大有双   作:生甘蕉

31 / 49
感想、評価ありがとうございます

今回はホワイト視点


30話 その頃(?)のBFさん(ホワイト視点)

 未だに華琳が見つからない。

 他の嫁さんたちもそうだが、一番先に会った縁の深い彼女がいないことでの空虚で不安な気持ちが大きすぎる。

 

 そのせいにするワケではないが、ついに華琳ちゃんとシてしまった。

 ……いや、あれは襲われたと言ってもいいのか?

 とにかく華琳たちがいなくて落ち込んでいる俺が気に入らなかったのか、華琳ちゃんが強硬手段に出たのだ。

 

「嫁さん以外の子としちゃうなんて……」

 

「あら、別の私はあなたに襲われたそうじゃない。無理矢理に」

 

「それ絶対に俺じゃないから!」

 

 華琳が会ったという異世界の曹操と、彼女を妊娠させた男。同じこういちで顔も似ているらしいが、俺とは全く別の存在だ。

 この時はそう確信していた。

 だってまさか分身(ファイヤー)があんなことになっているなんて思いもするはずないだろう!

 

「と、とにかく、やっちゃった以上、責任は取るから!」

 

「だが断る」

 

「え……」

 

「ふふっ、冗談よ。以前のお返し」

 

 そういえばこのスパロボ世界でみんながバラバラになっちゃった時、もう一つの地球で合流した分身(キング)が華琳ちゃんにプロポーズされたんだっけ。

 肉体関係を持った相手に断られるとこんなに精神ダメージを受けるとは。EPを確認したら激減しているはずだ。

 あの時はネタで断ってしまってゴメンね華琳ちゃん。

 

 ともかく、冗談とのことなのでプロポーズに結婚を了承してくれたと判断し華琳ちゃんの手を取り、指輪をはめる。抵抗しなかったので拒否はしていないと見て間違いはあるまい。

 ビニフォンの婚姻届にも記入してもらって。

 

「これで私はさらにあの時の私に近づいたわ」

 

「うん。だけど問題はマクロス艦だよな。あんなのどこで用意すればいいんだか」

 

 嫁さん用のチョーカーを新妻の細い首にセットしながら考える。

 いくら俺がビッグ・ファイアと融合していてBF団の首領となっていても、あんな巨大な戦艦を造ることはできない。

 

「レーティアがいてくれたら開発チートも凄いのに」

 

「残る煌一の分身、ファイヤーが建造しているのではなくて?」

 

「いくらなんでもそれは……ゼントーラーディの工場衛星でも分捕っていればありえるか?」

 

 こっちでも工場衛星は探しているんだけど見つからないんだよなあ。たとえ発見できても制圧するためにはそこに行かなきゃいけない。

 フォールドブースターで数名乗り込んで、キスシーンやイチャイチャを見せつければワンチャンありえるか?

 でもそうなるとやつらに地球を捕捉されるのが早まりそうなんだよなあ。

 やはりゼントラーディと事を構えるのは、マクロスの完成式典に合わせた方がいいだろう。

 

 できればマクロスのブービートラップを除去していきなり和平したいとこなんだけど、ボドルザーは文化を認めなくて結局戦うことになるだろうなぁ。

 

 

 ◇

 

 

 華琳たちの捜索に全力を出している。

 そのためにハロから集まった情報を何度もチェックする。

 

 ハロ。

 知っているだろうがガンダムシリーズの多くに出てくるマスコットロボットだ。

 ごく一部のみ手足があるがほとんどは手足のない球体のロボ。

 

 俺の記憶だとアムロが創ったと思ってたんだけど、SUN社ってとこが先に販売していてそれをアムロがカスタマイズしたって設定になっていた。

 ホワイトベースとそのクルーが英雄視されていてマスコットであったハロも人気が出てSUN社だか玩具社がアムロからライセンスを得て販売という設定をアゴルフに教授されている。

 

 だがこの世界のハロは違う。

 1年戦争終結後、テムさんの縁もあってアムロも母親カマロともどもこの北アタリア島で暮らしはじめたのだが、その際にライセンス契約を結んだのだ。

 SUN社には悪いかもしれないが、アゴルフの話だと1年もブームは続かないともあったので気に病むこともあるまい。

 アップデートもこま目に続けているし、T1社(うち)のハロはいまだに売れ続けているのだから。

 

 この世界のハロの売れ行きは好調。

 毎月のように期間限定のカラバリが出て、愛用のカスタムモデルを発表する有名人も多い。

 コラボモデルもあって、あの声の電気ネズミ柄モデルは予約が半年先まで埋まっている大人気商品だ。

 中には二桁のカスタムハロを所有するマニアも出てくるぐらいだったり。

 

