国と思いたいほどだったが、どうしても違和感があるので聞くことにした。
オッツダルヴァ「ここは何処だ?」
?「鎮守府正面海域の島の1つよ。」
そうオッツダルヴァに答えたのはこの4人の中で最も黒髪に近い子だった。
オッツダルヴァ「鎮守府…正面海域…?」
?「なのです。 あなたがここに倒れていたから助けに来たのです。」
オッツダルヴァは意味がわからなかった。企業連でもORCAでも鎮守府という名前は聞いたことがなかった。
第一、海といえどコジマ汚染はかなり危険なレベルであったため、こんな小さな子供がこんな所にいていいのかと思ったため聞いてみる事にした。
オッツダルヴァ「お前達、コジマ汚染は大丈夫なのか?」
?「コジマ汚染とは、な なんなのですか?」
?「……」
?「暁知ってる?」
?「ト 当然じゃない。シ 深海棲艦のことよ!」
オッツダルヴァ「いや、違うな。」
オッツダルヴァ(深海セイカン? まさか、水底に引きずり込む何かか?もし、そうだとしてもこいつらはコジマを知らないようだ。…)
するとオッツダルヴァはある事に気がついた。
“死んだ時の記憶がありながらも、今もなお生き続けている”
という事に。先程オッツダルヴァは“生きている頃と同じ感覚は変わらない”という結論を出したが、そのオッツダルヴァの考えはほとんど間違いではないのかもしれない。なぜなら、
“生き延びた、生き返った、別の世界に飛ばされたか”
という複数の理由がすんなりと当てはまるからだ。
2つ目と3つ目はほとんどあり得ないと言いたい所だが、今の現状を見る限りこの三択の答えしかない。
そんな考えが駆け巡った。
オッツダルヴァ(…情報が必要だな)
オッツダルヴァ「私はオーメル所属のカラードランク“1”オッツダルヴァだ。貴様らの名前を聞きたい。」
?「え えっと、い 電なのです。」
?「雷よ!かみなりじゃないわ!」
?「響だ。 その活躍振りから不死鳥の通り名もあるよ。」
?「暁よ! 一人前のレディーなんだから!」
オッツダルヴァ(最後のレディーかどうかはさて置き、これで情報交換ができる。)
オッツダルヴァ「今から私の言う事を良く聞いて理解してくれ。その後貴様らにも質問したいことがある。かまわないな?」
暁・響・雷・電「は はい!!!」
オッツダルヴァ(びびらせすぎたか。まぁいい。早く情報を得なければ。)
そうして5人はお互いが知らない世界を知る事になるのだった。
オッツダルヴァはもう本来の姿を取り戻していた。
そう、彼はもうこの世界で“生きている”のだから。