ご指摘を受けた部分を修正しました。まだまだおかしいぞ~とありましたら感想でお願いします。
魔人ブウと同じ魔人である俺にはブウと同じく吸収という能力がある。
これは相手を自分の身体に取り込み、その能力や戦闘力を自分の物とする能力。
基本的に同化に近く、よほどのことがない限り吸収されたものは脱出することはできない。
しかし、ナメック星人の同化と違い、分離も容易なのもこの能力の特徴で吸収した相手を自由に排出できるのも魔人の強みだ。
そう、あの爆発のあと身体を星の地下深くに潜ませ、西の界王神をブウに殺されそうになった瞬間に吹き飛ばされた頭の一部を使って吸収。
ブウが俺を知覚できなくなるまで眠っているだけだ。
ここで問題となるのはブウの知覚能力だ。
ブウは地球からあの世、界王神界といった特殊な場所の気を探り当て瞬間移動するほどの能力を持っている。
さすがに瞬間移動はできないだろうが、今の純粋な魔人ブウから無邪気なブウになるまで大人しくすることにする。
まあもう一つの理由が吸収した西の界王神の存在なんだが……
彼女は今、俺の身体の中で眠っている。
まだブウと戦った時の傷が癒えないのだ。一応定期的に気を分けているのだが、魔人たる俺の気が神様である西の界王神に効くかわからないので少しずつにしている。
それにしても暇である。どれほどの時間がかかるのかさっぱりわからないから余計にそう感じる。
というわけで、脳内でシミュレーションを行おうと思う。
魔人ブウの脳内で再現された悟飯やゴテンクス、ピッコロのように俺も脳内で記憶から再現した戦士と戦うことができる。
後は体内に意識を移し、脳内で身体を構成すれば終了である。
ブウの気は読みにくいが感知は出来ている。ブウの気が落ち込むまではこれで記憶から再現されたブウを相手に修行を行う。
まあ、あのデタラメな動きは再現できないが……
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脳内でシミュレーションを行いつつ休眠すること3日ぐらいだろうか、ブウの気が一気に膨れ上がったように感じる。
相も変わらずブウの気は読みにくいが、急激な変化を感じたのは確かだ。おそらく南の界王神が吸収されたのだろう。
こうなるとブウはもはや俺がどうこうしようと倒せるレベルではないので、より一層気取られない様に注意しなければならない。
しかし、眠っている西の界王神が一向に目覚めないのが心配だ。傷はだいぶ治ってはいるようなのだが……
うなされているわけでもなさそうなので定期的に様子は見ることにする。
早く起きないかな?
最近はシミュレーションも飽きたので専ら西の界王神の傍で彼女の様子を見ている。彼女の寝顔はなかなかにキュートなのだ。
おそらく宇宙一だと思う。
控えめに言っても世界一だな。
……なにを言っているのだろうか俺は……いや、まてしかし!惚れた女性が目の前で寝ている。ここで寝顔を見ないでなんとする!
まあ、相手にしてくれないだろうが……なにせこちらは宇宙を荒らす魔人で相手は創造神であり、平和と安寧を願う界王神だ。
あれ?これもしかして起き上がった瞬間にこっち気づいたら襲われね?
まあそれもいいか……
そうこうしているうちに一週間ぐらいだろうか、ブウの気を感じられなくなった。気が減ったのを感じたのが2日前だから結構な急展開である。
どうやら無事、東の界王神はビビディがブウを封印した後にビビディを殺すことに成功したようだ。
つまり、当分の間俺をどうこうできる者はいなくなったというわけだ。
そうと分かれば、俺は休眠状態から通常の状態に戻り気を解放しながら地上へ目指す。
ところで皆は俺がいた星がどんなところだったか覚えているだろうか。
惑星ブリザド……氷に覆われた極寒の星だったはず。
ところが俺が地上に出て最初に見たのは海だった。
どうやら前回のブウとの戦闘で星の軌道がずれ、温かくなってしまったらしい……
夕日が沈む、海を見て黄昏ていると身体の中で彼女が目覚めたのを感じた。実にあの戦闘から10日である。
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「う、ここ……は……」
随分と長い間眠っていた気がする。私は確か魔人ブウと戦って……
「魔人ブウ!!」
急に身体を起こしたからか身体の節々が傷む。
そしてはっきりと目が覚めたからこそ気づいた、ここはどこ?どうして私はこんなところに……私はブウに殺されたんじゃ……
まるで魔界にでも降り立ったかのような気味の悪い空間ではある。
いったいここは……
「ウキャ~?」
「っ魔人ビィ!」
どうして?ビィはブウに殺されたはず。そしたらここは地獄なの?
