成人して社会に出た時、俺は俺の高校生活をどう思うだろう。
懐かしむのか、頭を抱えるのか。はたまたそれらを通り越してただただ呆れるのか。
それでも最後は決まってふっと微笑むのだろう。
何故なら俺達の高校生活は------最高だったから。
そんな俺達の、最低で下らない、しかし最高に楽しい一時がここにある。
「ってな感じでどう?」
「まあ合っているっちゃ合っているんだけど…この話とは合わないような書き出しだよね」
「やっぱりそう思うか…」
ここは明久の幼馴染みである、俺------神谷伊織の自宅の一室。
俺達はとある事情により、小説を書くことになったのだが…書き出しで早くも迷走していた。
「因みに明久はどんなのを作ってきたんだ?」
「僕?僕はね…」
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
そういって僕たちの前に現れた女子。実はその娘は…
「アウトだ、バカ久」
「なんで伊織までそのあだ名で呼ぶの!?本当に止めて!」
「ハ○ヒパクってきたお前が悪いんだろうが!」
「何が悪いの?名作中の名作じゃん」
キレていいよね?
「だから余計タチ悪いんだ、ボケ!こんなもん谷川さんに訴えられて終わりだろ!」
「仕方ないなぁ…。じゃあ第2案見る?」
「…じゃあ見せてもらおうか」
ある晴れた日のこと。
「あーヒマ。超ヒマ。ヒマが売れたら一稼ぎできそうだな」
僕は何をするわけでもなく川辺に寝そべっていた。
「って、今度は問題児たち○異世界から来るそうですよ?のパクりかよ!パクり無しじゃ書けないのかお前は!」
というか角川好きだな、おい!
「失礼な!そう思って後はオリジナルだよ。文句なら読み終わってから言って」
「…嫌な予感しかしないが、一応読んでやる」
「よし、売りに行こう。最近はヒマが高く売れるからね。この近くだと卯月デパートのが近いか。さて、幾らで売れるかな~」
そういって僕は歩き出した。
…いま思えばここが人生の分かれ目だったのかもしれない。
これはヒマを巡る争いに巻き込まれた僕たちの、友情あり、恋愛あり、そして裏切りや暴力ありの物語である。
「まさかの原作改変かよ!そんなこと起きてないだろ!というかヒマって売買出来るんだ!」
「まったく…いいかい、伊織」
?なんだろう?
「あるか、ないかじゃない。やるか、やらないかだ」
「だからといってこんなこと起こすなよ!それにお題は俺達の日常だろうが。そこ忘れんな」
「やっちゃったze☆」
「やっちゃったぜ、じゃねえよ!」
「…とは言ってもさ」
「ん?なんだ?」
「小説書くのって難しいんだね」
「まあそうだな。プロローグで、その作品の印象が決まるといっても過言じゃないしな」
「もうかける気がしなくなってきたよ…」
「ただ、書かなきゃ始まらない」
「でも他に書くことないし…」
参ったな…。いい案も無いし…。
…ん?
「…これをプロローグにしちゃうか?」
「それだ!」
これでいいんだ…。
「てなわけで!」
「「『バカと混沌と下らない日常』をどうぞ!」」