「はぁ~あ、疲れた~」
「お疲れ様です、しーちゃん先輩」
.....対象を確認。どうやら仕事が一段落した所の模様。
「管理人ってのも楽じゃないねー、掃除・洗濯・食事の準備に備品の点検その他もろもろ!以前はトメさんと用務員さんが交代でやってたらしいけど、よくやるなー.....」
「普通の管理人は食事の準備までしないんですけどね.....」
「まっ、朝夕合わせて6時間。これで1日6000円も頂けるなんて.....高校生のバイトからしたら破格の待遇なんだけどね~、しかもトメさんから手渡しで!感激のあまりトメさんがディアンケトの化身かと思ったよ.....」
会話から察するに.....対象は、金銭で相当苦労している模様。
「そんなわけではい、朝のデュエル馬鹿達に付き合った時のお礼。一時間くらいだから1000円でいい?」
「そんなのいいのにー、先輩やっぱ真面目だなぁ」
「馬鹿ッ!タダ働きなんて駄目よレイちゃん!受け取ってくれないと、私の良心が悲鳴をあげる!例えオーバー1分分でも時給を請求するくらいじゃないと戦場では生き残れないっ!!」
「わ、解ったから落ち着いてください.....後半意味わかんないし」
.....日本は比較的豊かなイメージがあったが、中にはその枠から外れる奴もいるのだな。
さて、依頼主からは奴の本気を引き出すデュエルをしろとの指示だがどうするか.....
「そーいえばトメさんに、今日の売れ残り3パック貰ったんだけど一緒に開けない?ククク、約500円がタダ500円がタダ.....」
「先輩怖いよ.....じゃーわたしは真ん中のパック開けますね、何が出るかな~っと」
《融合賢者》
《
《置換融合》
《融合》
《融合破棄》
「.....えっ?」
「何よレイちゃん、その異様なまでの融合推しパック.....私を見てなさい、そらっ!」
《融合徴兵》
《融合呪印生物-光》
《ブランチ》
《フュージョン・ゲート》
《破壊神ヴァサーゴ》
「「.....」」
「レイちゃん!」
「はいっ!」
「二人で行くよ!」
「りょ~かい!」
「「せ~のっ!」」
《フュージョン・ガード》
《
《パラドックス・フュージョン》
《次元誘爆》
《沼地の魔神王》
「わーい龍の鏡2枚目 .....って、なんでじゃー!なんか大体融合ってついてるんだけど、大体フュージョンなんですけど!?」
「先輩、融合の親でも殺したんじゃ.....」
「融合の親って何!私融合に呪われてるの!?むしろこれ好かれてる側じゃないの、意地でも使って紫に染まれって感じじゃない!?」
「先輩、元から紫じゃないですかー.....」
あれがジャパニーズノリツッコミか、今後必要になるかもしれないな。記憶しておこう.....
「必要になるかーっ!?」
「どこに叫んでるのっ!?」
「いや、なんだかつっこまなきゃいけない使命感にかられて.....」
あいつ、俺の存在に気づいているのか!?.....これ以上の深追いは危険だな、今日はこれくらいにしとくか。
鍵は.....新入生代表早乙女レイ。ターゲットは、夜神紫苑だ。
①
「あ~、終わった~」
どうもこんばんわ、でいいのかな。デュエルアカデミアノース校代表件、レッド寮管理人件、万丈目婦人(願望)こと夜神紫苑です。
デュエルアカデミア本校に来て三日目、少しずつ周りと打ち解けて.....るのかなこれ。大体レッドのわんぱく男子に注意したり、つっこんだり、エ○本の隠し場所みつけたり、万丈目さんにアタックしてるだけな気がする。
せっかくノースと違い女子がいるのに、男子とばかり関わっているのはノース時代と変わらない気がする.....まぁ男子寮に住んでる次点で矛盾してるよね。彼女達とはまさしく住む世界が違うって事で開き直ろう、あんな寮住めるか。
あっちの子でも、例の明日香と.....一緒に私を追跡してきた二人とはちょいちょい喋るようになったし、なによりレッド寮には私の妹分のレイちゃんがいるしね!友達少なくても寂しくないよっ!!そんなわけで.....
