はいはいにわかにわか。
第三話 光と闇が合わさり最強に見える
― ○ニクロとし○むらの布陣は最強無敵、異論は認める ―
前回、妹様がメギドで王様とスティーブンを吹き飛ばした。
が、俺の適切な処置によって少なくとも王様は命を取り留めた。
スティーブン? 彼ならアレックスと寝てるんじゃないかな(適当)。
ボフッ やわらかいものに何かが落ちる音がする。
「ふぃー…昨日は一晩中冷たい床だったからなぁ
この椅子のフカフカな事、フカフカァ…」
王様を助けた俺は現在、王様のいない玉座で久しぶりの感覚を楽しんでいた。
「ふん、私に世界を救って欲しいのであれば
兄君を投獄するなど言語道断だ」
「世界を救う…、滅ぼすの間違いでは?」
再度、妹様がメギドを放った場所を見る。
崩れそうで崩れない、『まだギリギリ生きてる』ってレベルの状態だ。
「兄君よ…破壊と創造は紙一重なのだよ」
「お前の力で何が創造できるんだよ」
「核エネルギー?」「人間の手には負えんね」
「で、妹様よ、今度は何の魔法少女から地球を守るんだ?」
「今回は魔法少女ではない、それに守るのは地球じゃなく『世界』だ」
予想外な話の大きさについていけないんですが。
「魔法少女じゃない? じゃあ何から世界を守るんだよ」
「兄君の思考回路では、何かの魔法少女=世界の敵なのか?
あれは前回が異例すぎただけだ
今回の敵は『全てを無に還す神の使い』とその配下だ
何でも闇の魔法少女たちは奴らに洗脳されていたらしい」
「FFのラスボスによくある、はた迷惑な肩書きだな。
具体的にはⅢからⅨくらいまでの」
「それもそうだな、『全てを無に還す神の使い』などと仰々しい。
では親しみを込めて、これからは奴らのことを『悪の秘密教団』と呼ぼう」
果たして『悪の秘密教団』は親しみを込めた名称なのだろうか?
意味的には大体合ってるからまぁ良いか。
「で、その悪の秘密教団、そいつ等を倒したら
俺たちは元の世界に帰れるのか?」
「どんな魔法にだって逆効果魔法と言うものがある
いや、まぁ万能属性には無いが…、そもそも使えるのは私くらいだしな。
ともかくだ、召喚魔法があるのなら派遣魔法だってある。
そしてそういった者は大抵、魔法を使った奴が使える」
「成程、つまり帰るには王様をボコって脅せばいいんだな?」
「私のメギドが火を噴くな。
でもまぁ悪の秘密教団を倒さん事には結局世界は滅ぶのだ。
ここは世界を守るのではなく我らを守るために戦おう」
「戦おうと言ったって。
世間には、運動の出来るかっこいい兄ちゃんで通してるんだ。
基本的に一般人の俺に戦闘能力を求められても困る」
「自分でかっこいいとか言うな、まぁかっこいいとは思うが。
兄君は私の盾になってくれれば良い、攻撃は私に任せろ」
「盾か、俺は打撃攻撃や魔法攻撃なんて防げないぞ?
防げる、と言うか無効化出来るのは斬撃と貫通攻撃だけだ」
「問題ない、終盤の敵の攻撃方法なんて大抵が斬撃か貫通攻撃だ
終盤までは私一人でも十分なくらいだしな。
仮に敵が拳法家だとしても、鍛え上げた拳は切れ味を宿すと言う。
それに魔法攻撃には私の万能属性より速くて殲滅力のある魔法なんてない」
「風とか雷は速いイメージがあるんだけど?」
「あれらは魔法自体は速いが詠唱が百文字とかクソ長い
私なんて三文字~六文字だぞ?
破壊に関してはどの属性よりも優秀、ゆえに『万能』属性なのだ」
「ひどいチートを見た」「殆ど絶対防御の兄君が言うな」
「やれやれ、我らが勇者様は思った以上にハチャメチャなようだ」
さっきまで空気と化していたアレックスが俺たちに言う。
失敬な、俺ほど理性的な好青年は居ないぞ。
「貴様、核の炎に溶かされたいのか?」
「ちょっストップストップ! 謝るよ。
まだ若いみそらで溶死(とかし)とかマジ勘弁してよ」
「ふむ…で、何故まだいるのだ?
