ポケットモンスターXY 道中記   作:鐘ノ音

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正式に就任した後のお話

恙無くチャンピオンとしての活動が始まって数週間が経過していた。

 

「挑戦者が来てもガチ四天王達に阻まれて暇すぎる」

 

「まぁ、カロスが世界一になって四天王の方々も気合い入ってるから仕方ないよ。だけど君の重度なファンの一人がリーグの職員になっていたのには驚いたね。男性だから講演等に付いていかせるのにも丁度いいし」

 

様々なチャンピオンの業務を教わり仲良くなった男性職員と休憩時間に食堂に足を運んでいた。

 

「正式にチャンピオンになって生放送した時に凄いテンションで俺を紹介してくれたけどちょい怖かったね」

 

「『祝え! あらゆる地方のチャンピオンを降し、国を越え歴史に名を刻むカロスの英雄! その名も白河ツカサ! まさに最強のチャンピオン生誕の瞬間である!』って本を片手に紹介したせいでツカサ君霞んでたよ」

 

「別に構わないんだよなぁ」

 

「まぁ、ツカサ君の周りには濃いキャラしか集まらないから関係ないか」

 

「俺が薄く見えるくらいにね」

 

「それはない」

 

二人の会話を周りで聞きながら食事をしていた者達も思わず頷いていた。

 

「そうかなぁ」

 

「この前のバラエティ番組に出た時なんて大食いタレントを遥かに凌ぐ大食いを見せていたじゃないか。しかも食材尽きたって言われて『まぁ、腹八分目って言うし……』ってグーってお腹の音を出しながら若干不満そうにしてたでしょ」

 

「あの日は朝にした手合わせが激しくてお腹凄い減ってたから……」

 

フルパワーで暴走する怒り形態の燃費が激しく、ブロリーに鎮圧されるまで力配分無視の全力なせいで朝食昼食をいつもと同じように食べても足りなかったらしい。

 

「川で泣いて暴れてた誰かの逃がしたギャラドスのはかいこうせんを片手で何かバリアみたいなの出して防いであっつい!で済ませたりもしたよね?」

 

「上手く出来なかったからあれは熱かったなぁ。あのギャラドスはうちの兄のような人が可愛がってるよ。まだ若くて小さいからうちの湖にいるギャラドス夫婦の養子みたいな扱いにもなってる」

 

ブロリー預かりになっており毎日背中に乗って湖を遊覧している。

 

「それでも自分が薄く見えるって言い張ると」

 

「絶対周りのが濃いよ。シオニーちゃんとか最近酔って脱いで泣いて吐いて翌朝土下座とかするし……まぁ、ストレス溜まるんだろうけど」

 

「聞きたくなーい! あのクールビューティーなイメージを壊さないでくれ!」

 

「俺がワールドチャンピオンになってから色々とカロスに有利に事が進むようになってて大変だって言ってた」

 

「うちも大変だからね? CMやら番組出演やら講演やらの依頼がミッチリだし」

 

「ドクターの方はようやく向こうが折れてポケモンセンターでも手術や診察も出来るようになって助かったよ。ブリーダーの方は仲良かった研修先のオーナーとかパイセン達から今までより頻繁に連絡が来るようになったけど」

 

ポケモンの卵に関する話をテレビでしてからよく連絡が来るらしく、近々会いに行く予定もあったりする。

 

「経歴を詳しく聞いたけどやっぱり頭おかしいよね。いつまでも図鑑貰えないから不貞腐れてトレーナー辞めて、従姉妹か後輩に雇って貰えるかもしれないからとドクターとブリーダーの資格を取得って」

 

改めて聞くと頭おかしいなと聞き耳を立てていた者達も頷いていた。

 

「あの時は何かもういいやってなってたから。ちなみにピアノの音が好きなポケモンがブリーダーの実習時代にいたからピアノも並には弾けるよ。流石にずっとピアノやってる従姉妹にはかなり劣るけどね」

 

