捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
「八幡さん、すごく⋯⋯ためになる話だったずら」
「⋯⋯今無理に褒めるところ探してなかったか?」
結局、奉仕部に入れられた経緯や文化祭⋯⋯はアレなので、体育祭などの出来事を平塚先生がメインで語ってくれた。
当たり前だが、「ああ、うん⋯⋯」みたいなリアクションだった。だが、最終的には穏やかな空気になった⋯⋯と信じたい。
「Oh,ハチマンは変わり者デース!」
「ちょっと待て。お前には言われたくないんだが」
あといきなりファーストネーム呼びやめてね。彼女いなかったら意識して勘違いしちゃってるところだったわ。
さらに今さら気づいたが、千葉組四人+Aqoursメンバー九人+渡辺月に男子俺一人という人数のバランスが非常に居づらいんですけど⋯⋯。
「皆さんはいつまで沼津に滞在なさるんですの?」
「3泊4日だよ!」
「あっ、それだったら最終日にライブやるんで観に来ませんか?」
渡辺がさっと近寄り、チラシを手渡す。さすができる子。
「うん、絶対行くね!ゆきのん、いいよね?」
「あなた、既に絶対行くって言ってるじゃないの。私は構わないけど」
「私も賛成で〜す!」
「今いる学校でもやりたいって言ってる生徒がいるから、参考までに観てみるかな。顧問やらされるかもしれないし」
「⋯⋯⋯⋯」
平塚先生がスクールアイドル部の顧問か。あの衣装を着て歌って踊っちゃったりするのだろうか。きっと青春が聞こえちゃったりするのだろうか。
「それは⋯⋯怖いもの見たさで見てみたいですね」
「今君は何を想像した?」
「多分失礼なニュアンスを含んでたよね」
平塚先生の言葉に渡辺月がいらん補足を加える。おい、何してくれてんの?確かに変な妄想はしたかもしれないが。
この後俺は一年ぶりぐらいに平塚先生のヘッドロックを喰らった。
うん、やっぱりバストはバスツという呼び方が正しいと思います。
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喫茶店を出ると、外はもう青い夕暮れになっていた。心地よい春風が頬を撫で、町を吹き抜けていく。
千葉組の面々も夕日に赤く照らされた沼津の海を見つめ、目を細めている。
「良い所だね」
「ええ。ずっとこうして見ていられる」
「生徒会の疲れも吹き飛んじゃいますね〜」
「次から休日のドライブのコースに入れるか」
その言葉に沼津組も自分が褒められたように嬉しそうな表情を見せた。
由比ヶ浜は俺の背を押し、無理やり花丸の隣に並べた。
「じゃあ、ヒッキー!アタシら千歌ちゃん達と行くから、ちゃんと花丸ちゃん送りなよ」
「⋯⋯了解」
急な気遣いにまた懐かしいものを感じつつ、俺は花丸と並んで歩き出した。
振り向くと、四人が手を振ってくれたので、俺も同じように返した。
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「⋯⋯由比ヶ浜さん、よかったの?」
「⋯⋯うん。大丈夫、だよ。ゆきのんは?」
「そうね。少し悔しいかも」
「えっ!?」
「冗談よ。それより、早く行かなきゃ高海さん達が待ってるわ」
「はぁ、先輩達ムリしちゃって」
「あぁ、青春だなぁ。よし、今夜は飲むか」
「あ、それはカンベンしてください。未成年ばっかなんで」