捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
砂浜へと続く階段を降りていくと、Aqoursがメンバーはダンスの練習をしているところだった。聴き慣れた曲を新しいフォーメーションに変えようとしているのだろう。
そこに三人分の空白を感じてしまうのは、やはりあの三人のパフォーマンスがAqoursにもたらしていたものは大きかったようだ。
「ふむ⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
鹿角姉妹は、今のAqoursを見てすぐに何か察したように目を細めた。やはり同じスクールアイドル同士だからこそわかることがあるのだろうか。
すると、向こうもこちらに気づいて手を振ってきた。
花丸は俺と鹿角姉妹が同時に出てきた事に首を傾げた。まあ、行くとは言ってなかっからな。あと、鹿角姉妹が来ることは高海以外は知らないらしい。
俺はさっそく飲み物の入った袋を高海に手渡すと、Aqoursからやたらでかい声でお礼の言葉が返ってきた。
「⋯⋯じゃあ、俺はこれで」
「あっ、よかったら比企谷先輩も見てってください!」
「え?いや、俺は⋯⋯」
「まあまあ、いいじゃないですか。せっかく来たんですから」
背を向けようとした俺の肩を引きずり、鹿角姉は俺を近くの階段に座らせた。どうやら強制参加イベントらしい。
まあ、この手のものは人前でやるのが一番成長するらしいので、俺みたいなのがいることで役に立つのなら別にいいが。
「じぃ〜⋯⋯⋯⋯」
何故か花丸が効果音付きでこちらを見ている。どうかしたのだろうか、スポーツドリンク以外が良かったのか?いや、花丸はそんなことで不満を言うタイプではない。
とはいえ、思い当たる節がない以上後で本人に聞いてみるしかない。
その思考を断ち切るように鹿角姉がAqoursに話しかけた。
「じゃあ、さっそく見せてもらってもいいですか」
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新生Aqoursのパフォーマンスを見た鹿角姉は、はきはきとした口調で、ひとかけらの遠慮もなく現実を叩きつけた。
小原の歌唱力、松浦のダンス、黒澤姉の華やかさなど、今のAqoursから欠けたものを的確に言い当て、そのうえでもう一度三人に会ってみたらどうかと提案してみた。
しかし、第三者からの評価がショックだったのか、Aqoursの表情は沈んでいる。
「ルビィ達、どうしたら⋯⋯」
「そんなの⋯⋯自分達で考えるしかないじゃない!」
突然鹿角妹は黒澤妹の言葉に激高し、駆け出した。
⋯⋯彼女と今のAqoursの状況は似ている。さらに鹿角妹は一人でのリスタートだから、思うところがあるのかも知れない。
だが騒ぎはそれだけでは収まらなかった。
なんと海の向こうから、凄まじい轟音を響かせて、ヘリが飛んできた。