大有双   作:生甘蕉

16 / 49
今回は梓視点

痕のネタバレがあります


16話 はっぱっぱ

 最近、不思議な夢を見るという妹たち。

 その原因としてカードを取り出した。

 楓は凪、初音は亞莎のファミリアカードを。

 

「この人たちも梓お姉ちゃんの妹なんだよね?」

「そこまで知っているのか」

 こくりと頷く2人。

「凪さんの記憶を夢で見た。たぶん……。うちの家系に伝わるテレパシー能力のせい」

「そんなことが……」

「もしかしたら亞莎ちゃんとわたしは同じ存在なのかも」

 そりゃ中の人がいっしょらしいけどさあ。

 だからって、同じ存在ってのはちょっと。2人とも見た目も性格も結構違うじゃない。

 

「同じ存在が接触すれば弱い方がカードになるはず」

「凪と亞莎がカードになってるのはそのせいだっての? この2人、記憶を見たなら知ってるだろうけど、かなり強いんだよ」

「わたしたちは鬼の子だから……」

 凪と亞莎だってファミリアになってて強くなってるんだけどねえ。なにか他の理由もあるのかね?

 

「こんなこともできるようになった。……はああああっ!」

「そのオーラ、まさか凪の気弾を使えるようになったのか」

「少しだけ」

「少しだけってあんた……」

 ファミリアになったあたしだって使えるようになるのは時間がかかったのに。

 もしかして初音も?

 

「わたし? ……魔法は無理だよぅ。でも、ゴマ団子なら作れるようになったよ」

「そりゃ頼もしいね」

 初音がそのままだったのでなんかほっとした。

 

 

 

 そろそろ耕一の鎖を解こうと戻ったらさ、慌ててあたしの部屋に戻る羽目になったよ。

「ま、まさか2人がヤってる最中とはね……」

 妹たちは真っ赤になって俯いていて、返事もない。

 無理もないだろう。あんなのを見るのははじめてだろうし、ましてやそれが実の姉と想い人なんだからさ。

 あたしだって姉と従兄妹のあんなシーン見ちゃってどうしたらいいか……。

 

「耕一さんは千鶴姉さんを選んだのね……」

「お兄ちゃん……」

 ううっ、気まずい。

 

「ほ、ほら、選んだっていうか、流されただけじゃない?」

「流されたのだとしても、千鶴姉さんをヤリ捨てするのは許さない」

「ヤリ捨てってあんたね……」

 楓からまさかそんな台詞が聞けるなんてびっくりだよ、あたしゃ。

 

「耕一お兄ちゃんの、夢で見たのとちがったね……」

「初音まで……たしかに煌一のは双頭竜スキルの効果であんなになっちゃってるけどさあ。って、もしかしてそっちの記憶まで見られちゃってるの?」

 さらに真っ赤になって頷く楓と初音。

 あ、ああああ!

 思わず両手で顔を覆ってしまう。

 だってさ、2人が凪と亞莎の()()()の記憶も見てるってことはさ、その場にあたしがいたのも見られちゃってるワケじゃない!

 

「梓姉さんと凪さんたちの夫は……すごかった」

「ちっちゃい時もかわいかったよね」

「か、かわいい!?」

「初音、このタイミングでその言い方は誤解される」

 楓の指摘にえっ、と声を上げた初音はさらにさらに真っ赤になった顔の前で両手を振って否定を始めた。

 

「ち、ちがうよっ、ちっちゃいってのは、身体がちっちゃい時のことだよぅ」

「アレも小さい時のことね」

「も、もう、えっち!」

 まったく、うちの妹はなんでこんなに可愛いんだか。

 

「エッチなのは初音でしょ。このおませさん」

「うう、意地悪……」

「あはは」

「ふふふ」

 やがてあたしと楓につられて初音も笑い出した。

 楓と初音はそれこそ涙が出るまで笑っていた。

 

「耕一さんに失恋したばかりなのに、こんなに笑えるなんて思ってなかった」

「亞莎ちゃんの記憶のおかげだね」

 そうは言ってもね、やっぱり泣いてるじゃない。

 あたしは無粋なツッコミはせずに2人をまとめて抱きしめる。

 

「いいんだね、あんたたち。千鶴姉に耕一あげちゃって」

「千鶴姉さん、つらい思いばかりしてるから」

「耕一お兄ちゃんなら幸せにしてくれると思うよ」

 妹たちがいい子すぎて、あたしまでもらい泣き。煌一の泣き虫がうつっちゃったかね?

