ー1時間後 門前ー
「いやーほんとにすみません…睡魔に
どうも勝てなかったんですよ」
勤務中にそんなに凄まじい睡魔に襲われた
この人の睡眠欲もすごいと思うけどな。
…さて、やっと起きたか。
ここまで来てしまってはやる事は
一つしかないよな。うん。
それから俺はここまで来た事情を話した。
無論、門番さんは起きていたか寝ていたか
皆無だったんだけどな。
話くらい聞いてほしいぜ、全く。…が。
「なるほど、事情はわかりました」
「…へ?」
聞いてた。聞いてたよこの人。バッチリ
寝てたのに寝ながら聞いてたよこの人。
人はある時点から特異的な進化現象が
起きるなんてことはずっと前に本で読んで
既に知っている情報だったが、
まさか某海賊王になるマンガの主人公の
ように寝ながら飯を食うみたいな感覚で
寝ながら人の話を聞けるなんて情報
聖徳太子なんかが聞きつけた日にゃ
それこそ聖徳太子が落ち込むこと
請け合いだろう。まぁ過去の偉人の話をしたって
現状が解決しないことは明白なので
元の話に戻ろうか。
…えっと何話したっけかな。
あぁ、そうだ。事情がわかってくれているなら
随分と都合が良い。とりあえず打開策が
なにか浮かびそうだ。この人が
この屋敷の他の人との対話権を
くれそうな気もする。先は明るい。
「…私にはわかりかねますが、『お嬢様』
なら何かわかるかも知れませんね。
ついてきてください」
なんかよくわからんけどテンプレ的発言の
後に俺を屋敷の敷地内に案内してくれた。
彼女は名を『紅美鈴』というらしく、
どうもチャイナ風の雰囲気を醸し出している
と思っているのは俺の脳がシステムエラー
を起こしたせいではなく現実の話だ。
俺は屋敷のデッキ?のような所に座って
待たされていた。神社でいうところの
縁側のようなところだ。洋風な言い方がわからん。
ー2時間後ー
しかし随分と時間が経った。
一体どれくらい待たされたんだろうか。
俺の体内時計では2時間ちょいだと思う。
デッキには夕日がここぞとばかりに
その日差しを降り注がせているが
その日は真夏のような日ではなく、
軟らかく、そして優しく、
地面を、この建物を照らしていた。
その夕日がそろそろ夜になるということを
この世界の住民に伝えている。俺も例外ではない。
…さて、急ではあるが考える時間を得た。
ここで色々と考えるとしよう。
ー1時間後ー
…さて、色々と思考を巡らせた。が、
別段なにか思いついた訳では無い。
わかるだろ?俺は馬鹿なんだよ。
…というか、考えてた時の記憶がない。
全く、俺は本当にどうかしたのだろうか。
と、夕日が落ちて日没となったあたりから、
待っていたかのように屋敷のドアが開いて
2人の女性が出てきた。1人は紅美鈴さん。
もうひとりは…え?ヴァンパイア?
〜to be continued〜
まさか本当にいるとはな。