独自設定があります。
そして、暫くシリアスな話が続きますのでご了承下さい。
どうも、サザンドラのトウカよ。
私達は現在イワヤマトンネルの中にいるわ
このトンネルはオツキミ山と違い、人口の光が一切なく、萌えもんの秘伝技である”フラッシュ”が無いと一寸先すら見えない、天然の洞窟になってるの
なのでイワヤマトンネルに入る前に、オーキド博士から秘伝マシンを送ってもらい、それをオウカちゃんが使っているので洞窟全体が明るくなっているの
詳しいことは分からないけど、萌えもんがフラッシュを使うことで、起きた光が洞窟内の特殊な鉱石と乱反射を起こして、それで洞窟全体にまで光が行き渡るみたいね。まぁそんなことはどうでもいいのだけど…
さて、なぜ私がボールから出てきてるのかっていうと、洞窟内をしばらく進んでいたら、急にイセリア君の様子がおかしくなったの
最初は何かを見つけて驚いた顔をしていたわ。そして何事も無かったかのように進んでたんだけど、今度は急に辺りをキョロキョロし始めて顔をしかめたのを私は見たわ(他のみんなは気付いて無かったみたいね)
そこから先は、この入り組んだ迷路の様な洞窟を、何の迷いも無く進んで行ったの…まるで、何かに導かれてるみたいにね…
心配になった私が急遽、外に出てイセリア君に声をかけたんだけど…「大丈夫、何でもないから」の一点張り…
流石にオウカちゃんだけだと危ないから、私が一緒に着いて行くことにしたの(幸い私の見た目は人間とそんなに変わらないから、一緒に歩く分には特に問題ないしね)
道中で何人かのトレーナーさん達がバトルの申し込みをしてきたけど、トレーナーの体調が悪いからと断ったわ…(もっとも、イセリア君は声をかけられた事にすら、気が付いてなかったみたいだけど)
私とイセリア君が出会って2年くらいになるけど、こんな状態のイセリア君は初めて見るわ。一番付き合いの長いカリンちゃんに聞いてみたけど私と同じく初めて見たらしいし…
私、サザンドラは、ドラゴン・悪という稀な組み合わせの種族だ。そして悪タイプを持つ萌えもんには、決まってこういった特性がある…何かの危険、災厄を知らせるシックスセンスのようなものが…虫の知らせとは違う別の何かが…
オウカ「トウカさん…」
私の大切な妹…オウカちゃんが、心配そうな顔でこちらを見上げてくる
トウカ「オウカちゃん…。イセリア君も長旅で、少しだけ疲れてるだけなんでしょう。だからオウカちゃんは心配しなくて大丈夫よ」
そう言いながらオウカちゃんの頭を撫でてあげる…いえ、違うわね。本当は自分自身にも、そう言い聞かせたいだけなのかしらね…
トウカ「私達ができることは、イセリア君を守りながら無事にこの洞窟を抜けること…そうでしょう?」
オウカ「はい…そうですね。マスターの事は私達が必ず守ります!」
相変わらずマスター思いの健気ないい娘ね…でも、何かしら…この言いようのない違和感は…こんな時にサヤナが居てくれたら、と心から思う…サヤナなら心を感じ取ることができるし、イセリア君のフォローにも回れるのに…
今サヤナは私の代わりに電子空間上に居る。元々サヤナは体力もそこまで無いし、今回の探索はキツいだろうからとイセリア君と話して決めたことだ。なので次の町、シオンタウンに着くまではサヤナに頼ることも出来ない…我ながらこんな時、自分の力の無さを痛感してしまうわ。いえ、違うわね…”有り過ぎる力”を制御できないことに無力さを感じると言ったところかしらね…
ドラゴンは、文字通り伝説上の生物とされ、古代より、場所によっては神として崇められ、そしてその反面…畏れられもした…
その伝説はあながち間違いでも無い…実際に他のドラゴンには文字通り神として今も崇められた者や天災を引き起こす者達もいるぐらいだしね
その力は私の種族も例外ではない、私の種族サザンドラは凶暴もしくは狂暴萌えもんとも言われ、その血脈の力を一度解放すると、背中の6枚の翼(今は隠してるけど)で天空を飛び、動くもの全てを敵もしくは獲物と判断して襲いかかり、全てを喰らい尽くし、破壊してしまう、まさに悪タイプを象徴するような萌えもん、その狂ったような凶悪さ、暴力を通り越した破壊的な力を、極限かつ究極なまでに体現した存在と言える
だから普段はその力を解放しないようにボックス内で、保護した他の萌えもん達の面倒を見てあげたりしていた
ついでに言えば、私の種族自体がこちらの地方に居ないみたいなので、戦闘に出て行くと非常に面倒なことになりかねないから、という理由もあるからかしら
…話を戻すわね。もしイセリア君が許可してくれるなら、こんな洞窟なんて簡単に消し飛ばしてしまえる。目の前に立ち塞がる敵を全て薙ぎ倒してしまえる。でも彼はそれを望まない…彼が私に望むのは同じ景色を見て同じ時間を過ごす、優しい家族としての在り方だけ…
私の望みは彼の幸せ…その為なら例えイセリア君に止められても、私はこの力を解放するわ…
だからイセリア君…早くいつものキミに戻って。そして早く皆を安心させてあげて?
でも、そんな私の願いは叶わなかった…
洞窟を抜けた先の町シオンタウンで、私達は大きな事件に巻き込まれることになる…そう、それこそ、この地域一帯を巻き込んだ、大きな…悲しい事件に…
…-To Be Continued-