 

「お、お姉ちゃん、痛い!」

「力入れすぎ」

「あ、ごめん」

 抱きしめる力を緩めると、すぐに2人は抜け出してほっと一息。

 抜け出す時に乱れた髪をなでて整えてあげた。

 

 

 

「あ」

「どうした、楓?」

「千鶴姉さんと耕一さんが出かけた」

 ほんとだ。感知には家から離れていく2人の反応。あたしよりも先に気づくなんて楓もやるね。

 

 客間に戻るとやはり耕一も千鶴姉もいない。

「この切り口……」

 楓が落ちていた鎖とロープを見せてくる。綺麗な切断面だった。

「千鶴姉のやつ、面倒になって斬っちゃったか。血は落ちてないみたいだけど」

 ロープのそばに千鶴姉に貸したビニフォンが落ちていた。

 それを確認した初音の顔色が変わる。

 

「た、たいへんだよ! 梓お姉ちゃん!」

「え?」

「水門にむかったのかも。耕一さんが鬼を制御できるか確かめるつもりなのかもしれない」

 ビニフォンは痕をプレイしたままだった。

 

「千鶴姉のやつ、また早とちりしやがって!」

 プレイ中の痕は、裏山の水門で千鶴姉が耕一を殺してしまうバッドエンドの途中。

「急ごう、梓お姉ちゃん!」

「ああ!」

「待って」

 楓があたしたちを止める。

 

「このまま梓姉さんも一緒に行ったら、たぶん耕一さんは鬼の力を制御できない」

「……そ、そうだね、梓お姉ちゃんとわたしの時はお兄ちゃんは……」

 そうか。妹たちも凪と亞莎の記憶から痕の内容を知っているんだね。

 

 あたしのルートだとなぜか耕一は完全に鬼の力を封じることができていて、ピンチの時にも鬼になったりしない。

 なんか、あたしの前だと耕一の鬼は出てこないらしい。

 

「私にまかせて」

「楓、無理はしないでよ。見つからないようにあたしもついていくけど。あ、念のためにこれも渡しておくよ」

 スタッシュからエリクサーを出して楓に渡す。凪の記憶から使い方も知っているはずだよね。

 

「ありがとう。初音は留守番していて」

「お姉ちゃんたち、がんばってね!」

 不安そうな初音を残して、あたしと楓は2人を追った。

 

 

 水門についた時にはもう、千鶴姉の爪が耕一を貫いていて、急遽予定変更。

 スタッシュから紅蓮弐式を出して乗り込み、耕一を川に捨てた千鶴姉を襲う。もちろんフリだけだよ。

「そんな……ロボットの鬼?」

 予想通りにこれの右腕の爪から鬼を連想してくれた。そのために選んだんだ。

 

 状況がわからないながらも、千鶴姉はあたしの攻撃を回避する。手加減しているとはいえ、とんでもないスピードだね。

 攻撃をかわし続け、逆にジャンプして攻撃してきた。千鶴姉の鋭い爪が紅蓮の頭部に食い込む。

 マジか。これで耕一を殺したと思い込んで動揺してるってんだから我が姉ながら無茶苦茶だよ。

 

 逆の腕の爪をさらに叩き込もうとする千鶴姉を捕まえる紅蓮。

 ……さて、これからどうするかね。逃れようともがく千鶴姉に悩んでいたら、耕一が落ちた川の水面が揺れたかと思うと、ざばあぁっと人が飛び出してきた。

 耕一だ。

 

