捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
「ったく、もう!あの堕天使は⋯⋯!後でサイレントチェリーブロッサムナイトメアでおしおきしなきゃ!」
桜内が怒りに表情を歪ませながら呟く。え、何その必殺技。なんかプリキュアにも出て来そうなんですけど。
「ふぁっふぁふ、ふぉふぉふぃっふぁふふぁ?」
花丸がパニーニをくわえたまま何か言ってるが、おそらく「まったく、どこ行ったずら?」だろう。お行儀は悪いが、緊急事態だし仕方がない。俺も慌ててかきこんだから、まだ全然消化しきれてないので運動は控えたいところなんだが⋯⋯。
「あっ⋯⋯」
突然高海が立ち止まる。
「どうしたの、千歌ちゃん?」
「そういえば⋯⋯私達どこに向かってるんだっけ?」
「当てがあるんじゃなかったの!?」
「あはは、つい勢いで⋯⋯」
「千歌ちゃんらしいといえばらしいけど」
津島が行きそうな所か⋯⋯
「つーか、電車の中でヨハネがどうとか言ってなかったか?」
「言ってました!」
思い出した事を口にしたら黒澤妹が同意してくれたどうやら聞き間違いじゃなかったらしい。
そして、パニーニを食べ終えた花丸は地図を広げた。
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「わぁ、すごい⋯⋯」
「街中にこんな建物があるなんて⋯⋯」
「びっくりだよね⋯⋯」
俺達はドゥオモ広場に到着した。その威厳のある外観と凄まじい大きさに、目を見開いて魅入ってしまう。
「とりあえず写真撮って小町に送っとくわ」
「さすが八幡さんずら」
「ふふっ、すごいでしょ?この街で一番大きな建物なんだよ」
「ああ、すげえな。人の多さも。見つかるといいんだが」
何故ここに来たかというと、大聖堂の前に聖ヨハネ洗礼堂があるからだ。あいつの行き先はまず間違いなくここだろう。
「探し人ですか?」
背後から声がかかる。あ、いたわ。
「はい、そうなんです」
「ルビィ達と同じ年頃で」
「身長も同じくらいで」
「いつも騒がしくて」
「自称堕天使の痛い女の子ずら」
おい、何で気づいてないんだよ。あと花丸何気にひでえな。
渡辺月はその姿を見て、ぽかんと口を開けている。
「なるほど、それは⋯⋯崇高な御方」
津島は津島でそのまま話を続ける。こいつ、ハート強えな。知ってたけど。
Aqoursは津島に気づいて「あっ!」と皆一様に驚いた。
「善子ちゃんどこ行ってたずらか?」
「本当に心配したんだから⋯⋯ていうか、その格好⋯⋯」
桜内が呆れた表情を見せるのも無理はない。
津島は何故か天使の羽根を装着していた。ていうか、持ってきたのか、それ。
「よく気づきましたね、凡人リリー。私は今、堕天使ヨハネではありません。守護聖人ヨハネがこの地で天使の生を授かったのです!」
「リリー禁止って言ったわよね」
「桜内、多分聞いてないぞ」
「はぁ⋯⋯」
「さあ、皆さん。この天使ヨハネの導きによって、あの天上界を目指しましょう!」
彼女はこちらに背を向け、建物の最上部を指さした。