私たちが話している間に逃げるなり増援を呼べばよかろう」
「さっきも言ったけど君は世界を救う勇者なんだ
それの邪魔だてをする奴は少なくともこの城には居ないよ
俺は君たちに必要であろうものを持ってきたんだ」
アレックスがそう言っていつの間にやら持ってきていた
赤ん坊の死体なら無理をすれば三つくらいは入りそうな
大きな荷物袋を見せた。
「中に何が入って居るのだ?」
「取るに足らないものさ」
「金額にしたらいくら位になるんだ?」
「別に貴重品だから持って来た訳じゃないさ」
「このネタわかる奴何人くらいいるんだ?」
「今の高校生なら何人か居そうだね。
それは置いといて、いざ御開帳」
「いざぁ…」「ホモネタから離れようよ」
アレックスが荷物袋の口を開けて中身を取り出した
取り出したものは
・この国周辺の地図(魔法で現在地を教えてくれるRPG風の奴)
・携帯食料と小さな鍋や包丁などの料理器具
・何やら重いものがギッシリ詰まっているらしい木箱
・筆記用具と旅のしおり
・三日分位の下着の替え
以上が入っていた
「後半の二つはまるで修学旅行の用意だな」
「筆記用具と旅のしおりはあっても困らないけど
意外と使い道はあるんだよ?
それにずっと着の身着のままって訳にもいかないだろう?
あぁ、下着はちゃんと新品だから安心してくれ」
「当たり前だバカ者め
所で、この重い木箱に入っているのがこの国の通貨なのか?」
「違うよ、この国の通貨はこれさ」
アレックスはポケットから財布を取り出すと
真ん中にEsと刻まれた銅製のコインを一枚取り出した
パッと見、かなり軽そうだ
「これがウチの王国の通貨
1エッセンス銅貨だよ
他にもエッセンス銀貨と金貨、新金貨があって
銀貨の価値が100エッセンス銅貨
金貨の価値が100エッセンス銀貨
新金貨の価値が50エッセンス銀貨
大体一日の生活費が50エッセンス銅貨って所で
僕の装備の総額が大体1Es金貨10Es新金貨って所かな
言っておくけど、Es金貨何て滅多に人目に出さないようにね?」
「成程、じゃあこのクソ重い木箱は何だ?」
「Es通貨はこの国と友好関係の国との間でしか正規ルートで換金できないからね。
君たちの星と同じく、この星でも『金』は一定の価値があるのさ。
この国で換算すると50000Es金貨くらいだよ。」
「クソ重いとか言ってすいませんでした」
「と言っても俺が勝手に宝物庫からパチってきただけなんだけど」
「おまわりさんこいつです」
「なぁに、この国は他と比べて比較的裕福だからね。
たかだか約兵士333人分の装備費用なんてあってないようなものさ」
「ふん、私と兄君の冒険が滞ればそれだけ世界が破滅する確率が上がるのだ。
戻らない世界といずれは戻る軍資金なぞ天秤にかけるまでもなかろう」
妹様がドヤ顔で言う。そうは言ったってお前
25年分の生活費ってやばいぞ? うまい某で言ったらどれくらいなんだ?
「ま、そういう事さ。
あと新金貨には気をつけなよ?
ちゃんと1Esの前にNが入ってるけど
こんなの幾らでもごまかしが効いちゃうからね」
「新金貨と金貨でどう価値が違うんだ?」
「金貨は紛れもなく純金製だよ
だけど人口が多くなるに至って金の数が足りなくなってね
其処で金メッキを貼り付けた通貨、新金貨を新たに発行した訳さ
純金と金メッキのどっちが価値が高いか分かるだろう?」
「なるほど、俺らの世界ではそれが更に発展して紙幣になっていたな」
「まだ俺たちの世界にあそこまでの印刷技術はないからね
通貨を加工するのが精一杯さ」
「歴史やら通貨の話はもう良い、眠くなってきた。
つまり私たちはそれを使って旅をすれば良いのだろう?」
「ウチの妹様が脳筋ですみませんねぇ」
「はっはっは、パワーキャラの扱いならスティーブンで慣れてるさ」
「おい」
「ごめんごめん、荷物はまだあるよ。重くて持ってこれなかったんだ。
君たち、流石にその装備で山あり谷ありオチなしの冒険は出来ないだろう?」
「オチはあるよ、多分」
「戦闘面では問題ない。が、まぁ確かに
悪の秘密教団を倒す冒険に出向ける服装ではないな」
俺の服装 妹様の服装
光の洋服(○ニクロ) 闇のドレス(し○むら)
トランクス ドロワ
石油製品のベルト シルバーチェーン
スニーカー ハイヒール
「装備なら少し歩いた修練場にあるから、其処で調整するよ」
「何から何まで助かる」
「ふん、早く連れていけ」
「分かりました、あ
王様ー、そういう訳ですから失礼しますね」
「……………」 チーン
「じゃ、行こうか」
「無言だったが、お前それで良いのかよ?」
「良いんだよ、気絶してるか確認とっただけだし」
このガチムチ、意外と計算高いな。
こうして、アレックスの協力により装備と道具を手に入れた俺と妹様は
悪の秘密教団を倒し、自分たちの命を守る冒険に出た。
次回、『初めての野宿』
この物語の敵は悪の秘密教団です。
何気に最初っから目的分かってるラスボスって珍しくないですか?
ないですかそうですか。
それにしても前話と比べて文章量の差が露骨ですね。