捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
「まったく、びっくりしたずら。喫茶店に行ったら八幡さんが女の子達を侍らしているのかと⋯⋯」
「いや、ないから。つーか、見てたんなら声かけてくれよ」
「あはは⋯⋯積もる話もあるかなと思ったずら」
「そりゃ気遣いどうも。つーか、ライブ決まったんだな。帰ってきたばかりで忙しすぎじゃね?まだ社畜の練習するには早いだろ」
「急に青春の1ページが汚れた気がするずら⋯⋯」
花丸がやや引いた顔をしている。まあピュアな子だから、あまり社会の汚い部分を見せたくない気持ちはあるが、だからこそ現実を教えたい気持ちもある。恋人として。
「まだ八幡さんも学生ずら」
「まあ、確かに⋯⋯」
「だから青春を謳歌せし者爆発しろ、なんて言わずに」
「ああ、うん⋯⋯それは俺が全面的に悪かったから思い出させないでね、お願いします」
あの時の自分が今の自分を見たら何と言うだろうか、きつめに罵るだろうか、少しだけ褒めるだろうか。
そんなありえないたらればを考えていると、少し先を歩いている黒澤妹が携帯片手に、駆け寄ってきた。
「ねえ、明日朝一番に集まってだって!」
「どうかしたずらか?」
「理亞ちゃんが⋯⋯大変なんだって!」
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「理亞ちゃんが⋯⋯Aqoursに加入する?」
朝一にいつもの喫茶店に集まったマル達。
三年生達に聞かされたのは聖良さんからの相談だったずら。
何でも新しいスクールアイドルグループを始めようとしたもののあまりうまくいってなくて、環境を変えてみればいいんじゃないかと考えた聖良さんが、理亞ちゃんより先に鞠莉ちゃんに相談したらしいのです。
「まあ、理亞ちゃんくらいの実力者なら大歓迎だけど」
「とてつもないスパルタになるわね。でもいいんじゃない?」
Saint Snowの二人は仲間とも呼べる絆が芽生えていたので、他のメンバーも控えめながらも賛成している。マルもそうなったら賛成は賛成ずら。
そんな中、ルビィちゃんが立ち上がった。その目にははっきりとした意思が宿っている。
「ダメだよ⋯⋯!」
その言葉に全員が目を見開く。一番仲の良いルビィちゃんがはっきりそう言ったことが意外だったみたいです。
ルビィちゃんはそのまま言葉を紡いでいく。
「理亞ちゃんの悩みは⋯⋯Aqoursに入っても解決しないと思う。Saint Snowをお姉さんとの大切な思い出にして、新しいグループを作るって決めたんだよ」
「ルビィちゃん⋯⋯」
その言葉に皆自然と頷いてしまう。
ルビィちゃんの手にダイヤさんの手が重ねられた。
「理亞さんの気持ちはルビィが一番わかるはずですわ」
自然とマルと善子ちゃんもルビィちゃんの手に自分の手を重ねていた。
そして、千歌ちゃんも立ち上がって皆に呼びかけた。
「だったら⋯⋯やることは一つだね!!」