【原作沿い】次元跳躍者の往く、異世界放浪奇譚   作:冷やかし中華

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 勢い余ってFate側を書いていたら、HUNTER側も書いてみたくなり、結果、勢いが余った。何を言っているか分からないと思うが(ry

 短めですが、唐突に彼が彼の意思に依らない次元跳躍(プレインズ・ウォーク)することがあるとすれば、きっと、こんな感じになるんだろうなと思いました。

 もし、完結することがあれば(ガンバリマス……)、これが最終話っぽくなるものと思ってお楽しみいただければ幸いです。


E02:Sudden Disappearance

 ある日の暖かな昼下がり、俺は予定されていた『約束』に付き合うべく、市内の待ち合わせ場所となる噴水型モニュメントの側で濃い目に淹れた珈琲を啜っていた。季節は、春も終わりを告げるころ。人の往来は次の季節へ向けた準備をし、街は一層の賑わいを見せていた。

 

「あ、いた」

 

「なんだ、人を迷子みたいに……」

 

 そういって声を掛けてくるのはシャルナークと呼ばれる金髪碧眼の一般的に見ても美男子と呼ばれる青年。その隣にいるのは白いバンダナと耳に付けた藍色のカフスが映える、これまた何処に出しても恥じないほどの美男子っぷりを見せつける黒髪の青年がいた。

 

「なんだ、2人だけか?」

 

「マチとパクも後から来るよ」

 

「そうか」

 

 俺の疑問にシャルナークが答え、それじゃあ河岸を変えるかと近場の喫茶店へ向かって足を向けようする俺にクロロが声を掛けてくる。

 

「俺たちは勝てるのか?」

 

「知らん。まぁ、善戦くらいするだろ。凶皇(アイツ)は確かに強いが、それはお前たちには、()()()()()というだけで、アレの本体とも言える存在を相手にするでもないかぎり、普通に戦って(やって)、雰囲気に呑まれなければ死にはすまい。大事なのは()()()()()()()()()()()、だな。ヤツの強さは、()()()()()()()()()()()にこそ発揮されているのだし」

 

 その普段の様相からは考えられないような弱気を見せるクロロの言葉に適当に答えつつ、頭をくしゃりと撫でてやる。撫でると言っても、もう俺と同じ目線(それよりも僅かに高い)まで成長したいい大人だ、さすがに出逢ったばかりの頃の様には行かないが、それでも、こんな機会は早々ないこともあってか、暫くされるがままになっている様子を見て、俺の方が噴出してしまった。

 

「なんで顔を赤くしてんだよ。バカ。

 普段のポーカーフェイスを全開にしたプレイボーイっぷりは、何処いったんだ?」

 

 俺の言葉に釣られるようにシャルナークも苦笑を零し「クロロが照れるなんて普段は絶対に見られないよねー」などと茶化すと、それには瞬時に反応して拳骨を落とすクロロ。おー、本当に照れとる照れとる、などと思いはしても口にはしないのだ。

 

「痛…… もう少しくらい手加減してよ!」

 

「なら、少し黙れ」

 

「「照れてる、照れてる」」

 

「………」

 

 今度はシャルナークと視線を交差させると同時に2人してからかうと完全に沈黙し、今までの出来事を無かったことにしようとするクロロの姿が、またおかしくて俺とシャルナークは吹き出したのだった。

 

 

 * * *

 

 

 クロロが代表して(サポートには、誰か付くのかもしれないが)、自分たちに刻まれた記憶(きず)を精算するために立ち向かうのは、流星街(ゴミ捨て場)にある議会を裏から牛耳る最恐の存在、流星街が、『流星街』と呼ばれる前から其処にいたとされる自らを『王』であると語り、『全知を求め世界を歪ませるもの』を自称する者、凶皇。

 

 その本体は、永劫に続いている未だ終わりの見えない俺の経歴の中でも、()()()()最大の好敵手であり、天敵そのものだった存在でもある。正確な名前も思い出せなくなって久しい彼の王とは、遠い昔、多元宇宙に広がる様々な次元(せかい)を舞台に片手では足らないくらいの死闘を繰り広げたものだと懐かしむ。

 

 そしてクロロが挑む存在は、かつて全盛を誇った俺と五分に渡り合い、尚、決着を着けることなど終ぞなかった彼の王の映し身に他ならない。まぁ、それも嘗ての威厳など見る影もないほど劣化しているし、精々が超人離れした超人程度まで落ち込んでいることを考えれば、俺の用意した新しい強さを手に入れるための『手段(しれん)』を乗り越えたクロロたちであれば最悪、死にはしないだろうというのが、俺の想定する結果であろう。

 

