独自設定がありますのでご了承下さい。
そして今回、残酷な描写がありますのでご注意ください。
町に入って最初に私が感じたもの…そう、それは…溢れかえるくらいの濃密な死の臭い…
いったい何なのこの町は…
それが私…カリンの感じたこの町の印象…
イセリアは時折、苦痛とも取れるような顔をしながら一直線に大きな塔…まるで墓標のような場所へと向かっていく
嫌な予感がする…今はオウカにはボールに戻ってもらい代わりに私とトウカさんの2人がイセリアの後を着いて行っている
隣にいるいつも飄々としたトウカですらその表情を強張らせている…ねぇイセリア?その塔に何があるの?何が貴方をそこに向かわせるの?
塔に入った私達が見たもの…それは多くのトレーナーと…萌えもんの墓標…そうか、ここはお墓なんだ…
でも、その人たちには目もくれずに、イセリアは階段を上っていく…ゆっくりと…
慌ててイセリアに着いて行くとその先には…ロキちゃん?!でもなんでこんな場所に…そして何でそんなにボロボロになってるの?!
――――――――Side イセリア―――――――――
最初は何かの見間違えかと思った…
イワヤマトンネルと進んで行くと、先の方に1人の萌えもんが見える…それはロキちゃんの手持ちの萌えもん…ラッタのランちゃんだった
ランちゃんは直ぐに奥の方へと進んで行く…まるで私を導くようにして…
そしてしばらく進むと声が聞こえた…野生の萌えもんかとも思ったけどそれも違う…これは…
ランちゃんに導かれながら進むにつれ、声も大きくなっていく…道中、どんな道を通ったかなんて覚えていない…途中トウカさんが声
をかけてくれたのは覚えているけど、心配させたくなかったので大丈夫、と言ったのは覚えている
導かれるまま洞窟を抜けるとそこには町があった…そして声もより一層大きな声になる…それこそ酷い頭痛がするくらいの…
ランちゃんは大きな塔に入っていった…私もそれに着いて行く…そして階段の先に居たのは…
イセリア「ロキ…ちゃん…?」
何でこんなところにいるの?何でそんなにボロボロなの?聞きたいことは山ほどあった…でも…それ以上に…
イセリア「なんで…そのお墓に”ランちゃん”の名前が刻まれているの…?」
ロキ「イセ…リアさん…」
いつもの元気はどこにもなく、ただ分かるのは光を失ったその瞳…
ロキ「イセリアさん…私と…戦ってください…全力で…手加減なしで…お願いします…」
渇いた声でそう言ってくるロキちゃん…でも…「分かったわ」?トウカさん…?
トウカ「私が相手になるから…全員で纏めて来なさい…」
何を言ってるの?トウカさんが戦ったら…「イセリア」…カリン?
カリン「今はトウカさんに任せてあげて、お願い…」
イセリア「分かった…トウカさん。お願いします…」
トウカ「さぁ…おいで…そして奏でましょう…眠れる者への鎮魂歌を…」
ロキ「…っ?!みんな行って!」
それは萌えもんバトルとは言えないモノだった…ロキちゃんが、手持ちの萌えもん全てを出し一斉にトウカさんに向かっていくが、ト
ウカさんは衝撃波の一撃で全員を戦闘不能にした…
トウカ「ロキちゃん…これが貴女の望んだ…いえ…ランちゃんが望んだことなの?違うでしょう?ここは場所が悪すぎる…一度外に出ましょう」
そう言って、呆然とした様子のロキちゃんを連れて行くトウカさん…そして私もそれに続く…墓標から悲しげな顔でこちらを見てくる
ランちゃんを後にして…
―――――――――――――――――――――――
萌えもんセンターで萌えもん達を回復させた私達はロキちゃんの導きで近くにあるボランティア施設に向かった
そこでまた一つの悲劇を知ることになる…
イセリア「ロキちゃん…何があったの?」
重苦しい雰囲気の中、ロキちゃんはゆっくりと語り始めた…
ロキ「…サントアンヌ号でイセリアさんと別れた私達は、イワヤマトンネルを抜けてこの町に来ました…。そして、このボランティア
ハウスの管理者のフジお爺さんが塔に上ったっきり帰って来ないってこの子達から言われ、塔の上に行ったんです…でも」
空気が一層重くなった
ロキ「そこに居たのは…亡霊でした…文字通り手も足も出ない…多分フジお爺さんもその先にいると思って必死に戦ったんですけど何にもできませんでした…それで塔の祈祷師さんに聞いたらシルフスコープっていう特殊なアイテムがあれば対処ができるって…」
シルフスコープ…
ロキ「私は必死に情報を集めて、何とかその在り処を掴んだんですけど…それは…ロケット団のアジトだったんです…」
ロケット団…だと…?
