「zzzzzzz……」
ジリリリリリと音がする。
「!」
バチン! と、ベッドから伸びた手が時計を止める。
そして直後モゾモゾとベッドに潜り込み――
「zzzzzz……」
ドタドタドタと音がする。
「!」
ベッドから手が伸びる。
しかし時計じゃない。なんだこれは? 顔を出す少年。
すると自室の扉が勢い良く開いた。
「おはよーッ!!」
晴天の空の下を二人の男女が走っている。
「んもー! 今日はみんなで遊びに行くって言ってたでしょ!」
「ごめんごめん。ちょっと、夜更かししちゃって」
「ヨッシーくんとゲームしてたんでしょ! コトリちゃんが言ってたよ!」
「申し訳ない!」
「ウミちゃんからメールだ! ヒイロくんと一緒に山岸さんのお家で待ってるって!」
「コッチもキリヤくんからメール来た。リンちゃん達と合流して、山岸さんの家についたって」
「やばいよぉ、早くしないと遅刻だよぉ?」
「大丈夫だよ大丈夫。ほら、タイガからメール来た」
タイトル:祖母ちゃんが!!
本文:祖母ちゃんがヤバい! とにかくヤバイ! どれくらいヤバイかって言うとマジでヤバイ!
さすがにヤバイからオレちょっと遅れるわ! ごめんな! でも祖母ちゃんヤバイからゴメンな!
「おばあちゃんがヤバイから遅れるって」
「また!? タイガくんのお祖母ちゃんってサイボーグか何かなのかな?」
『ウソね』『ウソつき』『嘘やろ』
「わ! ねえ見て見てエムくん。ニコちゃん達の返信シンクロしてる!」
「あはは! 本当だ!」
そこで衝撃。尻餅をつくエム。
どうやら余所見をしていたせいで、人とぶつかってしまったようだ。
おまけに踏みとどまるエムとは違い、青年は思い切りころんでいた。
「あッ! ご、ごめんなさい!」
「ううんッ! コッチこそゴメンね」
白衣を着た男の人は、エムに手を差し伸べた。
「それより、良い笑顔だったね」
「え? あ、あはは……」
なんだか恥ずかしい。エムは赤面しながら青年の手をとって立ち上がった。
もう一度謝って、再び走り出すエムたち。青年はニッコリと笑って手を振った。
「その笑顔が、健康の証だよ」
「え?」
振り返るエム。
そこには誰もいなかった。
そこに、宝生永夢はいなかった。
「……っ?」
そういえば、さっきの人、どこかで見たような……?
思い出せない。それに一瞬だけオーロラを見たような気もするが――?
(まだ寝ぼけてるのかもなぁ)
そう考えていると、手が差し出された。
「どうしたの? いこッ! エムくん!」
太陽のような笑顔を浮かべている幼馴染を見て、エムは釣られたように笑顔を浮かべた。
「うん!」
石神エムは、
【THANK YOU FOR PLAYING!!】