大有双   作:生甘蕉

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今回はカライ視点


24話 死者復活(12番視点)

 工場衛星の艦橋(ブリッジ)でシャロンから各施設の説明を受けた。

 

「フォールド機関、生命維持装置、各プラントも順調に作動中よ。フォールド機関の廃熱を利用した温水設備もいつでも使用可能ね」

 

 温水設備!

 ようするにこの工場衛星にはマクロスFの外伝小説に出てきた温泉旅艦の熱海みたいな温泉があるというのか。

 

「食料、医薬品は3年分が備蓄されてて、さらに増産中か。助かる」

 

 しかもこの3年分ってのは正規乗組員の人数で計算されたもの。それは今いる全員よりも多いのでさらにもつことになるだろう。

 ……俺たちの人数が少なすぎるのか。

 いくらオートメーション化が進んだ未来艦とはいえど、シャロンがきてくれなければ確実に人手不足だったようだ。神様、ナイスアシスト!

 

「ええと、アイシャはプラントで生産できる機体を確認。その後パイロットたちと相談して使用する機体を生産してくれ」

 

「了解。カライのはどうする?」

 

「俺のは後回しでいい」

 

 だって操縦なんてできないし。

 女の子たちの機体だってあくまで念のためだ。

 

「アクエリオンチームはアクエリオンの点検を頼む」

 

「アクエリオン? そう、知っているのですね」

 

「あれ、もしかしてまだアクエリアって呼んでいる段階?」

 

 EVOLの開始時点だったってこと?

 そうなるとミコノとクレアは面識がない……ようには見えないな。ちゃんとクレアがアクエリオンチームのトップっぽい。ユノハも透明になっておらず、ちゃんと姿が見える。

 だけどゼシカの服は前期型だな。どうなってるんだ?

 

「各自、所有している情報のすり合わせが必要か」

 

「そのようですね。木星の状況がある程度把握できたら総員、入浴。裸の付き合いといきましょう」

 

 クレアの言うようにたしかに温泉に入りたい。

 男湯は俺だけなので寂しい状況だろうが、この美少女たちに囲まれた状況よりははるかに気を抜くことができる!

 早くこの緊張感から解放されたい。

 

「シャロン、サキエルとシャムシェルの様子はどうだ?」

 

 すぐにブリッジの大画面モニターにサキエルとシャムシェルの姿が映し出された。

 誰がこれを撮影してるんだろ?

 え、シャロンが操作してるドローンがあるの? あ、そう。

 

 かなりの速度で木星を降下していく2体の使徒。

 だが、BETAには遭遇しない。

 ……木星にはまさかBETAはいないのか? ガス惑星だから?

 

 ハイヴがあるかもしれない木星の地表に到達するよりも先に過酷な環境によりドローンがもたなくなるとのことなので、2体(ふたり)には適当にBETAを捜索してもらう。

 マジでいなかったらポイント稼ぎのために火星の方へ行ってもらうべきだろうか?

 

「BETAがいるとすれば衛星の方じゃない?」

 

「あ、その可能性が高いか。シャロン、わかるか?」

 

 アイシャの発言になるほどと頷く。

 地球の衛星である月にもいるんだから木星の衛星にいてもおかしくはない。

 そっちに先に行ってもらえばよかった。

 

「イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストのガリレオ衛星でBETAの存在を確認しているわ。他の衛星は調査中だけどたぶんまだいるでしょう」

 

 やっぱりか。

 もしかしたら木星付近(ここ)って思ったほど安全じゃないかもしれない。

 

「この工場衛星の防衛設備は?」

 

 そう聞いたところで急に視界が真っ暗になってしまった。

 なんだこれ?

 まさかBETAの攻撃でもくらってしまって停電になりでもしたのだろうか。

 

「どこだここは!?」

 

 聞こえてきたのは特典で選んだ美少女たちの声ではなかった。転生する前の会議(?)で聞いたことのある声だ。

 逆に美少女たちの気配が感じられない。

 

 反射的に返事をしようとしてしまったが、聞こえているのが1番球の声だったので黙って様子を見ることにする。

 声の方に意識を集中すれば、会議の時にちらっと見えたやつの姿があった。

 

「気配は感じている。姿を見せろ」

 

 でも会議の時と感じが違うような?

