2週間以上おまたせしてすいません。
スマホ買ったり、大学の授業忙しかったりで大変でした。(ホントはレベル5の過去話を書いてたら、「別に今じゃなくてよくね?」と自己完結し、急遽こっちを投稿することにしました。そっちの話はだいぶ完成しているので、そのうち一気に投稿する予定です)
次回で原作入りする予定でしたが、今回が予想の3倍ぐらい長くなり、原作入りは次の次を予定しています。
P.S.あとがきにお知らせを書いたので時間があれば見てください。
では、どうぞ~( ´ ▽ ` )
第5話:5年前夏,御坂美琴っていうの
原作開始5年前夏、御坂美琴っていうの
とある病院の廊下にて
「いやー、ミラちゃんかなり体が動かせるようになってきたわね。よく頑張ってるわ」
「そうは言ってもまだまだうまく動かせないんですけどね。義手はうまく使えないし、足もうまく動かないし」
話をしているのは桐船梓とミラジェーン=ヴィクトリア。体がうまく動かないミラは桐船に車椅子を押してもらっているのだ。二人が会話をしている横では車椅子がカラカラと音を立てている。
リハビリ開始から1週間。ミラのリハビリは順調に進んでいる。義手も完成し今ではずっとつけているがミラにとっては順調に進んでいるとは思えていなかったようだ。
「だからって、焦っちゃダメよ。焦ったっていいことないんだから。まったく、そんなに焦るんだったら、魔術っていうのを使えばいいでしょーが」
「それは無理です。私はもう、こっち側の人間ですから」
結局、彼女は魔術サイドとの決別をするために魔術を使わなかった。ミラはあえて科学の力で作られた義手をつけることで魔術と決別しようとしたのだ。
彼女の意思は硬かった。覚悟を決めた人間とは、総じて強いものである。
「ミラちゃんって、案外頑固よね。そのおかげであの子を、口説き落とせたわけだけどさ。まったく、どうやったんだか」
今から一週間前、あの電話の次の日
桐船は同居人である
だが桐船が起きた頃には何故か二人は仲良くなっていた。桐船には一切心を開かなかった
「梓さんが言うほど、悪い子じゃなかったですよ。ただ、ちょっぴり寂しがり屋さんだったんです」
「あれを寂しがり屋というのか、この子は。でも感謝してるわ。ありがとう、あの子の友達になってくれて」
「ふふ、ここはどういたしまして、と言っておきましょうか?」
「調子に乗るなよ~」と桐船はミラの髪の毛をグシャグシャにする。
実際、桐船は
「さてと、着いたわよ。それじゃあ、これから楽しいドライブと行きましょうか」
二人が目指していたのは駐車場。ドライブとは言ってもリハビリ施設へ向かうだけだ。もちろん今いる病院にも施設はあるが、「気分転換に外行く?」と言う桐船の一言で外出が決まった。もちろん
「私、病院の外に出るのはこの街に来て初めてです! 早く行きましょう!」
「そう焦りなさんなって。それじゃあ、しゅっぱーつ!!」
ミラをあっという間に車椅子から車に移動させると桐船は車を動かした。彼女らの目的地は桐船の友人が務める施設だ。
◆
車内にて
「うん? ミラちゃん?」
「どうしたんです?」
「さっき外に出るの初めてって言ったわよね? どうやって病院の前にたどり着いたの?」
「……どうやってでしょう?」
「覚えてないの? 確か、ミラちゃんが最後に覚えてるのは外壁のあたりよね。
「どうでしょう。世の中って不思議なことがあるんですね」
「ほんとよね。あ、見えてきた。えっと、名前なんだっけ。ああっ、そうそう、金崎大学附属筋ジストロフィー研究センターよ」
◆
「お~い、桔梗。ちょっと遅れちゃった?」
「まあ、気にするほどじゃないけどね。その子がミラちゃんね。
はじめまして、私は芳川桔梗。この施設で働いてるの」
そう言って簡単な自己紹介をしたのは、明らかに研究者です、というような格好した女性だ。夏だというのに白衣を着ており、美人なのに素材をダメにした感じがする。
「はじめまして、ミラジェーン=ヴィクトリアです。今日はよろしくお願いします」
「どう、桔梗? 可愛いでしょ。ミラちゃん、この人は昔からの友達でね。今回はその好で施設を使わせてもらうことになったのよ」
