一途な彼女と私の旅   作:桔梗楓

41 / 68
前回の続きです。今回も多少オリジナル要素が入ります。
また、独自設定がありますのでその点をご了承ください。


萌えもんSS40話ー囚われのジムリーダーを救出せよ

現在私達はヤマブキジムの裏手に回っています。というのも表には見張りの団員が立っており下手に動いて中の団員達を刺激するのも危ないからと考えたからです

 

そして、私とサヤ姉のシンクロでこの辺りを探知してみた所、中から助けを求める声が聞こえてきました。人が密集している場所も分かりましたし、誰かが囚われている事に間違いはありません。とはいえどうしますかね…

 

オウカ「マスター、ここは私の眠り粉で、入り口の団員を眠らせて突入しましょうか?」

 

それも考えたんですけどね…待てよ…バリアーが張られているのは町の周囲のみ…ならばここでなら空を飛ぶが使えるはず…

 

イセリア「いや、ここはいい手がって言っても二番煎じにはなるけど…タマムシのアジトに突入した時の作戦を使うよ」

 

タマムシで使った作戦…それは上空からのドラゴンダイブによる強襲。前の時と違い今回は威力を抑えてもらい極力ジム内に被害を出さないように心がけるけど…

 

イセリア「マリア、そらをとぶを使い上空に移動、その後範囲を小規模に絞ったドラゴンダイブにてジム中央に突入…やれるね?」

 

そう、今回はトウカさんは連れてきていない。前は壊滅を目的とした戦いだったけど今回はあくまでも捜索並びに救出が目的。そのため技の威力を制御できないトウカさんには不向きな任務なので外れてもらった

 

マリア「そういう事でしたら任せて下さいまし。繊細な技量でしたら私の十八番ですわ」

 

イセリア「頼りにしてるよ。あと、オウカ。入り口に居る団員にねむりごなとつるのムチを使い無力化をしておいて。じゃあ早速行動だ」

 

オウカ「はい!マスター!」

 

そして入り口に居た団員を無力化させたオウカをボールに戻し、私はマリアに掴まり上空へ移動していく

 

イセリア「あそこがジムの中央だ、マリア”ドラゴンダイブ”!」

 

マリア「行きますわよ!」

 

蒼いオーラを纏ったマリアが凄まじいスピードでジムに突っ込んで行く

 

そして轟音を上げ私達はジム内へと突入した

 

――――――――Side Out―――――――――

 

――――――――Side ナツメ―――――――――

 

私はヤマブキシティジムリーダーのナツメ…早朝未明に何か嫌な予感がしたからすぐさま起きて家の外に出たの

 

そこに居たのは多くの黒服…悪の組織ロケット団の連中、やられた!まさか警戒網をかいくぐってここまで入られるなんて!

 

私を始めとしてすぐさま駆けつけたジムトレーナーも対応に当たってくれたのだけど、流石にあまりの物量の差や直接トレーナーを狙ってくる攻撃の前に傷つき、撤退を余儀なくされたの…

 

すぐさま体制を立て直すべくジムに行ったのだけれど…そこも奴らに占拠された後だったわ…

 

傷ついた私達になすすべはなく…しかも連中は卑怯な事に町の子供を人質にまでしてきたの…そして私は捕まりジムに幽閉されてしまった…

 

そこから先は地獄だったわ…手持ちの萌えもんを奪われるだけでなく、動けないようにと手足を折られるトレーナーも居たり

 

女の子に至っては団員の慰み物にされかけたりもしたわ…そして、私も…両手足には超能力を封じる為の、特殊な磁場を発生させる装置がつけられ、動けないように四方向に固定され、口には自殺されないように轡をされ拘束された…

 

そんな私を嘲笑うかのように団員達の行動はエスカレートしていったわ…

 

目の前でトレーナーや萌えもんを傷つけたり…女の子達を弄ぶ様子を見せつけられたり…

 

そんな光景を何時間も見せられ、ついには私自身にも団員は手を出すようになってきたわ

 

最初はちょっとした挑発だったのが次第にエスカレートしていき、ムチやスタンガンでありとあらゆる場所を痛めつけられた…

 

そして、私自身にも何らかの薬が打たれ…意識が混濁する中、連中に服を乱暴に破かれ…裸にされ…もうダメだ…と思った瞬間

 

天井から凄まじい轟音と共に綺麗な黒髪の女性が入ってきたの…あなたは一体…?