 目つきもより悪くなっている気がする。

 もちろん返事なんてしない。

 

「そうか、ここが神とやらが言っていた12番のところか」

 

 げっ、なんか妙に鋭くないか?

 だけど意地でも反応はしてやらない。

 

「いるのはわかっている。はやく俺を生き返らせろ!」

 

 怒鳴られた。

 っていうか、もう死んだの?

 だから俺のとこへ運ばれてきたのか。

 死の8分ってマブラヴではいうけどさ、いくらなんでも早すぎないかね。

 

 ああ、ここはもしかして生き返らせるための場所?

 神様は俺のとこへって言ってたけど、工場衛星に運ばれてくるわけじゃないのかもしれない。ナイスだ、神様!

 これで俺の情報を与えずにすむ。

 む、1番が俺を見つけられないのは俺の情報を〈独占〉しているのがまだ効いているのか。

 

「くそっ、美久さえいれば……」

 

 ふむ。光球なしのグレートゼオライマーで戦闘して、やられちゃったワケね。

 ……美久のことを知ってるってことはまさか、木原マサキの人格を上書きされちゃっている?

 面倒な。やつは性格が悪いけど頭はいい。たぶん素の1番よりも性質(たち)が悪い。

 美久を〈独占〉していてよかった。でなければ1番マサキの操作によってグレートゼオライマーに持っていかれてただろう。

 

「12番!」

 

 うるさいなあ。

 こいつ、死んでた方がいい気がするんだけど。

 死因に俺のせいがちょっとはあるかもしれないけど、俺にそうさせたのはこいつだし。

 

 うーん。

 仕方ない、〈死者復活(条件アリ)〉の実践テストということで生き返らせてみるか。

 

 〈死者復活(条件アリ)〉を使おうと意識すると、目の前に転生会議の時みたいなウィンドウが現れた。真っ暗だけどちゃんと読める。

 なるほど。

 復活させる死者を選ぶと、さらに復活させるために引き換えに失うものを選べるのか。

 

 どれどれ……むう、あの時はこいつが選んでなかったはずの〈格闘〉や〈射撃〉、〈操縦〉なんてスキルを持っている。しかもそのレベルが高い。

 たしか1番はシロガネクルーを特典で選んでいたから、そいつらから〈強奪〉しやがったな!

 

 ここで選ぶのはこれしかないだろう。

 〈強奪〉を生贄に1番を蘇生!!

 あ、復活場所も選べるんだっけ。ええと……死んだ場所でいいか。

 

 これでどうだ?

 ……1番マサキがいなくなった。

 ふう。上手くいったようだな。

 って、どうやって俺はここから出るんだ?

 

 悩みながら試していたら自分のステータスを確認できるウィンドウが開いた。〈死者復活(条件アリ)〉の解説を見ればわかるかな。

 むむ、レベルが2だ。〈独占〉も2レベルで〈無効及びカウンターを無効〉が1レベル。もしかしてレベルアップした?

 とにかく解説を見てみよう。

 

******

〈死者復活(条件アリ)〉スキル

 レベル:2

 死者を復活させる。死因となった怪我や病気も完治する。

 復活場所はある程度選べる。

 復活する死者は引き換えに特典や能力を1つ失う。

 このスキルを自分に使うことはできない。

 死んでから3日以内の死者にしか使うことはできない。

 1日に2回使うことができる。

 残り使用回数:2

******

 

 レベルと復活可能な期間、使用回数の説明が増えているな。

 だがおかしい。

 残り使用回数が減っていない?

 ……レベルアップしたんでフル回復したのかもしれない。

 もっとテストしてみたいが、今はこの暗黒空間から脱出できないと落ち着かん。早く工場衛星に戻りたい!

 

 ……おや?