そう言ってドヤ顔をした桐船は芳川にミラのことを自慢をする。一方でそれを聞いた芳川は頭に手を当てて対応する。
「梓がドヤ顔することじゃないけどね。昨日、急に連絡入れてきたと思ったら施設貸せって。こっちの予定も考えて欲しいわ」
「す、すいません。私のせいで……」
初対面の芳川に迷惑をかけてしまったと思い謝るミラは車椅子に座っていてもしっかり頭を下げてる。そんなミラを見て、吉川は関心するとともに自分の友人をちらりと見た。
「あなたが気にすることじゃないわ。問題なのはこのバカよ」
そう言って吉川は桐船をしっかり見るが、本人はどこ吹く風。すでに会話の内容なんて頭に入っていないようで、手をパタパタさせてぼーっとしていた。
「早く中に入りましょうよ。早く冷房にあたりたいわ」
「ったく、あんたは外で待ってなさい。この子は私が連れてく。そんなに涼しくなりたいなら下敷き貸してあげるわ」
そう言って、芳川は懐から下敷きを取り出した。芳川はすでにミラのことが気に入ったようでミラだけを連れて施設に入っていく。が、それを見て桐船は黙っていない。
「ちょっ、下敷きって。せめてうちわに、……嘘です、嘘です。私が悪かったって。ごめんなさい桔梗様。私が悪かったってちょっとぐらい思ってるから。……無視しないでぇぇぇぇぇ!!」
こうして三人は施設に入っていく。ミラは知らないことだが、これが芳川と桐船のコミュニケーションの取り方だったりする。冷静な芳川と天然の桐船。なぜだか昔から二人の息はよく合っていた。
◆
「はあはあ、」
「はい、お疲れ様。タオル使って。ちょっと休憩しましょうか。まだ続けたい、なんて言わないように」
リハビリを開始して、もう1時間が経過した。その間に芳川はすでに別の仕事に行っていた。リハビリを開始してからミラはずっとリハビリを続けていたのは理由が有り、もともと積極的に取り組んでいたのだが今日はいつも以上に気合が入っていた。
なぜなら、今日は周りにライバルがいる。この研究所で治療を受けている筋ジストロフィーの患者たちだ。病気でない自分が彼らに負けるわけには行かないといつもよりハードに取り組んでいたわけだ。
「はーい」
ミラは不満気味だったが、桐船の言うことをしっかり聞いている。いつもはどうしようもない桐船だが、仕事はちゃんとやるのである。
そして、ミラは桐船に車椅子に乗せてもらってリハビリ室から退出していく。そうして二人がやってきたのはベンチや自動販売機がある、所謂休憩用のスペース。休憩がてらに一服しようというのだ。
「ミラちゃん何飲む? 私がおごってあげるわ」
「うーん、お任せします」
そう言って、ミラは桐船に選んでもらう。しかし、ミラは認識が甘かった。ここは学園都市だ。自販機にはゲテモノやら企業の試供品など、かなり危ないものが含まれている。加えて言うなら、選ぶのは桐船だ。ミラの舌に合うのか、かなり微妙なところだ。
「そっか。どれがいいかな? これか、いいや、こっちのほうがおもしろいか?」
完全にミラを嵌める気でいる桐船はミラに何を飲ませてやろうか迷っている。だがミラは全然気がついていなかった。二人がそんな感じでいると芳川がやってきた。
「梓、ちょっと来てくれる?」
「桔梗、ちょっと待ってね」
ゴトンという音を出して自販機が缶を吐き出す。それを見て桐船は一瞬ではあったが唇が弧を描いていた。そして、それをミラに渡すと桐船は芳川について行く。
「ごめんね、ミラちゃん。ちょっと行ってくるわ。」
「いってらっしゃい」
そう言ってミラは手を振りながら桐船と芳川を見送る。そして、彼女の手の中にある缶には、
「いちご……おでん?」
かなりのゲテモノだった。とてもではないが運動後に飲むようなものじゃない。さらに飲み物かどうかも怪しいところで、どちらかというと食べ物だ。
(……これ飲み物? いや、食べ物なの? おでんって言うからには食べ物よね。でも、いちごにおでん。いちご風味のおでん? おでん風味のいちご? ……なんで運動のあとにホット? あれ、梓さんに遊ばれてる?)
