セカイにヘイワはおとずれなぁあい!! 作:ガジガジムシ
「あ、と言ってもマンドラゴラを戦闘に出すわけじゃないですよ。どうせ直ぐに粉砕されるでしょうし」
「私が言いたいのはですね、マンドラゴラを餌にしようって事なんですよ!!」
そこまで言われて、俺も理解をする。魔王が一体、何を言いたいのか。つまりは……
「バグ技だな、魔王」
「その通りです!! 流石破壊神様、こーりゃくうぃきをよくご覧になっているようですね」
バグ技。ゲームを組み立てるには、幾つかのプログラムが同時起動される。その際、同じコードが繰り返されたり、使用出来ないコードが使われたりすればコンピューターは理解が出来なくなり、そこだけのプログラムが壊れてしまう。これがバグと呼ばれるものだ。
そのバグは基本的には開発者使用者共に害を為す。ゲームが進行しなくなったり、攻撃力アップが攻撃力2に固定になったり。イライラのタネでしかない。
「まあそれが、時に最強の矛となり得るんだがな」
例えばトカゲおとこの卵バグ。トカゲおとこの産む卵には、魔分が卵へと乗り移る。それは卵が孵化した後、養分となるのだが、驚きなのが産卵後の親トカゲの"魔分は減らない"という事だ。
つまり、魔分90のトカゲが2つ卵を生み落とせば、ダンジョン内には養分90のトカゲが2体産まれる。総養分量が一気に180も増えるのだ。コレを何時間と繰り返せば、養分量が相当なものになるのは間違いない。
そして、マンドラゴラを利用したバグ技とは……
「ワンダーバグを使用して魔分量数値オーバーのマジゴラを量産する、という事で良いんだな?」
「その通りです!! コレならば安定して総養魔分、漂う養魔分の永久機関が作れます!!」
今のがわからなかった奴に説明をしよう。
ワンダーバグとは、しかばねの近くにワンダーツルハシで建てたフラッグを設置し、その際にエメレントをしかばねに取り込ませるというもの。普段ならばエメレントはそこでしかばねに吸収されて消滅するが、この時だけは別で、魔分だけがしかばねに移動し、エメレントはそのまま残り続ける。さらに言うならば、魔分もエメレントに残り続ける。コレを利用すれば、魔分数値オーバーのしかばねが作成可能という訳だ。
そしてそこからマジカルマンドラゴラが生まれる。コイツはマンドラゴラ同様、魔分が余っていると木の実を落とし、種を増やす。だがこの木の実はとてつもなく栄養満点であるため、他の魔物に食べられてしまう。つまり、魔分たっぷりである。コレを間引けばかなりの魔分が得られる事だろう。
更に言うならば、マジゴラは自分に最低限の魔分が残るまで木の実を落とし続ける。数値オーバーとなれば、かなりの量を、だ。しかも連続で。
こんな事を数千人分のしかばね全部にやれば、魔分がどれだけ集まるのだろうか。いや、結果は目に見えて分かるだろう。恐らく、今までの何十、何百倍のスピードで魔分が増え続ける。魔王軍の魔物は、飢えを知る事にはならない、それどころかジャンジャン繁殖する事となるだろう。
全く、バグ技とは時に、正攻法などに全く魅力を感じなくなる程に、危険である。