 明るくなっている。

 

「……門の対空砲、ピンポイントバリアシステムも充実しているから、並の戦艦よりもよほど強固な防衛を誇っているわ。もちろん、それらを操作するのはこのあたし」

 

 さっきの質問にシャロンが答えてくれていたみたいだ。

 だとするとそんなに時間が経っていないのか。

 

「ありがとうシャロン、危険が迫ったらよろしく頼む」

 

「ふふふ。カライが楽しめるような危険が早くこないかしら」

 

 勘弁して。

 それよりもまず確認することがある。

 

「地球の情報を教えてくれ。特にグレートゼオライマー関連を」

 

 そう言った次の瞬間、また視界が真っ暗になって。

 俺は再び暗黒空間にいた。

 

「貴様、なんであんな場所で生き返らせた!」

 

 1番マサキが怒鳴っている。

 もう死んだのか。

 そりゃ嫌がらせに決まっているじゃないさ。死んだ場所で復活したらどうなるかのテストも兼ねてね。

 

「今度は安全な場所で生き返らせろ!」

 

 まったく、ナニ様なんだか。

 復活させないでここにこのまま放置したらどうなるかテストしてみるのもいいかもしれない。

 まあでもその前にこれを試しておくべきか。

 

 木原マサキの人格を生贄に1番を蘇生!

 復活場所はクロガネ内。

 

 おお! いなくなった。

 これでよし、と。

 毒抜きが済んだ1番はチョットは感謝してくれるだろうか?

 そんなこはどうでもいいか。

 少しでも活躍して俺の安全のために貢献してくれればいいのだよ。

 

 せっかくなのでウィンドウで確認してみるとちゃんと残り使用回数が1つ減っていた。やはりさっきレベルアップしたと見ていいだろう。

 残り1回か。誰か生き返らせるのもアリかな。死後3日以内にしか使えないから早いうちに使った方がいい。

 今日の分は無くなるけど明日になればまた使えるようになる。いくらなんでもすぐに転生者たちが死亡するってことはないと信じたい。

 1番?

 それこそ放置実験ができる。

 

 〈死者復活(条件アリ)〉を使うと決めたら、ウィンドウにずらっと名前が表示されていく。これ、もしかして全部死者なの?

 これで3日以内?

 こんなに多いのか……。BETAのせいで死んでいるの?

 

 むうう、これじゃフィルターをかけないと選べないな。

 若い女性だけにして……それでもまだまだ多い。

 条件追加、俺が知ってる名前……こんな条件も選べるのか。検索機能スゲエ。

 というか、死んでるのかこの人物は。

 

 エクセレン・ブロウニング!

 スパロボの有名キャラじゃないか。

 なんで……ああ、1番の特典のシロガネクルーにATXチームも含まれていたのか?

 

 かなり有能な人物だと思ったんだけど1番の特典のゲシュペンストではその力を発揮できなかった……ってステータスを確認したら〈操縦〉や〈射撃〉のスキルが無い!

 1番のやつ、エクセレンからスキルを強奪したんだな。それなら出撃させるなよ。

 

 どうしよう、復活せさるべきだろうか?

 だけど特典で追加された人物ってその特典の主への好感度が高い。

 復活させてもまた1番にいいように使われて死んでしまうかも。

 

 今日復活できるのはあと1人だけだから迷う。

 助けてあげたいのは確かなんだが……。

 1番め、余計な悩みを追加してくれる。あいつ、生き返らせるんじゃなかった!

 

 いいか。試すだけ試してみよう。

 1番への好感度を生贄にエクセレンを蘇生!

 

 へ?

 できちゃうの?

 よし!

