「この聖杯の力で世界を救って見せる!」
「ほう・・・なかなか面白い戯言を吐くな、お主。」
誰よりも早く大聖杯を奪取したシロウコトミネの背後に立っていたのは・・・赤いマフラーをはためかせ、鋭い眼光を放つNOUMINNだった。
佐々木の背後には赤のキャスターが首なし状態で転がっている。
「サーヴァントでは無いな、同類かな?」
「さあな、ともかくお主を殺すだけだ!」
そう言って佐々木は踏み込み。
バァン!
納刀した。
「は!?がっふ!」
「こんなものか。」
「マスター!」
倒れるシロウコトミネに駆け寄るセミラミス。
佐々木のやった事は単純だ。踏み込み、抜刀し、斬った。
それが雷光とほぼ同じ、人間には認識できないレベルの速さで行われた結果、踏み込み標的の後ろで納刀する頃には相手は死んでいる。そんな馬鹿げた状態が平然と起こるのだ。
「ふむ、彼奴がらすぼすと言っておったので期待していたのだが・・・まあいい。」
そうして佐々木が去ろうとするとシロウコトミネの手に偶然当たった聖杯が、輝き、不完全ながら七騎の英霊の魂のくべられた聖杯が起動してしまう。
「何!」
その輝きと力の放出を感じた佐々木が振り返るがそれよりも早く未だ辛うじて生きていたシロウは告げる、『この世の全てのー
「悪を・・・」
「チイ!」
その言葉は言った本人さえ驚いた、何故なら彼は『善』を願った筈なのに。
ドオン!ドオン!
湖から巨人が現れたのと同時刻、ルーマニアの聖杯から泥が溢れた。
泥の進行は遅く、しかしけっして進んでいない訳ではない、なんとか離脱した佐々木は遠坂達と合流した。
「すまん、儂の責任だ。」
「・・・そうね、あなたと、まあ運命って奴の仕業ね、どうせ万能の釜なんてこんな結末よ。」
「・・・・聖杯の汚染、聖杯戦争の大きな湾曲、ルールの乱れが発生しました。調停者、起動します。」
遠坂とジャンヌの前で頭を下げる佐々木、しかし二人の反応は佐々木を責めるよりも次を見て行動を始めていた。
「・・・お腹空いた!」
「ペッコペッコです!」
そんな中容赦無く自身の欲望がダダ漏れになっている黒のアサシンと謎のヒロインX。
「緊張感うっすいでござるな。」
「「シロウならなんとかなりますって/おかあさんがいるもの。」」
あまりの緊張感のなさはやはりあの理不尽への信頼なのだろうか。
所と時が少し変わって月の陣営。そこには赤のライダー、セイバー、ランサー、そして獅子劫界離がいた。
「まさか・・・己が召喚されているとは。」
「ああ、驚きだな。」
そして出会うカルナとカルナ。
「カルナが!二人!」
「触れたら霧散とかしそうだな。」
そんなカルナ二人組を見て驚く赤セイバーと冷静なハクノン。
「どういう事だ?陣営は二つしかない筈なんだが?しかも同一の英霊だと!?」
「頭が痛え。」
頭を抱える赤のセイバーとマスター。
「怪物もいる、可憐な少女まで!此処は神話か何かかな?」
アルクェイドとサクラを見て、勇者としての血が騒ぎ過ぎた結果ただの変質者となっている赤のライダー。
「こ、怖いです!変態さんですか!」
「・・・」
「我が神を怪物などと!許せん!」
怯えるサクラと幾分か呆れを含んだ視線を送るアルクェイド、そして自身の崇める神を怪物だと言われ腹を立てつつも何処らへんで布教しようか位しか考えていないゴトー。
「はあ、此処はいつも凄いな。」
順調なカオスを外から見るホムンクルス『ジーク』。
彼らの一時のカオスな雰囲気は、出会って数分後の巨人と聖杯の汚染によって幕を閉じる。
さあ!聖杯戦争の幕開けだ!