大有双   作:生甘蕉

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12話 クリスマスイブに恐怖の大王

「覇王曹操でいかがでしょう?」

「悪くはないわね。短いけれど、乱世覇王曹操だと混世魔王樊瑞のパクリみたいでしょうし」

「ちなみに我らがビッグ・ファイアさまは少年王ビッグ・ファイアなのです!」

 なにそれ恥ずかしい。

 

 さすがにいきなりBF団が華琳ちゃんにNTR(のっとられ)ることはなかったよ。

 彼女を孔明ちゃんに紹介したところ、俺直属の部下ってことに。

 C級エージェントになるわけではないようだ。

「この私があんなブサイクな覆面をするワケないでしょう」

「インパクトのあるデザインのおかげでその下の素顔がわかりにくくなるんですよ」

 うん。実際俺もねねちゃんに気づけなかった。

 

「煌一クンがあれをお気に入りだったら、あの覆面をして口でしてあげてもいいわ」

「いや、無理だから。あのマスクでなんてスタンダップしないから!」

 なんていうことを言うの、この子は。本当に華琳と同一人物なの?

「はわわわ……」

 孔明ちゃんもいきなりのシモネタに真っ赤になっちゃってる。でもチラチラと俺と分身(ファースト)を見比べているな。

 華琳ちゃんと同じく無印恋姫の諸葛亮なら、八百一ネタとは無縁のはずなんだけど。

 

「あ、あとさ、会社の名前、マジにこれにするの?」

 社名はトゥインクル1に決まってしまった。

 意味は煌く一。

「自分の名前を会社名にするなんて恥ずかしいんですけど」

「なにを言うですか。お前がこの会社に関わってるとみんなが気づきやすい名前なのですぞ!」

 そりゃ、ねねちゃんの言う通りなんだろうけどさ、マオ・インダストリーが名前を変えたのも同じ理由っぽいし。

 さらに業務内容は、救済、ってそれだけ。

 あからさまに胡散臭いよね。

 

「こんな名前にしても有名にならないと意味がないし……」

「ジオンを殲滅すれば有名になれるのです」

「そんなことしたら、アゴルフが泣いちゃうでしょ。それにジオンに恋やみんながいるかもしれない」

「なんですとっ?」

 ケルゲレン子が違うかどうかまだ確認できないんだよね。

 

「そうか。俺が行った先でも探してみるよ」

 一刀君とも無事に合流できた。

 彼がこの世界にきてから俺と連絡がつかなかったのは、どうやら俺がビッグ・ファイアと融合してたせいで、いろんなモノの波長が俺オリジナルと違うようになっていたんじゃないかと思っている。

 連絡できるようになったのは、俺とビッグ・ファイアの融合が進んだってことかもしれない。

 

「俺はホワイトベースを追ってみるつもりだ」

「あいつらが立てた計画か。まさか木馬を墜とすつもりじゃ?」

「そこまではしないよ。ただ、ハモンさんは助けたい。あとマチルダさんも」

 そうだった。この一刀君は俺が成現(リアライズ)の時にした改竄によって、熟女大好きになっているんだった。

 話によるとすでにシーマ様とも深い仲らしい。ギャルゲ主人公様スゲエ!

 

「頼むよ。ファーストは月やコロニーに行ってくれ」

「マオウ・インダストリーか。VF-29改、スタッシュにないんだよな」

「たぶん行方不明のファイヤーが使ってるんだろう」

 バルキリーって単独で大気圏離脱できちゃうんだよね。その後でフォールドブースターを使えば月まですぐだし。

 フォールドブースターはバルキリーじゃなくても使えるけど、地表付近でのフォールドは危険なので宇宙で行いたい。

 

 手持ちのバルキリーで最高なのはVF-29改なんだけど、スタッシュにないから他のにするしかない。

 

「有名になりたいのなら、マクロスを止めなさい」

「マクロス? この世界ってガンダムの世界なんじゃないのか?」

 華琳ちゃんの台詞に驚く一刀君。スパロボの世界だって話してなかったっけ。

 

「この世界は、他の世界とスワッピング中よ」

「シャッフルでしょ! K、α、たぶん他のスパロボも混じり始めている。この世界からいなくなった人や物は他の世界に行ってしまったのだろう。かわりにこっちにも人や怪獣が現れてきている」

「ガンダムだけじゃなかったのか」

 ガンダムにBF団なんていないでしょうに。まさかビルドファイターズ団とでも思っていたんだろうか?