 

――――――――Side Out―――――――――

 

ジムに入ってすぐ、目にしたのは傷つき倒れている多くのトレーナーや萌えもん達の姿…そして顔や体に多くの傷が付き裸にされ今、まさに凌辱されようとしているリーダーナツメさんの姿が…

 

あぁ…相変わらずこいつらが腐っていて安心した…これで手加減なしで戦える…

 

私は”しんそく”で群がっていたゴミ共を蹴散らし、両手足を四方へ拘束していた鎖を”せいなるつるぎ”で断ち切り解放してあげた。裸で倒れ込んできたナツメさんを受け止め羽織っていたコートを掛けてあげ…

 

イセリア「ナツメさん…大丈夫ですか?もう心配いりません…あとは任せて下さいね」

 

そう言ってナツメさんを壁際に連れて行き横にしてあげた…後は…

 

イセリア「さて、みんな…お願い」

 

突入した際にあらかじめジムの隅に投げたみんなのボールを解放した

 

ヤマブキジムには複数の部屋があり、それぞれがワープブロックで隔離された特殊な構造となっているが、幸いなことに今はその機能を停止し、人質となるトレーナーや萌えもんもこの一室に全員集められていた(サヤ姉と2人で内部の構造を読み取った結果この一室に人口が密集していることが分かったので)

 

そして解放したみんなの怒りは凄まじく、それを止める事はこの場の団員の誰にもできなかった

 

カリン「相変わらず虫唾が走るわねロケット団は…灼熱の中で苦しみなさい!”フレアドライブ”!」

 

マリア「あの時は何もできませんでしたが…私の怒りも限界ですわよ?…”げきりん”に触れた事…後悔なさい!」

 

ランカ「人や萌えもんを平気で傷つけられるお前らに、容赦なんてしない!”ハイドロポンプ”!」

 

マリー「うちを怒らせたこと…後悔しなはれ…雷神の裁き…”かみなり”!」

 

サヤナ「知ってる?妖精って時に残虐な生き物なのよ?…月の鼓動…味わいなさい?”ムーンフォース”」

 

オウカ「また…ガラガラさんみたいな悲しい魂を…貴方達は…絶対に許しません!その悪意もろとも断ち切りなさい”はなびらのまい”!」

 

イセリア「自分が傷つかないと人や萌えもんの苦しみが分からない…そんな連中には地獄を見せないとね…”ギガインパクト”!」

 

それぞれの攻撃により団員達全ては一瞬のうちに無力化された

 

そして全ての団員を拘束、隔離した後、トレーナーや萌えもん達の治療に回った

 

ひどい…萌えもん達の傷は回復の薬で何とかなるけど…トレーナーの傷は…そうだ、リスクは高いけどやるしかない

 

イセリア「みんな!傷ついたトレーナーさんをこっちに運んで!「イセリア?何を…」急いで!」

 

その声にみんなは私を中心にトレーナー達を運んで来てくれる…そして、私の後ろにはナツメさんもいる…これは賭けになるけど…

 

イセリア「…”いやしのねがい”…」

 

私を中心に光が波紋のように広がる…”いやしのねがい”は味方の萌えもんの体力、状態異常の全てを回復させる技…ただし…

 

イセリア「っ?!…かふっ…?!」

 

口の中に鉄の味が広がる…そうこの技は味方を回復する代償として自分の体力が殆ど無くなってしまう危険な技…ましてや、人の身でその負荷に耐えれるかなんて賭けにも等しい…

 

カリン「口から…血…?イセリア?!止めなさい!死にたいの?!」

 

イセリア「ここまで来たなら…くっ…どのみち止められないよ…大丈夫、もうすぐ…ゴホッ!?」

 

あと少しで…私の身体…お願い…持ち堪えて!