「こ、こういち……さん……逃げてください」

 さらにもがく千鶴姉。自分の手が傷つくこともお構いなしに、捕まえている紅蓮の手を引っかき続ける。

 その千鶴姉にむかって耕一もジャンプ。人間離れした高さを跳んで、紅蓮の腕に乗り、その指を掴む。

「千鶴さん、今助けるよ」

 耕一の瞳は赤い光に輝いていた。

 

「こ、耕一さん……ま、まさか」

 耕一の身体が変わっていく。筋肉が膨張していき、シャツが破れズボンがはちきれる。煌一の鬼モードに似ているな。

 身長も倍以上になってしまった。まだ紅蓮の方がでかいけどさ。

 

「グオオオオオオォォォォォォーーーーーーーッ!」

 その咆哮にあたしもちょっとビクッとなってしまった。それぐらい迫力がある。

 

 ボキッ! ベキンッ!

 あんなに千鶴姉が攻撃しても壊れなかった紅蓮の指が耕一によって破壊され、千鶴姉が解放される。

 千鶴姉を抱き上げてジャンプし、紅蓮から離れた地面に降り立つ耕一。

 

「耕一さん……」

「グ……」 

 鬼となったばかりでまだ上手く喋れないのか。煌一もそうだったもんな。

 耕一は会話を諦めて紅蓮とは反対の方向を指差す。千鶴姉に下がれということだろう。

「でも……」

「グオオオオオオォォォォォーーーーーーーーッ!」

 意味が伝わったと感じたのか耕一はこちらに振り向き、再びの咆哮。

 

 逃げる気はないのね。あくまで戦うつもりとか。鬼の力に振り回されてるんじゃないだろうね?

 それを確かめるために少し戦おうかと思った時に楓が姿を見せた。

 紅蓮をかばうように両手を広げて耕一を睨む。

 

「そこまでです耕一さん」

「楓?」

「鬼の力を制御できているのならこれ以上の戦いは不要です。元に戻って下さい」

 もし、制御できないつもりなら自分がその爪を受けるつもりなの、楓?

 もちろんそんなことはさせないけど。

 

 かなり長く感じた一瞬の後、耕一の身体がみるみる萎んでいく。

 どうやらちゃんと制御できているようだ。

「……はぁっ……はぁっ、楓ちゃん、い、いったいなにがどうなって?」

「これは梓姉さん」

 はじめての鬼化に疲労して膝をつき、肩で息をしている耕一に楓がばらしちゃったので、紅蓮から降りるあたし。

 

「あっ、梓?」

 千鶴姉まで目を丸くして驚いているね。そりゃそうでしょ。

「まったく、千鶴姉、せっかちすぎ。あたしの話を聞く前に行動おこしちゃ駄目じゃない」

 紅蓮をスタッシュにしまって千鶴姉に近づき、その怪我を見る。

 鬼の回復力で治り始めてはいるけど、痛々しいので回復魔法でさっさと治療した。

 

「梓にこんな力があったなんて……さっきのロボットは?」

「ここじゃなんだから戻ってから話すよ。初音も心配してるだろうしさ」

「耕一さんが鬼の力を制御できたことを早く教えてあげないと」

「それなら電話すりゃいい」

 ビニフォンでうちに電話して、ついでに耕一と千鶴姉の着替えを持ってきてもらった。ボロボロだったからね。

 スタッシュに入ってるあたしの服を貸してもいいけど、千鶴姉はともかく耕一は変質者っぽくなりそうだし。

 

 

 

 家に帰って事情を説明して、千鶴姉がなかなか信じてくれなかったりしたけど、なんとか理解してもらって。

「あなたが元はフィギュアだったなんて……そうなると、元々こっちにいた梓はどうなったのかしら?」

「え?」

「凪さんのようにカードになっているのかもしれない」

「けどそんなカード見てないんだよなあ」

「探してみようよ」

 あたしの部屋だけじゃなくて家中探して大掃除になっちゃったけど、結局見つからなかった。

 どうなってんのカニ?