 

「マクロスとはいったい?」

「この世界の一年戦争を終結させる異星人の巨大宇宙船。全長1キロを超えているそれが地球に落ちてくる」

 孔明ちゃんにも教えておいた方がいいだろう。

「それを止めるって? まさか国際救助隊な家族の第1話みたいに車で受け止めるのか?」

 さんざんパロディになってるあれか。一刀君もさすがだね。

 マクロスの落下は当たり前のこととして認識していただけにそれの阻止は思いつかなかった。

 

「人造昆虫で受け止めたい気もするけど巨大すぎるわね。落下速度を緩められれば、被害は小さくなるわ」

「たしかにコロニー落としみたいなもんだもんなあ。今のままだと被害もかなり出るんだっけ」

 その時ソロモンで戦ってるはずのアムロにνガンダム渡したら止めてくれないかな? 無理か。

 

「コロニー落としか……それならたしかにシーマも協力してくれるかもしれない」

「シーマか。コロニー落としの作戦を実行させられたんだったね。ちょっと違うけど、罪滅ぼしになるか? まあ、一年戦争後にうちの会社で受け入れやすくなるな」

「頼む。詳細が決まったら俺から連絡するよ。彼女にもビニフォンを渡してある」

 ファミリアになってるのかな? ワルテナいい顔しないだろうなあ。

 

「データによればマクロスが出現するのはたぶん、ソロモン攻略戦の時。機動戦士ガンダムのスケジュールと同じならば12月24日。クリスマスイブね」

 ビニフォンで攻略本やその他を調べながらの華琳ちゃん。

 俺も見てみると、L5宙域に突如巨大な物体が出現……フォールドアウトしてくるのか。

 超時空要塞マクロスだと1999年の7月なんだけどね。つまり恐怖の大王がマクロス。

 

「BF団でもL5宙域を監視しておきましょう。どうせジオンと連邦が戦う舞台なのです」

「時間がないな。少しでもみんなを見つけないと」

 人手が足りなすぎる。だけど、大災害に気づいた以上、止めるわけにはいかない。

 

「フォーグラー博士とエマニュエルがいるのは幸いね」

「巨大構造物の落下の減速について相談してみよう」

 フォーグラー博士は正体を隠し、不乱拳酒多飲を名乗るらしい。

 元ネタの方じゃないか。ブラックオックスを作ってくれるのだろうか。

 

 

 

 T1の暫定的な本社の予定地は現在いるこの島になってしまった。

 マクロスが落下してくるはずの、減速しても落下させる予定の南アタリア島に近いため、調査されそうということでBF団が使うには適さなくなるという理由だ。

 

 南アタリア島に近いってことはあんまり落ち着けそうにないんだけどなあ。マクロスの争奪戦が始まる前に別の場所を探したい。

 

 俺ファーストは俺と同じく孔明ちゃんが身分証を用意した。ただし今回は偽名ではない。ビッグ・ファイアと融合してるわけでもないからね。

 移動にはVF-19Sを選んでいた。

 

 ブレイザーバルキリーはマクロス7中では活躍しなかった機体だけど、PSPのゲームだと意外と使いやすい。特にFASTパック装備時はSPアタックが特攻系になって非常に当てやすい初心者向けの名機だった。

 今回そのFASTパックのかわりに成現したブースターパックを4つくっつけてセイバーフィッシュに擬装しているのは、マクロス7中で19改が擬装したイメージだね。さすが俺といったところか。あんまり似てなかったけど。

 

「あんなブースターを追加したぐらいで本当に月まで行けるの?」

「まあね。アクティブステルス機だからレーダーにも捕捉されない」

 変形することはまだ銀鈴ちゃんには秘密だ。初見であれが変形できるとは思えないでしょ。

 

「さ、いったん日本に戻ろうか」

 ガルーダで銀鈴ちゃんを日本に送っていく。

 今度はねねちゃんも一緒だ。マスクは外して貰ってる。

 

 銀鈴ちゃんの国際警察機構の退社は思ったよりもスムーズにいきそうだった。

 どうやら日本への出張はまだ若すぎる彼女を北京支部から避難させるといった意味合いだった模様。北京もジオンの制圧下だったからか。

 銀鈴ちゃんが他の就職先を見つけたなら無理して引き止めるようなことはないようだ。

 

 なお呉先生は北京支部に残るそうだ。

 ジャイアントロボのOVAラストと違うけど、中条長官といたいのかね?

