捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
色々と動き、小原家の函館のホテルに宿泊した翌日、曲作りに関しては特にやることもないので、部屋に籠もって勉強をしたいた。
しばらくそうして、少し気分転換に外に出ると、意外な人物に遭遇する。
「チャオ♪」
「⋯⋯なんでいるんだよ」
「やっぱり心配だから来ちゃったの!」
「あっ、比企谷先輩だー!」
「あはは⋯⋯ごめんね、比企谷くん。色々やってくれたみたいだね」
函館の街のど真ん中でAqoursと遭遇した。いや、マジでなんでいるんだよ。俺いらなかったじゃん⋯⋯まあ、タダで北海道来れたし、ホテルの飯うまいし、あの部屋快適すぎて勉強に最適だし、何よりも花丸に会えたし。
「まあ、あれだ。こっちとしてはタダで北海道まで来て、タダ飯できたかは構わん。他人の金で食う飯が一番うまいからな」
「す、すごいこと言ってる⋯⋯」
「事実かもしれないけど口にすることではないわね」
渡辺と桜内が引き気味にこちらを見ている。これはまあ俺が悪いか⋯⋯事実を言っただけな気もするが。
すると、俺はある事実に気づいた。
「⋯⋯黒澤はいないのか?」
「ああ、ダイヤは先に皆に合流してもらったの」
「ルビィに3日以上会えなかったから禁断症状が出てマース!」
「それは⋯⋯ヤバいな」
「比企谷くんも小町ちゃんに3日以上会えなかったら禁断症状とか出るの?」
「禁断症状は出ない⋯⋯と思う」
「そこは言いきれないんですね」
「小町ちゃん可愛いから仕方ないかも」
「ウチなんて修学旅行から帰ってきても普通だよ〜!まあべつにいいけど」
「⋯⋯⋯⋯」
黒澤か妹をひたすら可愛がっているのは想像つくが、禁断症状とはなんだろうか。
想像しようとしたが、口元が緩みそうになったのでやめておいた。
「ねえ、八幡は一緒に来ル?」
小原はそう言いながら、俺の右腕をとった。
⋯⋯い、今、肘に何か柔らかいものが当たった気がするんだが。
ていうか、これ俺の意見聴く気ないですよね?
「あ、それ良いかも。二人だけの時の花丸ちゃんについてたっぷり聴きたいし、ついでに比企谷くんの事も知りたいし」
今度は松浦が左腕をホールドしてきた。
⋯⋯おいおい、間違いなく何か当たったんだけど、弾力性のある何かが。
「よしっ、じゃあ比企谷さんも連れて行こう!」
誰も俺に確認をする気はないらしい。いや、まあ一、二時間くらいならいいんだけどね?
「ふ〜ん、八幡さん楽しそうずらね〜」
聴き慣れた声にぎくりとする。ま、まさか、こんなタイミングで⋯⋯だと?
おそるおそる振り返ると、頬を膨らませた花丸がそこに立っていた。