書いたのは去年で、受験中は書かないつもりだったけど物足りなかったのでついやっちゃったんだZE☆
pixivにのせようかも思いましたが
あまりそういう感じのもどうかと思ったのでこっちに。
ひょっとしたらのせるかもしれませんが。
気分で書き方が変わるので、書き方は安定しません。
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は駅のホームで電車を待っていたと
思ったらいつのまにか赤ん坊になっていた』
な…何を言っているのか わからねーとおもうが
俺も何が起こったのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
思わずポルナレフ状態になってしまうほど俺は混乱していた。
知らない男女に挟まれてその女の方に抱えられ、周りの白い服を着た連中が「おめでとうございます」だのを言い、そして俺の上には変な靄が出ているノートが浮かんでいる。
「良くやったな。」
男の方が感慨深そうに言葉を紡ぐと女の方が少し気だるそうにしながらも、顔をくしゃっとさせて
「ええ、見て、男の子よ。」
と言って俺を男の方へ差し出した。
男は俺を受けとり、目を細めて俺を撫でると
「この子の名前はナオト、柳 直人だ。」
そう呟いて優しく揺りかごのように俺を揺らす。
まだ困惑はあったものの、その揺れが心地よくて俺は段々と意識を手放していった。
次に目が覚めると知らない天井が広がっていた。
周りは柵で囲まれている。どうやらベビーベッドの上に寝かされているようだ。
ベビーベッドの外も見渡したいが、寝返りを打とうにも体が思うように動かない。
仕方なく目だけを動かし見える範囲を確認する事にした。
見えるのは周りの柵、もふもふそうなぬいぐるみ、ガラガラ、そして近くに浮遊している靄が出ている本。
浮かんでいる本は見た目からしてノートのようだ。
そう言えばなぜノートが浮かんでいるんだろうか。
俺を抱えていた男女はこのノートについてなにも反応を示さなかったが見えていないのか、あるいは何かしら浮かんでいるのが普通のことであるのか。
一瞬考えてすぐに後者の可能性を否定した。
やはり目もくれなかったことから考えて前者が妥当だろう。
どうしてここにいるのか、このノートは何なのか、満足に動けない俺はその事について考えるしかない。
しかしなにも情報がないまま結論が出るはずもなく、何かを考えつこうにもただの空論になるだけだった。
ガチャリ、とドアの開く音がして誰かが部屋に入ってきた。
そのあとすぐにその誰かがベビーベッドを覗きこんでくる。
覗きこんだのは前に俺を抱えていた二人のうちの女の方だった。
「あら、直ちゃん起きたのね。うふふ、ここは直ちゃんのお家よ。」
そう言ってあのときと同じように俺を抱き上げた。
今までの話からしてこの女の人は今の俺の母に当たる人らしい。
どうなっているのか分からないがとりあえずはそう判断を下していた方がいいだろう。
そう考えると、今の俺は生まれ変わったということだろうか。
小説やらでは生まれ変わるという珍現象が書かれていたりするが本当に自身に降りかかるとは思わなかった。
せっかくこの春から念願の大学生活が始まる筈だったというのに。
そしてそこまで思いを巡らせて、はたと気がついた。
何故か頭に霧がかかったように前の両親の顔や友人の顔が思い出せなくなっている。
頭に残っているのは、彼らに抱いていた感情も含めた記憶という形残っているのではなく、記録として淡々とした事実のみが頭に残っているような感覚。
そうして、もう彼らとは関係が無くなってしまった、今はもうどうすることもできないのだ、という思いが全身を駆け巡りどうしようもなく悲しくなった。
目から涙がこぼれ落ちた。
止めようにも自制が効かずポロポロと流れ続ける。
それに気がついた母は俺に優しく声をかけ、ぎゅっと抱きしめ落ち着くようにあやす。
その様子にこらえきれなくなって声まであげて泣き叫んだ。
どれくらいの時間がたったのだろうか。
一向に泣き止む気配が無い俺を、その間も母は背中をポンポンとたたいてあやし続けてくれた。
そしてようやく涙が止まり落ち着くと、いつの間にか準備していた哺乳瓶を口元へ持ってきた。
俺は多少の葛藤は有ったものの、この状況で拒否するわけにもいかないのでそれに吸い付く。
低脂肪乳を薄めて砂糖を入れたような味が口に広がる。
旨い訳ではないが、とりわけ不味いわけでもない。
そう言えば、乳児に対しては粉ミルクよりも母親の母乳の方が母親の持っている免疫等を取り入れる事ができ、赤子の時期によって母乳の成分が変わり丁度良いものが時期によって摂取出来るので、でない人じゃない限りは母乳を飲ませた方が良い
と中学の先生が言っていたなぁ、と泣きわめいてしまった羞恥とミルクを飲まさせている現状を逃避するためにぼんやり考えてみる。
きっと今までの内で一番俺の目は死んでいるのだろう。
ミルクが飲み終わると、軽く背中を叩かれる。
ケフッと自分の口から空気が漏れた。
泣いて体力を使って、腹がふくれれば眠くなるのは当然の事である。そうして俺の意識はまた沈んでいった。