 ちょうどエクセレンの魂らしきものが現れたので話してみることにする。

 

「あー、エクセレン、聞こえる?」

 

「ええ。聞こえてるわ。ここどこ?」

 

「死者蘇生空間だ」

 

 適当に名づけてみた。間違ってはいないだろう。

 エクセレンにはアインストではなく俺の協力者になってもらおう。

 具体的には1番の監視役だ。

 

「キミは死んだ、わかるね?」

 

「死んじゃったかぁ。いつもと全然調子が違ってたのよね」

 

「それはキミの能力を剛田に奪われていたからだ」

 

 1番は剛田ツヨシ。名前を変えていなければエクセレンにも通じるはず。

 特典で仲間になった人物は名乗らなくても名前を知ってるかもしれないし。

 だって、うちの美少女たちはみんな俺のことを知っていた。

 

「ふーん。そんなことできたのか、あいつ」

 

「その能力を戻すことはできないがキミを生き返らせることはできる。どうする?」

 

「わお!」

 

 生「わお」、いただきましたー!

 うん。やっぱりエクセレンを復活させたい。

 

「了承と受け取っていいな」

 

「もちろん!」

 

「その代わり……」

 

「やっぱタダってワケじゃないのね」

 

 逆にタダで復活なんてしてもらったら怖いと思うのだが。

 俺たちだって転生の代わりにBETA退治させられてるんだしさ。

 

「時々、剛田の情報を流してくれればいい。できればやつの迷惑な行動を阻止してもらいたいが、そこまでは望まない」

 

「あいつは死んだわ……そう、あいつも生き返ったのね?」

 

「うん。だから頼む」

 

 断られても蘇生はしよう。ただし、この工場衛星内にね。

 シャロンがいればエクセレンが工場衛星から通信を使うこともできないんで問題はない。

 

「了解~!」

 

「はやっ。もう少し悩まないのか?」

 

「今考えるとなんであんなに剛田を信じていたのかわからないのよね。あんたの方がまだ信用できそう」

 

「それはどうだろう。まあいい、もしその気なら適当な通信設備にキーワードを入れてくれればこちらと通信可能だ」

 

 俺の特典の1つである、地球の全放送及び全通信をリアルタイムで送受信できる設備ならばそれができる。

 ……携帯からでもできるかな?

 

「キーワードは?」

 

「牛乳とトイレットペーパー買ってきて」

 

「わお、それなら咄嗟の時にごまかしやすいわね」

 

 いや、ボケただけだから!

 ツッコミ待ちだったのに。

 

「な、ならば俺のことは兄さんと呼ぶがいい」

 

「はいはい、兄さんね」

 

 またボケをスルーされて……しまった、どうせだったらロム兄さんと名乗ればよかった!

 

「それではエクセレン、幸運を祈る」

 

「またね、兄さん」

 

 復活場所はクロガネでいいかな。他のシロガネクルーらしき人物は死んでないようだし。

 うん。無事に復活成功したみたいだ。

 復活と引き換えに失うモノって、本人にとってマイナスなモノでもいいみたいだな。あとで神様がバランス調整しなければいいけど。

 ステータスを確認してみるか。

 

******

〈死者復活(条件アリ)〉スキル

 レベル:3

 死者を復活させる。死因となった怪我や病気も完治する。

 復活場所はある程度選べる。

 復活する死者は引き換えに特典や能力を1つ失う。

 このスキルを自分に使うことはできない。

 死んでから5日以内の死者にしか使うことはできない。

 1日に3回使うことができる。

 残り使用回数:3

******

 

 おお、死者復活がレベルアップしているな。熟練度かなにかあって使うことでレベルアップするのかもしれん。

 復活可能な期間が伸びた。使用回数も増えて残りもフル回復している。

 これは嬉しいな。もしかしてスキルのレベルアップってしやすい?

