とある科学の元魔術師   作:珠風船

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 すいませんタイトルちょっと変化させます。今更ですけどサイドいらないなと思いました。ほんと今更です。自分は何を思ってサイドつけたんでしょう。ほんとすいません。以後、「とある科学の元魔術師」で行きます。

 あとオリキャラでまーす。


第10曲:そんなことはありえない!

 常盤台中学のシャワールーム、帰様の浴院にて

 

 常盤台中学は学園都市では言わずと知れたお嬢様学校。当然の如くシャワールームが完備されており生徒が自由に使って良いという待遇。さすがは強能力者(レベル3)未満ならば王族の入学さえも拒むエリート校である。現在も多数の生徒の生徒がシャワーを浴びている。

 

「え?黒子のとこまで音響いてたの?」

 

「ものすごい音でしたもの。みんな驚いて授業が止まってしまいましたわ。それに、」

 

 シャワーを浴びながら会話をしているのは先程、身体検査(システムスキャン)を終わらせて来た美琴と彼女の後輩でルームメイトの白井黒子だ。

 

 約半年ほど前まで小学生であり、まだまだ未熟な風紀委員(ジャッジメント)だった白井も今では常盤台中学生。常盤台中学に入ってからメキメキと実力を上げた彼女は今では常盤台に47人しかいない大能力者(レベル4)空間移動(テレポーター)だ。

 

「それに?」

 

「お姉さまの今日のパンツがうさぎさんパンツだと全校放送で、」

 

「え゛。な、何でよ!?」

 

「第五位の心理掌握(メンタルアウト)が念話を使って常盤台生全員に、」

 

「な、な、しょ、食蜂操祈ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

「お、落ち着いてくださいお姉さま!ここで能力をお使いになられたら私達全員感電して、冗談抜きで黒焦げですの!!」

 

 怒りで暴走しかけている美琴を落ち着かせようと、慌てて白井は空間移動(テレポート)を使用して美琴のシャワースペースへ入り込む。しかし、

 

「あんたは何どさくさに紛れて私の胸さわってんのよ!!」

 

「ごふぉっ。しょ、傷心していらっしゃるお姉さまを慰めようとしただけですわよ。ぐへへ、お姉さまの美しい裸体がいま黒子の目の前に、」

 

 初撃で見事なボディブローが白井のみぞおちに突き刺る。が、それでも白井が諦めることはない。全ては愛しのお姉さまのため。だが、そんな事をしているうちに、白井はシャワースペースから回し蹴りで叩き出された。

 

 半年ほど前までは純粋な少女だった白井は今や変態へと昇華していた。白井は美琴に恋をしてしまったことにより、少女から変態へと彼女はクラスチェンジを果たしたのだ。

 

「消えろ変態!…………ああ、だからみんな私をチラチラ見てたのか」

 

 ここに来る途中で、何人かの生徒とすれ違った美琴は不自然な視線を感じていたもののスルーしていた。というのも超能力者(レベル5)である美琴は視線を向けられることが半ば日常となっていたので大して気にしていなかった。その結果がこれである。

 

「てか、何でアイツが私の今日のパンツ知ってんの!?」

 

「さ、さあ。そこまではわかりませんの」

 

 白井の言葉を聞いて思案する美琴。そしてある結論にたどり着いた。

 

「食蜂がミラから聞き出したと考えると辻褄が合うわね。ミラの色彩調節(コーディネーター)透視能力(クレアボイアンス)と同じような透視ができるし、ミラは天然だし、食蜂のやつは腹黒だし。…………何やってんのよ、ミラぁ」

 

 美琴は一人で考え込んで納得していたと思ったら、勝手に崩れ落ちてしまった。両手を床につけた、所謂四つん這い。ガーンやズーン、という擬音語がこれでもかというぐらい似合っている。

 

 ちなみにすでに美琴も白井もシャワーは浴び終わり、着替えの真っ最中。美琴の手には件のうさぎさんパンツが握られていた。

 

(お、お姉さまが変ですの。いつもなら「真っ黒焦げにしてやる!」とでも言うはずなのに。第五位に対しては普通です。で、ですが、ミラジェーンさんへの対応がおかしすぎるますの。お姉さまは基本的にやられたらやり返すはずなのに。

 

 ……ハッ、まさか!)