「なんて言うかこの数週間でやらかしまくってるからもう驚かないけどさ。当たり前のように空飛んで天井とかの掃除をしたり、転がって来て道を塞いだ撤去するのが大変な大岩を持ち上げてどかしたり……で、まだ18歳でしょ? 当然の様にリーグにまで色んな地方のお偉いさんやらから見合いを〜とかも来るし。その中でも一番引いたのは孕ませてくれるだけでもってやつだったな」

 

「なんかごめん」

 

『何回来てもひろーい』

 

『そうですわねー。私の時代にはなかった物ばかりですわ』

 

ツカサの守護霊になった守護霊少女は最近リーグをウロウロしており、今もあっちこっち行ったり来たりして探索を楽しんでいた。

 

先日の心霊番組の撮影で向かった心霊スポットになっている古城に居た、古いデザインのドレス姿のお嬢様のような霊も憑いてしまっている。

 

波長が合い目と目があって自然に逸らすも長年一人で離れられず寂しさ極まっていたからかグイグイ来て、それを上手く避けて何とか撮影も終わり帰る事になりホッと油断した瞬間城の上から飛び降りて来て背中にしがみついたらしい。

 

「まぁ、お仕事だからね。ツカサ君は明日からまた忙しくなるからがんばってね」

 

「カントーでなんかアイドルと心霊スポットに〜って最近これ系ばっかじゃない? 他の地方とかも基本これだし」

 

「怯まず騒がず冷静に淡々と見て回る姿が逆にいいらしいよ。しかも映える」

 

「憑かれるから嫌なんですけど」

 

「疲れるのは仕方のない事だからがんばって」

 

「成仏させるには手続きがあるから面倒なのに……」

 

守護霊少女と仲良くなり成仏を拒んだ霊嬢以外は小町とぼたんを呼び出して手続きをし、それぞれ半々で閻魔の元へ連れて行ってもらっていた。

 

「何か言ったかい?」

 

「何でもないよ」

 

『生まれてから身体が弱くてあまり出られなかった外の世界……甘くて美味しい物も沢山あって幸せですわ』

 

『味覚と満腹感は出来るけど太らないし、幾らツカサ君が大食いでも苦しくないしで最高だよね!』

 

「……うーん、カオス」

 

「それじゃそろそろ戻ろうか」

 

「午後からはシオニーちゃんと他の国の偉い人と会うんだっけ……世界チャンピオンなんかになった弊害が酷い」

 

週に三回リーグに顔を出し、残りが休みや外のお仕事だったりで多忙な毎日を過ごしている。

 

…………

………

 

そんな忙しい中のとある休日

 

「あの夢の世界の17号さんと18号さんは見た目似てる別人だよなぁ……」

 

「キュウべぇ! おみゃーも掃除の手伝いくらいするのニャ!」

 

「無理無理無理ー! ボクはニャースみたいに二足歩行出来ないからね! カーッ! 残念だわー!」

 

「ニャース先輩、終わりましたのニャ!」

 

「キュウべぇは一度ぶん殴ってやるのニャ……ご苦労様ニャ!」

 

「……森で倒れてた猫っぽいの助けたら喋るし懐くしニャース並に家事出来るし可愛いしで家で雇っちゃったんだよな」

 

「旦那さんのお家は働き甲斐がありますのニャ!」

 

「アイルーって種族は働き屋さんだなぁ……てかなんだこの空間」

 

ニャースが掃除をしながらキュウべぇに突っかかり、アイルーがパタパタと動き回って掃除を手伝い、キュウべぇがテーブルの上でノートPCで煽っている訳の分からない空間に仕上がっていた。

 

「ボクはツカサのペット枠だからお手伝いしませーん! 理解できりゅ?」

 

「ウニャー! もう勘弁しねーのニャ! ニャーが躾けてやるのニャ!」

 

「お手伝いしますのニャ!」

 

「蚊帳の外すぎんよー。ブロリーが怒り状態を少しずつ制御出来る様になってきたのに俺は全く制御出来んなぁ……悟空さんとベジータさんとブロリーにボッコボコにされてようやく理性が戻るし。だけどあの三人と血縁関係だったとかどうなってんだ」

 

