遠い海の向こうで   作:鋼鉄の咆哮

1 / 1
ある艦娘が、昔話を語り始める。
この話はいったい…?


第1話 追想

昔話を聞きたい?

そうか、君もそういうことを言ってくれるんだね。嬉しいよ。

じゃあどんな話をしようか?話題には事欠かないよ。そんな退屈な日々を送ってきたわけではないし。

とびっきり面白いもの?いいだろう。

とっておきの昔話があるさ。

では話してあげよう。少し、そこのカーテンを閉めてくれるかな?そうそう、それくらいでいい。

電灯の光量も…落としてくれるかな。

…ありがとう。これで準備完了だ。

では話そう。僕のとっておきの昔話を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、呉鎮守府の所属だった。

そう、まだ人間が深海棲艦と激しい戦いを繰り広げていた頃の事さ。

私は深海棲艦と戦う「艦娘」だった。

工廠で作られ、この世に送り出された亜人とも言える存在。

「艦娘」のことは、君だって知っているだろう?知らない?

昔沈んだ海軍の軍艦、その魂が再び生を受けたもの、それが「艦娘」の正体さ。

そして私達は、強力な深海棲艦との戦いに投入された。

私たちが深海棲艦に対抗する最後の手段とされたから。

それを指揮する「提督」というのもいた。無論「提督」は人間だよ。

まぁその「提督」にも色々いたらしいが…その話は今はいい。

とりあえず、私たちの提督は「艦娘」を人間として扱ってくれた。

そしてその提督の下で、私たち艦娘は訓練を積み、実戦に出て、育成されていった。

私は他の鎮守府の同一種の中でも特に能力が高かったらしい。元から能力の高い型だったから、私はかなり有用だったと聞いた。それを裏付けるかのように、私は高頻度で第一艦隊────そう、主力艦隊────に編成されていた。だからこそこうして、話題には事欠かない日々を送ることができたんだ。

危険?確かに危険ではあったさ。強敵にも遭遇しやすかったし、被弾すれば痛い。それでも、私は戦闘に出たくないとはこれっぽっちも思わなかった。痩せ我慢じゃない、本当だ。

そして、私が「その出来事」を見ることができたのも、その第一艦隊での事だった。

第一艦隊というのは、通常機動艦隊のような編成をされるのが普通だ。戦艦、空母、重巡、軽空母…そこに駆逐艦が入るのは珍しいと言ってよかった。でも、提督はそんな常識を意にも介さずに駆逐艦を第一艦隊に入れたりしていた。私は、よくその第一艦隊に選ばれた。

しかし、駆逐艦の枠は一隻分だけではなかった。その枠は、「二隻分」あった────そう、そのあと一隻が、この話の主人公、主役、メイン────

当ててみるかい?運が強くて、全体的にバランスがいい、一人称がボクの…といっても、艦娘すら知らない君にはヒントにならないかな?

えっ?…хорошо. 当たりだ。君はなかなか勘がいいね。感心したよ。

そうさ。あと一隻…その一隻は、あの「スリガオの幸運艦」だった。

そう、「時雨」だよ。




久々に投稿しましたねー
どうも、鋼鉄の咆哮です。
こちらは今書いている他の二次創作物とは全くの別物です。
駄文ですが、これからよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。