 

 白井は内心でかなりの焦りを覚えていた。しかし、美琴の性格をよく知る者ならば、確かに違和感を覚えても焦りはしない。

 だが、変態白井の脳内では思考の果てに変態ならではの答えにたどり着いていた。

 

 

 

 白井の脳内にて

 

 とある部屋。その部屋のベットに美琴がミラを押し倒し、その上から覆い被さる。

 

「だ、ダメよ、美琴。そんなとこ触っちゃ。やだっ、脱がさないで、」

 

「いいじゃない。ほら、こんなに綺麗なんだから。ねえ、ミラも私を見て?私とってもドキドキしてるの。触って確かめてみて」

 

「うん、すごい、ドキドキしてる……」

 

「ほら、こっち向いてミラ」

 

「……うん、」

 

 美琴がそう言うと二人は顔を近づけていく。そして、

 

 

 

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ、お、おお、お、お姉さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!」

 

「く、黒子!?いきなりどうしたの!?」

 

 妄想の果てに白井は首を絞められた鶏のような悲鳴をあげながら、頭をガンガンと床に打ち付け始めた。

 

 今のは美琴ラブの白井にはあまりにもショックが大きかったが、もちろん白井の勝手な妄想である。ミラと美琴はいかがわしい関係なんて一切ない。

 

 そして、白井は恋する変態の地獄無限頭突きを停止させると、ゾンビのごとく目をギラつかせて美琴を問いただす。

 

「ミ、ミラってお姉さまがいつもおっしゃている第八位、色彩調節(コーディネーター)のミラジェーンさんですの!?」

 

「う、うん、そうよ。通称常盤台の姫のミラだけど」

 

 白井のあまりにも強い迫力に押されてタジタジになる美琴。若干を通り越してかなり引いていた。なぜなら美琴には白井の様子が急変した理由を知らないからだ。

 

(て、敵がまさかあの常盤台の姫とは……。こんなところに敵がいたとは、黒子一生の不覚ですの!

 

 で、ですが、もしも、たとえ、仮に、万が一、……ミラジェーンさんとお姉さまが逢瀬を重ねるあ、間柄だったとしても、……お、お姉さまの露払いを名乗る黒子には先に確かめておくことが、)

 

 白井はかなりの動揺を抑えて頭をフル回転させて、なんとか思考力を働かせて美琴に問う。少しずつではあるものの冷静になってきているようだった。

 

「あ、あの、お姉さまの交友関係に口を出すのは忍びないのですが、だ、大丈夫なのでしょうか?」

 

「大丈夫って何が?」

 

「その、ミラジェーンさんは例の食蜂操祈やその派閥のメンバーとも仲がよろしいとお聞きします。お、お姉さまを陥れようとするために、お姉さまに近づいたのではないのですか?今回の事だって、」

 

「今のがミラに対しての侮辱だったとしたら、黒子!いくらあんたでもそれ以上言うならその口、二度と開かないようにしてやる。断言するけどミラが私を裏切るなんて、そんなことはありえない!」

 

 今の白井の言葉は美琴にとってはタブーであり、白井の言葉を遮って美琴が怒りをあらわにする。美琴の頭上ではバチバチと音を立てて電気が漏れ出している。まさしく白井は美琴の地雷を素足で踏みつけてしまった。

 

 ミラと美琴はお互い超能力者(レベル5)という稀有な立場でもあり、そのことで孤立しがちだった美琴の隣にはミラがいた。今でこそ白井のような者も現れたが、ミラはずっと美琴のある種の心の支えのようになっていたのだ。

