正直必要あったのか微妙な回
―前回の一件から約3ヶ月後
我らが主人公、織州しほは軟禁状態に居た。
「改めて思う、どうしてこうなった。」
「仕方ないだろうしほ、なにせあれほどの力を示してしまったのだからな。むしろ『異教の神なら殺していいんだぜ』とか言われて即エェェェイメン!されないこの国に感謝するべきだろう。」
「いや、ハル姉それ基準がおかしいから。」
アラークハル(女体擬人化)達も一緒に。
―――
前回の戦闘終了後、一旦警察に拘束(手錠)されたしほだったが、現場がてんやわんやして忙しかったせいでその日は最寄りの交番で一泊。
その後事情聴取やらメディカルチェックやら戸籍関連の確認やら色々あったが、「二重橋の英雄」として表彰された伊丹耀司のような公表は無かった。
以来、こうして何処とも知れない生活空間(ELD曰く東京23区の中ではある)に軟禁されているのであった。
とはいえ安心して欲しい。しほ自身は日光が無くても生きていけるタイプの人間であるし、その気になればテレポートで脱走できる。その上、
「一人暮らしの時のように自分で料理を作らなくて済むしネットも完備、おまけにある程度の課金なら自腹を切らなくて済むなんてここは天国ですか?」
と言って本人がこの軟禁生活を気に入っているのだから何処にも問題は無い。
―――
むしろ問題があるのはしほ自身ではなく、しほの立ち位置である。
銀座事件の際、無駄に野次馬根性を見せた
つまるところ、しほについていずれ何かしら公開しなければ日本がそれとなくヤバイって訳である。門の出現で外交関係が既にヤバイ日本にとってこんな爆弾のような事案は是非とも勘弁願いたいところなのである。
今しほが軟禁状態なのもこれ以上の情報の流出を抑えるためであり、特地に自衛隊を派遣する事で門関係の要求やらを牽制して、できた時間でしほ関連の処理をしてしまおうという事である。ただこのまま日本に居ても
日本「ワータイヘンダーギンザジケンノジュウヨウサンコウニンガヤットカクニンデキタノニテレポートデトクチニニゲラレター」
外国「ΩΩΩ<ナ、ナンダッテ-!?」
といった具合に日本ではしほの行動を縛れない事をアピールしながら
―――
前回から数ヶ月経った気がするけどやぁ。しほだよ。
「
あぁ、スラクーか。大丈夫、ちょっと現実から目を逸らしているだけだから。
「
いやヒルスター、こればっかりは真面目に嫌なんだ。
「えぇ、良いじゃん
あのねアドレグ、これ楽しいとか楽しくないで判断する一件じゃないんだけど。
「ふぁぁ、おはょうしほ。…何かあったのか?」
あぁおはようアラークハル。いやね、説明すると長くなるから一言で纏めるけど、
「特地へ行ってこい、足は用意するから。」
って言われたの。大体今から30分前くらいに。
「そうか…何か問題があるか?」
いや大ありだよ。
なんで自分からこの天国みたいなダラダラ生活から表にひっぱり出されにゃならないの。
「それは
あーだるいなー。
でも、リアルケモミミが見れるかもって思えば少しはやる気出るかな。
「私達もいるんだから
そうだね。ありがとうアドレグ。
よーしやってやる!来いよ特地、ファンタジーなんか捨ててかかってこい!
―――
「退屈には勝てなかったよ…。」
「あれ、
はい、只今特地内の道をジープで…え?何?
