そんな折にモモンガを救ったのが、一文字50円のエフェクトで装飾されたたっち・みーであった。
たっち・みーは迫害されていた異形種プレイヤーに声をかけていき、やがて「最初の9人」というギルドを立ち上げるに至る。「最初の9人」はたっち・みーをリーダーとして異形種プレイヤーを守るために活動の場を広げていき、異形種プレイヤーがPKされた場合はPKしたプレイヤーを徹底的に調べ上げ、確実に叩き潰す「PKK」によって巨大化していった。
ある事件によってたっち・みーがリーダーの座をモモンガに譲り、ギルド名が「アインズ・ウール・ゴウン」と変わった後もギルドは強大になって行った。やがてナザリック(当時は第6層までしか無かった)を征服したメンバーは、そこを拠点にすることを決め拡張工事を行い、10層と宝物殿からなるナザリック地下大墳墓を作り上げた。
ギルドメンバーも41人に増え順風満帆に見えたアインズ・ウール・ゴウンだったが、PKなどを繰り返し「悪」として振舞ってきた恨みが積もりに積もり、とうとう8つのギルドと傭兵団で構成される1500人のプレイヤーによる一斉攻撃をナザリックに受けてしまう。
しかしアインズ・ウール・ゴウンは1500人の討伐隊を逆に殲滅してしまい、その際に奪ったものも含めて全ギルド中最多の11個のワールドアイテムを持つに至ったのだった。
これによりアインズ・ウール・ゴウンの名前は《ユグドラシル》中に知れ渡り、伝説のギルドと言われるようになった。
そんな輝かしい伝説も過去の話になり、やがてメンバーは次々とゲームを卒業。それでもゲーム以外に何も無いモモンガは決して《ユグドラシル》をやめず、一人でひっそりとモンスターを狩ってはギルドの運営資金をやりくりする毎日を送っていた。
そんな生活が何年も続き、時は2138年。とうとう《ユグドラシル》のサービス終了日。かつての栄光のおかげで何とかギルドランキングは25位を保てていたものの、呼びかけにもほとんどのプレイヤーが応えず、虚無感の中で一人寂しく《ユグドラシル》の終わりを迎えようとしていたモモンガは、ある一人のギルメンのログイン音を聞きながらサービス終了の時間を迎えたのだった。
ユグドラシル。
次世代MMORPGとして、一躍有名となり、世界中のゲーマーから愛された名作ゲームだ、
しかしそれも今は昔の話。10年を超える長寿MMORPGであるこのユグドラシルも、本日をもって終わりを迎えようとしていた。。。
トンヌラ
コレが僕のユグドラシルの名前で、職業はビーストテイマー。
昔流行ったゲームの主人公の名前をそのままパクっただけで、あまり愛着のある名前ではなかった。
ただなんとなく、お客さんから紹介されて始めたから自分も始めただけであり、お付き合い程度にやればいいかぐらいの気持ちで始めた。
「ほぉー、、、」
ログインの第一声は歓声だった。
大気汚染により荒廃した世の中、花などの植物がその辺に当たり前に生えていないのはもちろんのこと、満足に野菜や果物を口にすることも少なく、よくわからない固形植物や、味を真似てみましたーといった食べ物が主流の世の中で育った僕にとって、目の前に広がる広大な自然は見るだけで癒された。
「ほらほら、これからレベル上げするんだから、早く来なよ」
と、お得意先の専務(といっても父親が代表というだけで肩書きだけの暇人専務)がイソイソと場所の移動の為にグループ申請をしてきた。
「いや、なんなんだよその名前(笑)」
「いやー、変に名前こだわっちゃうと、おかしな名前って周りに思われた時に逆に恥ずかしいから、最初っから脈絡のない名前にしたんですよねー」
「まぁ、呼びやすくはあるから、いいけども、、(笑」
なんだかんだで、専務とは仲が良かった。最初はお付き合い程度にと思っていたが、年が近いことと、お互い独身ということで、幸いにも時間も金にも余裕がある方だった。
「ちなみに専務、僕完全に足手まといなんですが構わないんですか?」
「まぁ構わないよ、どーせ暇だしね、ていうかそろそろ専務じゃなくて、名前で呼んでもらえるかな?」
「ああ、すいません」
「弐式炎雷さん」
これが弐式炎雷さんとの初めてのユグドラシルプレイだった。
彼はハーフゴーレムを選択しており、ぱっと見唯の敵キャラかと思うような外見で、背中に大きな大剣、両腰に短剣を装備した忍者の様な格好を好んでいた。
本人曰く、
「忍者って、何か良いよね」
と、謎のこだわりがあり、忍者や侍などの昔の日本人の【ワビ・サビ】が大好きな人だった。
レベルはすでに70で、自分のこだわりを詰め込んだんだろうなーといった感じだった。
自分はというと、何となくではあるもの悪魔を選択しており、
初期の外見は唯のバイ○ンマンだった。
いや課金させて外見変えさせようという運営の気持ちはわかる。うん、わかるけどもこれは無いな。
と思いつつ、変えるのも面倒くさい為にとりあえずこれでレベル上げに勤しんだ。
やり始めると楽しくなってきたため、データクリスタルと大量の課金により、外見、見た目を弄る事にした。
ちなみにレベルは30を超えた辺りで、種族スキルばかり覚えていて、やっとテイマースキルを覚えた所である。
「弐式さーん、外見弄りたいんですが、そんな技術も情熱もないんですが、どうすればいいですか?」
とりあえず専務に頼ってみることにした。
「あぁ、それならウチのギルドメンバーに相談してみるよ。丁度君も異業種だし、良くしてくれるんじゃないかなぁ」
僕は専務の所属するギルドに行くことになった。
ということで、まだまだモモンガには出会う前の話からのお話になります。
これからちまちま更新致しますのでヨロシクお願い致します。