「(じーーー)」
「な、なにかしら。」
「(じーーー)」
「え~と、貴方は魔人ビィよね。私の言葉がわかるかしら。」
コクコクと魔人ビィが頷くのを見て私は驚いた。どうしてって?だって宇宙中を荒らして回る魔人の片割れが大人しく人の言葉を理解できるなんて思わなかったもの。
「じゃあここは何処なのかしら、貴方死んだはずよね。」
するとビィは首を横に振る。これはここがどこだかわからないのか、それとも死んでないって言ってるのかしら?
するとビィが口からなにかを吐きだそうと動いて……その瞬間、私は目の前が一瞬暗くなり、気づいたときには夕日の美しい海の上で飛んでいた。
ビィに抱えられて……
「き……」
「キャ?」
「キャァーーー!!」
「ウゴ!?」
い、いけない。恥ずかしさに思わずビィの顎を殴り上げてしまった。
私はビィから降り自力で浮かぶけれどビィを怒らせてしまったのではと思い緊張する。
「あ、あれ?」
「フゴゴゴ」
ところが肝心のビィは顎を抑えて器用に浮きながら転げまわっている。
そんな姿を見ているとなんだか警戒しているのが馬鹿らしく感じて、思わず笑ってしまう。
本当ならそんなことしてる場合じゃないんだけど……笑ってから気づく、怪我らしい怪我がないことに。
彼が治療してくれたのかしら?ビィが?
顎をさすりながらビィはこちらを見る。始め見たときより少し落ち着いたように感じる目は相変わらずこちらをジーっと見ている。
「あなたが私を助けてくれたの?」
私の問いにビィがコクコクと頷く。
その頷きにどこか必死さを感じるもののそれに偽りがないのは界王神として理解はできた。
彼の心を読むことはできないけれど、嘘か真かの判断はできる。
それにしても不思議な存在だな、と私は思う。だって本来彼らは意思など持たず、ただ暴れ捕食して長期に渡り休眠するというサイクルを星が壊れない程度に繰り返す天災のような生き物だ。
その時の感情のままに動く衝動的な存在だったはずの彼には今、確かな理性があった。
ブウと同じ存在のはずなのに、根本的ななにかが違う……
だからかもしれない、ビィという魔人が決して宇宙一般に思われるほど凶悪な存在に思えなくなってきていた。
だから……
「ねえ、ビィ。私と共に界王神界にこないかしら?あなたはもっといろんなものを知るべきだわ。」
「ギィ!?」
私の言葉にビィは驚いたことに私はより確信を覚えた。やはりビィは言葉を理解できている!
ならなおさら捨て置くわけにはいかない。この純粋な子が悪なのか、善なのか……私は界王神として見定める義務がある。
先程から困惑しているのか挙動不審なビィに私は再び声をかける。右手を差し出して、差し伸べて。
それがきっと、この宇宙、全ての銀河で希望となる光になれると思ったから。
「もしかしたら……いえ、きっとあなたはいろいろな人から忌避されるでしょう。化け物と罵られることもあるでしょう。でも私はひとりの界王神としてあなたという生命の誕生を祝福します。」
ビィの困惑に満ちた瞳が私の言葉と共に変化していく、ブウとは違う理性ある瞳
「だから私と一緒に行きましょう。あなたの未来に輝かしい光が満ちるように。」
「ウィイ!!」
ビィの手が私の差し出した手を握る。
きっと東の界王神が見たら慌てふためくかもしれない。あの子は真面目で優しい子だけど、怖がりだから。
でもきっとこれは宇宙誕生以来初めての大きな一歩かもしれない、私は確かにその時そう思ったの。
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きっと初めは透明だったのかもしれない。誕生以来悪という黒しか食べなかったから黒く染まった。
そこに零れ落ちたのは決して純白とは言えなかったけど、どちらかといえば白かった一滴は黒と混ざり、
それは全体の量から見ればまだまだ黒かったけれど、それでも黒に限りなく近いグレーで……
だからもう、彼は純粋ではない。
これから育つのは破壊を楽しむ悪か、秩序を重んじる善か……
ただ一つ言えることは、彼が救った、惚れた一人の神に出会えたことは
幸運なことだったのかもしれない。
創造神の役割を持つ西の界王神は、お茶目なところがあるけど真面目で、どんな命だとしても祝福できる母性溢れる魅力的な女性……という作者の願望をちょっと想像しつつ書いています。つまり西の界王神は可愛い(真顔)