ロキ「私はそこに忍び込んで、何とかスコープを探そうと思ったんですが…団員に見つかってしまったんです…そこからは地獄でした
…トレーナーを直接狙ってくる攻撃や何の意志も持たない萌えもんとの連戦…私達も傷つき…そして逃げ回っていたんです…そしたら…ランちゃんが…」
涙ぐみながらロキちゃんは続きを語る…
ロキ「ランちゃんが、私が囮になって時間を稼ぐから、その間に逃げろって…。私達は何とか逃げ延びて萌えもんセンターですぐに回
復してランちゃんを助けに戻りました…でも…そこにいたのは…っ!!」
イセリア「ロキちゃん…無理に話さなくても良いんだよ…」
ロキ「いえ…私の仲間…家族のことなんです…語らせて下さい…。…ロキちゃんは多くの傷を負って…そして動かなくなったところを
団員の慰み者にされ…そして…最期は…首を絞め…殺されたランちゃんが…えっぐ…」
私はロキちゃんをそっと抱き寄せ…
イセリア「ロキちゃん…今は泣いていいんだよ…いや、家族としてランちゃんの為に泣いてあげて…」
ロキ「……ぁぁぁ!うわぁぁぁん!!ランちゃん…ごめんね私のせいで………本当にごめんね…!!!」
泣き叫ぶロキちゃんの頭をゆっくり撫でてあげた…
そしてそんなロキちゃんに呼応するかの様に、カガリちゃんやカエデちゃん…セツナちゃんも泣き叫んでいた…
―――――――――――――――――――――――
しばらくしてロキちゃんが泣き止んで…
イセリア「ロキちゃん、ロケット団のアジトはどこにあるの…?」
もう許せない…
ロキ「タマムシシティにある…カジノの地下施設でした…まさかイセリアさん…?」
赦してやらない……
イセリア「あぁ…行ってくるよ…ランちゃんの仇を討ちに…この事件の首謀者に本当の地獄を見せに…」
ユルシテオクモノカ…!!!
ロキ「イセ…リア…さん…?」
―――――――――――Side ロキ――――――――――――
ロキ「イセ…リア…さん…?」
ロキは困惑していた…いつも優しい顔で私を見守りそして家族のようにしてくれる…あのイセリアさんが…とても冷酷な…そう…本当
にこの人はイセリアさんなのだろうか?と思うぐらいに…
周りの仲間達も同じ様な顔で見ていた…そうイセリアさんの家族でさえ…
イセリア「それから…今回は私とトウカさんだけで行く」
え…?
カリン「何言ってるの?!そんなことさせられるとっ…?!」
カリンさん達を、無理やりボールに戻した?!
イセリア「ごめんね…でも…これからすることは、皆には見て欲しくないんだ…だから…」
光の無い…いや…逆だ、怒りでその綺麗な紅い瞳の瞳孔が開ききってるんだ…私は初めてこの人に恐怖を覚えた…
―――――――――――Side Out――――――――――――
イセリア「時間が惜しい…ロキちゃんカエデちゃんに”そらをとぶ”でタマムシシティまで運んでもらってもいいかい?」
ロキ「は、はいっ!カエデ、お願いね!」
カエデ「分かったわ、ロキさん…行きましょうイセリアさん」
イセリア「カジノの真上まででいい…カエデちゃんは私を下ろしたらそのままこの施設に戻って。ロキちゃん「はいっ?!」ロキちゃ
んは私が戻るまでここの子供たちを守ってあげて欲しい、いいかい?「わ、分かりました…」よし、ならカエデちゃん頼むよ…」
そうしてカエデちゃんに掴まりタマムシシティに向かいました…
―――――――――――タマムシ上空――――――――――――
カエデ「そろそろ着きます…」
イセリア「分かった、ありがとうカエデちゃん」
カエデ「いえ…。あの娘…ランは…小さな頃から私とロキさんの3人で過ごし…いつか3人で色んな場所を回ろうって約束をしていま
した…でも…。私は悔しい…自分の無力さが…あの娘を…ロキさんを守れなかった自分が悔しい…でも今の私じゃ何もできません…で
すのでどうか…どうかランの仇を…お願いします…」
あんな腐った魂の連中のせいで…。流れ込んでくる…怒り、悲しみ、憎しみ…
イセリア「その言葉、胸に刻むよ…。さぁここがカジノの丁度上空かな?」
カエデ「?…そうですが?何を…っ?!」
イセリア「入り口からなんて生ぬるい…ここから直接殴り込む!」
もう止まらナイ……
上空からカエデが何か言っていたが関係ないここからは先は…地獄なんだから…
ヤツラの血で…償わせてヤル!!
イセリア「トウカさん…「分かってるよ…しっかり掴まってなよ!」ドラゴンダイブ!!!」
贖わせてヤル!オマエタチの……薄汚いその血デ!!!
直後、大気を震わせる爆発音が響く
―――――――――――ロケット団アジト――――――――――――
???「何が起きた!!」
団員「はっ!何者かが上空より突撃しそのままアジトに侵入してきたようです!」
???「この前の小娘の仲間か…?ふん、大胆な真似をしてくれるが所詮はそこまで…嬲り殺しにしてくれる…くっくっく…」
しかしそれは破滅への序章…彼がそれに気が付くまでにそう時間は掛からなかった…
…-To Be Continued-