 アムロからライセンスを得ているのは同じだが、製作および販売はT1社だ。もちろん動力はFドライブ。

 さらにノートパソコン機能もあり、カラーバリエーションだけでなく、ハイスペックなプロ仕様バージョンまで販売されていたりする。

 

 プロってなんだよ、ってトコだがハロってさ、スパロボに出てくるのは最強の強化アイテムだよね。

 それにVや00だとサブパイロットにすらなっている。精神コマンドすら使えるってどういうコトなのさ。

 

 この世界は攪拌(シャッフル)されちゃっているけれど基本はスパロボ世界なようだ。

 ならばスパロボで有用すぎるハロを自分で作れたらチートコードもいらないワケで。

 アムロや博士陣にも協力してもらって高性能ハロを開発しているのだ。

 もちろん最高性能のハロは販売ルートにはのせないけどね。

 

 うちの孤児院の子たちにもプレゼントしている。

 璃々ちゃんやシンジも喜んでカスタマイズして可愛がっているよ。

 

 で、一般販売用のハロだが、これもただ売っているワケではない。ちゃんと目的があって大量販売している。

 ハロが見聞きしたデータがうちのサーバーに集まるようになっているのよ。

 

 別にハロにバックドアを仕掛けているのではない。ハロを分解したりソフトウェアを解析してもそんなものは一切見つからないだろう。

 

『ハロハロ』

 

「今日も頼むぞ」

 

『リョカイリョカイ』

 

 俺に返事をしたのはT1社ビルに設置されているハロシステムのメインサーバー。

 外見は大怪球。によく似た巨大なハロ。

 見た目だけじゃなくて性能もメチャクチャ凄いスパコン。高い知能すら保有している。

 だってフォーグラー博士と幻夜たちが作り上げた物を俺が成現(リアライズ)して強化した物だからね。MAGIにすら負けないよ。

 

 このマザーハロはアップデートのためにリンクしてきた各ハロからデータを受け取る。それもハロがデータとして記録していない見聞きした記憶までもだ。

 電子的なデータからではなく魂的なモノを経由して察するのだ。まさにオカン。だからこの情報収集はばれることはないだろう。

 

 ちなみに偽造品も出回っているが、うちのネットワークに繋いでアップデートすると養子として認識され結局情報源となってくれるので問題はない。

 

『ミツケタミツケタ!』

 

「本当か! 誰だ?」

 

『カンネイ、カンネイ』

 

 このマザーハロには恋姫シリーズとスパロボもプレイさせてある。世界攪拌によって融合してしまった人物は見た目が全くの別人となってしまっても周りの誰もが違和感を感じないが、その変わった外見で判断がしやすい。

 一般販売され、世界中に出回っているハロによって地球だけでなくスペースコロニーからの情報も集まるので嫁さん探しが進むのだ。

 

「思春か。いったい誰と融合しちゃってる?」

 

『Dシュジンコウアイボウ! ギュネイ・ガス!』

 

「ねい繋がりか!」

 

 ギュネイか。たしかにスパロボD男主人公の相棒だ。まさかDまで混じってくるのか?

 無いとは言い難い状況なのが怖い。

 ともあれネイ・モーハンになってなくてよかったよ。オージェは好きだけど宇宙人だと合流が大変そうだからね。

 一年戦争で両親を失ったはずだからこの時期のギュネイは孤児? まだ強化人間にはされてないと思うけど、またロリ化しちゃってるだろうなぁ。

 ロリ思春、早く見たいぜ!

 

「さっそくコンタクトを取らなきゃ。孔明ちゃん、お願い」

 

「了解です、ビッグ・ファイア様」

 

 ジャイアントロボの孔明と融合しちゃった無印恋姫†無双の諸葛亮ちゃんのことは俺の嫁の朱里ちゃんと紛らわしいので「孔明ちゃん」と呼ぶことにしている。

 華琳ちゃんと俺の結婚を知った孔明ちゃんは銀麗とカティア、テニア、メルとなにやら打ち合わせていることが多い。なにを企んでいるのだろう。

 

「あと科学要塞研究所も調査してくれ。特に引き取って訓練させている孤児を」

 

 D主人公相棒といったら剣鉄也もそうじゃん。馬鉄と融合している可能性がある。

 そして炎ジュンが孫堅という可能性も……。あ、兜剣造でもいいのか。でもそれなら蓮華や孫乾でもありなんだよなぁ。

 それともまさか孫堅はフェイ・イェンと?

 

 




香風から思春に変更しました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。