 死合に負けても、勝負に勝てれば問題ないのだ。もちろん、死合の負け=自身の破滅()という訳でもないのだし。勝負の内容は、クロロ達に刻まれた疵を克服できるか否かなのだし。まぁ、何とかなるだろうというのが、現時点での俺の読みだった。

 

 その俺が用意した新しい強さを得るための『手段(しれん)』の数は十二。かつて神話に登場する超人が神々より齎されたという試練に因んだ形式を模倣したものであり、それは人間離れした人間程度の強さしか持っていなかったクロロたちで協力して乗り越えるならまだしも、単騎で挑んで克服するのは無理があるのではないかとさえ考えていたモノだったが、これは真実驚くべきことに、クロロを中心とする幻影旅団の面々は誰一人欠けることなく、用立てた『手段(しれん)』を乗り越えた。手を抜いたわけではない、慈悲を見せたわけでもない。むしろ段階を経るごとに厳しく難易度を上げていたにも関わらず、だ。

 

 未だ、挑戦中の面々も多くいるが、もしかしたら何時の日か、本当に誰一人欠けることなくクリアしてしまうのでは? と思える程に、この次元(せかい)の住人は逞しく、強かだった。そして、それは観客席に陣取って経過を観ているに過ぎなかった俺にとっては久しく感じていなかった新鮮な気持ちになったものだと回想する。

 

 などと考えていると――

 

「あ、いたわね」

 

 ――近くに寄ってきていた金髪の映えるグラマーな美女が声を掛けてきた。

 

「パクノダまで俺を迷子扱いするなんて、どうかしてると思う」

 

 その言葉に俺は全力で抗議した。もちろん口だけではあるが。

 

「あら、それはごめんなさい。でも、事実でしょう?」

 

「………そんなつもりは、ない」

 

 パクノダの言葉に反論する。少し苦しい気がしないでもないが。そういえば、誰と待ち合わせしても第一声は「あ、いた」になることが多いんだよな。そんなに目立たないのだろうか、、、いや、まぁ、たしかにキャッチに遭うのも嫌だから気配を消していることは多いけれども。

 

「でも連絡取ろうとしても取れないことの方が多いもんね」

 

「………………そうだっただろうか?」

 

 ハンター試験終了後に半ば強制的に持たされることになったシャルナーク特性の携帯電話。どことなく猫を連想させる形を取っており、それが入たく気に入っている。そういえば、今はいない本来、俺の裡にいる何処となくネコ科を思わせる挙動を取ることの多いお姫様は、上手くやっているのだろうか?

 

 なんか「ストレス発散だ」とか言って、外に飛び出していったが…… そんなどうでも良いことを考えいると黙っていたクロロが口を開いた。

 

「何も間違ったことは言ってないな」

 

「寝言は寝てから言うべきじゃないか?」

 

「まぁ、クロロには八尋をどうこういう資格は無いからね~」

 

「おい!」

 

 まさに口は災いの元というのは、こういうことを言うのかもしれない。なんたってクロロも俺と似たようなところがあるらしく、一度その姿を眩ませると一切連絡がつかないと聞いたことがあったからだ。情報源は、ヒソカ。アイツも癖のある人間だが、なかなか面白い情報を提供してくれるので、その度に()()に付き合う程度の仲である。

 

 ややあってから「そういえば、マチはどうしたの?」と言い掛けたところで、唐突に視界が暗転した。だが、何も驚くことは無い、俺の眼のある辺りにはひと肌を感じさせる温もりがあるのだから。

 

「誰だ?」

 

「え? ヒソカ?」

 

「ぶっとばすよ!?」

 

 それに悪戯混じりに返すと笑いの渦に包まれる。この暖かな空間が酷く心地よかった。

 そして、俺の視界を暗転させた下手人はマチである。宝石(ラスピラズリ)を思わせるような淡い髪の色を持った、こんなだらしない俺にも逢った当時から好意を寄せ続けてくれる女の子だ。否、訂正しよう、さすがに女の子呼びはマチに対して失礼だった。今では、これまた何処に出しても恥ずかしくないくらいに綺麗に成長してくれた美人さんなのだから。

 

「はは、ごめん。ごめん。うん、久しぶりだね、マチ。元気にしてた?」

 

 そう声を掛ければ、なんとも歯切れの悪い返事を返しながら頬を染める様子に、果て? と首を傾げる。それを見たシャルナークに茶々を入れられそうになり――

 

 

「黙れ童t……「ストップ! もう、そんなんじゃないから!!」」

 

 

 ――当人から全力で否定された。

 

 大昔にからかった内容を持ち出そうとしたのだが、まぁ、さすがにそうだろうなと思って。俺は言葉を改める。

 

