捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
閉校祭当日。
浦の星女学院には予想していたよりかなり多くの人で賑わっていた。統廃合を聞きつけて、内浦を離れた卒業生もかなり駆けつけてきたらしい。
決して規模の大きなイベントとは言えないし、出店の数も多くない。しかし、この場にはこの町特有の距離感の近さ、というか親密さを感じ取ることができた。
小町もぱたぱたと駆け回り、出店のサポートをしている。我が妹ながら写真に撮って残しておきたいくらいの健気さだが、ここは女子校なので自重しておこう。
すると、小町がこちらに気づいた。あれ、今一瞬嫌な顔しなかったか?
仕事に戻るかと思ったが、こっちに向かってトコトコ駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん、意外と早く来たんだね」
「ああ、リフレッシュも兼ねてな」
「ホントは花丸ちゃんに会いたくて堪らなかったクセに〜」
「いや、もちろん小町の活躍も目に焼き付けるつもりで来た。妹が閉校する学校のイベントに立ち会うなんてそうそうないからな。どちらも死ぬ気で応援するまである」
「うわぁ⋯⋯その度が過ぎたシスコンはさすがにキモいけど、応援は素直に受け取っておくね。ありがとう、お兄ちゃん」
「少しひどいがどういたしまして。そんな度が過ぎてるのか⋯⋯」
「大丈夫!お兄ちゃんのアレな部分も花丸ちゃんは両手を広げて全部受け止めてくれるから。思う存分出していいよ」
なんか卑猥な表現に聞こえてしまうのは俺が思春期だからだろう。うっかり変な妄想しちゃいそうになるから、小町ちゃんにはもっと言い回しを勉強して欲しい。
「あ、それと花丸ちゃんなら視聴覚室の周辺にいるよ。客引きしてた」
「ほう⋯⋯ちなみに、上手く言ってるのか?」
「いやぁ⋯⋯あんまり。普通の占いとは色々と違うというか⋯⋯」
「⋯⋯だろうな」
まあ、閑古鳥が鳴いてるのは御愁傷様だが、はやく占ってもらえる(?)、周りに人がいないのは都合がいい。多分、明日からは試験終わるまでゆっくり話せなくなるからな。花丸もラブライブ決勝あるし。
俺は小町に「頑張って!」と謎の声援を受けながら、校舎の中に足を踏み入れた。
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小町から聞いたとおりに視聴覚室までの道のりを歩くと、割とすぐに到着した。
すると、そこには寂しげに佇む花丸がいた。
「占い、興味あるずらかー⋯⋯」
あー⋯⋯これはだいぶ心折れてますね。
どう声をかけたものかと考えているうちに、花丸がこちらに気づいた。
「は、八幡さん⋯⋯!」
「⋯⋯お疲れ」
「占い⋯⋯興味あるずらかぁっ!?」
「あ、ああ、ある、かな?」
「では、中へずら♪」
ぶっちゃけ何するかよくわからんが、花丸が息を吹き返したから良しとしておこう。