捻くれた少年と海色に輝く少女達 AZALEA 編 作:ローリング・ビートル
ラブライブ決勝大会の熱狂も少し落ち着いてきた頃、全国各地の高校で卒業式が行われていた。
沼津高校や浦の星女学院もご多分に漏れず卒業式が行われたが、一年しか在学していない身としては、これといった感動も湧いてこないかと思ったが、泣きながら答辞を読む女子の生徒会長につられて、ついつい涙腺が緩んでしまった。
「ヒキタニ君、ハタチになったら飲みに行こうぜ!」
チャラいクラスメイトが、実現性の低い約束を交わそうとしてくる。まあ、何だかんだ話しかけてきてくれた奴なので、最後に名前くらいは覚えておこう⋯⋯矢部か。微妙に似てる感じがするし、実況パワフルプロ野球に出てきそうな感じもする。まあ、こういう口約束もたまにはいいだろう。
「まあ、その時都合よければテキトーに頼むわ」
「それ絶対行く気ないやつじゃん!とりあえず連絡先交換しとこうぜ!」
まさか卒業式に連絡先交換するとは⋯⋯ヒキタニ君呼びは直らなかったが。
とりあえず連絡先交換を済ませ、クラスの打ち上げへの参加をさりげなく決められると、俺は短いながらも居心地は悪くなかった学び舎を後にした。
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校舎を出たところでポケットの中の携帯が震えた。
まるで窺ってたかのようなタイミングに、少し驚きながら確認すると、由比ヶ浜からだった。
内容は卒業式が終わったという報告と、親しい奴らで撮った集合写真だ。
映っているのは中央に由比ヶ浜、雪ノ下。左側に一色、川崎、戸塚、材木座。右側に葉山グループがいる。
古巣の面々の晴れやかな笑顔に、こちらも小さく笑みが零れるのを自覚していると、今度は平塚先生から卒業祝いのメッセージが届いた。
自分が生まれ育った地を離れても、こうして繋がりがあることに不思議な気分になりながら、もう一度写真やメッセージを見返していると、今度は小町から電話がかかってきた。暇つぶし以外の
「どした?」
「あ、お兄ちゃん?今から浦の星女学院に来て。良いもの観れるよ〜」
それだけ言うと通話が途切れた。
まあ予想がまったくつかないわけではないが、俺はあえて考えずに走り始めた。
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走った甲斐もあり、丁度いいタイミングでバスに乗れたので、想定していたよりはやく到着した。
バスを降り、浦の星女学院の校門を通り抜けると、校舎は色鮮やかなイラストで彩られていて、思わず足を止めた。
その中には九つの色の虹があり、これはAqoursが描いものと思われた。
⋯⋯このグループもたった一年であれだけの事があったのか。
この一年を思い浮かべ、花丸のメンバーカラーである黄色を見ていると、向こうから音楽が流れ出す。
このライブは絶対に見逃すわけにはいかないと、俺は体育館へと駆け出した。