 まあ元ネタの水滸伝の呉用って、優秀そうな役立たず、の代名詞らしいからいいけどさ。

 

「寿退社って、からかわれちゃった」

「はは……」

 君には国際警察機構で恋人ができるはずだったんですけど。村雨健二という……。

 まだ知り合っていないのかな?

 

「その子がブルックリンか?」

「健二さん!」

 え、ちょっと思っただけで口には出してないのにフラグになっちゃった?

 現れたのはピンクのトレンチコートと帽子の人物。変装しても変えることはないはずの特徴的な髪型は違っていたが。

 

「ちょっと確認したいことがあったんでこっちにきた」

「それってまさか」

 村雨との再会に喜んでいた銀鈴の表情が変わる。俺の正体がビッグ・ファイアだってばれちゃったと思ったのかな?

 でも、俺の予想は違う。

 

「あなたも、なんですね?」

 俺の質問に無言で頷く村雨。

「……どういうこと?」

「私も、例の異変に巻き込まれたらしい」

 そう答えた村雨は男ではなく、それどころか俺がよく知っている女性だった。

 

「世界融合によるシャッフルで別人と融合してしまったことに気づき、それを調査中の銀鈴ちゃんに相談しにきた、そうですね?」

「ああ」

「本当ですか? 健二さんまで……」

 変わってしまった村雨をじっと観察する銀鈴ちゃん。彼女の記憶では以前の村雨健二との違いが見当たらないのだろう。

 融合は周囲の人間の記憶や過去まで変更してしまうのかもしれない。

 

「ちょっといいですか。顔をよく見せて下さい」

 子供と俺を見ているのか、素直に従ってくれる。

 俺は近づいたその顔を見つめる。

「まだ思い出さないのか、紫?」

「なんだと?」

 驚いた隙をついて彼女の唇を奪う。

 

「ブ、ブリット君!?」

 銀鈴ちゃんにかまわずキスを続ける。思い出してくれ、紫、とテレパシーを送りながら。

 人前でなんて俺らしくもない大胆な手段。紫が知らない人間を見る目で俺を見るのが悲しくて泣きそうになってしまったので、それを誤魔化すために咄嗟にとった行動だ。

 やってしまったものは仕方がない。この際だとじっくり堪能してからゆっくりと唇を離す。

 

「……どう?」

「まだ少し混乱しているが、だいたいは思い出した。だが、耳まで赤くなるくらいなら他に方法があっただろう。……猫になるとか」

 どうやら思い出してくれたようだ。猫は今度ね。

 

 

「まさか紫が村雨健二と融合しているとはね。()()()め、と()()()キ、全部同じじゃなくてもいいのか?」

「名前だけではなく、能力が近いのも関係しているのかもしれん」

 不死身の村雨健二、だったっけ。たしかに不死覚醒を使う紫とは近い存在?

 

「健二さんがブリット君のお嫁さんだなんて……」

 そりゃショックだろうなあ。銀鈴ちゃんが紫を睨んでいる。ついでにねねちゃんが両手を上げて抗議している。

「ねねもですぞ!」

「ファルメール、今の私は健二ではなく、紫と呼んでほしい」

 銀鈴ちゃんの本名を知っているってことはかなり前からのつき合いなんだろう。

 ケンジだとうちの駄神を思い出すから嫌なのかな?

 

 3人がなにやらひそひそ話し始めてしまったので、華琳ちゃんに紫発見のメールを送る。

 華琳ちゃんは孔明ちゃんとどんな話をしてるのだろうか。曹操と孔明って上手くいきそうにない気もするんだけど。だからあえて華琳ちゃんは連れてこなかったんだけどね。仲良くしてくれてるといいな。

 

 っと、どうやら分身(ファースト)も無事に月に着き、マオウ・インダストリーと連絡できたみたいだ。同期を調整したんでテレパシーも問題なく繋がっている。

『いたのは真桜じゃなくて稟だった』

 ――そうか。リン・真桜じゃなかったのか。

 ちょっとだけ真改造PTを期待してたのに……。

『そのようだ。今、状況を説明している』

 リン・マオ。

 第4次スーパーロボット大戦の主人公の1人で、αやOGにも出演している。そっちのシリーズだとマオ・インダストリーの社長。

 それが稟になっちゃったのか。孔明ちゃんやねねちゃん、紫のように男と融合してないのは嬉しい。

 