ドラゴンボールで気になっていたご先祖様について尋ねてみると、パラガスの妹とベジータ王との間に産まれた娘がブロリーより前に辺境に放り出されちょっとしたトラブルに巻き込まれてポッドごとタイムスリップ。

 

辿り着いた過去の世界の惑星で暮らしていると同じようにタイムスリップしてきたバーダックが現れ色々あって成長した娘との間に子をなし、その子供が旅立って地球に辿り着いたのがツカサのご先祖様だった。

 

そんな光景をパラガスを含めた皆でカプセルコーポレーションで見ており、ツカサは予想していなかった展開に思わず頭を抱えてマジかよ……と呟いていた。

 

「パラガスの複雑そうな顔ったらなー。ブロリーは本当に弟だったって喜んでたけど……」

 

世界は狭いなと見ていた者達は呟き、これで遠慮はいらんなとベジータは嬉々として修行のメニューをハードに仕上げて更なる地獄を見たりしている。

 

他にもその場の空気で試しにと悟飯とフュージョンをして二回失敗したり、成功したらしたでグレートサイヤマンネオとか名乗り出して相性が良いのかかなり強かったりとツカサにちょっとした黒歴史も生まれていた。

 

「2対1なんて卑怯だよ! ツカサ! 超サイヤ人になってボクを助ける時だ!」

 

「いやでーす」

 

「助けてグレートサイヤマン3号!」

 

「おいやめろマジで」

 

「合体ヒーローグレートサイヤマンネオ凄いですね」

 

「やめてぇ!!」

 

尚悟飯がフュージョンのポーズをかなり気に入ってしまい、これから頻繁にネオになる模様。

 

「だから助け」

 

「ニャースの味方になるわ」

 

「なんで!?」

 

当たり前の結果だった。

 

………

……

 

キュウべぇをシバいているうちに午後になり、リビングに吊るされたままのソレを放置してツカサは森へと出ていた。

 

「森で拾った謎のページが集まる度に夢に黒いゴスロリの女の子が出て来るんだよ」

 

「ツカサ、俺達に殴られて頭がおかしく……」

 

「ブロリー、違うよ……マジなんだよ」

 

「ブロリー、ツカサの言う事は話半分で聞くといい」

 

「分かった」

 

「AZも酷いけどブロリーも納得しないで……」

 

三人で熟れた木の実が腐る前にせっせと回収しながら話をしており、遠くの方で17号がバンバドロと一緒に森を見て回っている姿も見える。

 

「それでロリコンは何でそんな夢を?」

 

「ロリコンじゃねーよ! ……まぁ、呪われたページとかかもしれない。夢の中とはいえ可愛いからプラマイゼロかな。悪の組織のボスとか黒幕が座ってそうなでかい椅子に座ってて、ゴスロリ少女が膝に座ってマスター呼びしてくるから何か目覚めそう」

 

「もしもしポリスメン?」

 

「やめろォ!!」

 

「ツカサ、流石に俺も引く」

 

「ブロリーもだんだん常識を得ていくなぁ……ディアンシーにシュークリームを与えてたし」

 

「ブロリー義兄様と呼んでくる。ツカサの兄だからだと」

 

「あいつ何か嫁さんみたいな事言ってんな」

 

ディアンシーは割とガチ目に嫁気分でパートナーと言っており、次代のディアンシーも自身の力が弱まればツカサとの絆の力で産まれるだろうと確信している。

 

「二人とも手を動かせ。まだまだ食べられなかった木の実は残っているんだぞ」

 

「はーい」

 

「ツカサの作る木の実のパイはレモとチライもお気に入りだから楽しみ」

 

ウキウキしているブロリーは丁寧に木の実を回収しては背負った籠にポイポイ入れていき、ツカサはたまに食べながら背負った籠に回収していた。

 

 

回収が終わるとツカサは17号も呼び、四人でそれぞれ分けて消費しようと提案したが……

 

「なら俺は木の実を沢山使ったタルトを頼む。差し入れだと持って行ったら18号やクリリンが喜んでいたからな」 

 