「レイちゃんただいま~.....ってあれ?」
管理人の仕事を終え、勢い良く私達の部屋のドアを空けたのだが、もぬけの殻であった。
おっかしいな、鍵空いてたし電気ついてるし居ると思ったんだけど.....そんな事を思いつつふと足元をみると見覚えのある人影が
「万丈目さん.....?」
「う~ん.....はっ、俺は何故ここに?」
「いやそれこっちの台詞なんだけど.....」
「解らん、部屋に夕食を終えて部屋に戻ってからの記憶がない.....」
彼の様子からして、どうやらふざけているわけでは無さそうだ。はっ、まさか!
「まさか万丈目さん!無意識に私を求めてこの部屋まで!?もぅ、そうゆう事なら大歓迎!.....レイちゃんったら私達に気を使って出かけちゃったのかな」
「なんでそうなる!貴様の都合の良い解釈をするなっ!!」
ちぇ、そうゆう事にしとけば既成事実を作るとこまで持っていきやすかったのに.....
「それはそれとして。そーいえば万丈目さん、あのカード返してよ!ノースの秘密兵器の.....」
「あのカードは.....駄目だ」
「なんでよ!納得いかない!!」
昨日私と十代.....のデュエルが終わった後、万丈目さんが「お前にこのカードは似合わない」とかなんか格好つけて、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンのカードを没収されたのであった。
似合わなくないと思うんだけどなー。私もあの竜も紫だし.....ってゆうかテキスト長ったらしいから、効果もまだちゃんと確認してなかったのに!
まさか万丈目さん、私に使われて負けるのが怖いんじゃ.....
「むっ。あのカードはだな.....あれだ、危険なんだ」
「危険なカードってなに?触ると指先切れる程鋭いの??」
「違う.....そうだ、お前あれを召喚してからの記憶が無いのだろう?あの時デュエル・ディスクがエラーを起こしてだな.....召喚されてすぐ大爆発したのだ」
「うっそぉ?!!」
「本当だ。その衝撃でお前も十代も吹き飛んでだな、デュエルは引き分けになったんだ。ソリッドビジョンで人が気絶するような衝撃を引き起こすカードを放置しておくわけにはいくまい?」
「う.....うん」
「一度業者に調べて貰うからな。お前がまたうっかり使わないように、わざわざこの俺様が危険物を預かってやってるわけだ」
なんか物凄く言い訳苦しい気がする、馬鹿な私でもそれくらいは解る。
けど彼の目は必死だ、僅かだが心配してくれてるようにも感じる。
ここは.....
「そーだったんだ!わざわざありがとう万丈目さん!」
「何故引っ付く!?ええい離れんかぁ!.....だがまぁ、戦力の乏しい貴様のデッキがこれ以上弱体化して、どこの馬の骨に敗北されてもつまらん。.....あれの代わりとはいかんが、このカードをくれてやる」
そういって彼が差し出してきたのは1枚のカード、強そうなドラゴンの融合モンスターだった。
万丈目さんまで融合推しなのはもう気にしないでおこう。
「えっ、くれるの?.....ありがとう」
「.....フン。それはそうと夜神、テーブルの上になにやら手紙のような物が置いてあるのだが」
そう言われて長テーブルに目線を移すと、確かに怪しい封筒が2つ。それぞれ
《愛しき君へ》
《夜神紫苑へ》
と書いてある.....なにこれ怖い。
「恋文か?貴様のような奴でもモテたりするのだな」
「えー。万丈目さんのだったらうれしいけど、そんなんじゃない気がするなぁ。イタズラじゃないの?」
とりあえずとびきり怪しい《愛しい君へ》から開封して読む事にする。えっとぉ.....
「『愛しい私の分身よ。私は今、マアトの羽に自由を奪われている。そなたの元へは帰れそうもない。代わりに我が輩(ともがら)達を遣わす。そなたの力になりますように。もう一人のお前より』.....なにこれ?」
「マアトの羽、だと?.....(しかも若干乱れてはいるが、よく見たら俺の字だ。どうなっている?)」
私の分身?とかマアトの羽?とか全然意味わかんないし.....封筒の中には2枚のカード、またまた融合モンスターだ。
「気味悪いなぁ.....まぁ、貰えるモノは貰っとこうかな?」
「そんな得体の知れないものを.....」
「私のデッキは「戦力が乏しい」ですから。利用できるものならなんでも使うよ。さてもう1つはどんな手紙かな.....んなっ!?」
もう1つの封筒の中身はえらく単調だった。
一点に赤い印がついた島の地図に1枚の写真。
その写真は私の妹分、早乙女レイちゃんが拘束されている姿が写されていた。
デュエルは次回です、なんとなく相手は察してください。