 

 とにかく、耕一の鬼の制御成功と、2人がつきあうことになったのをお祝いして数日後。

 消えたこっちのあたしと、あたしの仲間をどうやって探すか悩んでいるうちに行方不明者が増えてしまった。

 

 最近、行方不明者が多いらしい。

 あたしが殺した柳川刑事もそれと同じ扱いのようだ。彼の遺体はいつのまにかスタッシュの中でカードに変わっていた。

 ファミリア候補だったか。あとでワルテナかポロりんにでも売ることにしよう。

 

 異常なのは、突然消えるということ。目の前で人が消失するというケースもある。

 ……かおりもそれだった。あたしたちの前で消えてしまった。

「せっかく柳川から守ったのに、どうなってるんだ!」

 まさか、この世界はかおりを不幸にしなきゃおさまらないとかじゃないだろうね?

 

「ちょっといいかしら? 柏木梓さんよね?」

 かおり消失事件のことで陸上部員たちといっしょに事情聴取を受けた帰り、その少女たちと会った。

 

 姉妹だろう、よく似た2人の少女と、耳に機械をつけた1人の少女。

 会ったことはなかったが見覚えがあった。

「来栖川綾香よ。こっちは姉さんとセリオ」

「……」

 姉と言われた少女は小さな声で芹香ですと名乗った。

 

「そっちのセリオってのはメイドロボだよね?」

「はい。HMX13型、通称セリオです。よろしくお願いします」

 やっぱり。こいつらはTo Heartの連中じゃないか。

 

 To Heart。

 痕のメーカーの人気作で、家庭用ゲーム化やアニメ化もして続編まで作られている。

 く、悔しくなんかないんだからね!

 うちの智子も登場しているから、煌一がプレイさせてくれたんだよね。

 だから彼女たちのことは知っている。

 

 知っているけど、あたしになんの用があるのさ。

「柏木梓だけどなんの用?」

「日吉かおりさんの消えた場所に案内してほしいの」

「興味半分なら許さないよ。怪我しないうちに帰りな」

 来栖川芹香の趣味は魔術。オカルト関係ってことで調べにでもきたんだろうか?

 

「私たちも関係者よ。知り合いが目の前で消えたわ。協力して。調べたいことがあるの」

「そう……わかった、ついてきて」

 他校の生徒だけどかまわずに学校に連れて行って、陸上部の部室に案内したよ。少しでも手掛かりがほしかった。

 

「セリオ。どう?」

「はい、ごく微弱ながらオルゴンを検出しました」

 まだ教えていないのに、かおりが消えた場所でセリオがそう言った。

「やっぱり……」

「ちょっと待ってよ、オルゴンっていったいどういうことさ?」

 聞き覚えのある単語に背筋が震える。

 もしかして、かおりが消えてしまったのにあたしが関係してる?

 

「最近起きている行方不明事件……消失事件の現場で検出される謎の粒子よ」

「謎の? どこでその名前を……」

 偶然の一致なんかじゃないはずよね。

 

「協力者に教えてもらったのよ。あなたのこともね」

「あたしも? 誰よ、それ」

「……」

 紹介します、ってまた小声の芹香。

 鬼の聴力のおかげで聞き取れはするけど、もっとちゃんと声を出してよ。

 

 彼女たちに連れてこられたのは来栖川の別荘。隆山の別荘エリアの中でも一際大きいお屋敷だった。

「お久しぶりです、梓様」

「誰?」

 紹介されたのは1人の少年。執事服を着た彼に見覚えはない。耳にカバーをつけているということはこいつもロボット?