「俺は木の実のパイがいい。色々食べてみたがツカサの作るパイが一番」

 

「私は絞ったジュースを頼む」

 

「やっぱり今回も全部俺に渡されるんすね」

 

割と皆がツカサに胃袋を掴まれており、仲良くなったヤムチャも女の子だったらとガッカリしながらも食事を作ってもらうかわりに遊びに誘って来たりと歳の離れた友人として上手くやっている。

 

「菓子作りはツカサが一番だからな」

 

「ツカサの作った物は凄く美味しい。それに買うと高い……」

 

「私が作る物と一味違うから頼みたい」

 

「バリアとか大猿の力を引き出す方法とか教わってるからいいよ。AZも管理引き受けてくれてるし」

 

最近は怒り形態で暴走しながらもピンポイントでバリアを張ってダメージを軽減する姑息な手段を使い出してしまい、ブロリーは謝りながらも脚を掴み地面に何度も叩きつける事で意識を刈り取るようにしている。

 

「……」

 

「ブロリーは何で目を逸らすの?」

 

加減を誤り一度瀕死にしてしまった事があり、本人には言っていないので思わず目を逸らしていた。

 

………

……

 

カロスでのテレビやスクールでの講演、他地方からの出演オファー等で忙しい日々を過ごしていた。

 

「ハニートラップが多い」

 

「でしょうね。私だったら簡単に行けそうに見えるからそうするもの」

 

あまりに露骨なハニートラップの多さに休憩中のセレナに少しだけ愚痴を零している。

 

「そんなチョロそうに見えてるの?」

 

「うん。おっぱい押し付ければ行けると思えるくらい」

 

「それはないわー……」

 

「実際は理不尽なくらい攻略難易度高いけど」

 

早苗みたいに八意印のお薬をアイスティーにサーッ!とするか、生まれる前から愛してましたをリアルにやった小悪魔レベルのアプローチがないとダメな模様。

 

「そこまで高くないよ」

 

「カロスNo. 1アイドルの誰でもコロッと行きそうなアプローチよりも元ガラルチャンピオンに貰ったポケモンの卵の方に夢中だったでしょ」

 

チャリティー大会直後に辞めたらしく、現在新チャンピオンを決める諸々がガラルで行われている模様。

 

「ガラルに居るポケモンの卵って言われて大興奮しちゃったわ」

 

「大事に暖めてたわよね」

 

「卵からマホミルが生まれて、元ガラルチャンピオンに貰ったいちごアメざいくを渡して可愛いなーって抱っこして軽く回ってたらマホイップに進化したんだよね」

 

イーブイズが好きな抱っこしてくるくるをやったらいきなり進化したらしく、驚きながらも生まれたばかりだからとすぐにモンスターボールに入れて休ませていた。

 

「マホイップを仲間にするのはパティシエの憧れらしいわよ」

 

「へー。彼女の出すホイップクリームは美味しいし色々使わせてもらってるけど普段より美味しく出来るから助かるんだよね」

 

シンプルなフルーツサンドも絶品に変わるくらいにマホイップは幸せを感じているらしい。

 

可愛がるだけではなく叱るべき所は叱り、毎日のお風呂やマッサージで心を掴んで美味しいご飯で胃袋も掴んでいた。

 

「正直ツカサのせいで太ったのだけは許せないの。助手になるのに資格の勉強してるから運動不足だし……なのに毎日美味しいご飯とおやつ用意するんだもの」

 

「私的にはもうちょい肉付けた方がいいと思うけど、女の子は大変らしいもんな……カントーで佐久間さんと島村さんもグラム単位でがんばってる話を聞いて大変だなーって思ったし」

 

「お気に入りの服もあるから絞らないと……」

 

「キュウべぇがめっちゃ煽ってくるから気をつけて」

 

「もう踏んで吊るしてあるから大丈夫」

 

裏庭の木にブラーンとぶらさがっているキュウべぇがツカサに助けてくれとテレパシー的なもので訴えかけて来たが、近くにいたサーナイトがブロックしサイコキネシスでカーテンを閉めて見えなくなった。

 