 

 こうなったらレベルが上がるとこまでレベルアップさせてみるか。

 どうせ今日はさっきので打ち止めのつもりだったんだから問題は無い。もしも必要な事態になったとしても明日になれば使用回数も回復しそうだから、その時でいいだろう。

 さ、じゃ誰を生き返らせるかまた悩むとしますか。

 やはり女性優先だろう。マブラヴ世界には可愛い娘が多い。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 あれからそこそこの人数を生き返らせた。転生者とその関係者がいないのは喜んでいいだろう。

 選んだのは日本人が多い。復活場所も悩んだが、まだ工場衛星にきてもらった再生人間はいない。同じ安全な場所を指定して蘇ってもらっている。

 失った能力のことと、生き返らせたのは偶々だからこれ以降復活できるとは思わないようにと注意をして。

 たぶんあっちじゃ騒ぎになっていることだろう。蘇生者も色々と調べられるかもしれないが、うまくやってほしい。

 

 スキルの方はこうなった。

 

******

〈死者復活(条件アリ)〉スキル

 レベル:10

 死者を復活させる。死因となった怪我や病気も完治する。

 復活場所を選べる。

 復活する死者は引き換えに特典や能力を1つ失い、それを貰うこともできる。

 このスキルを自分に使うことはできない。

 死んでから100日以内の死者にしか使うことはできない。

 1日に20回使うことができる。

 残り使用回数:0

******

 

 10レベルでカンストなのか使い切ってもレベルアップはしなくなったが、かなり使えるようになった。

 特に復活と引き換えに失うモノなんだけど、10レベルになった時に解説が変化。それを俺が貰うことができるようになってしまった。むっちゃチートじゃないですか!

 これは絶対に手に入るワケではなく、いらなければそのまま消失となるのでマイナス効果のモノを選んでも俺が困ることはない。

 復活させた子のほとんどでマイナス効果のモノを生贄にして生き返らせたんだ。多くがBETAや戦闘へのトラウマを持ってしまっていたからそれを使ったよ。

 

 これなら他の転生者の役にも立てるだろう、うん。

 さて、そろそろあっちに戻りますか。

 

「中国地方で戦闘していたグレートゼオライマーはBETAに撃墜されたわ。そのせいでクロガネは戦闘を中止、展開していた部隊を回収しながら撤退中ね」

 

 工場衛星に戻るとシャロンが話している途中だった。

 撤退ってどこへ引き上げるつもりかな。

 日本で戦っていたみたいだから他の転生者と合流できればいいんだろうけど、1番と会うのをよしとしないか。〈強奪〉されたら嫌だもんな。

 

「あら、指揮官である転生者は生き返ったようね。これはあなたでしょう?」

 

「ああ。それも知っていたか。他の転生者たちは?」

 

「ほとんどが日本で戦っているわね。京都に向かう者が多い」

 

 違うのはたぶんソ連軍将校のトルストールだろう。もしかしたら悟空も修行していて日本には行ってないかも。

 集結は京都か。……京都?

 

「シャロン、今現在って西暦何年なんだ?」

 

「1998年よ」

 

「BETAの日本侵攻が真っ最中なのか!?」

 

 てっきりマブラヴのスタートである2001年かと勝手に思い込んでいたんだけど、それより前だったのね。

 他の転生者たちもそれに気づいて京都へ向かっているというワケか。

 

「みんなががんばれば京都を、いや、佐渡島と横浜にハイヴを建設させないこともできるか?」

 

 だがそうなると横浜基地なんてできなくなる。香月夕呼が困ることになるような。

 鑑純夏も陵辱されて脳髄になることもないかもしれない。白銀武はどうなる?

 

「白銀武と鑑純夏の情報は入っている?」

 

 白銀武の双子の弟に転生したやつがいるから、通信に名前が出ているかもしれない。

 

「そう、うちの子たちよりも他所の女の子が気になるのね」

 

「カライ?」

 

 シャロンの台詞によってブリッジの気温が下がった気がする。美少女たちの視線がまるで俺を攻撃しているかのようだ。

 もしかしてみんな怒っている?

 まさか嫉妬? そ、そこまで好感度高いの、俺?

 ふう、さっきエクセレンの1番への好感度を消滅させておいてよかったよ。

 そんな様子を微笑んで見ている立体映像のシャロン。

 

「ご執心の2人の少女はどちらも無事よ。よかったわね」

 

「そんなんじゃないから! ……2人の少女?」

 

 はい?

 少年と少女じゃなくてどっちも少女なの?

 白銀武(タケルちゃん)も女の子ってことなのかね。

 

 


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