 

「っも、申し訳ありません。出過ぎた真似を、してしまいました……」

 

(お、お姉さまはそこまでミラジェーンさんの事を愛してらっしゃいますのね……。全校生徒に自分のパンツをばらされるという羞恥にさらされる一因となってもなお、ミラジェーンさんはお姉さまからの信頼を損なうことがないなんて。私とはどれだけ差があるのでしょうか……)

 

 白井がそう考えるうちに、だんだんと彼女の目尻には涙が溜まってきた。白井は内心でミラに対してかなりの嫉妬をしており、悔しさのあまり耐え切れずに堰を切ったかのように涙が流れてきてしまう。

 

「えぐっ、ひっぐ」

 

「ちょっと、な、泣かないでよ黒子。ごめん、ごめんね。

 

 けど、ミラは絶対に私を裏切ったりなんかしない。それだけは確かなのよ。でもね、心配してくれてありがとう」

 

 そう言いながら美琴は白井の頭を撫でる。それは優しく、優しく、ただ優しく。白井の涙は一瞬で止まっていた。そしてその顔はだんだんとにやけていく。

 

(黒子は私の事を心配をしてくれたのに。私ったらダメな先輩ね、まったく。でもミラを馬鹿にしたのは許せなかったし……)

 

 白井の頭を優しく撫でながら美琴はかなり反省していた。さすがに大人気なく怒りすぎたという自覚があったようだ。しかし、美琴にもミラの事に関しては譲れなかった。彼女にとってはなんとも複雑な問題である。

 

 そして美琴に優しく頭を撫でられた、お姉さまラブの白井が調子に乗らないはずがなく、

 

「お、お、お姉さまぁぁぁぁ!!」

 

「すぐに飛びついてくんな変態!」

 

「げふぅぅ、あぁ、お姉さまからの愛のムチ!」

 

 今度は背負投が炸裂。だが白井はその程度で挫けることはなく、悪い方向でポジティブだ。雑草のようにすぐに復活していた。そんな美琴からの愛(美琴にそんなつもりはない)を受け止める白井には先程のことなど、すでに頭の片隅に追いやられている。

 

「てか、黒子。そんなにミラのことが気になるなら本人に会ってみる?」

 

「ぐへへへ、…………へっ。よっ、よろしいのですか?」

 

 美琴からのまさかの誘いに動揺する白井であった。まさか会う手はずを整えてくれるなんて思っていなかったのだろう。

 

「うん。ミラなら悪い顔するはずがないし、むしろ喜ぶわよ。それに今日の放課後はあんたの後輩と会う約束してたじゃない。ついでに、って言うと変になるけど会ってみる?」

 

「お、お願いしますわ、お姉さま!」

 

(こ、これで見極めてやりますの。ミラジェーンさんがお姉さまに相応しいかどうかを!も、もしも宜しくないようであれば、……たとえお姉さまに嫌われようとこの黒子がっ!!)

 

 白井はそんな決意をするものの、それは完璧に無駄となることを彼女はまだ知らない。なぜならミラと美琴は白井の考えているような関係でないからだ。それに白井はミラがどんな人物であるかを知らなかった。

 

 

 そして、その後も懲りずに美琴に飛びついた白井は、今度こそ電撃によって制裁されたとかされなかったとか。

 

 

 

  ◆

 

 

 

 柵川中学の正門前にて

 

 

 柵川中学は第七学区に存在する男女共学の中学校だ。特にこれといった個性はない、ごくごく普通の中学校である。

 

 そんな柵川中学に在学しているのは初春飾利。去年の冬に自分たちを助けてくれた少年に風紀委員(ジャッジメント)に必ずなる、と啖呵をきった彼女も今年の春に行われた試験に合格。晴れて目標であった風紀委員(ジャッジメント)になることができた。

 