 

そして光が収まるとそこには、衣類は傷ついているものの体の打撲や傷、骨折などが一切なくなったトレーナー達が居た…後ろを振り返るとナツメさんも…ってあれ?何だか視線が定まらない…そんな私を受け止めてくれたのはナツメさんでした。良かった傷一つ残らず回復して…そこで私の意識は途絶えた…

 

――――――――Side ナツメ―――――――――

 

意識が朦朧とする中…私の前に現れた少女は目を疑うような速度で周りにいたロケット団員を蹴散らした

 

そして私を拘束していた鎖を綺麗な剣で斬り解放してくれた…神話の女神様みたい…何時間も同じ格好で立たされていた私は、力なく倒れそうになっけど、彼女はそんな私を黒いコートを掛けてくれながら、優しく受け止めてくれた…何て言うかとっても温かかった…

 

そして優しい笑みで「ナツメさん…大丈夫ですか?もう心配いりません…あとは任せて下さいね」と言って私をお姫様抱っこで部屋の隅まで運んでくれた…(後々考えると、とても恥ずかしかったのだけど)…彼女のことなら心配いらない、そう感じさせる笑顔で

 

それから先はまさに一方的だったわ。私の見た事も無いような萌えもんを繰り出し、圧倒的な力で敵を殲滅していくまさに一瞬の出来事だったわ。あの力、四天王クラス?いえ…下手したらもっと…

 

そして、敵の拘束と隔離が終わり、今度は私達トレーナーや萌えもんの治療を行い始めた

 

その手際は慣れているようで萌えもん達の傷はあっという間に無くなっていった

 

でもトレーナーは違う…萌えもんの傷薬じゃトレーナーを治すことはできない…こんな時…私にも何か…

 

そう思っていたら彼女は急に指示を出し始めた。何をする気なの?

 

私の目の前には彼女が、そしてその周囲には傷つき倒れたトレーナー達が…そして奇跡は起きた

 

彼女が何かを言うと彼女を中心に光が満ち溢れ、それが私を含めたトレーナー達を癒していく…すごい…こんな力があるんだ

 

でもしばらくしてから、彼女の様子がおかしくなった…ときおり聞こえる声と…これは…血の臭い?いったい何が?

 

そして光が晴れた先には傷の癒えたトレーナー達が居た、私も自分の身体を確認してみるけど、さっきまであった傷が一つもなくなっていたわ…これが奇跡の力なのかしら…そう思っていた、でも現実はそんなに甘くなかったわ…

 

女性の事を心配する萌えもんを余所に、トレーナーである女性は、私を安心させるためなのか、優しい笑顔を浮かべながら私の方を向いてくる…その口元を真っ赤に染めながら…

 

そして、次の瞬間、私の方に彼女が倒れ掛かってきた…そして、その時に彼女に何があったかをすぐさま、心を読ませてもらい理解した…何て無茶な事を…確かに賭けに失敗しても傷つくのは自分だけ…自己犠牲を厭わず、他人の為に持てる力を使う…何て強い意志の持ち主なんだろう…そして、そんな彼女の心の何て美しいこと…

 

絶対に彼女を失ってはいけない…そう思った私は

 

ナツメ「フーディン!急いで水と例の薬を!早く!」

 

何かを感じ取ったフーディンはすぐさま水と薬を持ってきてくれた

 

まずは、口の中の洗浄をしないと…ペットボトルから水を流し込み血を吐かせる…何て量の血なの…

 

一通り洗浄が終わったのを確認した私は、特製の薬品を使うことにした

 

この薬品は私の超能力で生成された特殊なもので、エスパーの私が使用することによって最大限の効力を発揮することができるのだけれど…

 

ううん…迷ってなんていられないわ。そうして私はその薬を自分の口に入れそのまま彼女に口移しで液体を飲ませた

 

そして、口づけした状態のまま彼女の体内の状態を確認すると…っ?!やっぱり、内臓や筋肉が傷だらけになってるわ?!