自問自答を繰り返すうち、湧いてきたのは桐船に対する不満。しかしミラは食べ物を粗末にすることはない。心を開いていない時でさえ、『いただきます』と『ごちそうさま』を言っていた彼女だ。いちごおでんであっても、もちろん食べようとする。
だが、ここからミラジェーン=ヴィクトリアといちごおでんの戦いが始まった。
まず、ミラは右手で蓋を開けようとする。しかし、右手は義手であり、まだ使いこなせていないのだ。深爪をした時、プルタブを開けにくくなるようにうまく缶を開けることができない。
ここで、普通の人なら左手で開けようとするだろう。だが、ミラに桐船が言った言葉が重くのしかかる。
「日常生活でも、出来るだけ右手を使うように」
これはミラを義手に慣れさせるためだが、今回は裏目に出た。もともとリハビリには積極的なミラ。よって左手を使おうとしない。その結果、
カチンカチンカチ、
「あ……開かない」
それは当然の結果だ。ミラの顔は呆然としてしまっていた。だがミラはそれでも必死になって右手でいちごおでんを開けようとするが、あまりにも熱中しすぎた。
「あっ」
手が滑ってしまったことで缶がコロコロと音を立てて転がっていく。ミラは繊細な作業はできなくとも、車椅子を移動させることはできるため、いちごおでんを追って移動する。すると、ミラの耳に話し声が聞こえてきた。
「……は電気信号によって筋肉に伝えられる。もし仮に、生体電気を操る方法があれば、通常の神経ルートを使わずに筋肉を動かせるはず。
君の
「あれ?」
話していたのはミラと同年代の茶髪の女の子と白衣を着た男。
女の子の方がミラが落としてしまったいちごおでんに気がつきミラにいちごおでんを拾って走って持ってきてくれる。
「はい、これあなたのでしょ!」
「うん、ありがとう。ごめんね。お話の途中だったのに」
「大丈夫よ。ねえ、あなたも筋ジストロフィーの病気なの?」
女の子は心配したようにミラに聞いてくる。少女はミラの事をこの施設にいるのだから筋ジストロフィーだと思ったのだろう。
「ううん、私はこの施設を借りているだけなの。あっ、自己紹介がまだだったね。私はミラジェーン=ヴィクトリア。ミラって呼んで。」
「うん。私は御坂美琴っていうの。美琴って呼んでね」
同年代ということもあり二人はもう仲良くなり始めている。ミラが学園都市に来てから同年代の子と会ったのは、美琴でまだ二人目だ。もちろん一人目は桐船の家の同居人。
ミラはもっと美琴と話したかったが、美琴にはもともと話をしていた人物がいる。
「ゴホン。仲良く話しているところすまないが、私の話はまだ終わっていなくてね」
わざとらしく咳をしたのは、先ほど美琴と話していた白衣を着た男。会話が途切れたことで、明らかに不機嫌になっていた。美琴には悟らせないようにはしているが、ミラに対しては不機嫌さを隠そうともしていなかった。
「すいません、私が邪魔しちゃったから……」
そういったのはミラ。第三者から見たら、どっちが大人かわからなくなる。しかしミラの謝罪などまるでなかったかのように男は言葉を続ける。
「それでだね、御坂さん。筋ジストロフィーの治療のために君のDNAマップを提きょ、」
男の言葉はまた遮られることになる。奇しくも先ほどと、同じタイミングでだ。
「ミラちゃーん。ごめんね。ちょっと待たせちゃった?」
やってきたのは芳川との会話を終わらせてきた桐船。会話を終わらせてから、急いできたのか走っていた。その際に桐船はにゴスロリの少女とすれ違う。だが桐船は全然気がついていなかった。しかしゴスロリの少女は桐船をじっと見ていた。
そしてまたも会話を遮られた男の機嫌は最悪となり、やってきた邪魔者を咎めようとする。だが、
「いい加減にしてもら、」
桐船の顔を見た途端男の顔から血の気が消える。もはや顔は真っ青だった。
「き、桐船梓!? な、なぜお前がここにいる!?」
男は親の敵を見るかのような目で桐船を見ているのだが、一方の桐船は心当たりがないのかキョトンとしている。その間お子様二人は桐船たちのやり取りを疑問に思いながら聞いてた。
「えーと、どちら様で?」
「はっ。す、すまないね、御坂さん。き、急用を思い出したので、こ、これで失礼させてもらうよ。先ほどの話は前向きに考えて欲しい」