 彼女は何故か頭には花瓶を乗せたかのような大量の造花が乗ったカチューシャをしている。理由は不明だが花がどんどん増えていくようだ。

 

 そんな彼女は校門の前で待ち合わせの真っ最中である。

 

 

「うーいーはーーるっーーーん!!」

 

 初春の後ろから近づいていた長い黒髪に白い花の髪飾りを着けた少女は、突然初春のスカートをめくった。現在は下校時刻の真っ只中であり、周囲には男子生徒もいるのだがスカートをめくった少女はそんなことなどお構いなしだ。

 

「キャァァァ!さ、佐天さん!いきなり何するんですか!?」

 

「おお、今日は淡いピンクの水玉か~。いやー初春がちゃんとパンツ履いてるのか心配になっちゃって」

 

「余計なお世話ですっ!いつもいつも佐天さんは私のスカートを、」

 

 スカートをめくったのは初春の同級生で友人でもある佐天涙子。

 

 佐天にとってはこのスカートめくりはもはや挨拶がわりにもなっており、半ば日常ともなってる。やられる初春からしてみれば迷惑極まりないのだがやる方はそんなことなど知ったことではない。

 

 そんな感じでじゃれあっている佐天と初春の元へもう一人、彼女らの待ち人がやって来た。

 

「まったく、お前たちは何をしているんだ」

 

「あ、千歳さん。こんにちはー」

 

「聞いてください、千歳さん!佐天さんがまた私のスカートを!」

 

 一人の少年が頭に手を当ててため息を吐きながら初春たちに声をかける。

 

 二人の元へ来たのはやって来たのは茶髪の少年、枝先千歳(えださきちとせ)。千歳は柵川中学の二年生だ。彼は風紀委員(ジャッジメント)の一員であり、日々学園都市の治安向上を目指して尽力している。ちなみに彼が風紀委員(ジャッジメント)になったのは初春と同じ時期、つまり初春とは同期だ。

 

「勘違いしないでくださいよ千歳さん。スキンシップですよ、スキンシップ。」

 

「だ、そうだが初春?公然わいせつの現行犯で佐天を逮捕するか?」

 

 顎に手を当ててなんとも面白そうに千歳は初春に問いかける。千歳は他人をおちょくることが大好きな陽気な性格であった。

 

 そんな千歳に便乗するかたちで初春が反撃に出る。

 

「そうですね、佐天さんなんて知りません。一回でいいから逮捕されてください。千歳さん、お願いします」

 

「了解した、さあ、佐天。今から風紀委員(ジャッジメント)の支部へエスコートしてあげよう。そこでゆっくり、たっぷり、こってり話を聞くとしようか。はっはっは、安心するといい、手荒なことはしないでおいてやるからな」

 

「ひ、ひどいなー、初春も千歳さんも。冗談はそのぐらいにしてくださいよ。

 

 そういやどうだった初春、身体検査(システムスキャン)は?」

 

 このあたりで分が悪くなったのを感じたのか佐天は急遽話題を変える。さすがの佐天も冗談半分で行っているスカートめくりで逮捕されてはたまったものではない。とはいっても皆、このやり取り自体が、皆冗談半分である。

 

「なんだ、冗談か。せっかく佐天で遊ぼうと、げふんげふん。佐天を弄んでやろうと思ってたのに」

 

 約一名は本気にしていたようだ。千歳はいつの間にやら持っていた手錠を、なんとも残念そうにポケットに押し込んでいた。他の二人はその様子を見ていたが、こんなことはしょっちゅうあるのでスルーして話を続ける。

 

「全然ダメでした。相変わらずの低能力者(レベル1)定温保存(サーマルハンド)のままです。小学校の時からずっと変わらないんですよ。担当の先生からは『お前の頭の花は見せかけか。その花の満開パワーで能力値でも咲き誇れ!』って言われましたよ」

 