「メイドさん達も慣れて踏んで縛って転がしたり、吊るしたりしてるしな」

 

「本当イラッと来る事を言うのよね」

 

「何であんな感じになっちゃったんだろうな……幻想郷から何か付いてきた座敷童子も最近マリリンさんの影響でお化粧したり、何か用意してもらったらしいメイド服着て休憩中のメイドさんに遊んでもらったりしてるし」

 

紫が派遣したようだがツカサに完全に懐いてしまい、もう報告に行く以外に幻想郷に戻る気が一切なかった。

 

毎日ポケモンと遊びツカサの作るご飯とおやつを食べ、セレナと一緒にお風呂に入りフカフカのベットで寝る毎日を過ごしている。

 

「最近は慣れてきてお風呂で背中を洗ってくれるのよね」

 

「俺なんて風呂入る時に鍵かけてるのに、こっちの世界の十六夜さんがピッキングして入って来て背中流してくれるんだぜ」

 

「あれ鮮やかな手並で憧れちゃうわ」

 

「向こうのお淑やかな十六夜さんと交換して」

 

尚向こう側も猫を被っているだけで、切っ掛け次第で早苗のようにはっちゃけてツカサの癒し枠から外れる可能性が高い。

 

「お淑やか咲夜さんは咲夜さんじゃないわ。あの堂々とツカサの脱いだ服をスーハーする姿も憧れちゃう」

 

「汗臭いだけだと思うのに何でそんな」

 

「コートとか上着だとツカサの匂いに包まれるような安心感があるの」

 

「マホイップとかニンフィアがたまに俺のシャツに埋もれてる時があるんだけど」

 

「仲間」

 

「仲間ってなんだよ……」

 

「マホイップはツカサの匂いに包まれてる時が一番美味しいホイップクリームを出せるって言ってるってニャースが言ってたわ」

 

「口にやたら美味いホイップクリームを入れて起こしてくれたりするのはそういう……何回目かで加減ミスしたみたいで鼻に入って死にかけたから以後やめるように言ったけどさ」

 

「ちなみにそれからはツカサのほっぺとかにちょっとホイップクリームを出して舐めてるわよ」

 

「お皿代わりにされてるのか……」

 

なくなったらおかわりもする模様。

 

「ピカ子はパジャマの中に潜り込んで腹筋に頬擦りしてるけど」

 

「それはもう諦めてる」

 

「隙あらばスリスリしてるものね。サーナイトがあついしぼうをトレースした時に全身肥大化したのがショックだったってニャースが言ってたわ」

 

「あれで炎とか氷のダメージ減らすんだから仕方ないと思うけど。丸っこくなっても可愛かったし」

 

「割とデリカシーがないわよね。それでコントロールしてあついしぼうをトレースする時は……」

 

「えっ、何? 何でギリィッてなってんの? セレナさん?」

 

急に憎々しげな顔になったセレナにツカサは思わずビビっていた。

 

「胸にあついしぼうを集中させられるようにしたって」

 

「あっ……」

 

「私もトレースしたい」

 

「はい、この話はやめやめ!」

 

………

……

 

数日後リーグにて

 

「新ガラルチャンピオン男だったねー! やったぜ、来年は肩身狭くならない!」

 

「親善バトルであんなニコニコしながら相手に手も足も出させない実力差を見せつけちゃってガラルの人達からは大魔王扱いだろうけどね」

 

「まぁ、経験浅いから強くはなかったよ」

 

「うわ辛口」

 

「まぁ、今後に期待。それよりあの生放送の時のコメントでやたら絵を描いてとか歌ってとかあったけど」

 

「あれ実はトラブルで30分くらい前から生放送始まってたんだ。暇だったツカサ君がやたら上手く歌いながらホワイトボードにポケモンの絵を描いては消してを繰り返したり、ピカチュウと話をしている姿が延々流れててね」

 

「それを今知らされて超恥ずかしいんだけど?」

 

「後評判良いっていうかみんなの腹筋を崩壊させたVR追加されたロボットゲームは再生数が凄いよ」

 