「じゃあ、人妻ニアかな?」

 

 というとピシッと音を立てて固まるシャルナークの様子に、また周りで笑い声が上がった。

 

「シャル最低ね」

 

「本当かどうか、必要なら確かめましょうか」

 

「お前に、そんな趣味があるとは思わなかったぞ」

 

 俺の言葉に悪乗りしてふざけ始めた面々にシャルナークが涙目になって「そんなわけないじゃないか」と否定したところで、また揃って笑いがこぼれるのだった。

 

 

 ズズズ………

 

 集った面々と一緒にやんやんと騒がしくしていると唐突に何かに引きずり込まれるような違和感に襲われた。身体が、ではなく、意識が……?

 

「うん?」

 

 それにいち早く気付いたのは、すぐ傍で俺の手を取っていたマチ。ついで他の面々。

 

「や、八尋!?」

 

 別れは突然やってくるとは良く言ったもので、俺の身体は唐突に、その存在を薄れさせつつあった。

 

「あ、このタイミングかぁ………」

 

 何処か遠目にそう呟くとより強く引かれた腕は、次第に感覚を失い、するりと掴んでいたマチの手が空を切った。

 

「悪いね。どうやら此処までの様だ。でも、これで終わりじゃない。まだカナタと姫さんがいるから、それを引き戻されるように戻ってこれるはず、それが明日か、一年後か、それとも100年後になるかは分からないけど……」

 

「ちょっと、何を言って!?」

 

「泣くな、マチ。これで終わりじゃないと言ったばかりだろう?

 キミに泣いている顔は似合わない。お前たちとの縁は確かに築かれているのだから、何も心配することは無い。だから、ほら、笑って?」

 

 そういって僅かに残った感覚を頼りにマチの頭を撫でる。パクに触れる。シャルナークとクロロに視線で合図をする。

 

「クロロ。とりあえず『俺』は、一先ず此処までのようだから先に言っておく」

 

「なんだ」

 

 そう真剣な面持ちで答えるクロロに俺は言葉を返した。

 

 

「頑張れよ。そして、今度は間違えるな」

 

 

 その言葉とともに俺は、今まで俺が居た次元(せかい)から消失した。まぁ、俺と分離している人たちがいるから、きっと戻ってこれるとは思うが…… 離れている裡に在るものたちが俺に引き寄せられる可能性の方が高いことを考えると楽観視は出来ないのも事実だったからだ。

 

 最後に、クロロが何と答えたのかは分からない。分からないが、あの男の事だ。きっと余裕を以てこう答えたのだろう。

 

 

「当然だ」

 

 

 と。

 

 

 * * *

 

 

 誰かの呼ぶ声が聞こえる。それが誰のものであるか分からない。分からないが、こんな状態でも()()()()()()()であることは解る。ならば、それに応えよう。そう思いながら重い腰を上げ、俺を呼んだ声のする次元(せかい)のある方向を認識し、それに見合った内容で辿りつけるように『俺』は同調を開始――

 

 

「サーヴァント? 魔術師(キャスター)? だ。これも何かの縁だろう。短い付き合いになるかもしれないが、よろしく頼む」

 

 

 ――ここに、また新しい縁が築かれた。




Q.彼の王の映し身とはいえ、ヒトの身で凶皇に勝てるものなの?
A.原作のネテロはメルエムに敗れたけど(結果だけなら薔薇による人類側の勝利)、この世界は変に八尋(チート)が関わっている所為で、余計に原作キャラがチート・オブ・チートになってますからイケるって(白目)

Q.八尋は英霊の座にいないはずだよね?
A.英霊の座にいなくても呼ばれちゃうヒトは多々ありますし……(ご都合主義万歳)

Q.原作主人公組とか、カナタとか、姫さんとか……
A.すまん。すぐには思いつかなかった。でも、少なくともカナタ視点か原作主人公視点は何か書きたい。

Q.Fate絡みだと、どういう風になる?
A.まずは『Fate/Grand Order』っぽくなってますけど、いずれ『/Zero』とか、『/Stay Night』なんかにも関わらせてみたい……(遠い目)

Q.ステータスはよ!
A.チートが、ステータスを後悔しても需要なんか無いんじゃ……?
 だってチートだし、最強モノだし…… 宝具とか考えるの面倒だし(ぉ

Q.そういえば、月姫は?
A.え? いずれ書く。きっと書く。書きたい。たぶん。連載、締切、地獄……

Q.戻ってくるの?
A.戻ってくるかもしれませんし、来ないかもしれませんし、戻ってきたとしても今までの記憶が残せているかどうかは、また別の話になりますし…… という繰り返しの中で彼は生きています
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