 ――こっちは紫が見つかったよ。不死身の村雨健二と融合していた。

『ありがたいな。みんなを探すのがかなり楽になりそうだ』

 どっちも諜報能力は高いだろうからね。ゲヒルンを調べてもらうのもいいかもしれない。

 

 

 翌日、稟がとにかく華琳ちゃんに会いたいと言うので、稟もポータルでT1本社予定地に行った。

 ファーストと会って記憶を取り戻してすぐじゃなかったのは、あれだ、ファーストのコロニー行きのチケットを用意してもらったのもあるけど、一晩しっぽりと、ね。

 

 俺の方は紫と。

 ねねちゃんは「しばらく無理なのです」と拒否られてしまった。無理させちゃったからなあ。BF団エージェントのQボスと融合したせいか、身体能力も上がってるみたいなんだけど、それでもつらかったようだ。

 

「ブリット君にそんなにお嫁さんがいたなんて……」

 昨夜はねねちゃんとガールズトークしていた銀鈴ちゃんが微妙な表情で俺を見ている。

「俺、本当はおっさんだから」

「それは別にかまわないけど……」

 銀鈴、おっさんもアリなの?

 そういや村雨健二との年の差も10近かったか。

 

 

 

 11月5日。

 T1本社予定地に戻っていた俺たちに青き巨星墜つとの報が届く。

 一刀君、ランバ・ラル大尉は助けられなかったのか。

 7年後が舞台のスーパーロボット大戦αでも出てきたはずだけど、どうなっているんだろう? これは機動戦士ガンダム準拠なのか?

 

 11月7日。

 一刀君からの連絡。

 マチルダさんとハモンさんを救助したらしい。瀕死だったのでエリクサーを投与したとのこと。

 マチルダ・アジャン、クラウレ・ハモン。やはりどちらもスパロボαで登場してたのに、瀕死?

 これも世界融合の影響だろうか。

 

 俺たちの方はといえば、島からはBF団の姿がほとんどなくなってしまってちょっと寂しい。

 T1社の社員も募集しないとな。

 社長は華琳ちゃんだ。

 

「社長は煌一クンでしょう」

「俺? 炊事洗濯掃除って家事担当の俺が社長?」

「はわわっ、申し訳ありません」

「いいよ、手持ち無沙汰だから」

 ちょっとだけ人手が増えてきたので、(ビッグ・ファイア)が直接動くのは控えてほしいと孔明ちゃんに懇願され、あまりこの島を出ていない。

 いざとなったらファーストや一刀君がつけたマーキングでポータル移動するからいいけどさ。

 

 不乱拳と幻夜を名乗ることにしたフォーグラー親子も社員として研究を続けている。

「不乱拳幻夜……」

「不乱拳銀鈴……」

 子供の方はその名前にちょっと思うところがありそうだけど。

 

「あら、銀鈴は嫁にくれば姓は変わるでしょう?」

「そ、そうよね」

 華琳ちゃんの言葉でなぜかこっちを見る銀鈴ちゃん。もちろん俺は気づかないふりをするしかできない。

 あと華琳ちゃん、「くれば」って嫁にもらうつもりなの?

 

 稟は月とこっちをポータルで往復している。マオウ・インダストリー社との業務提携も決まった。

 社名変更は、どうしてもそうしないといけないと思ったかららしい。記憶が曖昧ながらもみんなに見つけてもらいたかったのだろう。

 

「本当はずっとこちらにいたい」

「あの名前で気づいて月まで行く子もいるかもしれないでしょう? ()()も現れる可能性がある」

「華琳さまが早く見つかるといいのですが」

 華琳もまだ見つからない。いったいどこにいるんだろう?