あまりの男の動揺で三人が若干引いている間に男はどこかへ行ってしまった。その一連の動作を見て、あっけにとられた三人は完全にフリーズしている。そんな空気の中、話し始めたのは桐船のことを知らない美琴だった。
「えっと、あなたは?」
その言葉で美琴に気づいた桐船は、美琴に飛びつく。
「きゃー! 何この子。めっちゃ可愛い。ミラちゃん、いつの間にこんな可愛い子とお近づきになったのよ!」
美琴の質問なんてもう頭になく桐船は一人で騒いでいる。頭を撫でたり抱っこしたりと。そのテンションはミラの時と通ずるものがあり桐船はかなり楽しそうだ。
「えっ、えっ?」
桐船のテンションについていけない美琴はパニックになっているが、ここで桐船の扱いに手馴れたミラが美琴を救出する。
「この人は桐船梓さんって言って、今日は私の付き添いで来てもらってるのよ。梓さん、この子はさっき知り合った子で美琴って言うの」
テンションが上がった時の桐船の対処法は、無視するのが一番だと既にミラは学んでいた。桐船のテンションが元に戻ると、ミラは美琴に問う。
「それよりさっきの人は誰なの、美琴?」
「えっと、この研究所の人だって。筋ジストロフィーの治療のために、私のDNAマップが必要だった……のかな?」
「……DNAマップ? 美琴ちゃんって能力者なの?」
「うん! まだ
「
「「?」」
そう言いながら桐船は、自分の世界に入ってしまった。彼女には先ほどの会話がどこか腑に落ちないようだ。桐船が悩んでいるのを見て、ミラと美琴は桐船の様子に疑問を抱きながらも、自分たちの会話を進めていく。
「DNAって遺伝子のことよね。ところで、
「ミラ知らないの? ちょっと見てて!」
そう言って美琴は全身に力を入れる。そんな美琴をミラは不思議そうな顔で見ていた。そうこうしているうちに美琴の顔は真っ赤になってくる。
「?」
「うーーん、ぬ~~~~……、えいっ!」
バチンッ!
機械がショートした時のような音を立てて、美琴の顔の前で火花が飛び散る。これが美琴の能力。
「すごいわね! これが美琴の能力なんだ」
「ふっふっふ~、すごいでしょー。もしかしてミラって、超能力見たの初めて?」
「ううん、美琴で二人目。ちなみに初めて見たのは
「えっ、
「?」
ミラが見た能力というのはもちろん桐船の同居人の能力。ミラは学園都市に来て日が浅い上に、もともと科学サイドのことには疎い。能力者たちのレベルに対する価値観を持っていないのだ。ミラには美琴が不機嫌になる理由がわからなかった。
「二人共、仲良く話してるところ悪いんだけど、ミラちゃんはそろそろ休憩は終わりでいいかしら?」
ここでシンキングタイムから帰ってきた桐船が二人に声をかける。ミラが休憩に入ってから、すでにかなりの時間が経っていた。
「そっか。ミラ、リハビリ頑張ってね」
「うん、ありがとう美琴」
「美琴ちゃん、さっきのDNAマップの話なんだけど、しっかり考えてから行動するように。それとこれ、どうぞ」
「?」
「それは私の携帯電話の番号よ。ミラちゃんとお話したくなったら、その番号にかけてちょうだい」
それを聞いてミラと美琴の顔がパッと明るくなる。ミラも美琴もこれから連絡が取り合えるようになったことが嬉しかったようだ。
「ありがとうございます!」「ありがとう、梓さん!」
「それじゃあ、リハビリ頑張ろうか!」
「またね、ミラ」「またね、美琴」
◆
「それじゃあ、リハビリ頑張ろうか」
「あっ、梓さん。これどうぞ」
「なにこれ……いちごおでん?」
「さっきいろいろあって飲めなかったのでどうぞ。梓さんが買ったんですから好きなんですよね?」
「……ハイ」
(し、失敗した!)
こんな感じでどうでしょう?
~お知らせ~
1、一話と二話をくっつけました。前々から考えていたんですが、やるなら早いのほうがいいかな、と思いくっつけました。既に読んで頂いた方はすいません
2、タイトルつけることにしました。どうしようか迷い、結局話の中の会話文の一つをタイトルにする、というどうしようもないアイデアですが。
3、原作入ると同時にタイトル変えようと企んでます。タイトル変わった?と思っても読んでいただければ幸いです。
長くなってしまってすみません。
では、ありがとうございました