 

でも、私の力なら…念力を使い口から入れた薬をありとあらゆる場所へと浸透させていく…すると、みるみる内に回復していくことを確認できたわ。よかったぁ…本当に良かったよぉ…

 

――――――――Side Out―――――――――

 

何でしょう…とても優しい気持ちが私に流れ込んできます。何だか体が楽になっていく…それに何だか唇が凄く温かい…何だろうと思い目を開けてみると涙を流しながら私に口づけ(口移し)をしているナツメさんの顔が…そしてナツメさんの目と私の目が合うと…

 

ナツメ「あなた、目が覚めたのね…良かった、本当に良かったよぉ…ぐすっ…」

 

まるで子供のように泣きじゃくるナツメさん…あぁ泣かないで下さい…

 

イセリア「温かい心を感じました…ナツメさん、あなただったんですね…ありがとうございました…」

 

ナツメ「ぐすん…それは、こっちの台詞です!あのままでは私達全員ロケット団の連中に殺されていたかもしれません…それをあなたは助けてくれた…そして傷ついた私達を癒してくれた…自分を犠牲にしてまで…感謝してもしきれないのは、こちらの方よ…それで、もう大丈夫なの?」

 

イセリア「はい、おかげさまで何とか、少し休めばすぐに動けるようになると思いますので」

 

ナツメ「動くってあなた、ひょっとしてロケット団と戦うつもりなの?!無茶よ?!」

 

イセリア「その事なんですが、ナツメさん。現在カントーの各ジムリーダーやジムトレーナーの方々が必死になってこのヤマブキシティを一刻でも早く解放しようと戦っています。私の目的はナツメさんの捜索と救出でしたので一旦、ナツメさんを連れタマムシシティに戻ります、タマムシジムが現在作戦本部となっていますので、ナツメさんはそちらで、ここで起きた事をマチスさんに伝えて下さいお願いします」

 

ナツメ「分かったわ。あなたのような女性まで駆り出されているぐらいですもの、私も後方支援位はさせてもらうわ!」

 

イセリア「あの…こんな時にあれなんですけど…私は男ですよ?」

 

ナツメ「ふえ?」(その瞬間ナツメは一連の事を思い返した)

 

――――――――Side ナツメ―――――――――

 

お、男だったの?どう見ても女性…あ、でも確かに胸は無かったし…

 

そしてフラッシュバックしていくナツメの記憶…

 

颯爽と登場し私の周りにいた団員達を瞬殺した彼の姿…

 

そして優しい笑みで「ナツメさん…大丈夫ですか?もう心配いりません…あとは任せて下さいね」と言って私をお姫様抱っこで部屋の隅まで運んでくれた彼の姿…

 

自己犠牲を厭わず、他人の為に持てる力を使う彼の姿…

 

そして薬を飲ませる為に何度も何度も口移しをした私…

 

移した薬を念力で操作する為とはいえずっと口づけしたままの私…

 

そして何より…裸を見られたことと、それを目下、晒していること………(正確には裸にコートを羽織った状態なのだけど)

 

ナツメ「うにゃぁぁぁあああ?!?!?!//////」

 

やだ、私絶対今顔を真っ赤にしてる…どうしよう…こんな顔、彼に見られたくないよぉ…///

 

――――――――Side Out―――――――――

 

急に奇声?を上げたナツメさんにビックリしつつもとりあえず一度本部に戻ることにしました

 

その際、カリンが「またか…」と言っていましたが…なぜ?

 

サヤ姉を見ても「うふふ、若いっていいわねぇ♪」としか言ってくれませんし…

 

オウカはオウカで「羨ましいです…私もマスターといつか…///」と赤い顔で俯いていました

 

まぁ仕方ありません…まずは本部にナツメさんを送り届けないといけませんね…

 

 

…-To Be Continued-

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。