…ジープでぶらり旅(白目)をしているところです。
事の発端は特地に入った少し後。狭間…だっけな?なんか
「なら、伊丹率いる第3偵察隊に同行すると良いでしょう。足はこちらで用意しましょう。」
みたいな事言うので、お言葉に甘えさせてもらった。
伊丹…つまり「二重橋の英雄」こと伊丹耀司氏は普段テレビを見ない私でも知ってるほどの超有名人。
ぶっちゃけ活躍じゃ私達の方がよっぽど働いたんだけど…そういえば私の年齢ってば個人情報垂れ流せる年齢じゃなかったし。政治はイマイチ分からないけど若干14歳の小娘に活躍されるより我が国の誇る自衛隊の勇気ある行動の方が国民からの支持を得やすいのだろうと、って伊丹さんの話からズレてるズレてる。
ネットでそれとなく調べたところ、伊丹氏はどちらかというと
経歴も割と楽して生きてる人間みたいだけど、レンジャー資格(アメリカの
―――
なーんて、考えてる間にコダ村って言う今第3偵察隊が居る筈の村に到着。特地語はELDに覚えさせてたから一応村人と会話はできるので、第3偵察隊が今どこにいるのか聞いてみたらこの村の近くの森にあるエルフの集落に向かったらしい。
追っかけて迷うのはマズイからしばらくこの村に居ようかと思う。私のそれとなく当たる直感が早ければ明日にでも第3偵察隊がこの村に帰って来ると囁いてるじぇ。
しかしそうすると暇になるなぁ。
「なら加藤…いやこの場合カトーか?…まぁとにかくそういう名前の魔導師がこの村に住んでるらしい。そこに行ってみたらどうだ?一応念のため私は残っておくが。」
「あーそういえば
いや、一応できるとは思うけど術の一つも知らないから実質できない。
「
「そっか。どうも
あれ、
「…この前話し合ってなるべく話題に挙げず、かつ無かったことにするように決めたの。」
あら、そうなの。
んじゃま、加藤さん宅にしゅっぱーつ!
「「「おー!」」」
「いってらっしゃい。あと、加藤じゃなくてカトーだから。」
―――
はい、到着。村の他の家からは離れたところにあったけど普通に歩いてこれた。
「ってわけでここが加藤…じゃないカトーさんのお宅で合ってる?」
「肯定、でも来客の予定なんて無かった。」
「そりゃコダ村自体に今日来たばっかだし。ここには暇潰しで来たわけだし。」
「レレイ、何かあったのか…って誰じゃ、その4人組さんは?」
「分からない。お師匠に用があるようだけど。」
「ワシに訪ねて来るような知り合いなぞ知らんぞい。」
「…あーあーえぇっと?あなたがカトーさんで合ってる?」
「いかにも、ワシが賢者カトーじゃよ。」
「あぁよかった。私は織州しほ、コダ村に人を待ちに来たんだ。」
「ならなぜ此処に?…あ、私はレレイ、レレイ・ナ・レレーナ。お師匠の弟子。」
「さっきも言ったけど暇潰し。コダ村の方に一人残ってもらってここに来たの。ほら、アドレグ達も自己紹介して。」
「なら私からね!私はアドレグ・シホソーラー。好きな事は運動する事!」
「私はスラクー・シホアーク。好きな事は歌う事…かな。」
「ヒルスター・シホボイド。読書なら任せろ、バリバリ。」
「それとコダ村に残ってもらったアラークハル・シホナイトっていうのも居るの。」
「それで結局、暇潰しでなぜ此処に?」
「あぁ言ってなかった?私ってば多分魔術っぽいのが扱えるハズだけど術式の一つも知らなくてね。それで自分で術を組んでみようと思って本物の魔導師の魔法を見に来たの。」
「そういう事なら構わんぞ。立ち話もなんじゃ、我が家に入りなされ。」
その日はそんな感じでカトーさん宅にお邪魔して魔法を見せてもらったり、レレイとお友達になったりしてた。
泊まる宛がないから野宿な事を話したら泊まっていけと言ってもらえたので夜通し魔法系の話で盛り上がっていた。その時私が門の向こうの住人、って事とか一般人にはない力がある、って事を話した気がするけど楽しかったことしか覚えてないし、完璧で幸福な私が覚えてなかったのだからきっとどうでもいい事だったに違いない。
アラークハル「しほ…この分だとカトー氏に泊めて貰ってるわね。」