 

「この姿ではわかりませんよね?」

 彼はシャツの胸元のボタンを外していきその肌をさらす。パカっと胸部の皮膚が開いたかと思うと、見覚えのあるものがそこにあった。

「携帯ゲーム機? ……あんたもしかしてマサムネ?」

「ハイ。マサムネデス」

 少年は口を動かさず、胸部に内蔵されたゲーム機の画面が明滅して、聞き覚えのあるエフェクトのかかった声がした。

 

「いったいどうしたのさ、その姿は?」

「協力と引き換えにオーバーボディを来栖川に制作してもらいました」

 少年の口を使うとエフェクトなしで普通に喋れるのね。

「協力? 行方不明事件のよね? いったいどうなってるのよ」

「人が消失した場所からオルゴンが検出されていることから、私たちがこの世界にきた時と同じ作用が働いて、今度は逆にこの世界の住人がどこかに跳ばされてしまっているものと考えられます」

「あの爆発のせい?」

「グランゾンはフューリーの施設でなにかをしていたようですのでその可能性が高いです」

 ……もしかして、この世界のあたしもそれでどこか別の世界に跳ばされてしまっているんじゃ?

 

「この世界にあんたがいたはずなのに、連絡が取れなかったのは?」

「すみません、私の知っている梓様だと確信が持てなかったのです。それと、ディスクロン部隊は隠密部隊ですので探知も難しいかと」

 味方にまで見つけづらくしてどうするのさ!

 

「それとですが、あの世界の人間もこちらにきています」

「あの世界の?」

 煌一担当のJだかRだかのスーパーロボット大戦の世界の人間がきているの?

「世界間の転移にはなにか関連性のある人物や場所へと跳ばされるようです」

「あたしや凪たちみたいにか?」

「そう。彼女よ」

 綾香に連れられて現れたのは小さな少女。

 そのツインテールには見覚えがあった。スパロボに何度も出てる有名な少女。

 

「ホシノ・ルリです。こっちでは月島瑠璃子ってことにされてます」

「ルリルリ!?」

 そりゃるりるり違いでしょ!

 思わず叫びそうになっちゃったじゃない!

 

 

 

 マサムネたちディスクロン部隊は全員がこの世界にきていた。

 ディスクロンたちは今も世界中を捜査していて、他の仲間は見つかってないらしい。

「この世界になにか心残りなんてあるの?」

「マルチさんを助けたかったのです」

 頬を染めるマサムネの少年ボディ。よくできてんのね。

 

 マルチってのはセリオと同じく試作型のメイドロボだよ。

 試験で学校に通って、その期間が終わったら用済みということで停止させられるの。主人公の藤田浩之が彼女のルートを選べば、彼の所有ってことで再び目覚めるんだけどね。

 

「浩之は誰を選んだんだ?」

「それが……身近な人間が消失事件に遭い、恋愛どころではなかったようです」

「まさか、智子じゃないだろうね?」

「はい。彼女は無事です。ディスクロン部隊の活躍でクラスでの仲も良好です」

 そうか。こっちの智子はあたしたちの娘じゃないけど、他人って気はしない。元気にすごしてほしいよ。

 ……ただ、ディスクロン部隊の活躍ってなにやったのか気になる。

 

「行方不明になっているのは彼の友人の佐藤雅史。それに……私の後輩でもある松原葵よ」

 葵か。煌一のイチオシのシナリオだったな。あのロリコンめ。

 みんなはマルチで泣いていたけどさ。

 

「私は葵を見つけたいの。協力して」

「あたしだってかおりを見つけたいからそれは構わないけど、どうすりゃいいのさ」

「ヨークさんに相談しましょう」

 マサムネの出した名前に困惑する。

 だって煌一いわく、諸悪の根源、な生体宇宙船の名前だからだ。

 

「ヨークってあのヨークか」

「はい。今なら修理、いえ、治療が間に合うかもしれません」

 初音は喜ぶだろうけど、宇宙船にエリクサーって効くのかね?

 

 その前に幽霊たちをなんとかしなきゃいけないか。

 宇宙人の幽霊にお(フダ)や聖水って効くのかね?

 

 




梓の語尾のカニは誤字ではありません
カニ語です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。