「まぁ……俺だけ牧場物語やってるし」

 

「『今来たんだけど何で牧草刈ってんの?』『ツカサのAIがロリ』『1時間経ってもロボット出ないの草』『他の人が宇宙で鍔迫り合いとか繰り広げてるのに、ツカサだけ別ゲーやってんの本当面白すぎて困る』」

 

「仕方ないんだよ……」

 

「『町の人達からの信頼度に親愛度が最大とかやべぇ』『え、何これ恋愛も出来んの?』『恋愛対象キャラ全員愛情値最大なのに一切靡かないからかみんなで手を組み始めてるなこれ』『ライバルであろう男キャラが本来恋仲になるだろうキャラとツカサの取り合いしてるの草』」

 

「普通に接してるだけでああなるから怖いよね」

 

「『今回の生放送見て遊びたくなった』『その牧場で遊びたいなぁ』『ピカチュウの銅像が設置されてるのは流石としか』……こんな感じで高評価だからまたやろう」

 

「まぁ、また耕したりするだけだからいいけど。あれから島村さんと佐久間さんとフレンドになったんだけどさ、二人の機体がサイバスターとペインキラーとかいう高性能機だったんだ」

 

「あっ……」

 

「一方俺はレアコンテナからエクシアリペアが出て理不尽さに嘆いた。一番強い機体でもあるけど」

 

「まぁ、ツカサ君の配信でのメインは牧場と町の人達との交流だから」

 

「リアルで見てた人に遭遇すると必ず第二弾はまだですかって言われるよ」

 

「だって凄く面白かったからね。攻略キャラの相手が面倒だからって男の娘系ライバルとくっつけようとしたのに何故か両方から好感度が爆上がりした時は僕達も声出して笑っちゃったし」

 

「あれは本当意味分からない。あれからどっちかと遭遇すると何処からともなくもう片方が出て来て、どっちと出掛けるんだって迫って来て怖いし面倒だし」

 

「百合系な攻略キャラも懸想する相手にも興味がないからって普通にやり取りをして、いつの間にか親しくなる妙技にコメ欄が沸いてたよ」

 

「一般的なやり取りならそこまで目の敵にはされないでしょ普通は」

 

「初対面であんなギャンギャン言われて目の敵にされたのに普通に接するメンタルの強さが凄いよ」

 

「まぁ、会ったら軽く会話する程度ならね」

 

「そんな積み重ねだけで小さめとはいえ町一つを自分の味方にしてるツカサ君に恐怖を覚えた視聴者もいたみたいだよ」

 

こうやって学習するNPCの味方を増やして自分だけのチーム作りも出来たりするが、今のツカサの場合は牧場経営のお手伝いが増えるくらいだが。

 

ちなみにツカサのAIは予想外の優秀さらしく、専用アプリのないツカサのスマホに自作のプログラムで独自のアプリを埋め込みバレないように潜んでいたりする。

 

「それは理不尽すぎない?」

 

「直後に森で遺跡を見つけて唐突なアクションRPG要素が始まって困惑する姿で帳消しになってたけどね」

 

「謎解きして剣と盾とか手に入れてボスも倒したけど、剣と盾は貴重品だから捨てられない地雷アイテムだったよ……」

 

キャラクリも本人まんまだからかかなり話題になっており、アーケード筐体とは違い安く手に入るVRの方の注文が殺到している。

 

「とりあえず予定決まったら連絡するからね。明日はカロスのジュニアスクール訪問だからね」

 

「はーい」

 

 

 




年内投稿ギリギリセーフ。

チャンピオン業務を正式にこなすようになって、公式生放送やらでもやらかすようになってます。

グレートサイヤマンと化したチャンピオン。
血縁関係も判明。

新しいファミリーのアイルー以外に天狐とかも拾って来てたり。


FGO福袋は槍に決めました。
キングハサン欲しくて殺にしようかと思いましたけどまず引けないし。

グラブルは明日からのビカラが本当楽しみ。
あのあざとい奥義好き。

ガチャ引くだけのログイン勢だったポケマス、何したらいいかわからねぇ。



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