 初春の定温保存(サーマルハンド)は物質が持つ温度を一定に保つ能力なのだが、物質そのものに触れなければならないので、熱すぎる物や冷たすぎる物には能力を使えない。よってぬるいものをぬるいままにするぐらいしかできないのだ。

 

「なんだか猛烈にその担当に会ってみたいんだけど。千歳さんはどうだったんですか?」

 

「俺か?俺の方は特に変化はないな。強いて言えばほんの少しだが能力の精度が上がったくらいか。とはいっても誤差の範囲だろうがな」

 

「羨ましいな~、千歳さんの能力。強能力者(レベル3)反響定位(エコーロケーション)。うちの学校じゃトップクラスの能力じゃないですか。あたしなんて無能力者(レベル0)ですよ」

 

「反響定位《エコーロケーション》があってできることなんて、自分が発した超音波の反響を聞き分けて位置を知るぐらいさ。コウモリやクジラみたいにな。

 

 ……それにな、能力なんて無い方がずっといい。持ってても厄介事しか運んでこないからな」

 

 千歳は頭に手を当てて自嘲するような笑い方をする。自嘲するのに加えてかなり嫌そうだ。彼がこういう顔をするのはよくあった。それは決まって能力に関する時である。

 

「・・・たとえそうだったとしても私は能力は欲しかったかな」

 

 佐天は悲痛そうな声を出して千歳の声に答える。佐天は自分が無能力者(レベル0)だということにコンプレックスを持っていた。だが、学園都市にいる学生の約六割は無能力者(レベル0)。それでも学園都市にいる以上、異能な能力には憧れがあるものだ。

 

「佐天さん、」

 

「でもまあ、そう思ってたこともあったんだけどさ、今は毎日が楽しいからそれでOKなんだよ!」

 

 そう明るく言う佐天を見て、先ほどの辛そうな顔から普段の陽気な感じに戻った千歳は彼女の頭を軽く叩く。それは彼女を励ますようであり、その様子を見ている初春はうんうんと頷いている。

 

「わっ、何するんですか千歳さん」

 

「はっはっは、佐天は佐天だと思っただけさ。うんうん、お兄さんは安心したよ。なあ、初春?」

 

「そうですね、佐天さんは佐天さんです」

 

「むぅー、なんなんですか。それってなんとなく私のことを馬鹿にしてますよね。まあ、それはそうと初春。今日って風紀委員(ジャッジメント)の仕事だっけ?」

 

「いいえ。今日は非番なんですけど、白井さんのおかげで念願叶って御坂さんに会わせてもらうことになったんですよ!学園都市に8人しかいない超能力者(レベル5)で常盤台のエース、超電磁砲(レールガン)の御坂美琴さんです!」

 

 初春は自慢するように胸を張って答える。人口230万人がいる中での八人しかいない超能力者(レベル5)に会えるとなればテンションが上がるものだ。有名歌手に出会えた時のように。だが、

 

「常盤台の超能力者(レベル5)ねえ。どーせ、高位の能力を使って他人を見下すいけ好かない奴じゃないの?」

 

「そ、そんなことは、」

 

「それにそういう人って見下すだけじゃ飽き足らず人を小馬鹿にするじゃない。むかつくんだよね、そういうの。しかも常盤台のお嬢様ってどんな冗談よ」

 

 佐天は心底嫌そうに答えた。高位の能力者が低レベルの者を見下すことは確かにある。佐天は美琴のことをそういう輩の一部だと思っているようだが、初春は違っていた。

 

「いいじゃないですか、お嬢様!それに常盤台には他にも姫や女王って呼ばれてる人がいるとかで。あぁ、一度でいいから会ってみたいなぁ」

 

「それただ単にお嬢様に憧れてるだけじゃないの?

