捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編   作:ローリング・ビートル

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 ラブライブ!サンシャイン!!もそろそろ最終回……いや、さらなる展開に期待します!!

 それでは今回もよろしくお願いします。


青春の影 ♯14

「「「………」」」

「あの……わ、私……」

 とりあえず国木田と黒澤妹を背に庇い、相手の様子を窺う。

 てゆーか、何この人!滅茶苦茶恐いんですけど!!

 女子っぽいが、ハアハア息を荒げて、ガクガク体を震わせ、変な構えをとっている。さて、どうしたものか。

「ずらぁ……」

「ピギィ……」

 国木田と黒澤妹の震えを感じ取り、なんとか目の前の怪しい奴を睨みつける。あと黒澤妹よ、背中に爪が食い込んですごく痛いんですけど……。

「はうっ……!」

 何故か怪しい奴は変な叫び声を上げ、片膝をついた。

 何かの発作だろうか。

「お、おい……」

「だめっ、来ないで!」

「ああ……」

 どうやら大丈夫そうだ。色々と疑問は増えていく一方だが。もう無視して通り過ぎてもいいんじゃなかろうか。

「……や、やっぱり、素敵な目……」

「どうした?」

「見ないで!この身を焦がしてしまうから!」

「悪い……」 

 謝ってしまったが、俺が謝る理由などないはず。

 やるせない気持ちになっていると、俺の背後から顔を出した国木田が、不審人物に声をかけた。

「もしかして、その声……」

「げっ、ずら丸!い、いつもいつも、何でこの人と!」

 不審人物は国木田を指差し、何やら抗議をしたが……ずら丸?

「ずらっ!?」

「はっ、離脱!!」

 こちらが誰一人動けないでいると、不審人物は素早くこちらに背を向け、雨の中を駆け抜けて行った。

「国木田……知り合いか?」

「いえ、気のせいずら」

「ならいいが……」

 絶対に何かを隠しているが、国木田はにぱっと笑顔でごまかした。

「それより早くいきましょう、先輩♪」

「始まっちゃいますよ」

「……そうだな」

 いまいち釈然としない気持ちのまま、俺達は先を急いだ。

 

 薄暗い体育館内へと足を踏み入れると、我が妹が駆け寄ってきた。

「お兄ちゃん!花丸ちゃんにルビィちゃんも!」

「……おう」

 小町は一足早く体育館へ向かい、準備に参加していたらしい……妹とのコミュ力の差に泣いちゃう!だってお兄ちゃんなんだもん……まあ、それはさておき……

「結構、人いるんだな」

 見たところ、客は俺達を含めて10人から20人くらい。無名のスクールアイドルのライブにしては上出来ではなかろうか。

 しかし、小町のリアクションは少し暗めだった。

「あはは……そうなんだけどね。実は……」

 

「「体育館……」」

「満員……」

 結成して間もないAqoursの初ライブに課せられたノルマは、この体育館を満員にする事。

 しかし、さすがに無謀すぎる。

 そもそも体育館は全校生徒が入っても余裕ができるものだ。それを満員とか……。さらに、浦の星は生徒数も減少している。

 悪い条件を挙げればきりが無い。

「つーか、なんでそんなノルマを……」

「それは、できると思っているからデース!!」

 突然背後から聞こえたよく通る声。

 振り向くと、日本人離れした美しい金髪の女子生徒がそこにいた。





 読んでくれた方々、ありがとうございます!

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