機竜使いの異世界訪問記 作:水や氷系統が好きな人
ルクスが千冬を倒したということは入学式があったその日の内に学園中に知れ渡ることとなり、ルクスはこの一週間様々な目線を送られながらも、無事にIS学園での生活に適応し始めていた。そして、入学式からちょうど一週間たったこの日の放課後、第三アリーナはIS学園のほぼ全ての生徒や教師まで集まったことにより満員御礼の状態となっていた。
決闘の組合わせは
第一回戦
ルクス・アーカディア/織斑一夏
第二回戦
セシリア・オルコット/フィルフィ・アイングラム
第三回戦
セシリア・オルコット/織斑一夏
第四回戦
セシリア・オルコット/ルクス・アーカディア
と千冬によって決められた。
この組合わせが発表された時誰よりも反応したのは、やはりというかセシリアだった。それもそうだろう、セシリアだけは、休みがない中での三連戦という組合わせだったのだから。
もちろんセシリアは千冬に無謀ともいえる抗議を行った。
だが…
「安心しろ、オルコット。今のお前の実力やその女だから強いとかいう思考から抜け出せない限り、ほとんどまともにISを動かしたことのない織斑はともかく、アイングラムやアーカディアにはどんな組合わせに変えても絶対に勝てん。私が保証しよう」
と千冬に一蹴された。
さて、俺がこのIS学園に入学して一週間たったこの日、俺には今までの人生で最大の困難にぶつかってしまうことになった。
というのも、俺と部屋が同じ部屋になっていた箒から、俺はISについて教えてもらう約束をしていたのだが、この一週間でやったことと言えば、剣道の稽古ぐらいなものである。
そんな俺が、今俺の体をおおっている真っ白な機体、俺の専用IS『白式』を纏って戦う最初の相手が、まさかのまさか、世界最強の無敗のIS操縦者である千冬姉を倒したというルクスが相手なのだ。
俺、なんか変なことしたか?
「一夏、気分は悪くないか?」
俺の前には千冬姉、箒、そして山田先生が立っていて、俺の初めての『白式』の装着を見守っている。
ISを纏っていると普段は知覚することのできないことまで分かる。今は、いつもと同じ態度に見える千冬姉の、微妙な声の震えまで知覚できる。
「ああ、大丈夫、行ける」
「そうか」
この学校に入学してからずっと教師として俺に接してきた千冬姉だが、どうやらこの時ばかりはそうではないようだ。今、この瞬間は俺も、織斑先生ではなく千冬姉として接していいようだ。
「一夏、アーカディアにはどうあがいたところで稼働時間が0に等しいお前が勝てることはないだろう」
「ああ、そうだよな…」
「だがな、一夏。試合の中でアーカディアの動きを、目の動きをよく観察しておけ、必ずそれはお前の為になる。オルコットとの試合に本気で勝ちたいのなら、この試合、決して無駄にするな」
「助言、ありがとな。千冬姉」
俺は千冬姉にそう言うと、さっきからずっと何か言いたげな箒に声をかけた。
「箒」
「な、なんだ?」
「行ってくるぜ」
「あ… ああ、勝ってこい」
こいつ、いくらなんでも無茶苦茶すぎるだろ!
そうして、俺は今現在進行形で俺の体に合わせて
そして一夏達がいた反対側では…
「ルーちゃん、頑張ってね」
「うん、頑張ってくるね。フィーちゃん」
フィルフィからの応援を受けてルクスが決闘に向かおうとしていた。
が…
「いやー、あつあつだね。お二人さん」
「Yes.これは皆さんに報告する義務があると判断します」
「ちょっ!?やめてよ二人とも!」
予告通り一週間たった今日、再びこの世界にやって来た三和音のティルファー、ノクトの二人にルクスは弄ばれていた。
「ルクス君安心したまえ。すでに、向こうに帰ったときには、アイリ嬢達からのルクス君への尋問は確定事項となっているのだから」
「なんでですかっ!」
「ルクス君、それは今日の試合が終わってからのお楽しみだよ。さぁ、もう向こうは準備が出来たようだ。ルクス君も行ってきたまえ」
「なんか都合よくかわされたんだけど!?」
シャリスの言葉につられてルクスがアリーナ・ステージに目を向けると、ちょうど一夏が飛び立っていたところだった。
何だかんだでフィルフィと、賑やかな三人組に送り出されたルクスは、ついに腰に付けている白と黒の2本の剣のうちの白い方の剣を抜いた。
「来たれ、力の象徴たる紋章の翼竜。我が剣に従い飛翔せよ、《ワイバーン》」
次回ついに決闘開始です!