捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
さっきこの日の最終チケットを入手したという津島から15ユーロでチケットを買い、ブルネレスキのクーポラの頂上へと登った。
「ちゃっかりした天使ずら」
「⋯⋯確かに。でも、いいんじゃね?チケットかなり倍率高いらしいし」
頂上から見下ろす街並みは夕焼けに赤く照らされ、元の色が曖昧になり始めていた。
初めて訪れた街でそんな現象を等しく訪れるという当たり前の事が、やけに胸に染みてくる。
隣りにいる花丸に目をやると、普段は白い頬がほんのりと赤く染められていた。瞳はきらきらとイタリアの街並みを見下ろしていた。
その表情に胸の高鳴りを覚えると、彼女は俺の視線に気づき、笑みを見せた。
「いつか⋯⋯二人で来たいずらね」
「⋯⋯ああ」
こっそりお互い手を伸ばしかけた瞬間、高海の声が響いた
「ねえ、あれ何!?」
その声に皆が集まり、高海が指さした方に目を向けると、向こう側の山にそびえ立つ建物から、チカチカと光るものが見える。
「あれ⋯⋯お姉ちゃん!」
いち早く気づいた黒澤妹に皆自然と笑顔が零れた。
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「結構、遠かったずらね⋯⋯」
「ああ⋯⋯」
バスを乗り継いだりしながら来たものの、既に体力をそこそこ消費していたので、全員くたくたになっていた。もし今目の前にある中世風の建物がハズレだったら、メンタルもガリガリに削られる⋯⋯どころかゼロになってしまうだろう。
「本当にここにいるのかしら?」
「よ〜し、こ〜んば〜んわ〜!!」
そこそこでかい声出すなと思ったところで、建物のベランダに三人が姿を現し、「し〜っ」と人さし指を唇に当てていた。
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「今度はつけられなかった?」
「大丈夫だ。多分」
「そこまで自信満々に多分という人を初めて見ましたわ」
「まあ、向こうはかなり金かけてるだろうからな。ここがすぐに見つかる可能性も否定できん」
「⋯⋯⋯⋯」
俺の言葉に、小原は窓の外を見つめ、唇を噛み締めた。
その表情から喧嘩の度合いが窺い知れてしまう。理由はわからないが、もしかしたら小原が一回内浦を離れてから、3年になって再び戻ってきたことと何か関係があるのだろうか?
「ねぇねぇ、鞠莉ちゃん!どうしてお母さんから逃げてるのか教えてよ!」
「⋯⋯⋯⋯」
小原は高海に背を向けたまま、まだ黙っている。まあ、いきなり言われても口にするのは難しいかもしれない。わざわざ逃げ出すくらいなのだから。
「鞠莉、結婚するんだってさ」
『⋯⋯⋯⋯はい?』
俺もニ年生組も一年生組も同じように首を傾げた。