捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編   作:ローリング・ビートル

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青春の影 #76

 

 色々と動き、小原家の函館のホテルに宿泊した翌日、曲作りに関しては特にやることもないので、部屋に籠もって勉強をしたいた。

 しばらくそうして、少し気分転換に外に出ると、意外な人物に遭遇する。

 

「チャオ♪」

「⋯⋯なんでいるんだよ」

「やっぱり心配だから来ちゃったの!」

「あっ、比企谷先輩だー!」

「あはは⋯⋯ごめんね、比企谷くん。色々やってくれたみたいだね」

 

 函館の街のど真ん中でAqoursと遭遇した。いや、マジでなんでいるんだよ。俺いらなかったじゃん⋯⋯まあ、タダで北海道来れたし、ホテルの飯うまいし、あの部屋快適すぎて勉強に最適だし、何よりも花丸に会えたし。

 

「まあ、あれだ。こっちとしてはタダで北海道まで来て、タダ飯できたかは構わん。他人の金で食う飯が一番うまいからな」

「す、すごいこと言ってる⋯⋯」

「事実かもしれないけど口にすることではないわね」

 

 渡辺と桜内が引き気味にこちらを見ている。これはまあ俺が悪いか⋯⋯事実を言っただけな気もするが。

 すると、俺はある事実に気づいた。

 

「⋯⋯黒澤はいないのか?」

「ああ、ダイヤは先に皆に合流してもらったの」

「ルビィに3日以上会えなかったから禁断症状が出てマース!」

「それは⋯⋯ヤバいな」

「比企谷くんも小町ちゃんに3日以上会えなかったら禁断症状とか出るの?」

「禁断症状は出ない⋯⋯と思う」

「そこは言いきれないんですね」

「小町ちゃん可愛いから仕方ないかも」

「ウチなんて修学旅行から帰ってきても普通だよ〜!まあべつにいいけど」

「⋯⋯⋯⋯」

 

 黒澤か妹をひたすら可愛がっているのは想像つくが、禁断症状とはなんだろうか。

 想像しようとしたが、口元が緩みそうになったのでやめておいた。

 

「ねえ、八幡は一緒に来ル?」

 

 小原はそう言いながら、俺の右腕をとった。

 ⋯⋯い、今、肘に何か柔らかいものが当たった気がするんだが。

 ていうか、これ俺の意見聴く気ないですよね?

 

「あ、それ良いかも。二人だけの時の花丸ちゃんについてたっぷり聴きたいし、ついでに比企谷くんの事も知りたいし」

 

 

 今度は松浦が左腕をホールドしてきた。

 ⋯⋯おいおい、間違いなく何か当たったんだけど、弾力性のある何かが。

 

「よしっ、じゃあ比企谷さんも連れて行こう!」

 

 誰も俺に確認をする気はないらしい。いや、まあ一、二時間くらいならいいんだけどね?

 

「ふ〜ん、八幡さん楽しそうずらね〜」

 

 聴き慣れた声にぎくりとする。ま、まさか、こんなタイミングで⋯⋯だと?

 おそるおそる振り返ると、頬を膨らませた花丸がそこに立っていた。

 

 

 

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