許されませんか? こんな駄文を書いた作者を許してください。
第四話 初めての野宿
― ご馳走は計画的に ―
旅を初めて約半日、今のところ順調で
予定では後3日もすれば『ピピン』って所に着くはず。
俺たちは今、日が落ちてきたので此処でキャンプをする事にした。
「…メギド!!」
妹様の手のひらから核熱が放出される
前方にいた角の生えたウサギたちは哀れ、灰すら残らなかった。
「ってあほう」コツン 「いたっ!?」
俺は手に持っていたお玉で妹様の頭を叩いた。
「任せろって言うから任せてみたけど…
魔法を使って狩るのは良いんだ。
晩御飯を滅殺してどうするんだよ、これで何匹目だ?」
妹様の周りを見ると、其処には小動物たちの影だけが残っていた
「うー、うー…」
「そのうーうー言うのを止めな…いや、珍しいから止めなくていいや。
とにかく、狩りは俺がするから妹様は火の番でもしててくれ」
「わ、分かった…任せたぞ」
妹様は俺が来た方へトボトボと歩いて行った。
相変わらず喜怒哀楽の激しい、可愛いやつめ。
「さて…と、妹様は肉料理が好きだし
ここはやっぱ旅の景気づけにでっかく行きますか」
袋から六本の鉄ぐしを取り出し、両手の指で挟む
その直後、鉄ぐしは一瞬強く光った後、炎の様に煌きだす。
「狙いは…あのクマだ」
俺は前方約50m位の茂みに隠れている大きなクマに狙いを定め
「六連射だ、バーベ…キュー」 鉄ぐしを一斉に投げる
六本の鉄ぐしは、まるで重さがないように
且つ、空気の抵抗を一切受けないまま真っ直ぐ進み、クマを貫いた。
「ァッッ…!?」
クマは自分の腹部に六つの風穴が空いたことに気づき
叫び声を上げようとした、が 「おかわりをどうぞ」
不意に飛んできたもう一本の鉄ぐしが命中。
今度は頭を吹き飛ばされ、結局クマは叫ぶことなく絶命した。
クマが絶命したのを遠見で確認した俺は、クマの亡骸のある茂みに近づいた
「やっぱり俺の体質は強化されてないみたいだな」
俺はクマの後ろにある7本の木に目をやる
木にはそれぞれ一つづつ大きな風穴が空いていた。
更に穴の先を見ると、鉄ぐしは更に次の木へと刺さり
平均6本目の所で回転して木を削りながら止まっていた。
俺が回転し続ける鉄ぐしを掴むと、回転はピタリと止み
元の普通の鉄ぐしへと戻る。
「よし、…あれ、俺クマなんて捌いたことないぞ。」
俺は自分の前に倒れる、2mはあろう真っ赤な体毛のクマを見て冷や汗をかいた。
鹿とかと同じ調理法で良いんだろうか? と言うかクマって美味いのか?
体質で強化した包丁で捌いた後、火で良く焼いてから頂いた。
少し筋っぽかったが、意外と美味しかった。
「ハフハフ…ムググ…ムゥ」
妹様が焼肉を手に持ちながら、既に食べ終わった俺を見る。
そんなに見つめるな、照れるじゃないか。
「どうしたんだ妹様よ、熊肉は口に合わなかったか?」
「そうではない…ハムッ ムググ…!
兄君、この肉少し大きすぎやしないか?」
妹様が手にしているのは所謂マンガ肉と呼ばれる形状の肉。
俺なら普通に食いちぎれるが、都会っ子の妹様には厳しかったか。
「それは配慮が足りてなかった。
少し待ってくれ、食べやすいように切り分ける」
「私はお腹がすくと機嫌が悪くなる、早くしたほうが良いぞ?」
「はいはい」
俺が肉を切り分けていると、俺たちがいる道に大きな馬車が止まり
馬車から一人の同年代くらいであろう青年が出てきた。
違和感を覚えるとすれば、耳がトンガっているくらいだろうか。
「スミマセン、少し訪ねてもいいですか?」
「構いませんよ」
「それはどうも、デハ…
ピピンへは此方の道を行けば良いでしょうカ?」
「はぁ、地図を見る限りはこの道を真っ直ぐ
そしてその先にある『トレの森』って所を抜ければ着きますよ」
青年は『トレの森』という言葉を聞いて、『oh…』と呟いた。
彼の種族間では英語で会話してるのだろうか? 何かカタコトだし。
「ドリアン! さっさとしねぇか! 旅のお方はなんて言ったんだ?」
不意に馬車の中から大声が聞こえる、コイツ『ドリアン』って言うのか。
某格闘漫画の米国出身最凶死刑囚みたいな名前だな。
「は、ハイ! やはりトレの森を抜けるしかなさそうでス!」
ざわ… ざわ… 馬車の中でざわめきが聞こえる。
少し聞き耳を立てると「もう駄目だ…おしまいだぁ…」とか聞こえた。
暫くすると再度馬車の扉が開き、今度は大男が出てくる
「旅のお方…その話は本当ですかい?」
「疑われても困る、生憎この土地(というか星)にはあまり詳しくない。
だが、少なくとも地歴公民の成績が5段階で4の俺が地図を見る限り
トレの森を抜ける意外の方法でピピンには付けなさそうだって話だ」
「そうですかい…うーむ、困ったな…」
「さぁ妹様、この大きさなら食べられるだろ?」
俺は喋りながらも小さく切り分けていた焼肉を妹様に渡す
「うむ、誠に大儀であるぞ兄君よ」
「あの、責めて話くらいは聞いてくれませんかね?」
「ウチの妹様はお腹がすくと機嫌が悪くなっちゃうんで。
お詫びといっちゃ何ですが、晩御飯がまだならコレを食べませんか?」
俺はまだ捌いていないクマの肉を見せる
「お、良いんですかい?
