ある日、フランス帰りのメンバーでパーティーをしようという話になった。人理崩壊という割には些かのんびりしていると言わざるを得ないが。時には息抜きは必要である。
「さあ!料理を作るのです!エミヤ!マスター!」
「「・・・」」
さて、モチベーションを上げるためにパーティーをする筈なのに全然モチベーションが上がらない弓兵と弓兵もどきは目の前でドヤりながら涎を垂らす謎のヒロインと無口ながら食欲はそのままな騎士王がテーブルに座って待機しているのを見て目眩がしそうだった。
「まあ、食材なら用意できるのでな、な?」
この前フォウ量産装置から出てきた俵アーチャーがなにかいっているが。そういう意味ではないのだ、このブラックホールじみた生き物に食べ物を与えるという行為に少しだけ絶望しているだけなんだ。
まあそうは言っても他のメンバーも楽しみにしているのは間違いないので調理を開始する。
「そう言えばアーチャー。」
「なんだEMIYA。」
両者ともに凄まじい勢いで料理を完成させていくがほとんどは青王と謎のヒロインに吸引されていく。
「結局、執事スキルもちのお前と執事スキルは消えたけど家事系万能スキルを手に入れた俺、どっちの料理が上手いんだろうな?」
「・・・・ふむ、面白いことを言うな貴様、私がこの世界に現界して何をしていたか知っていて言っているのか?そのような戯言を。」
心なしかエミヤの調理速度が速くなっていく。というかスキルもないのに残像とか出し始めた、しかも紅く発光し始めた。
「あ〜、そういや料理人だっけ。」
「余裕そうだがEMIYAよ、お前と違い料理に修練の殆どを費やした私を舐めるんじゃない!俺が!俺たちが料理人だ!!」
どうやらエミヤは料理時のみだが質量のある残像を複数発生させられるようになったらしく機動戦士搭乗員みたいな台詞を吐きながらまるで原子炉が二機付いているかのような加速を見せEMIYAを追い抜いた・・・かに見えた。
「甘いな、流石女誑し台詞どころか修練も甘いとは!」
「ナニィ!?貴様!何処の調理技術だ!それは!?」
なんとEMIYAはまるで加速やなんかはしていないのに残像を出しているエミヤに迫る調理速度を技術だけで魅せている。
「フフハハハ!俺が外宇宙に行ったり、そこで暮らしたり、名状し難いものを倒したりしている間その程度しか修練を詰めなかったのがお前の敗因だ!俺がお前の何倍生きてると思ってんだぜ!」
「クッ!そうか!時間が違うのか!だが!私はまだ負けていない!『投影開始』想い描くのは常に最強の自分だァァァァァァァ!!」
追い詰められたエミヤは自身に投影をし今まで見てきたあらゆる料理人の力、技術の全てを自身に投影することにより更に自分を叩き上げる!
「無駄無駄無駄無駄無駄!」
「オラオラオラオラオラ!」
そう!その厨房では確かに具現化したエミヤとEMIYAの生命エネルギーの権化がぶつかり合っていた!
激しく調理し、美味しい料理を作り続けた。
体は料理で出来ている。
腕は鉄で、心は炎
幾たびの厨房を越え不敗
唯の一度も降参は無く
唯の一度も譲らない
彼の者は常に独り
故に、その顔には生気無く
その体は、きっと料理を作り続けている。
『
これがエミヤの新宝具完成の瞬間であった。
因みに料理は残らず青王と謎のヒロインに吸い込まれ。残ったのは真っ白に燃え尽きながらも皿を洗うエミヤとEMIYAだった。