 

 あれ、千歳さんどうかしたんですか?」

 

 普段ならば会話の輪に入ってくる千歳が何故か黙ったままだったのに佐天は違和感を感じて彼に問う。顎に手を当てて何かを考え込むような彼の顔はなんとも複雑そうな顔だった。

 

「うん?ああ、少しぼーっとしてたな。……超電磁砲(レールガン)……ねえ」

 

「?、千歳さんは御坂さんのこと知ってるんですか?」

 

「いいや、どっちでもないな。知ってるし、知らない。初春、今日はこれで帰らせてもらおうか。始末書が残ってたからな。それじゃあ素晴らしい放課後を」

 

 なんとも曖昧な答え方をした千歳は二人に背を向け、二人に手をひらひら振りながらさっさと帰ろうとした。が、初春が彼の腕を掴んだことで彼の動きは止まってしまう。

 

「ダメですよ!始末書は昨日終わったって言ってたじゃないですか!見え見えの嘘つかないでください!

 

 白井さんにもう行くって言ったじゃないですか。あ、そうだ佐天さんも行きましょうよ。」

 

「えぇ、私?私はいいから千歳さんと行ってきなよ」

 

「ちっ、こうなったら佐天も道連れだ。初春、佐天を連れて行くなら俺も行くとしよう。俺を連れて行きたければ、……言わんとすることはわかるよな」

 

 嘘を見抜かれて逃走不可能なのを悟った千歳は、せめて佐天も巻き込もうとする。佐天は美琴のことを高慢ちきのお嬢様だと思っているため、ついて行くことには難色を示しているものの、

 

「それじゃあ、決定ですね。行きましょうか、佐天さん。無駄な抵抗はしないでくださいね」

 

「ちょ、ま、まだ私行くって言ってな、」

 

「諦めるといい。さあて、行くとしようか。果たして鬼が出るか、蛇が出るか、それとも、……はっはっはっ」

 

 そう言って千歳と初春は佐天を強引に捕まえて歩き出した。先程までは嫌そうだった千歳はすでに諦めたようで、一切の抵抗を見せてはいない。そしていつものような不敵な笑みを浮かべる。なんとも面白そうに、興味深そうに、そしてなにより、楽しそうに。

 

 

 

   ◆

 

 

 

 

 常盤台中学のとある教室にて

 

 

「みっーさっーきっー、うさぎさんパンツのことがどういうことか説明してくれる?」

 

「げっ、も、もうバレた?」

 

「美琴から直接聞いたわよ。なんでも念話で学校中に美琴のパンツを放送したとか。そんなつもりで教えたんじゃないんだけどなー。操祈からは美琴にお近づきになりたいって聞いた気がするんだけどさ。仲の悪い二人を少しでも仲良くできればよかった思ったからわざわざ能力まで使ったんだけど。…………どういうことなの?騙されちゃった私が悪いのかしら?」

 

「あ、アハハ~♡あ、あれは私なりの御坂さんに対するコミュニケーション力なのよぉ。だから、ね?そんなに怒っちゃダメだゾ☆」

 

「ふーん、なるほど。ねぇ操祈。こんな言葉知ってる?」

 

「な、何かしらぁ?」

 

「目には目を、歯には歯を、パンツにはパンツを、よ」

 

 パチン

 

「最後の違くないかしらぁ、……えっ、ちょ、ちょっと待って。ミ、ミラ本気?冗談よねぇ?冗談だって言ってぇ!!」

 

「大マジよ」

 

「い、イヤァァァァァァァァァァァァァ」

 

 

 とりあえずお仕置きはパンツを全校生徒にばらされた美琴と同等かそれ以上の酷さだったとか。ミラを怒らせてはいけない。それを知っていても悪戯をしてしまう食蜂である。




超電磁砲一話が終わらない。次回で終わるかも正直怪しい気がしますがお付き合いください。いらないと思うシーンでも書きたくなっちゃうんです。

 ブラインドタッチの練習頑張ろう。ストーリーはできてても文章にするのに時間が取られてしまうんです。とりあえず夏休み中には出来たらいいな。
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