いい匂いがしてたもんだから腹が減ってたんですよ」
「俺たちだけじゃ食べられそうになかったんで
寧ろ好都合ですよ。 妹様よ、まだ食べるか?」
「ふむ…もう腹も膨れた。
残りはコヤツらにくれてやってもよかろう」
「相変わらずコンパクトなお腹だこって。
そんな訳で妹様の許可も出たことですし
残りは皆で好きにして下さい」
二人を除き、馬車から出てきたのは三人。
長身の女性、背の低い男、そして小太りな中年だった。
「旅のお方、この毛皮を売ってはくれませんかな?」
小太りな中年が俺に話しかけてきた。
手にはさっき食べたクマの毛皮を持っている。
確かに毛皮は高価なものだろうけど、食事中に話すほどのものなのだろうか?
「幾らで買いますか?」
俺にこの世界のモノの価値なぞ殆ど分からん。
だけど価値のあるものならそこそこの金額を言うだろう。
そんな訳で俺は中年にカマをかけて見ることにした。
「そうですな、これ程綺麗な状態の毛皮…素材としては十分
それに何と言ってもレッドウールのものですしな
ここは一つ50新金貨Esでどうでしょうか?」
「ふーむ…もう一声」
「うむむ…では60新金貨Es」
「60か…まだまだ」
5分後
「で…では74新金貨30銀貨20銅貨Es!!」
「よし、売った」
なんか知らないクマの毛皮が割と高値で売れた
多分加工すればいい装備品とかになるんだろうな。
「ふぅ…旅のお方、中々いい勝負でしたな」
「ええ、そうそう、俺の名前は『キカサ』です」
「おお、これは失礼をば
私はトータ、武器商人をしているものです」
武器商人…という事はトータは護衛対象。
とすれば残りの武装した四人は護衛か…?
「所でトータさん、ピピンまで一体何をしに?」
「ピピンはあくまで中間地点、私の目的地はゲント王都ですよ。」
「ほうほう」
「知っての通り近々エクシリア杯が開催されますからね
我々武器商人たちはこぞって集まりますよ。何てったって
集まるのは屈強な戦士たち、商人の中には一度の大会で500金貨
稼いだ者も居るそうです」
ゲント王都で開かれるエクシリア杯
どういうものかは未だ良く分からんが戦士が絡んでくる大会なのか。
「ですが困ったことになりましてねぇ」
「ほう…やはりトレの森ですか」
「えぇ、にっくきは『ドリアード』!!
あいつが近頃トレの森奥深くに現れたせいで森を抜けられないのです!!」
ドリアード…確か妹様の話だとギリシャ神話に出てくる木の精霊だっけ?
そんなに危険な奴じゃないって聞いたけど…この星じゃ違うのか?
いざとなりゃ妹様のメギドラ当たりで森ごと焼き払えばいいと思うけど
できればそれは最終手段にしたい。 …ここは少し利用させて貰うか。
「……其処でキカサさん、貴方たちを
レッドウールを倒すほどの実力者と見込んで頼みがあるのです」
「良いですよ、困った人を助けるのも旅の醍醐味です」
「…え? あの、まだ何も頼んでませんよ?」
「森を抜けるまでの護衛の追加じゃないんですか?」
「……よ、宜しくお願いします」
トータさんは引きつった笑みを俺に返した
ひょっとしなくても俺の魂胆がバレてるとか…?
それは好都合。まぁ精々、お互い利用し、利用されるとしようか。
俺たちの初野宿、その日の空は星たちで素晴らしく輝いていた
次回 『さくせん:おぶつはしょうどく』
サカキ君(作者の投影)はネーミングセンス皆無です。
どのくらい皆無かって言うと
『混沌滅す核熱の剣』(メギドアーク)とかやっちゃうくらい。
作者が今一番気に入ってるキャラクターはドリアン君
逆に一番嫌いなキャラクターはサカキ君です
その描写しづらいことR18の如しって言うね。
ネタバレ、次回は短い。