 

 結婚指輪を起動させて呼びかけてもいるんだけど、嫁さんたちからの返事はない。

 ねねちゃん、稟、紫の指輪は反応してるから、効果がないってことはないんだろうけど……。

 

 

 俺たちが仲間を探している間にも一年戦争は進む。

「連邦とジオンの戦いはビッグ・ファイアさまのお話通りに進んでいます」

 やはりスパロボαよりも機動戦士ガンダムよりな気がしてくる。本当にマクロス落ちてくるんだろうか。

 

「写真の人物は誰か見つかったか?」

「現在も調査を続けていますが、戦時中ということもあって行方不明者も多く……」

 孔明ちゃんにも嫁さんたちの写真を見せて、BF団も探すのに協力してもらっている。

 

「行方不明者ですか。きっと世界融合に巻き込まれた者もいるのですぞ」

「まったく、戦争なんかしてる場合じゃないって早く気づいてほしい」

「そうです。どちらが勝ったとしても、世界はBF団の、我々のビッグ・ファイアのものになるのですから」

 いや、いらないから。

 俺は嫁さんたちとのんびり暮らせればいいんで世界なんていらない。

 そう答えようとした時にまたビニフォンが鳴る。

 

 連絡してきたのは一刀君と同じく単独行動をしている紫だった。

 彼女は東南アジアにいるはずだ。ねねちゃんにケルゲレン子が恋じゃないか確認してほしいと頼まれて。

「恋殿が見つかったですか!」

 はやるねねちゃんを手でおさえながら通話を続ける。

 

「見つかった? ……恋じゃなくてミケちゃん?」

 聞こえたのだろう、ねねちゃんがおとなしくなる。

『連邦軍の兵士になっている。名はミケル・ニノリッチ』

 ミケルか。第08MS小隊の登場人物だ。それがミケちゃんと融合してるのか。

 彼は作品中、最後まで生き延びたけどコジマ基地は危険なんだよな。心配だ。

 適当なタイミングで連れてきてもらおう。

 

 

 ファーストからも連絡が入った。サイド6でテム・レイは見つけることに成功。彼をスカウトしたとのこと。

 酸素欠乏症がエリクサーで治れば開発者として復活してくれるはずだ。

 階段から転げ落ちて死亡する前でよかったよ。

 

 この後、サイド3に向かうらしい。嫁さんたちを探すついでに、魔法のふとん叩きを渡してくると言っているが、はたしてマリコちゃんはこの世界にいるのだろうか?

 

 

 

 12月、一刀君に助けられたハモンさん、ミハル姉妹が島へと到着した。

 マチルダさんは連邦軍に戻ったので連れてこれなかったと一刀君が嘆いている。

 

「よ、よろしくお願いします」

「うん、悪いようにはしないから安心して」

 ミハル・ラトキエは弟ジル、妹ミリーの生活費を稼ぐためにジオンのスパイとしてホワイトベースに潜入、戦闘時にガンペリーから落下して死亡してしまう。

 だが、サンダーウイングリュウケンドーに変身した一刀君が落下中にキャッチして助けたらしい。

 ミハル姉妹は未成年なのでアルバイト扱いだけどちゃんと給料は払うつもりだ。ついでに衣食住もね。

 

 社員があまり集まらなかったら孤児を集めて教育するのもありかな。方舟のクルーになってもらうのもいいだろう。

 そのためにも稼ぐ必要は出てくるけど。

 

 ミケちゃんを島に連れてきて、またすぐに出て行ってしまった紫からの連絡が入る。

『華琳の関係者と思われる人物を発見した』

 え?

 嫁さんじゃなくて関係者?

「名前は?」

『フラスト・スコール。曹洪だとも言っている』

 フラスト・ス洪ルってわけか。フラスト……誰だっけ? すぐに出てこない。

 曹洪って、英雄譚? 華琳の親戚だよな。

 とにかく会って話をした方が早そうだ。

 

「見つかりました!」

 今度は孔明ちゃんか。

「曹操さんの指示通りに、連邦軍北極基地を襲ったジオン兵の確保に成功。今は治療中ですが、彼に確認したところ、サイクロプス隊にビッグ・ファイアさまの探している人物がいます」

「え?」

 華琳ちゃん、いつの間にそんな指示を。

 サイクロプス隊にって、誰が……。

 

「ミハイル・カミンスキーさんが許緒さんです」

 ミハイル・カミンス季衣か!

 同じ○○ス季衣なら、同じハンマー使いのアルゴ・ガルス季衣でしょうに。

 

 そんなことを考えてる場合じゃないな。

 0080だとサイクロプス隊は全滅してしまう。

 なんとかしないと。

 

 

 




鼻血キャラ同士でブルック稟・ラックフィールドって案もありました

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